SUPER GT 2021 Round.4 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2021 Round.4

2021年7月20日

灼熱のもてぎ、試合巧者のNo.1 STANLEY NSX-GTが今季初優勝!


7月18日、真夏の暑さを感じる中、栃木・ツインリンクもてぎにおいて2021年SUPER GT第4戦もてぎ大会の決勝が行われた。5月下旬、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から第3戦鈴鹿大会が延期となり、先行して第4戦を開催する変則的な開催となったが、レースはポールポジションスタートのNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が一度はライバルに先行を許すも、安定感あるレース運びを見せて逆転。波乱の展開にも動じない強さで待望の今季初優勝を果たしている。
 

レースウィーク中は連日強い日差しが照りつけ、真夏の一戦となったもてぎ。決勝日もすでに朝から汗ばむ天気となった。今回、従来よりもやや早い午後1時10分にレースはスタート。気温33℃、路面温度51℃という厳しいコンディションの中、63周の戦いの火蓋が切って落とされた。実のところ、灼熱の暑さは戦いを前にしてハプニングを”誘導”。GT300クラスではエンジンをストールさせてダミーグリッド上に立ち往生するクルマも現れた。フォーメーションラップ2周を経てホールショットへと向かった各車。まず、ポールポジションの1号車、続いて同じフロントローのNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)、さらに予選4、5番手のトムズ勢2台が予選3番手No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)をかわしてポジションアップに成功する形でオープニングラップを終える。序盤の上位陣は各車1秒を切る僅差でつば迫り合いを繰り広げるが、中でも19号車がトップ1号車を果敢に攻め立て完全にロックオン。GT300クラスの周回遅れを味方につけ、7周目にはサイド・バイ・サイドに持ち込むと5コーナーで勝負に出て1号車を逆転した。そこからはまるで水を得た魚のように19号車は後方の1号車を引き離しにかかり、18周時点ではその差が6秒弱まで大きく広がった。逆に1号車には36号車が急接近。加えて36号車の後ろを走る37号車には再びペースを上げてきた16号車が迫り、ダウンヒルストレートで先行した。レースは20周を過ぎると路面温度が46℃へと下がるが、コース上のバトルは依然としてヒートアップ状態。レース距離3分の1を迎え、21周目にはGT300クラスからひと足先にルーティンのピットインを実施。するとGT500クラスでもまず8号車が23周終了時にピットイン。これを機に1台、また1台と作業に取り掛かるチームが現れた。
 

トップ争いの2台では、まず1号車が24周終了時にピットイン。40.1秒の作業時間でコースへ復帰する。一方、トップを快走する19号車は28周を終えてピットへ帰還。右フロントタイヤ交換でタイムロスが生じて45.0秒を要した。コースに戻ったばかりの19号車に対し、1号車はメインストレートを経てひと足先に1コーナーへ。ピットでの時間差__およそ5秒の差が明暗を分ける形となり、再び1号車がトップへ返り咲いた。
 

レースは折返しを過ぎ、トップ1号車、2位19号車に続き、3番手を走るのは36号車。19号車は前半スティントのようにハイペースで前の1号車との差をじわりじわりと削り取り、35周の時点で1秒を切るところまで迫っていく。さらに2台のバトルは周回を追うごとに白熱化。テール・トゥ・ノーズから横並びに持ち込むなど見どころたっぷりの攻防戦を繰り広げたが、試合巧者の1号車のベテラン山本は、頑として19号車の若手宮田の逆転を許さなかった。そんな中、41周目に走行中のGT300車両の1台にトラブルが発生。火災に見舞われ、消火作業を要することになった。そこでFCY(フルコースイエロー)が発動され、2台のバトルは一旦”お預け”となる。およそ5分でレースはリスタートを迎えたが、これを機にタイヤを含め、クールダウンを果たしたクルマを味方にしてトップの1号車は再び背後に迫る19号車を引き離しにかかった。実のところ、10分も経たないうちに2度目のFCY導入となったが、このときも4分ほどでレースは再開。これを境にして2番手19号車の猛追がやや精彩を欠くようになる。
 

とはいえ、チェッカーまで残り10周時点になり、再びペースアップを果たした19号車が改めて1号車に詰め寄るパフォーマンスを披露。安定した速さとタフなポテンシャルによる粘りを見せたが、一方の1号車にはまだ逃げ切る力があったようで、改めて後続との差を広げる走りを見せつけた。これにより、1号車が今シーズン待望の優勝を達成。チームとしてSUPER GT通算10勝目を飾る記念の勝利になった。2位に甘んじたものの、19号車も今シーズンのベストリザルトを獲得。3位には上位3台の中でも一番重いサクセスウェイトを搭載しながらも安定した速さを見せた36号車が入っている。
 

GT300クラスでは、FCYによる”泣き笑い”がはっきり現れるレース展開が繰り広げられた。レースはクラスポールポジションを獲得したNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)が、安定感ある走りでレースを牽引。上位陣は大きなポジション争いもなく周回を重ねていく。その中からペースアップを見せたのが予選2位のNo.244 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤 優威組)。トップ2台は互いを牽制する形で24周終了時点でともにルーティンのピットインを行った。上位陣がピットインを速やかに終える一方、現時点でクラスポイントトップのNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が、まさかのアクシデントに遭遇する。ヘアピンで他車との接触を喫し、戦線離脱。サクセスウェイトが重い中で善戦していたことが水泡に帰す結果に泣くこととなった。一方、上位陣の中で一番遅いピットインとなったNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)。右フロントと左リアタイヤ2本の変則交換を敢行する作戦で244号車を逆転。表彰台の一角に一歩近づいた。
 

レースは11号車がリードする形で後半戦へと突入。だが1回目のFCY発動で流れが大きく変わる。130Rで火災により停止した車両の様子を見て、まだピットインを済ませていなかった2号車がピットへと滑り込み、作業を終えて出ていく瞬間にFCYが発動。17番手スタートだった2号車は、ピット作業でタイヤ無交換を敢行。結果としてクラストップ11号車の前でコースへの復帰を果たすことになった。この時点で2位に下がった11号車との差は11秒あまり。この後の2度目のFCYが解除されると2台の差は一気に縮まり、残り10周を切る頃には1秒を切ってしまう。だがストップ&ゴーのレイアウトを持つもてぎでは、背後に迫っても逆転まで至らないという展開が決して珍しくない。加えて11号車の背後には52号車が迫っており、結局のところ互いがミスなく”逃げる”走りをすることとなり、表彰台を狙う3台は僅差の戦いながらポジションを入れ替えることなくチェッカー。2号車が今シーズン初優勝を飾り、阪口にとっては自身初となるSUPER GTでの勝利を手にしている。
 

第4戦もてぎ 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 1:54’03.865 63L
2.No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)+3.221
3.No.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組))+11.880
 

GT300
1.No. 2 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平組)1:54’05.407 58L
2.No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)+1.576
3.No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)+1.819
 
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