スーパーGT 2017 Round.3
SUPER GT第3戦オートポリス、au TOM’S LC500が初勝利!
早くもシーズン3戦目を迎えたSUPER GT。戦いの舞台は大分・オートポリス、2年ぶりの開催となる。
決勝前のコンディションは気温22度、路面温度31度。
築いたマージンを奪われた100号車だったが、
トップに立った36号車もその2周後にピットイン、
終盤に向け、中嶋はときに30秒ほどの差をつけてトップを快走、
GT300もGT500同様、
レース折り返し近くまで続いた2台のテール・トゥ・ノーズは、
一方のトップ争いは、
・第3戦オートポリス 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)65L 1:59’56.800
2.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)+26.592
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)+26.756
GT300
1.No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)61L 2:01’16.448
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+0.091
3.No. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗組)+10.971
SUPER GT第3戦オートポリス、100号車 RAYBRIG NSX-GTが初ポール!
早くも今シーズン3戦目を迎えたSUPER GTシリーズ。その舞台は2年ぶりの開催となる大分・オートポリス。去年は直前に発生した熊本地震の影響を受け、残念ながら中止となったが、今年の予選日はレース日和の好天気に恵まれ、その中で、No.100
RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)が今季初ポールポジションを手にしている。
ゴールデンウィーク真っ只中に開催された第2戦から、さほど時間が経たないうちに迎えたオートポリス戦。朝から強い陽射しが差込み、暑さを感じる中でのセッションが続いた。100号車は、朝の公式練習から安定した速さをアピール。微調整の繰り返すことで方向性をしっかりと見出していたようだ。GT300クラスとの混走セッションの時点から繰り返しトップタイムを刻むと、GT500の専有走行では山本選手がニュータイヤで1分33秒783をマーク。セッションの最後までせわしく入れ替わったトップの座を手にした。
その後も気温、路面温度は小刻みに上昇。ノックアウト予選開始となる午後2時には気温26度、路面温度に至っては46度まで上がり、路面コンディションにも変化の影響を与えたようだ。その状況を味方につけて好タイムを叩き出したのが、100号車の伊沢選手。2番手におよそ0.6秒強ほどの差をつけ、トップでQ1を突破する。2番手にはNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)、さらに3番手はNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組)、そして4番手にもNo. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)というレクサス勢が3台続き、開幕戦から続く勢いを改めて感じさせることになった。
そして迎えたQ2のアタック。Q1比で気温、路面温度ともに若干低くなったが、タイヤ温存を考慮し、セッションが始まってもピットで待機する車両がほとんど。残り時間5分を前に、ようやくアタックが始まった。セッション終盤、Q1で2番手につけていた36号車が痛恨のコースアウト。一方、100号車は1分33秒740と申し分ないタイムをマークし、トップへ。100号車としては2008年第6戦鈴鹿以来、そして山本自身初めてのポールポジションを手にすることとなった。2位には日産勢トップとなるNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正組)が、3位にはレクサス勢トップとしてNo. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)が続き、3メーカーがトップ3を分け合う結果となった。
GT300クラスでも、朝の練習走行から好調だったNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)が、予選でも勢いをキープ。まずQ1で山下がトップタイムをマーク。これにNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)、No. 7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)が続き、マザーシャシーvsFIA GT3車両のタイム合戦となった。Q2に入っても25号車の好走は変わらず。トップタイムをマークし、今季初ポールポジションを獲得するに至った。2番手は国産勢が奮闘。No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が今季ベストポジションで続き、3番手には、25号車と同じくマザーシャシーのNo. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗組)が大躍進する結果を残している。
・第3戦オートポリス 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)1’33.740
2.No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正組)1’34.331
3.No. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)1’34.749
GT300
1.No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)1’43.702
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’44.336
3.No. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗組)1’44.359
2年ぶりの開催、オートポリスでGTマシンが疾走!
昨年4月に九州地方を襲った震災により、開催を見送ったSUPER GTオートポリス戦が2年ぶりに実施される。2年ぶりの開催となる第3戦の舞台が整い、九州地方のSUPER GTファンはもちろん、参戦するチーム、ドライバーにとっても心待ちの一戦になることだろう。
■山間にあるユニークなコース
オートポリスが位置するのは大分県。だが、県南西部、つまり熊本県との県境に近いという立地の関係で、レースウィーク中は熊本方面からのアクセスが多く、連なるワインディング・ロードを走ってサーキット入りすることになる。施設自体も阿蘇外輪山の中腹に位置しており、独特の雰囲気を持つサーキットとして知られる。加えて、国内サーキットでは珍しくピットがコースの外側にあるため、ピット作業の給油で車体左側の給油口を利用するのも、オートポリスならではの光景となる。また、テクニカルセクションを含むコースレイアウトも然り。アップダウンに富み、最大標高差はなんと52m! クルマを仕上げるエンジニアにとっては難コースのひとつと言えるだろうが、一方で、レイアウト的にも走り甲斐のあるコースであると、好きなサーキットとして名を挙げるドライバーも多い。ドラマチックなレース展開になることも珍しくなく、結果的に不確定要素をたくさん含んでいるオートポリスでの一戦は、シーズン序盤から中盤に向かう中で、キーポイントとなるレースになることは間違いないだろう。
■開幕戦から2連勝のレクサス、第3戦での快走は?
開幕戦岡山を制し、続く第2戦富士500kmの長丁場で独走で2連覇を果たしたレクサスLC500。しかも、2戦連続表彰台独占という快挙により、ライバルを圧倒的にリードしている。今回のオートポリスを前に搭載ウェイトが増えているだけに、アップダウン、しかも中高速コーナーという不利な条件が揃う中、どのような対応を見せてくるのか、大きな注目が集まる。だがその一方では、オートポリスで実施された事前のタイヤメーカーテストでは、想定されるウェイトを搭載した上で走行していたという話もあり、ウェイトハンデがあっても、依然速さに陰りを見せないLC500の勇姿を引き続きオートポリスでも目にすることができるのではないか、という推測もできる。レクサス勢の全車がそれなりのウェイトを積み終わるまで、対ライバルにおけるアドバンテージは今回も保たれるのだろうか。
競争第一のモータースポーツにあって、ライバルの独走をいつまでも許していてはいけないとばかり、当然のことながら日産、ホンダの両陣営も奮闘中であることには違いない。なにしろ前回富士戦では、予選で日産のエース車両23号車が2番手を獲得。この情報を得て、急遽決勝日に来場するファンが増えたのだとか。ゴールデンウィーク真っ只中にありながら、当日券が勢い良く売れたという話を聞けば納得もできる。決勝では惜しくも表彰台を逃したが、それでも4位入賞を果たしているだけに、そろそろ本領発揮といきたいところだろう。さらに、ホンダ勢も負けてはいられない。開幕戦岡山では8号車がポールポジションを手にしたが、8号車に留まらず複数の車両がスタート前後の時点で突然のトラブルに見舞われるという、まさかの悪夢に襲われた。だが、富士戦では100号車がホンダ勢最上位として6位入賞を達成。もちろん彼らからしてみれば、決して手放しで喜べる結果ではないだろうが、着実なレース進行によって得られた信頼性に加速がつけば、今後の戦いにも勢いが見えるはず。新車同士の三つ巴のバトルがどのタイミングで見られるのか、楽しみが増えそうだ。
■FIA GT3に待ったをかけるのは、どのクルマ?
岡山、富士と続いたFIA GT3車両の快進撃。車体の迫力からしても、GT500クラス車両に引けを取らない圧巻の姿は、サーキットに相応しいが、やはり百花繚乱といわれるGT300クラスとしては、JAF-GT車両やマザーシャシーにも、奮闘してもらいたいところ。そして、今回のオートポリスはというと、実のところ、コースレイアウト的にはこのJAF-GT車両やマザーシャシーに追い風が吹くとされている。つまり、パワーにものを言わせるFIA GT3車両のメリットをオートポリスで活かすのは、正直難しいようだ。結果、セッティングを得意とするJAF-GT車両やマザーシャシーが、いよいよ本領発揮できる出番となる。
クルマの特性が異なれば、開催サーキットの特徴も違う。その中で毎戦ひと味もふた味も異なるパフォーマンスを披露するのが、SUPER GTならではの醍醐味。GT300クラスは、それを体現化しているともいえるだろう。天候が安定すれば、初夏を思わせるような観戦日和の中で楽しめる第3戦。戦いの行方に注目が集まる。
■主なタイムスケジュール
5月20日(土)
07:30 – 08:20 オープンピット
09:00 – 10:45 公式練習
09:00 – 10:25 : GT500 & GT300
10:25 – 10:35 : GT300
10:35 – 10:45 : GT500
10:55 – 11:15 サーキットサファリ
12:05 – 12:55 ピットウォーク
13:30 – 14:05 ノックアウト予選_Q1
13:30 – 13:45 : GT300
13:50 – 14:05 : GT500
14:15 – 14:47 ノックアウト予選_Q2
14:15 – 14:27 : GT300
14:35 – 14:47 : GT500
16:20 – 17:05:キッズウォーク
5月21日(日)
10:30 – 11:30 ピットウォーク
11:50 – オープニングセレモニー、選手紹介
12:25 – ウォームアップ走行、スタート進行
14:00 – 決勝レース(65Laps)