SUPER FORMULA 2020 Round.3
SUPER FORMULA第3戦SUGO プレビュー
第3戦SUGOは、秋本番の一戦に!
今年8月下旬にシーズンスタートとなった2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦が、10月18日に仙台・スポーツランドSUGOを舞台に行われる。本格的な秋の到来を迎える東北での一戦は、前大会よりもぐっと気温が下がる中での戦いになるものと思われる。毎回緊迫した戦いが繰り広げられるだけに、今大会もどんなドラマが待ち受けているのか、期待が膨らむ。
SUGOにはレギュラードライバーが多数復帰
ル・マン24時間レースに参戦していた日本人ドライバー3名を含め、レギュラードライバーの欠場が多く見られた前回の岡山戦。代替ドライバーとしてビッグチャンスを手にした若手ドライバーたちが予選から伸び伸びとSF19を操り、速さあるパフォーマンスを披露したのは記憶に新しい。一方、決勝レースになれば百戦錬磨のベテランドライバーはじめ、レギュラー陣が本領を発揮。見どころある戦いを繰り広げてくれた。
そして迎える第3戦SUGO。日本人のレギュラードライバーは全員顔を揃えたものの、一方でまだ新型コロナウイルス感染防止の観点に基づき、参戦を見送ることになった外国人ドライバーも。ヨーロピアンル・マンシリーズに参戦したThreeBond Drago CORSEのタチアナ・カルデロン選手は十分な検疫期間が確保できないとされ、欠場が決定。第2戦に続き、塚越広大が代役を務めることになった。さらに、TEAM MUGENもユーリ・ビップスが依然として来日できず、これまで同様に笹原右京がステアリングを握ることが発表されている。結果、SUGOには全19名が出場。うち、初レースを迎えるのがBuzz Racing with B-Maxから参戦するセルジオ・セッテ・カマラだ。
ブラジル出身のカマラは若干22歳。だが、レースキャリアは華々しく、アストンマーティン・レッドブル・レーシング、またスクーデリア・アルファタウリのテスト兼リザーブドライバーも務める伸び盛りの選手でもある。とはいえ、彼がSF19をドライブしたのは、昨年12月、富士スピードウェイで行われたテスト以来。今シーズン、コロナ禍でレーススケジュールが大幅に変更され、実走行の時間が激変。今大会も土曜日に1時間✕2回の走行時間が与えられるのみで、日曜日は1Dayレースとして予選と決勝に挑まなければならない。また、舞台となるスポーツランドSUGOは中高速コーナーのレイアウトを持ち、平均速度が開催サーキットの中で2番目に高いテクニカルコース。しかもアップダウンに富み、コース幅もタイト、しかも全長も決して長いとは言えず、ドライバーには極めて厳しい国内屈指の難コースとして知られる。それだけに、タフなレースウィークになりそうだが、どこまで実力を行使できるかにも注目が集まることになるだろう。
問われる路気温への対応
これまで、スーパーフォーミュラでのSUGO戦はシーズン的に夏の開催が多く、遅くても9月での実施であったが、今回は10月中旬での一戦となる。それだけにやはり気がかりなのは、天候ではないだろうか。とくに東北地方ともなれば朝晩の冷え込みも大きく、仮に好天に恵まれたとしても寒暖の差もあるだけに、クルマのセットアップ、タイヤマネージメントに配慮した準備が必要となるはずだ。
今週末の天気予報はというと、土曜日に雨が降る可能性が高く、週末を通して最低気温は10度を下回り、日中も20度を割ると予想されている。第1、第2戦までとは大きく異る天候の中、コンディションに左右されることなく戦いを推し進めることができるか否か、それが勝敗にも大きく影響を与えるのは言うまでもないだろう。
なにしろ、過去のSUGO戦を振り返っても荒れた展開になる確率が高く、スーパーフォーミュラに限らず、レース開催のたびに「SUGOには魔物が棲む」というフレーズが飛び交うことでも有名。それほどここのサーキットは、ドライバーのチャレンジスピリッツを掻き立てるのか、あるいはSUGOにいるレースの神様が気まぐれなのか…。いずれにせよ、シングルシーターのドライバーズレースであるスーパーフォーミュラならではの戦いへ挑む、ドライバーたちの果敢なパフォーマンスは必見といえる。
タイヤ交換を含む戦略にも着目
開幕戦こそタイヤ交換は実施されなかったが、前大会より特別規則が適用され、交換が義務付けられた。そのルールは今大会も継続される。交換作業はレース開始10周目以降から最終周までに完了しなければならない、というものだが、セオリー的にはトップ争いをしている場合、早々にピットインしてタイムを稼ぐか、ギリギリまでピットインを我慢するか、どちらかのタイミングになるやもしれない。
一方で、今大会のSUGOは全長が他のサーキットよりも短いだけでなくピットも狭いため、近隣のチームとタイヤ交換のタイミングが重なるのは避けたいところ。スタート後、どのポジションで走行しているか、あるいは前方車両との混戦に巻き込まれていないか、自身のレースペースを保つことができているか…など、コース上での状況も含め、最適なタイミングでピットインできるかどうかによってコース復帰後の戦いにも影響が出かねない。”見えない”ライバルとのポジション争いも念頭に戦うドライバーたちの心理戦にも注目したいところだ。
また、気になるタイトル争いだが、今季は有効ポイント制を特別導入しており、上位最大5大会の得点合計が適用されることになっている。全7戦中すでに2戦を終えているため、今大会から先は何が何でも結果を残し、ポイントを取りこぼすことがないような戦いをしていく必要がある。今大会で表彰台獲得が実現すれば、まだまだチャンピオン争いに加われるチャンスも多いだけに、かなりヒートアップした戦いになるだろう。
主なタイムスケジュール
・10月17日(土)
10:20 – 11:20 専有走行
13:40 – 14:40 フリー走行
・10月18日(日)
10:20 – 公式予選(ノックアウト方式)
10:20 – 10:30 Q1(A組→上位7台)
10:40 – 10:50 Q1(B組→上位7台)
11:00 – 11:07 Q2(A+B上位7台・計14台→ 8台)
11:17 − 11:24 Q3
13:55 – 14:40 スタート進行
14:40 – 決勝(53Laps・190kmレース)