SUPER GT 2021 Round.3 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2021 Round.3

2021年8月24日

不安定な天候の下、GT-R勢が表彰台を独占!


8月22日、降雨の可能性をはらむ天候の中、三重・鈴鹿サーキットにおいて2021年SUPER GT第3戦の決勝が行われた。その中で、予選3番手スタートを切ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が速さと強さを存分に発揮するパフォーマンスで圧勝。加えて他のGT-R勢も躍進し、トップ3、表彰台を独占する結果を残している。
 

予選日とは打って変わり、蒸し暑さを感じる天気となった鈴鹿サーキット。曇り空ながら時折強い日差しが差込み、また前日に濡れた路面からは重い空気が広がるなど、不快指数の高いコンディションになった。加えて決勝レース中は降雨の可能性が高まる予報が出されており、先行き不透明な展開になることを思わせた。そんな中、レース直前のウォームアップ走行でGT300クラス車両の1台が130Rでコースアウト、右フロントタイヤが脱輪し、クラッシュバリアに激突する。幸いドライバーは自力でクルマの外に出たものの、これでセッションは赤旗終了となってしまった。また、スタート時間は当初の予定よりも10分遅れで進行。気温31度、路面温度43度とレースウィークでもっとも高い数値を刻む中、午後2時40分に幕が上がる。
 

早々から快調な走りを見せたのは、ポールポジションスタートのNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)。予選2番手のNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)が早速背後から攻め立てるもトップをキープし、周回を重ねた。ところが5周目のシケインでまさかの波乱が起こる。64号車にブレーキトラブルが発生、クルマを制御できない状態でクラッシュバリアへと直進する。クルマ前方が激しくのめり込み、加えて車両から出火。消火作業のために最初のフルコースイエロー(FCY)を経て7周目からはセーフティカー(SC)がコースインする事態となった。幸いドライブしていた伊沢はオフィシャルの手を借りて無事に脱出している。この後、メインストレート上でGT300、GT500それぞれ隊列を整えられると、12周目にはレースがリスタート。残り41周の戦いを迎える。
 

この時点でのトップは16号車。これに予選3番手のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)、同4番手のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組)が続き、その後方ではさらに僅差による激しいポジション争いが繰り広げられた。その中でいち早くピット作業に着手したのがNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)。18周終わりでピットインし、ドライバーを交代。加えてサクセスウェイトの影響を受けて予選11番手スタートだったNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) もピットに戻ると、その翌周以降、各チームが同様の作業に取り掛かった。20周終わりでピットインしたトップの16号車。ところがそれ以降、ライバルに対し速さを見せることができずに苦戦。ひとつ、またひとつとポジションを下げることになる。16号車が苦戦する一方、暫定トップの23号車は24周終了時にピットイン。加えて暫定2位を走行していた24号車がその翌周ピットへ戻り、それぞれドライバー交代を行い、勝負は後半戦へともつれ込んだ。
 

全車ルーティンのピットインを終えた時点で、トップに立ったのは予選7番手だったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)。以下、12号車、23号車と続き、さらには24号車も16号車を逆転。29周を終えた時点でGT-Rがトップ4を形成する。この中からペースアップを見せたのが、23号車。30周目に12号車を逆転すると、トップ3号車との差をじりじりと詰めていく。一方、4番手の24号車は12号車とのバトルを展開。35周目のメインストレートで追い詰めると、翌周のスプーンカーブで逆転。3位の座を掴み取る。その後、残り13周に迫る中、西コースでしっかりとした雨が降りはじめると、トップ2台が急接近。一時は3秒強あった差が40周目には0.169秒まで縮まり、そのまま41周目のヘアピンで一気に逆転! その後またたく間に2位以下との差を広げ、単独走行へと持ち込んだ。結果、23号車は2位の3号車に11秒強もの差を着けてトップチェッカー! 昨シーズン第6戦に次ぐ、鈴鹿戦をものにした。23号車にとっては、鈴鹿3連勝となる。そして2位3号車に続いて3位チェッカーを受けたのは、24号車。こちらは2016年以来の表彰台獲得という結果だった。この他、ホンダ勢トップチェッカーは4位のNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)。手堅いレース運びでポイントを重ね、シリーズランキングでもトップに浮上することとなった。一方、トヨタ勢ではNo.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組)がトップチェッカーとなっている。
 

一方、GT300クラスでも激しいポジション争いを展開することになった。事前の走行で1台がコースアウトしてクラッシュしたことから、28台による戦いを展開する。まずポールポジションのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が好スタートを切り、順調に周回を重ねていくが、予選3番手のNo.244 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤 優威組)がオープニングラップから2位を確保。5周目のアクシデント後、FCYからSCへと切り替わり、さらにはメインストレートでのクラス分けを経て12周目にリスタートが切られると、すぐさま61号車を攻め立て、逆転。これにNo, 9 PACIFIC NAC CARGUY Ferrari(横溝直輝/ケイ・コッツォリーノ組)が続いた。
 

トップ244号車は24周を終えてピットイン。スムーズに作業を済ませてコースに復帰すしたが、35周終わりで全車両のドライバー交代が終わるとトップに立っていたのは5号車だった。実のところ5号車はタイヤ無交換でコース復帰を果たしていたことから、終盤の降雨も相まってペースアップが果たせず。一方で2番手につける244号車が徐々にペースアップし、その差を一気に縮め38周目のデグナーカーブで一気に逆転。トップを奪還した。244号車に続き、予選4番手のNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)が2位に浮上。こちらはリヤタイヤ2本交換にとどめたことが奏功した。さらに残り6周の時点でNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)が5号車を逆転。トップ3に滑り込む。終盤の47周目、GT500車両との接触でS字走行中にコースオフ、というひやりとする場面も見られたが、三宅、堤の若手ドライバーがこのままトップでチェッカー! ドライバーふたりはもちろん、244号車としてチーム初勝利を実現させた。また、2位88号車、3位4号車にとっても今シーズン初表彰台獲得の結果となっている。
 

第3戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1:50:23.702(52L)
2.No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)+11.362
3.No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組)+20.127
 

GT300
1.No.244 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤 優威組)1H51’32.468 49L
2.No.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)+6.670
3.No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)+13.288
 

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