
第5戦スーパー耐久レースin岡山 決勝

速さを発揮する中、思わぬハプニングがチームを襲う
第4戦富士では突然の天候の変化にも屈することなく力強いレース運びを見せていたNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。今回こそ、予選はモチロン、決勝でもポテンシャルの高さをしかとアピールし、表彰台の真ん中を目指そうと意気込んでサーキット入りを果たしている。今回、岡山でのレースは3時間。これまで5時間、7時間という長丁場のレースをしぶとく戦い抜いてきたチームにとっては、ごくスタンダードな一戦になると思われた。
- 9月1日:決勝日 / 不安定な雨、重なるSC導入の中で善戦するも、本領発揮を果たせず。
- 迎えた決勝日。朝のフリー走行からしとしとと雨が降り続け、8時30分の終了間際ともなると、一気に雨脚が強まるなど、実に不安定な状態。実際、コース上ではタイヤバリアに接触し、ストップした車両が現れたため、セッションは赤旗中断をもって終了するという落ち着きのない状況となった。
前日、快走を見せてポールポジションをつかんだ星野と青木。雨の中でのスタートとなるが、「一番前からスタートできるのはいいことだし、もう表彰台に上がるだけでなく勝たなきゃいけないと思ってます」と星野が言えば、青木も「流れもいいし、一番前からスタートするから、優勝にも近い位置だし、良かったです。今回はトラブルなしに走りたいし、そろそろ優勝も…」と、ともにチーム悲願の初優勝を誓い、午後からの決勝に向けて士気を高めた。
朝のフリー走行時にはウェットコンディションだったサーキットは、レース開始直前までは薄曇りの天気に踏みとどまっていた。ピットウォークも傘を必要としない状態だったが、雨もガマンしきれなかったようで、ついにフォーメーションラップ開始に合わせるかのように降り始めた。
足下はしっかりとレインタイヤが装着され、午後1時30分、3時間のレースが幕を開ける。強く降る雨の中、スタートドライバーを担当する青木は、トップをキープしたまま4周をクリア。だが、劣悪なコンディションで俄然元気なST-2クラスの4WD車、20号車がクルマのアドバンテージを活かして青木の背後に迫り来る。結果、次の周に逆転を許したが、8周目にはコースアウトした車両の回収のためにセーフティカーが導入される。そこでチームでは12周終了の時点で青木をピットに呼び戻し、1回目のルーティンワークを実施した。
代わってステアリングを握ったのは、星野。だが、このコース復帰の際にピットロード出口の信号を無視したことがペナルティの対象となってしまう。結果、17周目にレースが再開された後、30秒のペナルティストップを課せられてしまった。チームはすぐにこれを消化、気持ちを入れ替え、改めてポジションアップに挑むこととなった。クラス8位からの追い上げを強いられる中、星野は懸命のペースアップで周回。逆転を信じて力走する。
スタートから2時間経過を前に、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは2度目のルーティンワークを実施。再び青木へとスイッチする。総合10番手までポジションアップを果たす中、またしても雨脚が強くなり、60周目に2回目のセーフティカーランが行われる。これを機に猛追のチャンスを作りたかったチームだが、レースはその後も不安定なコンディションが続き、逆転劇を披露するのも厳しい状況。しかしながら、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは粘りの走りを続け、チェッカーまで残り30分を切る頃には総合8位争いを繰り広げる健闘を見せた。
そんな中、午後4時15分、75周目で3度目のセーフティカーランが実施される。しかし、これに先立ち、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは予定外のピットインを強いられていた。実は、直前を走る3号車がWヘアピンでスピンし、81号車と接触するというまさかの事態に遭遇していたのだ。81号車は右フロントのタイロッドを傷めてしまい、修復に時間を取られることに。最終的に、残り時間8分でレースが再開したタイミングでコースへ復帰したNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。手負いの車両ではあったが、チェッカードフラッグを受け、クラス8位、総合33位で岡山の戦いを終えている。
2戦連続でポールポジション獲得を果たしたものの、表彰台に立つチャンスを逃したNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。次回、鈴鹿でのスプリント戦で改めて勝利への戦いに挑むことになる。
- 日付: 2013年9月1日 岡山国際サーキット