SUPER GT 2015 Round.6
SUPER GT第6戦SUGO、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが待望の今季初勝利!
決勝を迎えた第6戦。朝のフリー走行では薄曇りだった天気も次第に回復。決勝時には青空が広がり、気温、路面温度ともにレースウィーク一番の暑さとなった。毎年、決勝は荒れた展開になることが多く“魔物が棲む”といわれるSUGOだが、ご多分にもれず今回も波乱に満ちたドラマが繰り広げられた。そんな中でつねに安定したレース運びを見せていたのが、予選2番手からスタートしたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)。後半に逆転を果たすと以後、盤石の走りでトップを快走。待望の今季初優勝を達成した。
スタート直後の混乱は皆無。荒れると言われるSUGOのオープニングラップは平穏そのものだった。ベテラン本山哲が駆るNo.46 S Road MOLA GT-Rはみるみるうちに後続車との差を広げ、レースを牽引。これに100号車の山本、No.64 Epson NSX CONCEPT-GTのベルトラン・バゲットらが続いていく。さらに20周を過ぎると3番手の64 号車のバゲットが果敢な攻めで2番手を攻略。だがその直後、マシントラブルに見舞われスローダウン。緊急ピットインで修復作業を行なうも、サスペンショントラブルによるリタイヤとなった。また26周目、ポジション争いをしていた2台のRCFがバックストレッチで接触。うち1台のNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fの平手晃平がガードレールにヒット、クルマのフロント部分を大破させてしまう。
レースはこのアクシデントを機にセーフティカーがコースイン。ルーティンワークのピットインにはまだ早いタイミングではあったが、ピットレーンオープンを機に続々とクルマが戻ってくる。だが、コンパクトなコースであるSUGOゆえ、ピットレーン上では大渋滞が発生。ピット前にうまく車両を止めることもままならない状態は騒動さながら。ピットの位置による泣き笑いを生み出してしまった。一方、レースは33周に再開、10秒近くあったトップ46号車のマージンは2秒弱へと縮まり、俄然トップ争いがヒートアップする。結果、2番手100号車の伊沢拓也が36周終わりのメインストレートで勝負をかけ、46号車の柳田真孝を1コーナーで逆転! トップを奪取した。これで勢いがついた100号車は快走を続け、次第に後続との差も広げていく。後退した46号車もチャンスを信じて追随するも逆転には至らず。こうして山本&伊沢コンビとしては初めて、そしてチームとしては2013年開幕戦以来となる待望の優勝を手にすることとなった。この勝利によって、ランキングにおいても2位へと急浮上。トップは依然としてNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が死守しているが、100号車トの差は僅か2点。3位以降も僅差のランキング争いを繰り広げている。
一方、GT300クラスは、ウェイトハンディもなんのその、ポールポジションスタートのNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)がスタートダッシュを見せたが、周回を重ねるごとにマザーシャシーの予選2番手、No.25 VivaC 86 MCの松井孝允が奮闘。徐々に差を詰め、7周目にトップへと立った。逃げる25号車に対し、55号車はその後もペースアップが厳しく逆に後続車の逆転を許してしまう。一方、代わって2位へと浮上したNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTの嵯峨宏紀が追い付き、ゆさぶりをかけるが、重いウェイトでは逆転までには至らず。さらには、SC時のピットインでの大渋滞で明暗が分かれてしまう。最終コーナーに近い25号車は渋滞知らずの作業を済ませたが、31号車はその真っ只中にあり、大きく出遅れることに。これで25号車は後半を担当した土屋武士が後続に17秒近くという大量リードをキープ。参戦初年度となるマザーシャシーに初勝利をもたらすこととなった。
■第6戦SUGO 決勝結果
・GT500(TOP6)
1.No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)1:51’43.118 81L
2.No.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)+2.689
3.No.24 D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ミハエル・クルム組)+38.585
4.No. 6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)+42.564
5.No.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛組)+42.968
6.No. 1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)+48.812
・GT300(TOP3)
1.No.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組)1:51’47.077 75L
2.No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)+16.890
3.No.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)+29.173
