SUPER FORMULA 2022 Round3 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMULA 2022 Round3

2022年4月25日

スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿、松下信治が鮮やかな大逆転で自身初優勝!


4月24日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝日を迎えた三重・鈴鹿サーキットは朝から雨模様。午後からの決勝を前にしても一向にやまぬ雨の中、31周の戦いが幕を切り、予選9番手からスタートしたNo.50 松下信治(B-MAX Racing Team)が大逆転を決めて自身初優勝を達成した。
 

予選日から一転した天候。朝のフリー走行2回目は完全フルウェットでのセッションが30分に渡って行われる。シーズン初のウェットレースを控え、各車ともタイヤやセットアップの確認を繰り返し行い、午後からの決戦に供えた。
 

迎えた決勝は午後2時30分に号砲。直前に設けられた8分間のウォームアップ走行でも水煙を上げてクルマが周回。一方で、午前中は強く吹いていた風がピタリと止んだものの、決勝前には再び雨脚が強まった。この状況に、フォーメーションラップによるレーススタートになるのでは、という懸念もあったが従来のスタンディングスタートにて戦いが始まると、まずポールポジションのNo. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)がホールショットを決める。これに予選2番手のNo. 3 山下健太(KONDO RACING)が続いたが、予選3番手だったNo. 4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)はスタートの加速で出遅れ、後続に飲み込まれる。変わって3番手には予選5番手だったNo.5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が浮上した。
 

その牧野は、2番手山下を早速プッシュ。逆に山下はタイヤのコントロールが難しく、ペースが思うように上がらずにトップ野尻の独走を許してしまう。さらに7周目には牧野に、そして9周目にはオープニングラップで予選9番手から5番手まで大きくポジションアップに成功していた松下にも先行され、厳しい状況に。苦しい状況に追いやられた山下は11周を終えて緊急ピットイン。タイヤ交換を敢行した。ところが、そのピット作業でフロントタイヤのナットが転がり、大きくタイムロスと引き起こす。一方、同じ周にNo.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)、No.14 大嶋和也(docomo business ROOKIE)もピットイン。坪井のピットでもまたナットのトラブルが発生し、大きくポジションを下げることになった。
 

レースは折返しを過ぎてなお、トップ野尻が快走を見せ、2番手牧野に対して6秒強のマージンを築き上げる。逆に牧野は背後に迫る松下との攻防戦を強いられ厳しい状態。序盤にペースを押さえてタイヤをいたわってきた松下は俄然ペースを上げ、牧野を攻略。長きにわたりプレッシャーをかけ続ける。その状況を見てか、野尻は一旦ペースを緩めたのかと思いきや、タイヤのグレーニングが出ており2位争いとの差が徐々に縮まる。
 

2位争いが動いたのは、27周目のシケイン。松下がバックストレートを経て牧野を完全に射程にとらえるとシケイン飛び込みのアウトから攻略。ついに2番手に浮上した。この勢いでペースアップした松下はヘアピンのレイトブレーキで差を詰め、あっという間にトップ野尻に急接近。さらに29周目にはスプーンカーブ立ち上がりで野尻の背後へと迫る。そして迎えた30周目の1コーナー、松下がアウト側から一気に野尻をオーバーテイク。大胆なアプローチでついにトップを奪取する。オーバーテイクシステムが残っていた野尻だが、すでにタイヤには余力がなく、これ以上の応戦は難しい様子だった。
 

結果、みるみるうちに野尻を引き離した松下が5秒以上の差をつけ、トップチェッカー! 待望の自身スーパーフォーミュラ初優勝となる。またチームにとってもうれしい初勝利となった。野尻は2位ながら予選のポールポジションと合わせてまたも高得点を獲得。ランキング争いではダントツのトップをキープしている。3位に続いたのは牧野。一時は優勝も見えていただけに悔しさが募る結果だった。
 

4月に2大会3レースを終えたスーパーフォーミュラ。第3戦は九州・オートポリスへと舞台を移しての戦いとなる。富士、鈴鹿とはまた大きくキャラクターが異なるコースでの予選アタック、そして決勝での好バトルに期待が募る。
 

第3戦鈴鹿サーキット・決勝結果 トップ3

1.No.50 松下信治(B-MAX Racing Team)1:01’18.681 31Laps
2.No. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)+5.053
3.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+8.113



2022年4月21日

SUPER FORMULA 第3戦鈴鹿 プレビュー


SF、早くもシーズン3戦目が鈴鹿で開催
 

今週末、全日本スーパーフォーミュラ選手権のシーズン3戦目が三重・鈴鹿サーキットで開催を迎える。富士での開幕大会での2戦から、わずか2週間。ドライバーはじめチームはその間に、岡山国際サーキットでのSUPER GT開幕戦でもレースをしており、その勢いに乗ったまま迎える一戦でもある。ベテラン、若手が思い思いに活躍を見せた開幕大会に続き、今大会もダイナミックなレース展開に期待が集まる。
 

異なるフォーマットへの素早い対応が求められる

今シーズンから全7大会10戦というレースフォーマットで戦うことになったスーパーフォーミュラ。その開幕ラウンドでは、土曜日、日曜日の各日に予選と決勝が実施され、文字通り短期決戦の戦いを繰り広げた。限られたスケジュールの中でクルマのセットアップから決戦を迎える中、チームとしての総合力はじめ、ドライバーの調整力が問われることとなり、真の実力が顕著に出るイベントだったと言えるだろう。レースの内容も見どころ多く、これぞシングルシーターの醍醐味、と思わせるものだった。
 

次なる舞台となる鈴鹿は、恒例の2&4レース。オートバイレースとの併催のため、土曜日に予選、日曜に決勝を行う従来のスタイルで実施される。現時点では週末の天気も安定しているようで、現地に足を運ぶファンにとってはうれしい限り。加えて、今年生誕60周年を迎えた鈴鹿サーキットでは、期間中、これを記念した様々なイベント用意しているという。
 

レース自体は、土曜、日曜の両日とも午前中にフリー走行が設けられていることから、各チームとも予選、レースに向けての下準備に充てる時間は確保できる。その中で今回の大会では、前大会から持ち越した3セットのタイヤ(新品、ユーズド含め)に加え、新たに供給される新品のスリックタイヤが3セット用意される。コンディションがドライの場合、まず、土曜日のフリー走行でほとんどのドライバーはアタックシミュレーションとして新品タイヤを装着し、走行するはず。そのときのベストタイムが予選に向けての指標となるだろう。
 

なお、予選フォーマットは、今シーズンもノックアウト方式が採用されているが、これまでのようなQ1、Q2、Q3という”三段階方式”から、Q2までの”二段階”にリニューアル。Q1をつまり、最終アタックとなるQ2には計12台が出走する。一方、これまでのフォーマットであれば、Q2からQ3に進めるのはわずか8台。今年は4台増えた形でポールポジションを争うことになるため、コース上の混雑は今まで以上となる。これまでのアタック方式に慣れ親しんできたベテランドライバーにとっては、アプローチの仕方に変更に順応する必要があり、新たな戦略にいち早く対応しなければならないだろう。とはいえ、全大会ですでに2戦予選を経験しただけに、もう合わせ込みの心配もないはず。アタックラップに向けてのコースインのタイミングはじめ、コース上のライバルとの”位置取り”など、アタックのために最高の状況を作り出すコツも見えてきたのではないだろうか。もちろん、ドライバー自身が最高のアタックに集中するためにも、チームが一丸となって、アタック中の”環境つくり”をフォローすることも重要なポイントとなるだろう。
 

ルーキードライバーの躍進続くか!?


開幕戦で目を見張ったひとつに、ルーキーチーム&ドライバーの躍進がある。TEAM GOHは今シーズンからシリーズ参戦を果たすチームであり、またドライバーふたり_佐藤蓮および三宅淳詞は今シーズンからフル参戦を果たすルーキーでもある。新規チームとはいえ、中のスタッフおよび指揮官たちは数多くのレースを戦ってきた百戦錬磨の強者が揃う。ふたりのルーキーを擁し、彼らが伸び伸びと戦える環境を与え、素質を伸ばすべくアドバイスしているという感じだ。今大会の鈴鹿は、ドライバーふたりにとって馴染みあるサーキットだけに、富士大会に続き、速さを遺憾なく発揮する可能性も高い。ベテラン勢に物怖じすることのないパフォーマンスにも注目したい。
 

一方、キャリア豊富なドライバーの面目躍如も待たれるところ。チャンピオン経験あるNo.64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は、昨シーズンのチーム移籍後、なかなか思うようなパフォーマンスを見せることができていない。長いトンネルを抜け出すような力走が待たれるところだ。逆に昨シーズンのディフェンディングチャンピオンであるNo. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)は、さらなる高みを求めて強さを見せ続けている。自身に足りないものを補う形からレースを組み立てていくような、そんな粘りを武器に完成度の高い戦いを開幕戦で見せていたのが印象的だった。このほかのベテラン勢も、富士では試合巧者の戦いを見せただけに、今回の鈴鹿でも新旧ドライバーが入り乱れての攻防戦が見られるかもしれない。
 

■主なタイムスケジュール


4月23日(土)第1戦
09:50 – 11:20 フリー走行
12:50 – 13:30 ピットウォーク
15:10 – 公式予選(ノックアウト方式)
15:10 – 15:20 Q1(A組→上位6台がQ2へ)
15:25 – 15:35 Q1(B組→上位6台がQ2へ)
15:45 – 15:52 Q2
 

4月24日(日)第2戦
08:45 – 09:15 フリー走行
11:25 – 12:10 ピットウォーク
13:42 – 14:30 スタート進行
14:30 –  決勝(31Laps)





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