スーパーGT 2017 Round.5 - イベント・レースレポート

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スーパーGT 2017 Round.5

2017年8月8日

SUPER GT第5戦富士、ARTAがダブルでポール・トゥ・ウィンを達成!


8月6日、静岡・富士スピードウェイにおいてSUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」が行われ、予選でポールポジションを獲得したNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)が完勝で待望のシーズン初勝利を達成。また、GT300クラスにおいてもポールポジションからスタートしたNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)が逃げ切り優勝。これにより、ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)は両クラスで勝利しただけでなく、SUPER GT史上初となる両クラスのポール・トゥ・ウィンを達成している。



決勝日を迎えた富士スピードウェイ。レースウィーク一番の厳しい暑さに見舞われた。朝からじりじりと強い陽射しが照りつけ、気温もぐんぐんと上昇。ところが、午後に入ると、徐々に雲が広がり、ところどころに鉛色した雨雲を含む薄曇りになる。午後3時25分に静岡県警の白バイとパトカーによるパレードラップがスタート。その後、フォーメーションラップを経てスタートが切られた。ポールからクリアスタートを見せた8号車の野尻は難なくトップでオープニングラップを終了。2番手No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリも果敢にトップの座を狙ったが願いは叶わず、2番手で周回を重ねていく。その後方では激しいポジション争いを展開、徐々に8号車が後方との差を広げ、2位以下が攻防戦を繰り広げることになった。その中から頭ひとつ抜け出したのは、No.38 ZENT CERUMO LC500の立川祐路。予選6番手から確実にポジションを上げ、表彰台争いに加勢する。



レースはルーティンワークを終え、後半戦へ。8号車は小林へ交代してからも快走を続け、8秒近いマージンを構築していた。一方、2番手の23号車の松田次生は、3番手38号車の石浦宏明とのバトルを繰り広げることに。テール・トゥ・ノーズから隙を見て逆転を狙う石浦を、松田は絶妙なライン取りで先行を許さない。この丁々発止が延々と続く様子は実に圧巻で、多くのGTレースファンを唸らせることとなった。結局、8号車は後続からのプッシュにあうこともなく、このまま快勝のチェッカー! これまで2度ポールポジションを手にしながらも、1度はリタイヤ、さらに5位入賞に留まる結果に甘んじてきたが、ようやく待望の勝利を達成。ARTAにとって、そしてHondaにとっても新型NSX-GTの初優勝を果たすことになった。一方、激しい攻防戦の2位争いを制したのは、23号車。今季初の表彰台を手にした。3位には38号車。こちらは、第2戦の優勝以来となる表彰台となる。



一方のGT300クラス。こちらもポールポジションスタートのNo.55 ARTA BMW M6 GT3が順調な走りを披露。スタートドライバーの高木は2番手以降を着々と引き離し、レース折り返しを前に9秒近い差を築いていく。2番手にはNo. 7 Studie BMW M6の荒聖治、その後方からはNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也が僅差で迫り、逆転の機会を伺い続けた。しかしトップ3台の後方では、ルーティンワークでタイヤ無交換の戦略を敢行するチームが出現。それがNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTだった。久保凜太郎から嵯峨宏紀へと交代後、31号車は暫定2位へと浮上する躍進を見せ、終盤には4号車の谷口信輝の猛攻に遭って先行を許したが、31号車は今季初の表彰台獲得に成功している。なお2位に入った4号車は、これでポイントランキングトップへ。また、今季初勝利となる55号車はランキング3位に浮上している。



・第5戦富士 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)66L 1:44’39.955
2.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)+1.530
3.No.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組)+2.203

GT300
1.No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)62L 1:46’12.758
2.No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)+1L
3.No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/久保凜太郎組)+1L



2017年8月8日

SUPER GT第5戦富士、ARTAがGT500、GT300両クラスでポールをゲット


第4戦SUGOからわずか2週間のインターバルで迎えた第5戦。戦いの舞台は静岡・富士スピードウェイ。シーズン2度目の富士戦は、夏の厳しい暑さの中で開幕した。土曜日は濃灰色の空が広がり、気温も30度を少し超えるだけだったが高湿度で蒸し暑さが先行する一日となった。その中で、前回に引き続きNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)が今季3度目となるポールポジションを獲得。シーズン未勝利の8号車が、勝利に向けて幸先のいいスタートを切ることとなった。



前回のSUGOは、きまぐれな勝利の女神、そして今や名物でもある魔物の出没によって波乱万丈の一戦となったことは記憶に新しい。8号車は波乱に見舞われた車両の1台であり、その悔しさを払拭する走りを予選で見せたことになる。午前中の公式練習こそ11番手止まりだったが、午後からのノックアウト予選では、Q1を7番手で通過すると、Q2でトップタイムをマーク。2位を0.371秒も引き離す堂々のポールポジションを獲得する。一方、Q1でトップタイムをマークしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)もポールを狙って渾身のアタックを見せたが、2番手に甘んじた。3番手に続いたのはNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)。重いウェイトハンディをものともせずQ1を5位で通過すると、Q2ではさらに見事なアタックを披露し、好位置につけることとなった。



一方のGT300クラス。オートポリスとSUGOでは、JAF GT勢やマザーシャシーがコースとの相性を武器に上位につけることが多かった。ところ変わり富士では、FIA-GT3車両が大活躍。公式練習でNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)がトップにつけると、Q1ではNo. 7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)が最速タイムをマーク。そしてQ2で再び55号車が奮闘。今シーズン初となるポールポジションを手にした。なお、ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURIにとってはGT500およびGT300両クラスでのダブルポールとなり、3度目の快挙となった。




・第5戦富士 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)1’29.104
2.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1’29.475
3.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)1’29.591

GT300
1.No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)1’37.525
2.No. 7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)1’37.809
3.No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)1’38.078



2017年7月31日

SUPER GT第5戦富士 今季2度目の富士決戦、レクサスの連覇なるか?


2ヶ月ぶりとなった前回第4戦SUGO戦。今年もまた菅生の女神がいたずら好きの本性!?を見せ、波乱と混乱を産んだのは記憶に新しい。再三に渡るセーフティカーランがもたらしたのは、優勝争いのラインナップに名を連ねていなかったチーム同士による壮絶なバトルだった。その内容はSUPER GTの歴史に残るであろう見応えたっぷりのものだったが、戦う側は、改めてレースの怖さを思い知る一戦となった。それから間髪おかずに繰り広げられる第5戦富士。今度はどのようなドラマが待ち受けるのだろうか。

 

■続くか、レクサスの連勝
最後の最後まで勝者が誰になるか想像ができなかったSUGO戦。結局、表彰台の真ん中に上ったのはNo. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)で、レクサスLC500勢が開幕からの4連勝を達成した。内容としては、レクサス全6台のうち異なる4台がそれぞれ1勝を挙げているため、これでレクサスの中で未勝利は、No. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組)とNo.19 WedsSport ADVAN LC500(関口雄飛/国本雄資組)の2台となった。なお、6号車は未勝利ながら過去3戦で表彰台に上がっており、現時点でドライバーズランキングトップに立っている。これを考慮すると、ウェイトハンディ的に負担が少ないのは19号車だが、ストレートエンドの長い富士では残るレクサス勢もまだまだ奮闘の余地があるといっても過言ではない。

 

とはいえ、表彰台の真ん中を狙うには、やはりウェイトが足かせとなる。SUGO、今回の富士、そして真夏の三連戦の最後を飾る鈴鹿1000kmをターニングポイントと捉えた場合、決して無理は禁物。表彰台が理想だが、最終的には1点でも多くのポイント獲得を狙う手堅いレースに徹する可能性もあるだろう。

 

■好調だが結果が残らないホンダ
大混乱のSUGOで一番割りを食ったのは、他ならぬHonda NSX-GT勢だろう。ポールポジションを手にしたNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)はドライバーが招いたミスで失速したが、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)は走行中にまさかのリヤハッチのアクシデントに巻き込まれた。これはスタッフの整備ミスではないとのこと。現在、原因究明に躍起になっていると言われている。そしてオートポリスに続きSUGOでもSCランにリードを奪取されたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)に至っては、強さも速さもしかとアピールして戦う中で足下をすくわれたのだから、不運としか言いようがない。このようにレースで結果を残せていないHonda勢ではあるが、実のところ予選での好調さには目を見張るものがあり、ポテンシャル大幅に向上しているのは確かなようだ。富士のコースレイアウトはNSX−GT向きではないとはいえ、ライバル勢よりもウェイトハンディが軽いことを味方に、上昇気流をなんとか継続させ、今度こそ結果を残す戦いをすることが早急の目標となるだろう。

 

では、結果を求めて苦心するホンダ勢に対して日産GT-R勢は、どうなのか。SUGOではウェイトの軽いNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正組)とNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)がまさかの最後尾スタート。ところが、レースが始まるとじわりじわりとポジションアップ。決戦に強いベテランドライバーのレース運びが奏功する。さらに46号車に至っては、絶妙なタイミングでのピットインが幸運をもたらした。これにより、終盤、1号車とのバトルは観客のみならずレース関係者をも興奮の渦に巻き込むような大激戦となり、レースの醍醐味を見せつける好戦を繰り広げた。富士ではさらに暑さが厳しい戦いになる可能性も高いだけに、ますます本領発揮となる可能性が高い。もちろん、ミシュランタイヤ以外を装着するGT-R勢の奮闘にも目が離せない。

 

■GT300の主役は、FIA GT3へ!?
GT300クラスは、主役が交代しそうだ。というのも、オートポリス、SUGOは、コースレイアウト的にJAF GTまたはマザーシャシーが得意とする場所であったが、高速コースの富士は正直得意とは言い難い。となれば、主役交代のチャンス。つまり、FIA GT3がここぞとばかり、暴れるのではないだろうか。パワー、スピードを遺憾なく発揮できる場所で再びタイヤ戦争を含む、熱いバトルが期待できそうだ。

 

現在、ランキングトップはNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)。しかし搭載ウェイトが重いため、この富士では表彰台狙いは正直厳しい。後半戦のタイトル争いで優位に立つための準備戦になると思われる。これに対し、今シーズン、あと一歩のところで表彰台の真ん中を逃している各チームが富士で目標実現に挑んできそうだ。いずれにせよ、ポテンシャルをキチンと引き出せる状況での戦いに持ち込めるかどうか、チームとしての総合力が問われる決戦になりそうだ。

 
■主なタイムスケジュール
8月5日(土)
07:00 – 07:45 オープンピット
08:50 – 10:35 公式練習
08:50 – 10:15 : GT500 & GT300
10:15 – 10:25 : GT300
10:25 – 10:35 : GT500
10:45 – 11:00 サーキットサファリ
12:00 – 12:50 ピットウォーク
14:35 – 15:10 ノックアウト予選_Q1
14:35 – 14:50 : GT300
14:55 – 15:10 : GT500
15:20 – 15:52 ノックアウト予選_Q2
15:20 – 15:32 : GT300
15:40 – 15:52 : GT500
18:00 – 18:40:キッズウォーク

8月6日(日)
10:35 – 11:25 ピットウォーク
13:00 -     オープニングセレモニー、選手紹介
13:50 – ウォームアップ走行、スタート進行
15:25 –     決勝レース(66Laps)
17:20 – 18:15 コースウォーク





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