スーパーGT 2017 Round.6 - イベント・レースレポート

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スーパーGT 2017 Round.6

2017年8月29日

SUPER GT第6戦鈴鹿、No.64 Epson Modulo NSX-GTが初勝利!


8月27日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第6戦「INTERNATIONAL SUZUKA 1000KM THE FINAL」が行われ、予選4番手スタートのNo.64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組)がレース後半になってからトップに立ち、そのままフィニッシュ。今季初勝利を果たし、チームに10年ぶりの優勝をもたらしている。


長らく鈴鹿サーキットで親しんできた伝統の耐久レース「鈴鹿1000km」。今回が46回目の開催となるが、来シーズンからは10時間レースへと時間が変更され、またSUPER GTシリーズ戦からも外れることになる。それだけに、ファイナルイベントを見届けようと、決勝日には4万5千人もの観客が来場。厳しい暑さを上回るような熱気がサーキットを包み込んだ。


決勝直前のウォームアップ走行では、前日のタイムアタックでトップタイムをマークしたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が最速ラップをマーク。これに64号車、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)らが続いたが、実際に戦いが幕を開けてレースを牽引したのは、17号車だった。24号車は12周目までトップを死守するも、突然ペースが落ち、後続車の先行を許してしまう。結果、16周終了をまって真っ先にピットイン。タイヤ交換、給油、ドライバー交代のフルサービスを済ませ、戦いに復帰した。代わってトップにたったのは、17号車。その前に予選2番手の19号車もまた24号車に迫っていたが、19号車と24号車のバトルを巧みに利用した17号車が先行。17、19号車に続いて64号車が好位置で周回を重ねていった。


一方、レースは開始から1時間20分強の時点でGT300車両1台が接触によりクラッシュ。最終コーナーのガードレールに追突したため、セーフティカーランが導入された。およそ20分弱でレースが再開、この間も17号車のトップは変わらず。だが、各車の差は確実に縮まっており、レース中盤に入ってもなお、激しいポジション争いが引き続き行われることになった。その後もトップ17号車は安定した速さと強さでトップをキープ。再び後続との差を築き始める。だが逆に19号車はポジションキープが難しくなって後退、代わりに2番手に64号車が浮上した。


午後3時半を過ぎ、レースは87周を消化。折り返しを迎える。この時点でトップ3は、17号車、64号車に続き、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が3番手へと浮上。前日の予選ではQ1で敗退し、12位スタートに甘んじていた23号車だが、決勝時の安定したペース、素早いピット作業などチームの総合力をフルに発揮し、確実にポジションアップを果たすことに成功する。だが、戦いはなおも混沌とした攻防戦が続いており、タフな状況。さらに94周目には130Rでオーバーランしてタイヤバリアに激しく突っ込んだ車両が出たことで、2度目のセーフティカーランを迎える。当然のことながらトップ17号車のマージンは水泡に化し、戦いはまたも仕切り直しへ。だが17号車は再開後もトップをキープ、今季初勝利に向かって着実に周迂回を重ねていくと、2番手の64号車もトップとの差は着けられながらもポジションを死守してレース終盤に向かっていく。


2番手の64号車が146周終わりで最後のピットイン。一方、トップ17号車は147周目を走行中で間もなく最後のルーティンを控えていた。だがそこにまさかのアクシデントが発生する。なんと左リアタイヤが突然バースト、手負いの状態でピットへと帰還せざるを得なくなったのだ。結果、64号車がレースリーダーとなり、次いで23号車さらにその後方にはNo. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)が巧みな戦略で表彰台圏内まで浮上。これをNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)が猛プッシュする形で最後の戦いへと突入していく。


逃げる64号車と23号車の差は20秒強。64号車はひとり旅という難しい状況の中、勝利に向かってひた走ることに。一方、23号車は2回目のセーフティカー導入前に行ったピット作業後のスタートでファストレーン優先権違反のペナルティを取られ、後にドライブスルーを強いられたが、そのタイムロスを挽回しようと懸命の走りでこのポジションまで浮上する底力を見せていた。さらにその後方では1号車と100号車が激しいテール・トゥ・ノーズを展開。130R出口からシケインにかけて抜きどころを狙っていた100号車だったが、1号車も巧みに後続のプッシュを回避。だが、そのハードな戦いでブレーキが音を上げた1号車は164周目の最終コーナーで100号車に並ばれ、165周目のストレートでついに100号車が前に出た。


なお、レースはセーフティカーが2度重なったことから、規定回数の173周には手が届かないことが明らかになる。結果、スタートから6時間、午後6時28分を過ぎてトップ車両がファイナルラップに入ると、171周をもってレースは終了。真っ先に64号車がチェッカーを受け、これに23号車、100号車が続き、ポールスタートの24号車は19号車に次いで5位入賞となった。


一方のGT300クラス。クラスポールスタートのNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太/近藤翼組)、これに予選2番手のNo.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/川端伸太朗組)、No. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗/玉中哲二組)と予選ポジションのまま、まずオープニングラップを終了。一方、予選9番手のNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)が早くもピットイン。タイヤ交換やガソリン補給は行わず、ドライバー交代だけを済ませコースに復帰する。どうやら混雑の激しい中での周回を避け、クリアラップでペースアップし、ポジションアップを狙う作戦を敢行した模様。事実、ライバルを出し抜く戦略で周回を重ね、最初のセーフティカーラン後にはクラス5番手まで浮上していた。


トップ25号車はこれまでのレースでもタイヤ無交換を戦略に採り入れてきたが、この鈴鹿でも積極的に実施。1スティント毎ではなく、2スティント毎にタイヤ交換を行ってきた。逆に不運に見舞われたのが18号車。スタートから3時間を過ぎ、クラストップに立っていた18号車だったが、2度目のセーフティカーラン中にトラブルが発生。ステアリングトラブルでクルマのコントロールができず、閉鎖中のピットへとペナルティ覚悟で戻ってくる。修理は完了したものの、この後ペナルティが課せられ、事実上トップ争いから脱落することになった。


この結果、GT300クラスの優勝争いは、じわりじわりとポジションアップを見せてトップに立った65号車、そして安定した速さを武器とする25号車の一騎打ちに。気温、路面温度が下がる中、再び暫定トップに立った25号車のペースを65号車が上回り、2台の差をみるみるうちに縮めていく。チェッカーまで残りわずかとなる中、テール・トゥ・ノーズとなった2台は1コーナーでポジションを入れ替え、65号車がトップを奪取。この勢いで最終ラップまで走破し、待望の今季初優勝を手に入れた。一方、2位でのフィニッシュを目指した25号車だったが、残り4周目の逆バンクでコースアウ。タイヤバリアに突っ込むと、車両が裏返しになるクラッシュを喫してしまう。幸い、ドライバーは無事に救出されたが、チェッカーを受けることはならず、まさかの終焉を迎えた。


結果、トップ65号車に続いたのは、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴/山西康司組)、さらに同チームのNo.87 ショップチャンネル ランボルギーニ GT3(細川慎弥/佐藤公哉/元嶋佑弥組)の2台。各車今季最上位の結果で表彰台に上がっている。


・第6戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組)171L 5:51’16.244
2.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)+12.150
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)+15.737

GT300
1.No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組158L :51’17.191
2.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴/山西康司組)+36.319
3.No.87 ショップチャンネル ランボルギーニ GT3(細川慎弥/佐藤公哉/元嶋佑弥組)+36.959

 

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2017年8月29日

SUPER GT第6戦鈴鹿、コースレコード更新の24号車GT-Rがポールゲット!


8月26日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第6戦「INTERNATIONAL SUZUKA 1000KM THE FINAL」の予選が行われ、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)がコースレコード更新を果たし、ポールポジションを手にした。チームであるKONDO RACINGにとっては、SUPER GT参戦以来初となる快挙となった。なお、今大会にはジェンソン・バトンがNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組)の第3ドライバーとして登録されており、日本のシリーズレースに初参戦する姿をひと目見ようと、前日から多くのバトンファンがサーキットに姿を見せ、大いに賑わいを見せていた。

日本国内のモータースポーツイベントの中でも伝統の一戦として知られる「鈴鹿1000km」。1966年に開催が始まり、かつては様々な車両が集うレースであったが、2006年からはSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれることとなり、シリーズチャンピオンを争う上でとても重要な一戦へと変化した経緯がある。



予選日のこの日、早朝に降った雨の影響で朝の公式練習はウエットコンディションでスタート。幸い、セッション中に路面コンディションが改善し、午後からの予選は完全なドライコンディションでのアタックが可能となった。まずノックアウト予選Q1で最速タイムをマークしたのは、No.100 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴。朝の公式練習でもトップタイムをマークしており、Q2でのトップタイムに期待がかかった。だが、Q2で最速タイムをマークしたのは、24号車のデ・オリベイラ。絶妙のタイミングでアタックを行うと、1分47秒074のタイムをマーク。結果、鈴鹿のコースレコードを更新するポールポジションタイムとなる。GT-R勢にとって今季初のポールは、同時にチームにとっても初、しかもSUPER GT参戦以来初という快挙となった。


一方、GT300クラスでは、マザーシャシーの86が底力を発揮する。まず、Q1でNo. 5 マッハ車検 MC86 GTNETの藤波清斗がトップタイムをマーク。GT3勢を封じ込めた。続くQ2でも5号車は快走を見せたが、これを上回ったのが、No.25 VivaC 86 MCの山下健太。Q1を14位ギリギリで通過した25号車だったが、Q2でのアタックで最速ラップをマーク。第3、4戦に次ぐ今季3度目のポールポジション獲得に成功している。



・第6戦鈴鹿 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組))1’47.074
2.No.19 WedsSport ADVAN LC500(関口雄飛/国本雄資/小林可夢偉組)1’47.269
3.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)1’47.648


GT300
1.No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太/近藤翼組)1’57.543
2.No.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/川端伸太朗組)1’58.000
3.No. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗/玉中哲二組)1’58.146



2017年8月24日

SUPER GT第6戦鈴鹿 プレビュー


鈴鹿1000km、ラストレース!勝者はどのチームに?

 

第4戦SUGO、第5戦富士と続いた夏のSUPER GTシリーズ。その最後を飾るのは、三重・鈴鹿サーキットで開催される鈴鹿1000kmレースとなる。毎レース、タイトな戦いを繰り広げる今シーズンではあるが、この鈴鹿の戦績によってそろそろシリーズタイトルの行方が見え始めるだけに、さらに過酷な戦いを繰り広げられるハズ。第3ドライバーとして、元F1ドライバーの小林可夢偉やクリスチャン・クリエン、さらにジェンソン・バトンなど豪華な顔ぶれが揃う夏の三連戦の最後となる一戦、そして鈴鹿1000kmとしてのラストレースの行方を見届けよう!

 

レクサスホンダの次は?
シーズン開幕とともに快進撃を見せていたレクサスLC500勢。安定した速さと強さを武器にシーズン序盤の戦いを牽引した。一方、ホンダNSX-GT勢は第1戦を皮切りに、第3、第4、第5戦と4度もポールポジションを手にしてはいたがなかなか決勝での結果が伴わず、前回の富士でシーズン初優勝を達成。戦闘力がようやく存分に発揮され、待ちわびたホンダファンへ何よりのプレゼントとなったはずだ。

 

その一方で、気になるのが日産勢の動向。オフシーズンのテストでは、レクサス・ホンダ両陣営から遅れを取り、まだ表彰台の真ん中に立っていない。とはいえ、ワークスのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)は全戦入賞を果たすなど、安定感は抜群。とりわけ印象的だったのが、第4戦SUGO。予選はGT500の全15台中14番手という厳しいポジションに甘んじたが、決勝では着実なレース運びを完遂。レースそのものが度重なるセーフティカーラン導入という荒れた展開ながら、うまく逆手にとって4位入賞を果たした。さらに前回の富士でもその勢いがキープされ、予選2番手、決勝も2位を獲得。優勝まであと一歩のところへと近づいた。23号車が装着するタイヤは夏の暑さを得意とするミシュランだけに、最大限そのメリットを活かす戦略をうまく組み立てることができれば、待望の一勝を手にする可能性も高いと思われる。

 

■GT300は、相性の良さでスバルが本命!?
前回の富士戦では、No.55 ARTA BMW M6 GT3がポール・トゥ・ウィンを果たし、さらにNo.4 グッドスマイル初音ミクAMGが2位に続くなどFIA GT3車両が優勢だったが、鈴鹿は外車勢それともJAF GT勢どちらが抜きん出ることになるのだろうか。一方、近年の戦いぶりを見る限り、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの活躍に期待ができそうだ。というのも、過去の戦歴においてもスバル勢が確実に結果を残しており、実績、データの面から見ても申し分ない。また61号車としては、第3戦オートポリスでの第2位以降表彰台から遠ざかっているぶん、余計に好結果が欲しいところ。ライバルより軽いウェイトハンディを巧みに活かし、ここで一気に躍進してくる気がする。また、ウェイトハンディが軽いチームにもチャンスが巡る可能性も高い。優勝を含む上位入賞チームはそれなりにウェイトを搭載しており、まだ軽めのウェイトのチームはここぞとばかり勝機を狙ってくることは間違いない。

 

■伝統の鈴鹿1000km、ラストレース
通常レースの250〜300kmレースに比べて4倍ほどの長丁場になる鈴鹿戦。レギュレーションでは、ドライバー交代を含み義務付けられるピットインは最低5回に及ぶ。つまりその都度ピットでの作業が行われるためにミス誘発の確率も上がるわけで、せっかくドライバーが築き上げた後方車両とのマージンも、作業ミスによって一瞬に消滅することも起こりうる。当然のことながら、コースを走るクルマ、ドライバーに限らず、ピットで待ち受けるスタッフ、そして采配を振るう監督やエンジニアが一丸となって戦いに挑まなければならない。

 

過酷なレースとして知られる鈴鹿1000kmだが、なんと今大会をもって長い歴史にピリオドを打つことになった。1966年にスタートした伝統の一戦は、SUPER GTのシリーズ戦から外れるだけでなく、そのイベントそのものが終了。大会を主催する鈴鹿サーキット/モビリティランドでは、すでに来年からは10時間レース開催をアナウンスしており、ラストレースのプロモーションにも事欠かない。また、1000kmを戦い終えたサーキットの上空には大輪の打ち上げ花火が待っている。色んな意味で思い出に刻まれる一戦となるだけに、ぜひ記憶に残る戦いを見せてもらいたい。
■主なタイムスケジュール
8月26日(土)
08:00 – 08:50 オープンピット
09:20 – 11:05 公式練習
09:20 – 10:45 : GT500 & GT300
10:45 – 10:55 : GT300
10:55 – 11:05 : GT500
11:15 – 11:30 サーキットサファリ
12:35 – 13:25 ピットウォーク
14:35 – 15:10 ノックアウト予選_Q1
14:35 – 14:50 : GT300
14:55 – 15:10 : GT500
15:20 – 15:52 ノックアウト予選_Q2
15:20 – 15:32 : GT300
15:40 – 15:52 : GT500
17:20 – 18:00:キッズウォーク
19:20 – 20:00:ナイトストレートウォーク

8月6日(日)
09:50 – 10:35 ピットウォーク
10:55 – ウォームアップ走行、スタート進行
12:30 –     決勝レース(173Laps)





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