SUPER FORMULA 2022 Round7
SUPER FORMULA第7・8戦もてぎ プレビュー
開幕戦以来となる連戦! シーズン終盤戦は真夏のもてぎで!
4月上旬に開幕した今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権。8月中旬に早くも終盤戦を迎えることになる。この戦いを終えると、9月はレース開催がなく、残すは10月末の最終戦になることから各チーム、ドライバーにとって大きな意味合いを持つ大会となる。しかも、土曜、日曜にそれぞれ予選と決勝を行うワンデーレースだけに、適合力が問われる戦いになりそうだ。
”モビリティリゾートもてぎ”初のSF戦
ツインリンクもてぎから、モビリティリゾートもてぎでへと名称を変えて、初のスーパーフォーミュラ開催となる今大会。レースフォーマットは開催戦富士大会以来となる2レースが実施される。つまり、土曜、日曜にそれぞれ予選と決勝を行うタイトなスケジュールでの戦いだけに、短期間決戦はシーズンの天王山とも言えるタフな展開になりそうだ。
夏休み真っ盛りのレースファンにとっては、存分に堪能できるレースウィークになるだろうが、戦うチームとドライバーにとっては慌ただしいこと極まりない。前大会の富士では、セーフティカーが2度コースインし、レース展開が思わぬ形へシフト。それぞれ描いていたシナリオが大きく狂う波瀾万丈のストーリーが生まれた。まさにレースは”生き物”とも言わんばかりのものであったが、その中で要求される適応力がこのハードなチャンピオンシップを制するためにも必要不可欠であることを証明した一戦でもあったのではないだろうか。
さまざまな点をしっかりと考慮し、準備を進めてサーキット入りする各陣営。まずは持ち込みのセッティングが今大会のコンディションにしっかり見合うかどうか、その見極めを行うのがフリー走行に該当する。なお、今大会は1日1レースのフォーマットにて実施されるため、両日とも午前中のフリー走行枠は設けてない。これに変わり、金曜日の午後1時40分から1時間半の専有走行があり、そこで連戦に向けての準備を行うことになる。夏場は路気温の上昇をしっかり把握し、セットアップを進めなければタイヤへの負荷が大きくなるため、決勝に向けてのロングランチェックも必須。そのためにも、走り出しから好感触のセットを手に入れる必要があるだろう。予選に向けてのセットアップ、さらに決勝用のセッティングとやるべきメニューが山積だ。刻一刻と変化するコンディションにうまく合わせるための”懐の深さ”と”引き出しの数”を確保したいところだ。
場合によってはチャンプ決定!?
早くもシーズン後半から終盤に入る今大会では、シリーズチャンピオン争いにも大きな流れが生まれる可能性がある。というのも、開幕戦から順調に好成績を残し、全てのレースで高得点を計上しているドライバーが存在するからだ。それがディフェンディングチャンピオンの野尻智紀であり、現在、2位の平川亮に対して29点という大差をつけてランキングトップを”独走中”でもある。野尻の真骨頂は予選でトップ3につける確率の高さ。これまで全6戦中4度ポールポジションを獲り、それだけでも12点を計上。表彰台を逃したのはたった1戦にとどまり、それでも4位でチェッカーを受けている。これまでの獲得ポイントを見れば、厳しい展開になろうともその中で最善の戦いをしていることは明白。強さと速さを兼ね備えたドライバーが、”落とさない”戦いを繰り広げる姿は、王者になるためのレースに臨む姿でもあるのだ。
一方、その野尻の背中を追う平川は、アップダウンの激しい結果を残しつつもランキング2位で奮闘する。今シーズンは、WEC(世界耐久選手権)でトヨタのワークスドライバーのシートを得て海外参戦も行う多忙な身。スケジュールの調整はもちろんのことコロナ下での海外渡航は体調管理も含めて心身ともにタフな環境に違いないが、不屈の精神で頑張っている様子が見てとれる。ドライバーとして一皮も二皮も剥けて成長真っ只中の平川だけに、終盤戦の追い上げにも期待が持てる。逆境に挑む底力に注目したい。
また、”伸び盛り”という言葉がピッタリはまるのは、サッシャ・フェネストラズではないだろうか。昨シーズンはコロナ禍で来日が遅々として叶わず、シーズン終盤だけの挑戦に止まった。その悔しさをバネに今シーズンは伸び伸びと戦いを見せている。だが、そのアグレッシブさが災いしてか、レースでもアクシデントに見舞われがち。必ずしもドライバーだけに”ムラっ気”があるのではなく、レースの展開においていい流れを味方につけられないことがあるというものなのだが、そこはレースにおける”強さ”が備わってくれば克服する日も近いはず。成長過程の今、この終盤戦でどこまで”化ける”のか、これも見どころの一つと言えよう。ちょうど先週末は韓国で開催されていたフォーミュラEに参戦。テストドライバーとしてチームに帯同していた矢先、急遽白羽の矢が立ったのだが、世界の大舞台でデビューを果たした伸び盛りドライバーは、もてぎでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみだ。
もてぎのコースはストップ&ゴーのユニークなコース。抜きどころもあまりなく、勝負をかけるには当然のことながら予選の好位置が必要。それだけに、1大会2レースの決戦はまずノックアウト予選が大きな意味を持つ。今回は両日共に朝のタイムアタックから目が離せない。
■主なタイムスケジュール
・8月20日(土)第7戦
09:05 – 公式予選(ノックアウト方式)
09:05 – 09:15 Q1(A組→上位6台がQ2へ)
09:20 – 09:30 Q1(B組→上位6台がQ2へ)
09:40 – 09:47 Q2
13:40 – 14:30 スタート進行
14:30 – 決勝(37Laps)
・8月21日(日)第8戦
09:15 – 公式予選(ノックアウト方式)
09:15 – 09:25 Q1(A組→上位6台がQ2へ)
09:30 – 09:40 Q1(B組→上位6台がQ2へ)
09:50 – 09:57 Q2
13:40 – 14:30 スタート進行
14:30 – 決勝(37Laps)