スーパーGT 2017 Round.3 - イベント・レースレポート

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スーパーGT 2017 Round.3

2017年5月22日

SUPER GT第3戦オートポリス、au TOM’S LC500が初勝利!


早くもシーズン3戦目を迎えたSUPER GT。戦いの舞台は大分・オートポリス、2年ぶりの開催となる。「SUPER GT IN KYUSHU 300km」は、予選日に続き、決勝日も強い陽射しが降り注ぐレース日和に恵まれた。一方、レースは勢いある車両同士の激しい攻防線があちこちで炸裂。バチバトルの末の接触やコースアウトを引き起こした波乱の展開になった。そんな中、トップでチェッカーを受けたのはNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)。前日の予選アタックで痛恨のミスから8位スタートに甘んじた中嶋が、見事な挽回劇を披露することとなった。



決勝前のコンディションは気温22度、路面温度31度。前日の予選よりも低い数字ではあるものの、体感的には夏日を思わせるような暑さだった。クリアスタートを切ったポールポジションのNo.100 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴がホールショットを奪うと、以下、予選2位 No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲、さらに予選3位 No. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンが続いた。100号車は勢いのって早くも6秒の差を着け、トップを快走。だが5周目にアクシデントが発生する。最終コーナーひとつ手前のブラインドカーブにおいて、No. 8 ARTA NSX-GTの小林崇志がスピン。その後方にいたNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTの久保凜太郎がかわしきれず、8号車に衝突する。さらに後方を走っていたNo.18 UPGARAGE BANDOH 86の川端伸太朗もこのアクシデントに巻き込まれ、接触。車両ダメージを負った。結果、車両や飛び散った破片などの回収のため、セーフティカーがコースイン。この先、13周終了までレースがコントロールされた。



築いたマージンを奪われた100号車だったが、レース再開後も激しく襲いかかる後続車をシャットアウト。一方、その後方では3位走行中の1号車コバライネン、さらに36号車ロシターまでが2位の46号車本山を攻略すると、コバライネンは、その勢いでトップ山本へ詰め寄り、乗じてロシターもペースアップ、3台によるトップ争いへと形を変えた。だが、山本は冷静に後続の攻撃をかわし、逆にコバライネンが背後のロシターに捕まってしまう。するとこのタイミングで100号車はルーティンのピットワークを敢行、伊沢へとバトンを託した。また、3位に後退した1号車もピットイン。平手が新たにステアリングを握った。なお、ピット作業では100号車がタイヤ交換に手間取ったようで、1号車の逆転を許している。



トップに立った36号車もその2周後にピットイン、新たに中嶋が順調にペースアップを果たす。40周終了時点でGT500全車両のルーティンワークが完了すると、36号車、1号車、そして100号車のオーダーで後半戦が始まると、早速逃げる36号車1号車平手が中嶋を追う。だが3番手の100号車伊沢は前2台についていけず、徐々に差が開く。一方、100号車の後方では、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの塚越広大とNo. 6 WAKO’S 4CR LC500の大嶋和也が激しいバトルを展開。この攻防は、50周目に2台が接触の末に6号車が後退し、決着がついた。すると今度はトップ争いがヒートアップ。51周目、中嶋へ一気に近づいた平手が勝負に出たが、接触。結果、1号車がスピンし、それを回避しようとしたNo.50 Ferrari 488 GT3の新田守男が不運にも1号車に追突する惨事を招いた。だが、波乱はまだ終わらない。今度は2位走行中の100号車伊沢に塚越がサイド・バイ・サイドで挑み、逆転に成功。これでトップ3が36号車、17号車、100号車となる。



終盤に向け、中嶋はときに30秒ほどの差をつけてトップを快走、塚越も伊沢の存在を感じながらも2位をキープ。一方で伊沢は46号車千代とのバトルを強いられ、最後の最後まで厳しい状況に追いやられた、なんとかしのぎ切って3位でチェッカーを受けた。こうして、第3戦オートポリスは多くのバトルを繰り広げた末に、36号車が今シーズン初勝利。また、レクサス勢が開幕から3連勝を達成した。2位、3位にはホンダNSX勢が続き、ともに今季初表装台。4位の46号車は日産勢トップとして、今シーズン初ポイントを手にすることとなった。



GT300もGT500同様、激しいポジション争いを繰り広げた。開幕戦、第2戦富士と、FIA GT3車両に席巻されていたマザーシャシーやJAF GT車両が気を吐く戦いとなり、クラスポールからスタートしたNo.25 VivaC 86 MCの山下健太と、予選2位No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が僅差の争いで周回を重ねていった。


レース折り返し近くまで続いた2台のテール・トゥ・ノーズは、トップ25号車のピットインをもって一旦終了。61号車もその2周後にピットインし、アウトラップでは25号車を先行する勢いを見せた。だが、冷えたタイヤでのリードは厳しく、再び25号車が61号車の前に立ちはだかった。続く3番手に浮上していたNo.55 ARTA BMW M6 GT3。スタートドライバーの高木真一からステアリングを受け付いたショーン・ウォーキンショーは、今年SUPER GTにデビューしたばかり。海外での豊富なレースキャリアはあるものの、日本でのレース、またオートポリスは初走行。その中で、ミスなく安定したタイムを刻むというチームからのオーダーを完遂。優勝争いには届かなかったが、そつのない走りで3位を守り切っている。


一方のトップ争いは、終盤に入って25号車松井孝充がスパートをかけたが、地元ドライバーである61号車井口卓人も食らいつき、逆転のチャンスに望みをかける。25号車は燃料ポンプのトラブルを抱えての走行だったこともあり、2台の差はセミファイナルラップでおよそ1秒台に! 力を振り絞って一発逆転を狙った61号車だが、惜しくもギリギリあと一歩が届かず。チェッカーを受けた2台の差はわずか0.091秒という稀に見る激戦となった。




・第3戦オートポリス 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)65L 1:59’56.800
2.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)+26.592
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)+26.756



GT300
1.No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)61L 2:01’16.448
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+0.091
3.No. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗組)+10.971

 

 

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2017年5月21日

SUPER GT第3戦オートポリス、100号車 RAYBRIG NSX-GTが初ポール!


早くも今シーズン3戦目を迎えたSUPER GTシリーズ。その舞台は2年ぶりの開催となる大分・オートポリス。去年は直前に発生した熊本地震の影響を受け、残念ながら中止となったが、今年の予選日はレース日和の好天気に恵まれ、その中で、No.100
RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)が今季初ポールポジションを手にしている。

 

ゴールデンウィーク真っ只中に開催された第2戦から、さほど時間が経たないうちに迎えたオートポリス戦。朝から強い陽射しが差込み、暑さを感じる中でのセッションが続いた。100号車は、朝の公式練習から安定した速さをアピール。微調整の繰り返すことで方向性をしっかりと見出していたようだ。GT300クラスとの混走セッションの時点から繰り返しトップタイムを刻むと、GT500の専有走行では山本選手がニュータイヤで1分33秒783をマーク。セッションの最後までせわしく入れ替わったトップの座を手にした。

 

その後も気温、路面温度は小刻みに上昇。ノックアウト予選開始となる午後2時には気温26度、路面温度に至っては46度まで上がり、路面コンディションにも変化の影響を与えたようだ。その状況を味方につけて好タイムを叩き出したのが、100号車の伊沢選手。2番手におよそ0.6秒強ほどの差をつけ、トップでQ1を突破する。2番手にはNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)、さらに3番手はNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組)、そして4番手にもNo. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)というレクサス勢が3台続き、開幕戦から続く勢いを改めて感じさせることになった。

 

そして迎えたQ2のアタック。Q1比で気温、路面温度ともに若干低くなったが、タイヤ温存を考慮し、セッションが始まってもピットで待機する車両がほとんど。残り時間5分を前に、ようやくアタックが始まった。セッション終盤、Q1で2番手につけていた36号車が痛恨のコースアウト。一方、100号車は1分33秒740と申し分ないタイムをマークし、トップへ。100号車としては2008年第6戦鈴鹿以来、そして山本自身初めてのポールポジションを手にすることとなった。2位には日産勢トップとなるNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正組)が、3位にはレクサス勢トップとしてNo. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)が続き、3メーカーがトップ3を分け合う結果となった。

 

GT300クラスでも、朝の練習走行から好調だったNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)が、予選でも勢いをキープ。まずQ1で山下がトップタイムをマーク。これにNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)、No. 7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)が続き、マザーシャシーvsFIA GT3車両のタイム合戦となった。Q2に入っても25号車の好走は変わらず。トップタイムをマークし、今季初ポールポジションを獲得するに至った。2番手は国産勢が奮闘。No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が今季ベストポジションで続き、3番手には、25号車と同じくマザーシャシーのNo. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗組)が大躍進する結果を残している。

 

 
・第3戦オートポリス 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)1’33.740
2.No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正組)1’34.331
3.No. 1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組)1’34.749

 
GT300
1.No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)1’43.702
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’44.336
3.No. 5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月/藤波清斗組)1’44.359



2017年5月17日

2年ぶりの開催、オートポリスでGTマシンが疾走!


昨年4月に九州地方を襲った震災により、開催を見送ったSUPER GTオートポリス戦が2年ぶりに実施される。2年ぶりの開催となる第3戦の舞台が整い、九州地方のSUPER GTファンはもちろん、参戦するチーム、ドライバーにとっても心待ちの一戦になることだろう。

 

■山間にあるユニークなコース
オートポリスが位置するのは大分県。だが、県南西部、つまり熊本県との県境に近いという立地の関係で、レースウィーク中は熊本方面からのアクセスが多く、連なるワインディング・ロードを走ってサーキット入りすることになる。施設自体も阿蘇外輪山の中腹に位置しており、独特の雰囲気を持つサーキットとして知られる。加えて、国内サーキットでは珍しくピットがコースの外側にあるため、ピット作業の給油で車体左側の給油口を利用するのも、オートポリスならではの光景となる。また、テクニカルセクションを含むコースレイアウトも然り。アップダウンに富み、最大標高差はなんと52m! クルマを仕上げるエンジニアにとっては難コースのひとつと言えるだろうが、一方で、レイアウト的にも走り甲斐のあるコースであると、好きなサーキットとして名を挙げるドライバーも多い。ドラマチックなレース展開になることも珍しくなく、結果的に不確定要素をたくさん含んでいるオートポリスでの一戦は、シーズン序盤から中盤に向かう中で、キーポイントとなるレースになることは間違いないだろう。

 

■開幕戦から2連勝のレクサス、第3戦での快走は?
開幕戦岡山を制し、続く第2戦富士500kmの長丁場で独走で2連覇を果たしたレクサスLC500。しかも、2戦連続表彰台独占という快挙により、ライバルを圧倒的にリードしている。今回のオートポリスを前に搭載ウェイトが増えているだけに、アップダウン、しかも中高速コーナーという不利な条件が揃う中、どのような対応を見せてくるのか、大きな注目が集まる。だがその一方では、オートポリスで実施された事前のタイヤメーカーテストでは、想定されるウェイトを搭載した上で走行していたという話もあり、ウェイトハンデがあっても、依然速さに陰りを見せないLC500の勇姿を引き続きオートポリスでも目にすることができるのではないか、という推測もできる。レクサス勢の全車がそれなりのウェイトを積み終わるまで、対ライバルにおけるアドバンテージは今回も保たれるのだろうか。

 

競争第一のモータースポーツにあって、ライバルの独走をいつまでも許していてはいけないとばかり、当然のことながら日産ホンダの両陣営も奮闘中であることには違いない。なにしろ前回富士戦では、予選で日産のエース車両23号車が2番手を獲得。この情報を得て、急遽決勝日に来場するファンが増えたのだとか。ゴールデンウィーク真っ只中にありながら、当日券が勢い良く売れたという話を聞けば納得もできる。決勝では惜しくも表彰台を逃したが、それでも4位入賞を果たしているだけに、そろそろ本領発揮といきたいところだろう。さらに、ホンダ勢も負けてはいられない。開幕戦岡山では8号車がポールポジションを手にしたが、8号車に留まらず複数の車両がスタート前後の時点で突然のトラブルに見舞われるという、まさかの悪夢に襲われた。だが、富士戦では100号車がホンダ勢最上位として6位入賞を達成。もちろん彼らからしてみれば、決して手放しで喜べる結果ではないだろうが、着実なレース進行によって得られた信頼性に加速がつけば、今後の戦いにも勢いが見えるはず。新車同士の三つ巴のバトルがどのタイミングで見られるのか、楽しみが増えそうだ。

 

■FIA GT3に待ったをかけるのは、どのクルマ?
岡山、富士と続いたFIA GT3車両の快進撃。車体の迫力からしても、GT500クラス車両に引けを取らない圧巻の姿は、サーキットに相応しいが、やはり百花繚乱といわれるGT300クラスとしては、JAF-GT車両やマザーシャシーにも、奮闘してもらいたいところ。そして、今回のオートポリスはというと、実のところ、コースレイアウト的にはこのJAF-GT車両やマザーシャシーに追い風が吹くとされている。つまり、パワーにものを言わせるFIA GT3車両のメリットをオートポリスで活かすのは、正直難しいようだ。結果、セッティングを得意とするJAF-GT車両やマザーシャシーが、いよいよ本領発揮できる出番となる。

 

クルマの特性が異なれば、開催サーキットの特徴も違う。その中で毎戦ひと味もふた味も異なるパフォーマンスを披露するのが、SUPER GTならではの醍醐味。GT300クラスは、それを体現化しているともいえるだろう。天候が安定すれば、初夏を思わせるような観戦日和の中で楽しめる第3戦。戦いの行方に注目が集まる。

 

 
■主なタイムスケジュール
5月20日(土)
07:30 – 08:20 オープンピット
09:00 – 10:45 公式練習
09:00 – 10:25 : GT500 & GT300
10:25 – 10:35 : GT300
10:35 – 10:45 : GT500
10:55 – 11:15 サーキットサファリ
12:05 – 12:55 ピットウォーク
13:30 – 14:05 ノックアウト予選_Q1
13:30 – 13:45 : GT300
13:50 – 14:05 : GT500
14:15 – 14:47 ノックアウト予選_Q2
14:15 – 14:27 : GT300
14:35 – 14:47 : GT500
16:20 – 17:05:キッズウォーク

 

5月21日(日)
10:30 – 11:30 ピットウォーク
11:50 – オープニングセレモニー、選手紹介
12:25 – ウォームアップ走行、スタート進行
14:00 –     決勝レース(65Laps)

 





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