
スーパー耐久シリーズ2013第7戦 オートポリス

シーズン最終戦、“魅せる”レースを目指す
ついに2013年の最終戦を迎えたスーパー耐久シリーズ。戦いの舞台は日本最南端のサーキットでもある大分・オートポリス。今季ラストレースを表彰台の真ん中で飾るべく、青木孝行、星野一樹、尾本直史の3ドライバーはじめ、チーム一丸となって集大成のパフォーマンスを披露しようと誓った。
- 11月9日:予選 / コースレコードを更新するキレよい走りでポールポジション獲得に成功
- 最終戦が開催されるオートポリスは、大分県と熊本県の県境にほぼ近く、阿蘇山麓の山間部に位置する九州唯一のサーキット。アップダウンに富み、ユニークなレイアウトを持つコースはドライバーからの人気も高い。一方、今大会は3時間レースで行われるため、短期決戦の色が強い。チームではまず予選での好位置獲得を第一目標に取り組むこととなった。
秋が深まる中、迎えた予選日。薄曇りながら穏やかな天候の中でAドライバーのタイムアタックが始まった。No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rに乗り込んだのは、青木孝行。開始7分、コースレコードを更新する1分48秒349のタイムをマークしてトップに躍り出ると、その後、青木のタイムを上回るチームは現れず。結果、Aドライバーとして2位に0.435秒の差をつけてトップの座を手に入れた。
続くBドライバーの予選には、星野一樹が出走。当然のことながら、青木同様に好タイムを狙ってコースに向った。星野は青木の自己ベストタイムを上回る1分47秒983をマーク、コースレコード更新に成功したのだがこれを上回るチームがいたために3番手に甘んじた。星野は「クルマが思うように曲がらない状況だったのに完璧なアタックができたが、Bドライバートップが47秒0というタイムでガッカリ」と戸惑いを見せた。しかしA、Bドライバーの合算タイムによる予選順位としては総合トップとなり、結果、ポールポジション獲得に成功する。なお、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rにとっては、開幕戦、第4戦富士、そして第5戦岡山に続く、ポールポジションとなる。
- 11月10日:決勝 / 2年連続の雨と霧に翻弄された決勝レースで、2位表彰台へ
- 迎えた決勝日。オートポリスは早朝に激しい雨に見舞われ、次第に小降りへと好転したが、代わって深い霧がサーキット一面に広がった。濃霧による視界不良のため、午前9時20分から予定されていたフリー走行はキャンセルに。本来のスタート予定時刻が午後1時であったとこから、事前のウォームアップを兼ねて12時10分から10分間のフリー走行が急きょ設けられた。
だが、その時間が近づいても天候は回復せず。よってまたもキャンセルに。昨シーズンの最終戦も決勝中に幾度となくセーフティカーが導入され、レースらしいレースが実施できなかった状況と似たような展開になっていく。スタート時間が延期され、午後1時には監督ミーティングを開始。これを受け、午後1時20分、正式に午後2時のスタートが決定した。
なお、レースの細かなルールとして、1)セーフティカースタートとしSCランは最低5周回とする 2)2回以上のドライバー交代を義務づける 3)プラチナドライバーも含め最大運転時間の制限は適用しない 4)チェッカー時刻は16時とする(以上公式通知No.19)といった点が新たにアナウンスされ、レース自体が2時間耐久レースとして実施されることになった。
待ちに待った決勝が午後2時、セーフティカーに先導されてスタート。42台が水煙の高く上がる中、1コーナーへと向っていく。改めて雨脚が強まり、霧で十分な視界確保が難しい中、結局SCランが9周終了時まで継続された。
一方で、悪天候を受けて5周のSCランをもってレースを打ち切る可能性も高く、各チームが戦略を変更。1周目の走行を終えてピットインする車両が多発した。No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rもご多分に洩れずスタートドライバーを務めた尾本がピットイン。青木へとスイッチする。この際、ピット作業で81号車を上回ったのがNo.555 マッハGoGoGo車検GT-R。結果、コース復帰後は555号車のGT-Rが先行する。さらにチームでは2度目のルーティンワークを2周目終了をもって敢行。青木から星野へと交代し、残りすべてを星野に託す戦略を採った。
SCラン中、さらに霧と雨が激しくなったが、10周目から始まったバトルによって、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは6位で周回を重ねていく。上位5台の中で義務付けられたピットインを済ませたのは1台のみ。残るライバルたちはこの先再度ピットインを予定していることから、チームではポジションアップを確証しつつ、加えて星野の安定した走りに期待を寄せることになった。
一方でレースは11周からまたもSCランがスタート。16周終了までレースがコントロールされる。この間を利用して上位1台がピットイン。これでNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは5位に。さらなる追い上げを見せる中、今度は19周目に1台の車両がクラッシュ。翌周には今大会3度目のSCがコースイン、23周終了まで走行を続けた。これを機にピット作業を行うチームが現れることになり、星野はまたもポジションアップ。さらにはレース再開後ほどなくして前方の車両を逆転、ついに3位へ。そして翌周の25周にも1台逆転に成功、ついに2位まで浮上した。
不安定なコンディションの中、星野は落ち着いた走りを披露。そして目前の555号車GT-Rへ猛追を続けた。逃げる555号車と追う星野。2台はともに最速ラップをマークし、文字通りガチンコバトルを展開。厳しい状況の中で、ホットな戦いを続けた。29周目、星野はトップとの差を2.5秒まで縮めたが、多くの周回遅れが絡んでなかなか直接対決には持ち込めない。しかし集中力を高めて粘りの走りを続けていくが、その一方でレース終了の時間が刻々と近づいてくる。
迎えた40周目、2台の差は2秒を切る1.958秒へ! 勝負に持ち込みたい星野だったが、依然として周回遅れ、あるいはクラス同士のトップ争いの集団に行く手を阻まれ、最終の追撃には至らず。結果、悔しさが先行する2位で今シーズン最後のチェッカードフラッグを受けることになった。
無事にレースを終えた星野。「ドライバー交代の直後からワイパーが壊れてしまい、その中で雨、霧、水しぶきとも戦わなければならなかった。前が全然見えず、時にはST-2クラスの4WD車にも抜かれるほどだった」とレース中は恐怖との戦いでもあったとタフな一戦を振り返った。
スーパー耐久初となる韓国・インジェでの戦いを含め、全レースを戦い抜いたNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。チームにおけるベストレース上位5戦分の合算結果により、シリーズランキング3位を獲得。GT-R勢トップで2013年のシーズンを終えることとなった。。
- 日付: 2013年11月9日 -2013年11月10日 オートポリス(大分県日田市)