SUPER FORMULA 2022 Round6
SUPER FORMULA第6戦富士 プレビュー
早くもシーズン後半戦。新たな勝者誕生は?
シーズン前半の最後となったスポーツランドSUGOでの戦いからおよそ1ヶ月。早くもシーズン後半戦へと突入する全日本スーパーフォーミュラ選手権。その舞台となるのは、静岡・富士スピードウェイとなる。今季2大会目を迎える富士では、新たなウィナーが誕生するのか、それともさらに勝ち星を計上するドライバーが現れるのか。夏本番の一戦に期待が高まる。
■予選のアタック合戦から注目
今シーズンのスーパーフォーミュラのポイントとして挙げられるのは、ディフェンディングチャンピオンNo.1 野尻智紀(TEAM MUGEN)の予選アタック。昨シーズンはタイトル獲得のために何が必要か、を体現するかのようなレース戦略、そして自らの研鑽に勤しみ、強さをアピールするパフォーマンスを披露した。そしてチャンピオンとして臨む今シーズンは、まず予選で圧巻の速さをライバル勢に見せつけている。前半戦の5戦を終えた時点で野尻が手にしたポールポジションは4回。第2戦から続くポールポジション獲得により、シリーズポイントへは12点を計上。スーパーフォーミュラでは決勝で3位に入賞すると12点が与えられるため、まるで野尻だけが1戦多くレースをして表彰台に立ったかのような感じとなる。とはいえ、その野尻とて自身が望むパーフェクトウィン_つまりポール・トゥ・ウィンは第2戦の一度だけ。ポイントランカーとしては堂々のトップ独走中という立場ではあるが、後半戦のスタートにおいてまたポール・トゥ・ウィンを狙ってくるのは言うまでもないだろう。理想的な予選でのアタックが行える分、今後は決勝での圧倒的な強さを追求してくるはずだ。
一方で予選を巡る攻防戦を見た場合、野尻を除き、トップ3に名を刻むドライバーにはばらつきがある。この背景には一体何があるのか。まず今シーズンからのフォーマットの変更に着目したい。いわゆる”ノックアウト”方式で進む予選だが、昨シーズンまではそのステップが3段階あり、ドライバーはQ1、Q2と”ふるい”にかけられ、最終的に8名のドライバーがQ3でタイムを競った。だが、今シーズンはQ3を撤廃し、Q2でポールポジションを競うことに。Q1を2つのグループに分け、各グループから上位6名がQ2に駒を進める。つまり、Q2には計12名のドライバーが出走するため、前年のQ3よりも4名多い状態でアタックすることが求められる。わずかなコンディションの変化にもシビアに対応しなければならないフォーミュラでのアタックにつき、ドライバーとしてはより精度の高いクルマを手にすることが”マストアイテム”になる。つまり、臨機応変にその要望に応えられるかは、チーム力にもかかっているというわけだ。もちろん、最終的に好タイムを刻むのはドライバーの腕次第。だが、そのベースとなるクルマを準備し、的確なタイミングでコースへと送り出すのはチームとしての仕事。この両方がしっかりと噛み合ってこそ手にできるのがポールポジションであるため、現在、予選では最強の野尻を越えるドライバーが出てくるかどうか、その点に注目して予選を堪能してもらいたい。加えて、前半戦ではQ1突破に苦戦していたドライバーたちがシーズン2度目の富士に向けてどのような攻略を見せるのか、その”進化”も気になるところだ。
■新たなウィナーの誕生は?
ポイントランキングでダントツの独走態勢を築く野尻だが、一方でレースでの優勝は第2戦のみ。表彰台を逃したのは第4戦オートポリスだけということを考えると、レースでの強さにも安定感があるといえるが、ディフェンディングチャンピオンとしては、やはり”勝ってなんぼ”の気持ちが大きいはず。ましてや、これまでの5戦中4度のポールスタートを切っているからこそ、余計その思いはあるだろう。そこは、野尻の快進撃を支えるチームのバックアップもさることながら、各陣営も”ストップ・ザ・野尻”とばかりの包囲網で善戦しているだけに、シーズン後半戦も新たなウィナー誕生の可能性も大いにあるのではないか。スタートダッシュと勝負強さが印象的なNo.20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)はじめ、着実にステップアップしているNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)や、アグレッシブな速さが結果に繋がり始めたNo. 4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)といった実力派若手ドライバーの台頭、そして勝負師の強みを持つNo.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、No.50 松下信治(B-MAX Racing Team)らの躍進にも期待がかかる。いずれにせよ、真夏のタブな戦いをクレバーに勝ち上がるために、全ドライバーが万全の体制で臨む今大会からは目が離せない。
■主なタイムスケジュール
・7月16日(土)
10:15 – 11:45 フリー走行
13:00 – 13:40 ピットウォーク
15:10 – 公式予選(ノックアウト方式)
15:10 – 15:20 Q1(A組→上位6台がQ2へ)
15:25 – 15:35 Q1(B組→上位6台がQ2へ)
15:45 – 15:52 Q2
・7月17日(日)
09:00 – 09:30 フリー走行
11:05 – 11:45 ピットウォーク
13:35 – 14:30 スタート進行
14:30 – 決勝(41Laps)