SUPER GT 2021 Round.6 概要 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. SUPER GT 2021
  4. Round.6 概要

SUPER GT 2021 Round.6

2021年10月22日

SUPER GT第6戦オートポリス プレビュー


最大搭載ウェイトをどう凌ぐ? 今シーズンもいよいよ終盤戦へ


10月23、24日、九州大分のオートポリスにおいてSUPER GT第6戦が開催を迎える。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、2020年シーズンは開催を見送った九州大会が、ついに復活とあって、中国・九州地方のレースファンにとっては待ちわびた一戦になるのは言うまでもない。そして、今シーズンも残り3戦となり、終盤戦へと突入するのが、この大会。各車条件が異なる中、どんなドラマを繰り広げるのだろうか。
 

■特色あるサーキットでの一戦、様々な要素をいかに味方にするか
日本国内のサーキットの中でも、類まれなるロケーションを誇るオートポリス。つい先日、阿蘇山の中岳第一火口で噴火が発生し、入山規制が敷かれるなど少々気がかりではあるが、サーキットもこの雄大な山麓の地形を活かしたサーキットは、山間部らしく起伏に富み、最大標高差は55メートルにも及ぶ。ヨーロッパの古いサーキットをイメージさせるコースレイアウトはチャレンジングでもあり、海外ドライバーはじめ、多くのドライバーに人気が高いサーキットとして知られる。チャンレジングなコースはつまり難コースでもあるわけで、そこで腕を鳴らすのはドライバーだけでなく、チームの要にもなるエンジニアも同じ。2年ぶりのサーキットだけに、ライバルよりも強い戦いを見せるべく、周到な準備をしてくるはずだ。
 

一方、SUPER GTならではの”サクセスウェイト”。こちらは、開幕戦の結果からのウェイトが最も重い大会が、ここオートポリス。次のセミファイナル戦はウェイトが半減、最終戦はすべてのウェイトがなくなるため、”MAX”状態での戦いは今回が最後。つまり、厳しいウェイトコンディションにある上位チームはガマンの一戦に、そしてまだ理想的な結果を残せず、悔しい思いをしているチームにとっては、軽いウェイトを武器に、いい結果を狙わなければならない。それぞれレースでのターゲットが微妙に異なるからこそ、レースではそれが思わぬドラマを招くこともあり、ときに波乱の展開へと繋がることもある。ただでさえ、レースは筋書きのないドラマに例えられるが、思惑が絡めば絡むほど、予期せぬ展開が起こることさえある。だからこそ、レースは”生き物”であり、いつもダイナミックなのだ。
 

■予選はホンダ、決勝はトヨタ? 一方、日産は?
2年ぶりの決戦となるだけに、正直、どのチームも存分なデータを手にしているとは言い難い。ましてやようやく10月中旬になって一気に気候が変わり、すっかりと秋が深まる中でのレースとなれば、天候を読むことも容易ではないだろう。また、山の天気ともなれば、さらに難しさが増すところだ。なお、先の噴火で阿蘇山からは大量の火山灰が落ちているが、現時点で、オートポリスでの影響は皆無だという。開催を待ちわびたファンはもちろん、レース関係者にとってもひと安心というところだ。
 

今シーズンはまずトヨタ勢が開幕ダッシュを披露、ライバルに強烈な印象を与えたが、シーズンが進むにつれ、安定した速さと強さを見せているのが、ホンダ。すでに2勝、ポールポジション3回のパフォーマンスで、シリーズランキングでもトップ2をとっている。過去のオートポリス戦でも、2017年から3シーズン連続でホンダ勢がポールポジションを獲得。今シーズンはフロントエンジンに変わってから、初のオートポリス戦になるため、その相性の良さが継続されているかどうか、が見どころのひとつかもしれない。サクセスウェイトが重いチーム(No.1 STANLEY NSX-GT、No.17 Astemo NSX-GT)にとっては、基本的に厳しい条件になるだろうが、逆に速さがありながらレースで結果を残せずにいるチーム(No.8 ARTA NSX-GT)にとっては、搭載ウェイトが軽いぶん、新たなNSX-GTの実力を見せるチャンスになるやもしれない。一方で気になるデータがある。それが、「ポールポジションは手にしても、レースでは勝てない」という事実。17〜19年のレースではポールポジションこそ手にしているが、優勝は果たせていない。新たなクルマでこのジンクスを打破できるか否か、それも見どころとなるだろう。
 

一方のトヨタ。こちらもGR Supraによる初のオートポリスとなる。前車、レクサスLC500では2017年から3シーズン、ホンダのポール・トゥ・フィニッシュを阻止、優勝を手にしてきたのがレクサスだったが、GR Supraとしてのオートポリスはいかに!? ウェイトの軽いNo.38 ZENT CERUMO GR Supraや、長らく来日が叶わなかったサッシャ・フェネストラズの入国が実現し、ようやくレギュラードライバーふたりが揃っての参戦となるNo.37 KeePer TOM’S GR Supraのパフォーマンスにも注目が集まることだろう。なお、前回のSUGO大会では、全6台がシーズン2基目のエンジンを投入した。ところがレースでは3台がエンジントラブルによるリタイヤを喫している。シーズン終盤に向け、トヨタ勢として同じような失態は避けるべく、どのような対策を施してくるのか、こちらも気になるところだ。
 

そして、シーズンが進むにつれて進化ぶりを発揮しているのが日産勢。鈴鹿、SUGOと連勝したのは、2基目のエンジンが好調だからという話も聞こえてくる。シーズン序盤、エンジン出力がライバルに劣ると内輪からは厳しい声も上がっていたというが、そのパワー不足が解消されたことを証明するかのような2連勝により、勢いづいていることも確か。ウェイトが軽いチームにとってはこのオートポリスで一気に上位を狙ってくるのではないだろうか。
 

■100kg超のウェイトはどう響く? GT300のタイトル争いが気になる
今シーズンのGT300クラス勢に言えるのは、サクセスウェイトを搭載しても速さを発揮する底力があるということ。事実、前回待望のシーズン初優勝を果たしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT、そしてシーズン序盤からウェイトもなんのその、つねに安定感ある走りを見せてSUGOでも表彰台に立ったNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、そして第3戦鈴鹿でチーム初優勝を飾ったNo.244 たかのこの湯 GR Supra GTの3台が100kg超となっている。SUPER GTでは、GT300クラスのサクセスウェイトを最大100kgに定めているため、チャンピオン争いを繰り広げるチーム同士は、ある意味”イコールコンディション”での戦いになるが、トップ3以下は、残り3戦でランキング浮上を狙っており、その争いがシビアになっているのが今シーズンの特徴ともいえる。
 

トップ3は、ライバル牽制のために1ポイントでも多く獲ることが目標であり、そして、僅差のポイントで争うクルマ同士は、大混戦になるやもしれない。その中でオートポリスとの相性の良さがあるのは、コーナリング性能に優れたクルマ。2018年、19年と連勝したRC F GT3も参戦しているだけに、ここで大量ポイント獲得を狙ってくるかもしれない。いずれにせよ、2年ぶりのオートポリスだけに楽しみが満載、というところだ。
 

■主なスケジュール

AUTOPOLIS GT 300km RACE
 

10月23日(土)
09:15〜10:50 公式練習(GT300+GT500)
10:50〜11:00 公式練習(GT300専有)
11:00〜11:10 公式練習(GT500専有)
13:40〜13:50 公式予選Q1 GT300 A組
13:58〜14:08 公式予選Q1 GT300 B組
14:13〜14:23 公式予選Q1 GT500
14:33〜14:43 公式予選Q2 GT300
14:51〜15:01 公式予選Q2 GT500
 

10月24日(日)
09:00〜09:20 SGTドライバートークショー
11:20〜11:50 ドライバーアピアランス
12:10〜12:30 ウォームアップ
12:30〜13:30 スタート進行
13:30〜決勝 300km RACE(65周)





スポーツカーの中古車情報ならGTNET