SUPER GT 2021 Round.8 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2021 Round.8

2021年12月3日

第8戦富士、No.36 au TOM’S GR Supraが鮮やかな逆転勝利でチャンピオンに!


11月28日、静岡・富士スピードウェイにおいて2021年SUPER GTシリーズの最終戦が開催され、予選4番手からスタートを切ったNo.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組)がレース中盤を前にトップに立つとそのままチェッカー! 今シーズン初優勝を飾るとともに、タイトル争いでもランキング5位から一気にジャンプアップを果たし、関口&坪井選手にとって初となるSUPER GTチャンピオンの栄冠を手にすることとなった。
 

予選日よりも暖かな日差しに恵まれた富士スピードウェイ。午後1時の決戦を前に、気温12度、路面温度23度のコンディションとなったが、各車は寒さを感じる晩秋の天候に気を遣いながらバトルに挑んだ。2周のフォーメーションラップを終えると、まず予選3番手のNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組)をパス、さらにダンロップコーナー立ち上がりでNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) と並走に持ち込んでそのまま13コーナーへ向かうと、アウト側から逆転。オープニングラップを2位で終えた。一方、3周目にはGT500同士による接触が発生。最終コーナーで追い上げ中のNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)がNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)のインに飛び込んだことで2台は接触したが、そのとばっちりを受けたのが、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)が巻き込まれ、後続の車両にもポジション変動の影響が与えられた。
 

その中でもトップ3台_ポールポジションスタートのNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)、36号車、37号車の3台、そしてチャンピオンがかかるNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) はポジションキープで走行していたが、その中でGT300クラスの2台がダンロップコーナーで接触。車両回収が必要となり7周目からセーフティカーが導入されたが、12周終了をもってリスタートとなる。すると、1コーナーへの進入めがけ、36号車は14号車へとアプローチ、イン側に飛び込んで逆転を果たしてトップをもぎ取った。また、これに倣うかのように3番手走行中の37号車がヘアピンで進入で14号車をパス。この時点でトムスによる”ワンツー”体制が出来上がった。逃げる36号車に対し、2番手の37号車は、3番手14号車と”付かず離れず”の状態で周回。一方、4番手走行の1号車はこのオーダーでレースを終えるとタイトル確定というコンディションにつき、敢えてリスクを負わずに走行を続けている様子だった。
 

レースは周回数の3分の1を過ぎ、ルーティン作業のピットインが22周終わりから始まる。上位陣では1号車を筆頭に、タイトル争いで追随するNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)、計4台がピットイン。1号車が31.8秒という鮮やかなピット作業を果たす一方、追う側の8号車は43.3秒と大きくタイムロス。コース復帰を果たすと大きくポジションを落とすこととなり、タイトル獲得の足元が揺らいでしまう。その後、他車も続々とルーティン作業を消化。32周終わりで全車両がドライバー交代を終え、33周から改めて36号車を先頭に激しいポジション争いが始まった。
 

レース3分の2を終えた時点でトップ36号車は2位14号車に対して、およそ2秒7のマージンで周回。一方、3位37号車と4位1号車は12秒以上の差がつき、1号車の背後にはNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)が迫る。そんな中、メインストレートのデブリ(落下物)回収のため、48周走行時にフルコースイエロー(FCY)が発動されたが程なく解除。改めてレース終盤へと向かうなかで、まさかの展開が訪れる。
 

51周目、1コーナーでクラスチャンピオンをかけて激しくポジション争いを繰り広げていたGT300車両の1台がブレーキングミスでオーバーラン。その勢いであろうことか、1号車に接触してしまう。まさかのハプニングを被った1号車は右フロントを破損。走行継続が難しい状態となり、ピットのクルマを戻してしまった。ガレージの中で慌ただしく修復作業が行われ、のちにコース復帰を果たしたものの、すでに大きく周回遅れとなっており、連覇の可能性がほぼ消滅してしまう。一方、コース上では、ほぼ同じタイミングで37号車が14号車から2番手を奪取。再びトムスがワンツーを構築、この流れのままレースは終盤に向かう。
 

逃げる36号車と追う37号車にはすでに5秒以上の大差がついており、逆転には至らない。一方、ポイント圏外で走行する1号車に対し、ランキング2位の8号車は一時5番手までポジションを上げたが、逆転チャンピオンを実現するには3位以内のチェッカーが条件であり、快走を続けるGR Supraの牙城を崩すのは難しい状態。さらに終盤になって後続車に先行を許すこととなり、流れとしては36号車の大逆転王者の可能性が濃厚となる。結局、36号車がこのまま順調に周回を重ねてトップチェッカー。今シーズンの初勝利を果たすとともに、大逆転でのシリーズチャンピオンとなった。2位には37号車、3位には14号車が続き、GR Supra勢がトップ5を締める形で最終戦を終えている。なお、シリーズランキングは36号車に続き、8号車が2位に。3位1号車は8号車と同ポイントを獲得したが、優勝回数で勝る8号車がランキングで上回ることとなった。
 

GT300クラスは、クラスポールスタートのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がホールショットをキープ。ランキング争いでもトップを走る61号車だったが、予選3番手スタートのNo.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)がじわりじわりと詰め寄り、まず予選2位のNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)をパスすると、7周目に起こったアクシデントを受けて導入されたセーフティカーを利用し、トップ61号車の背後から逆転のチャンスを伺いながらテール・トゥ・ノーズの状態へと持ち込んでいく。そして、23周目の1コーナーでインを突いてついに61号車を逆転する。一方、これに先立ち、上位争いをする中からルーティンのピットインを行うチームが出現。アンダーカットを意識した戦略を見せる。その後、トップの2台はまず61号車は27周を終えて、そして暫定トップの60号車はその翌周にピットイン。まだピットインを終えていない車両も多かったが、52号車が事実上のトップとして周回を重ね、これに60号車、65号車、4号車と続いたが、逆に61号車はNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)にも先行を許し、6番手までポジションを落としてしまった。
 

するとタイトル争いをするライバルたちが背後から躍進。No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)、さらにNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)と続き、タイトルが絡んだ三つ巴となった。一方、レースはコース上のデブリを取り除くためにFCYが導入され、ほどなく解除されたのだが、GT300クラスが48周目の1コーナーへと向かう中、激しいポジション争いを繰り広げていた61号車と55号車のうち、55号車がレイトブレーキングで勝負に出る。ところがアウト側に膨らみまさかの接触。しかもその相手がGT500でランキングトップの1号車であったことから、コース上に激震が走った。なお、GT300クラスの争いは61号車がそのまま周回を続け、55号車の背後にいた56号車が7番手にポジションを引き上げた。
 

その後、上位グループはポジションを換えることなく周回を重ねていたが、51周目の最終コーナー立ち上がりで、トップの52号車がまさかのスピン。事前に他車と接触し、左リヤタイヤの空気が抜けてしまったことによるものだった。さらにその後3番手に浮上していた88号車も53周目にタイヤトラブルに見舞われポジションダウン。慌ただしく上位陣にアクシデントが続き、60号車が代わってトップに立ち、2位にいち早くピット作業を終えて周回を重ねてきたNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)が続き、3番手にはNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)が浮上する。だが、60周目のアドバンコーナーで61号車が4号車を逆転! 表彰台の一角をもぎ取って、翌周にチェッカー!レースは60号車がシーズン2勝目を上げて戦いを終え、65号車が2位で今季初表彰台に立った。また、3位に上がった61号車がシリーズタイトルを獲得した。一方、61号車のシリーズチャンピオンに続き、ランキング2位に入ったのは56号車。そして富士2連勝を果たした60号車が3位へ。第7戦終了時のランキング8位から大きく躍進を遂げることとなった。
 

第8戦富士スピードウェイ 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組)1:48’02.596 66Laps
2.No.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組)+4.689
3.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)+7.203
 

GT300
1.No.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)1:48’17.889 61Laps
2.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)+14.705
3.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+18.585
 
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2021年11月28日

最終戦富士、No.14 ENEOS X PRIME GR Supraがコースレコード&ポール獲得!


11月27日、静岡・富士スピードウェイにおいて、2021年SUPER GT第8戦の予選が小春日和の中で開催された。朝の公式練習から速さを見せていたNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)がコースレコードを更新するタイムでポールポジションを獲得している。
 

いよいよ最終決戦を迎えた今シーズンのSUPER GT。富士でのレース開催はシーズン2度目だが、気温も路面温度も大きく異なる中での一戦、さらにはチャンピオンをかけた戦いだけにすべてのセッションから目が離せない中、勢いを見せたのはGR Supra勢だった。まず、14号車の山下が公式練習の時点で非公式ながらコースレコードを更新するタイム(1分26秒349)を叩き出し、開幕戦以来となる優勝に向けてライバルを牽制した。
 

午後に入ると、さらに気温、路面温度が下がりタイヤの温めが厳しい状態の中、各車がアタックへと向かう。いつもであれば、しばしピットで待機してタイミングを見計らってコースインするが、今大会では我先にとアタックモードへと突入する。まず、残り1分半の時点で1分26秒台を刻んだのはNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組)。これを境にして各車がタイムアップし始めたが、その中でチャンピオンタイトル獲得を目指し、ランキングトップにつけるNo. 1 STANLEY NSX-GTの牧野任祐が2周連続で最速タイムをマーク。結果、1分26秒000でQ1トップ通過を果たした。また、1号車はじめ2番手No.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)、No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)の3台がコースレコードを更新している。
 

さらに路面温度が下がったQ2。午後3時41分からのセッションでもコースレコード更新するクルマが続出。またトップタイムのターゲットが、1分26秒台前半から25秒台へと推移。残り2分を切って1号車の山本が1分25秒867のタイムを叩き出し、これでポールポジションを手にするかに思われた。だがその後、Q1では7番手に甘んじていた14号車が1分25秒764とさらにタイムアップ! 自らの手で、チャンピオン争いに必要不可欠となるポールポジション獲得の得点_1ポイントをもぎ取り、”首の皮”をつなげた。2位に続いたのは、1号車。ライバルから有利なポジションで決勝スタートを切ることに成功している。そして、3位には37号車。今シーズン初優勝を目指して好位置を手にした。なお、タイトル争いで1号車と5点差で争っているNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)は予選6番手。さらに同8点差のNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)はQ1止まりの10位と厳しいポジションに甘んじる結果となった。
 

一方、GT300クラスでは、シリーズポイントでトップにつけるNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がQ1A組を2番手で通過すると、Q2では最速ラップをマーク。今シーズン4度目のポールポジションを掴んだ。なお、アタック担当の山内は全8戦中4戦でポールポジションを獲得している。一方、6点差で61号車を追うランキング2位のNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)、同3位のNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)は予選で苦戦。56号車は17番手からのスタート、また55号車は朝の公式練習から車両トラブルに見舞われ、ほぼ予選ではアタックできない状態で出走。決勝は20番手からの猛追に期待がかかる。
 

第8戦富士スピードウェイ 予選結果 各クラストップ3

GT500
1.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)1’25.764
2.No. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 1’25.867
3.No.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組)1’25.938
 

GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’34.395
2.No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)1’34.547
3.No.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)1’34.799
 

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2021年11月24日

SUPER GT第8戦富士スピードウェイ プレビュー


21年最終決戦の富士、ホンダ同士によるタイトル争いの行方は!?

 

ついに、2021年シーズンのSUPER GTチャンピオンを決める最終戦が近づいてきた。11月27、28日、静岡・富士スピードウェイにて開催される「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE」では、開幕戦以来となるノーウェイトでの決戦だけに、よりハードなバトルとなる可能性も高く、見逃せない一戦になりそうだ。
 

タイトルを巡って激戦必至
今年4月に幕を開けた2021年シーズン。これまで7戦が行われ、いよいよ8戦目となる最終戦を迎えることとなる。前回のもてぎ大会でチャンピオンが確定するかに思われたGT500クラスだったが、新たな勝者の誕生により、ポイント争いがより僅差となった。最終戦を前にチャンピオンの可能性があるのは6チーム。うち、自力優勝が可能なのはランキングトップのNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)および5点差の2位No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)の2チームとなる。なお、1号車は牧野が開幕戦を欠場しているために山本と3点差で実際は牧野が2番手なのだが、最終戦でもペアで出場するため、実質的に8号車を2位として考えている。2台の点数差「5」を巡る争いは、かなりのカギになりそうだ。というのも、SUPER GTでは、ポールポジション(PP)獲得車両に対して1ポイントが与えられる。これを基準に仮定し、もし1号車がPPを獲得してレースを2位で終え、8号車が優勝したとする。1号車にはPPの1点と2位の15点の合計16点が与えられ、現在の60点と合わせて76点となる。一方の8号車は優勝による20点を現在の55点と合算すると75点に留まり、1点差で1号車が2年連続でシリーズチャンピオンになる。逆に、8号車がポール・トゥ・ウィンを果たせば76点を獲得し、1号車が2位でチェッカーを受けると合計75点となり、1点差で8号車が逆転王者となる。この2台の戦いの行方を考えるだけでも、壮絶なドラマが待ち受けていることは想像に難くない。
 

実のところ、今シーズンの8号車はシーズン序盤から中盤にかけてはなかなかポテンシャルを発揮できず、苦しい戦いが続いていた。速さがあっても結果に結びつかないことも多々あったが、第6戦オートポリスでシーズン初勝利を果たすと、その勢いのまま続く第7戦もてぎでは2位を走行。終盤、トップを快走していたNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)がガス欠症状で失速。ファイナルラップで劇的逆転で2連勝を飾った。今や完全に追い風が吹いている状態で最終戦の富士を迎えることは、チームにとっても”失うものはなにもない”状態を意味しており、挑戦者として願ってもない形でレースができるというわけだ。一方の1号車は開幕戦から第6戦まで全レースでポイントを計上。シーズン序盤からサクセスウェイトを搭載しており、長らく”耐え忍ぶ”戦いを続けてきた。レースでは、ルーティンのピットインのタイミングをライバルより早めることでタイムを稼ぐ”アンダーカット”を戦略にしてポジションアップに成功。確実な戦いでランキングトップの座を死守してきた。ところが、前回のもてぎ戦は、最終戦を前にタイトルを決めるのではないかという下馬評もあったが、苦しいレース展開となりまさかのノーポイントでレースを終了。タイトル獲得に黄信号が灯る形になってしまった。とはいえ、試合巧者の1号車だけに最終戦では帳尻を合わせてくるはず。いずれにせよ、まずは予選での両者のポジション争いから目が離せない。

狙うはズバリ、勝利
自力優勝の2台に続き、残る4台__No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)、No.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組)、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)はライバルの動向次第という条件付きとなる。ただ、その中でも、トップ1号車と8点差、ランキング3位の17号車は、予選でポールポジションを獲得かつ決勝で優勝すれば、上位2台の結果次第でチャンピオンも夢ではない。もちろん、今季初優勝が欲しい36号車はじめ、シーズン2勝目をもくろむ12号車や14号車もまず優勝することが大前提とはなるが、相手の結果次第で状況が変わってくる。優勝だけでなく、予選でのポールポジションを巡っても熾烈な戦いが繰り広げられることだろう。
 

中でも、富士スピードウェイをお膝元とするGR Supraにとっては相性がとても良いだけに大逆転を目指す36号車や14号車だけでなく、全6台が躍進して”GR Supra祭”状態となれば、思わぬドラマを展開することもある。最後の最後まで……チェッカーをくぐり抜けるまで筋書きのドラマを見せてくれることに期待は膨らむばかりだ。
 

GT300クラスの王者候補は5台
現時点で暫定ランキングトップは今シーズン新型BRZを投入したNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)。これをディフェンディングチャンピオンでもあるNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が6点差でつける。さらに56号車と1点差の3番手にはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)が続き、以下、第3戦鈴鹿で初優勝を果たしたNo.244 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤 優威組)、そしてNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)と全5台にチャンピオンの可能性がある。この中で、シーズン未勝利なのは、55号車と11号車の2台。自力優勝は61号車と56号車の2台に絞られているため、まずは優勝が必至となる。
 

61号車にとって、富士は相性のいいコース。今シーズンも第2戦で2位を獲得しているだけでなく、予選ではPPを手にしている。自分たちのレースをすることで、待望のタイトルを実現する可能性も高いため、トラブルやミスのない戦いをすれば……ということになるだろう。一方、56号車は前大会のもてぎでタイヤ無交換を敢行。これが表彰台を引き寄せ、ランキング2位へと再浮上するきっかけにもなった。富士との相性も良い56号車も予選でのPP狙いは言うまでもない。また、優勝争いからはこぼれたものの、富士を得意とするチームはノーウェイトでの初優勝を狙ってくるだけに、各車が全力でぶつかってくるであろうガチンコ勝負の展開には要注目だ。
 

いずれにせよ、百花繚乱のGTマシンが激闘を繰り広げルシーズン最終戦は、見どころたっぷりの一戦になることは言うまでもない。
 

主なスケジュール

FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE
 

11月27日(土)
09:00〜10:25 公式練習(GT300+GT500)
10:25〜10:35 公式練習(GT300専有)
10:35〜10:45 公式練習(GT500専有)
14:30〜14:40 公式予選Q1 GT300 A組
14:48〜14:58 公式予選Q1 GT300 B組
15:03〜15:13 公式予選Q1 GT500
15:23〜15:33 公式予選Q2 GT300
15:41〜15:51 公式予選Q2 GT500

11月28日(日)
09:10〜09:30 SGTドライバートークショー
10:25〜10:50 オールドライバーズアピアランス
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜13:00 スタート進行
13:00〜決勝 300km RACE(66周)





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