SUPER GT 2021 Round.7 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2021 Round.7

2021年11月9日

第7戦もてぎ、No. 8 ARTA NSX-GTが劇的展開の末に連覇達成!


11月7日、栃木・ツインリンクもてぎでSUPER GT第7戦決勝レースが行われ、小春日和の中、63周に渡る戦いを繰り広げた。レースは予選4番手スタートのNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)がトップを快走していたが、ファイナルラップで失速。予選3番手だったNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)が波乱のレースを制した。8号車にとっては前戦オートポリスに次ぐ連勝となった。
 

予選、決勝と連日好天気に恵まれたもてぎ。ポカポカ陽気の日差しが照り、決勝中は気温18-20度、路面温度においては25-30度の中で推移し、晩秋のもてぎ戦としては、例年とは異なるコンディションでの戦いとなった。
 

午後1時からの決戦を前に行われたウォームアップ走行では、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)がGT300車両に折衝され、リヤカウルを大破。これを受け、コースではフルコースイエロー(FCY)が導入された。一方、17号車はピットにクルマを戻して慌ただしく修復作業を開始。黒いカーボンむき出しの状態ながら、無事にスタートグリッドにつけてスタートを迎えた。
 

フォーメーションラップ後、まずホールショットを決めたのはポールポジションのNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)。ところが同じフロントロウのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組)はタイヤのウォームアップに苦戦、ポジションを落としてしまう。代わって2番手に上がったのは予選4番手スタートの12号車。次々と前方の車両を抜き去り、19号車を追い立てた。レースは10周を過ぎると、コース上はGT300クラスと入り乱れての大渋滞。その中で接触事故が発生し、早速にフルコースイエロー(FCY)が発動される。幸い、2分ほどでFCY下での80km/h定速走行が解除されるも、5周もしないうちにGT300同士の接触によって2度目のFCY発動となった。これにより、今度はGT500クラスのトップ争いが激化。結果、21周目に12号車が19号車を逆転してトップを奪取する。その12号車は23周終わりでピットイン。ルーティン作業を終えたがこれに後続の5台も追随し、ピットが騒がしくなる。また、2番手の19号車もその翌周にピットへ。これに2台が続き、最終的には31周終了時点でコース上の全クラスがピットインを済ませることとなった。
 

レースは後半戦に入り、トップは12号車と変わらず。これに次ぐ8号車が一時は4秒ほどあった差を徐々に削り取り、また、ポールポジションだった19号車は3番手からトップ2台を猛追し、巻き返しを目指した。だが、終盤に入るとトップ2台と19号車の差が開き始め、ひとり旅状態に。逆に12号車と8号車は1秒を切る僅差でのバトルが始まる。さらにその後方では、17号車が怒涛の追い上げ。1台、また1台と抜きどころが限られるもてぎであるにも関わらず、力強い走りでNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)、さらにはNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)を逆転。ウォームアップでのトラブルの影響をまったく感じさせない走りで4位まで大きくポジションを引き上げた。
 

一方、残り周回数が10周弱となった時点からコンマ数秒の攻防戦となっていたトップ2台だが、8号車はここ一番の攻めどころがなく12号車の巧みな防戦に翻弄されていた。そしてファイナルラップが迫る中、12号車がファイナルラップに入ったのだが……。いきなりスピードを失うような形での走行となり、3コーナーでは無抵抗の状態でついに8号車へとトップの座を明け渡してしまう。結果、8号車がそのまま走り抜けるように今シーズン2勝目のチェッカーを受けることとなった。なお、12号車は手負いの状態となったクルマを左右に振りながらなんとか走行を続け、最後のビクトリーコーナーを立ち上がってメインストレートまで戻ってきたが、20秒以上の差があった19号車にもフィニッシュライン手前ぎりぎりのところでかわされてしまい、かろうじて表彰台の一角は死守したものの、悔しい3位で戦いを終えている。
 

最終戦を前に、シリーズランキングトップはNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴 ※牧野は初戦欠場のため2位)と変わらず。しかし、今回12位でノーポイントに終わった一方で、勝利した8号車が8番手から一気に3番手へと浮上。5点差で最終決戦に挑む形に変わっている。またランキング4番手は17号車。8号車とは3点差と、ホンダ勢によるチャンピオン争いがいっそう熾烈になっている。
 

GT300クラスも”筋書きのないドラマ”仕立ての展開が待ち受けた。ポールスタートのNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平組)をスタート長後に交わしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)。後続との差をぐんぐんと広げる力走を披露した。一方、18号車は6周目にマシントラブルに見舞われ、コースサイドにストップ。早くも戦列を離れるというハプニングが見られた。さらに、GT500車両との接触、あるいは同クラスでの接触が立て続けに起こり、短期間の間に2度のFCYが発動されたが、2度目のFCY直前には、90度コーナーで2番手のNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)がトップ61号車を逆転。以後、GT300クラスのレースを牽引した。55号車は29周終わりでピットイン、ルーティンのドライバー交代を済ませてコース復帰を果たすと、リヤタイヤの2本交換のみでピット作業時間短縮を図った。一方の61号車は4本とも交換。コース復帰を果たすと、55号車と同じ戦略を採ったNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗組)、さらには61号車の翌周にピットインしてタイヤ無交換を敢行したNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)の先行を許すことになった。
 

レース終盤になると、55号車を先頭に21号車が背後につけていたが、34周目の5コーナーで21号車が逆転に成功。その勢いに乗って後続との差を広げにかかった。その後も2番手で追う55号車に隙を与えずトップでチェッカー。チームと川端にとっては今シーズン初勝利、そして篠原にとっては自身初のGT300クラス優勝を果たすこととなった。2位55号車に次いで3位に入ったのは、56号車。タイヤ無交換が奏功したのは言うまでもない。今大会、61号車は終盤にNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)と激戦を繰り広げ、その後、痛恨のオーバーラン。この影響でポジションを落として6位に甘んじたが、ドライバーランキングトップは変わらず。56号車が3位に入ったことから、2台の差は6点差へと縮まることになった。
 

今シーズンの最終戦の舞台は、富士スピードウェイ。11月28日に決戦の火蓋が切って落とされる。
 

第7戦ツインリンクもてぎ 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1:50’50.741 63Laps
2.No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)+18.807
3.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)+19.905
 

GT300
1.No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗組)1:51’52.316 59Laps
2.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)+1.850
3.No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)+13.059
 

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