SUPER GT 2015 Round.5 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2015 Round.5

2015年9月1日

SUPER GT第5戦鈴鹿、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fが鈴鹿連覇を果たす!


前日同様、鈴鹿の空は朝から灰色の雲があたり一面に広がった。また雨も時折本降りになるなど極めて落ち着かない決勝日となる。先の読めない天候を相手に幕を開けた今年の「真夏の鈴鹿1000km」は、路面コンディションや装着したタイヤをうまく味方につけたチームが強さを発揮。後方からポジションを上げたNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター組)がダントツの強さと速さをアピールし、後方に大差をつけて長距離レースを勝利。36号車にとっては、昨シーズンに続いての1000kmウィナーとなった。

通常のシリーズ戦であれば日曜朝はフリー走行からスタートとなるが、今大会ではお昼過ぎの決勝を控えた午前11時8分からのウォームアップ走行だけが、最終確認ができる時間となる。夏らしくない低い気温、雨で濡れた路面…。さまざまな要素が重なり、難しい状況下での戦いになることは必至となったが、実際にレース開始直後から先の読めない展開が次々と訪れた。まず、予選3番手からあっという間にトップを奪取したのが、No.64 Epson NSX CONCEPT-GTのベルトラン・バゲット。いわゆる“ちょい濡れ”のウェット路面をものともせず、トップに立ってからもハイペースでレースを牽引した。ところが次第に路面コンディションが改善されるとその速さにも陰りが出始める。代わってトップを奪いにきたのが、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTの小暮卓史。まさに水を得た魚を彷彿するような異次元の走りを見せて、瞬く間にトップを奪うと最速ラップを連発し、場内を大いに沸かせた。その後、レース開始一時間前後から始まった1回目のルーティンワークをうまくクリアしたNo.36 PETRONAS TOM’S RC Fがポジションアップ。前日のQ1ではコースレコードを更新する速さをもちながら、それを上回るライバルに行く手を阻まれ9位スタートに甘んじていたが、レース序盤からその存在感をしかとアピール。上位で周回を重ねていく。

レースはスタートから2時間を過ぎると路面もほぼドライへ。2回目のピットワークで装着するタイヤがその後の走りに大きな影響が出ると読んだ各チームにとっては、実に頭を悩ませる選択だったといえる。事実、明暗を分ける結果が順位をして現れ、一度はレインタイヤを装着したものの、イレギュラーのピットインを敢行してスリックタイヤへと変更するチームも見られた。慌ただしい状況で周回を重ねていく中、レースは午後3時を前にセーフティカーがコースインするハプニングが発生する。

GT300の車両が他車と接触の上にコースアウト。激しくパーツがコース上に広がり、約20分に渡たりセーフティカーによるレースコントロールが行われた。レースが再開すると、トップにいたのは36号車RC F。これにNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、No.38 ZENT CERUMO RC Fが続いたが、36号車はじりじりとリードを広げ、その後のルーティンワークを重ねるたびに2位以下との差を築き上げていく。

長丁場の戦いでは、途中パラパラと雨が落ちたり、またコンディションが改善したりと相変わらず落ち着きのない状況。それに合わせるかのように、ドライブを続ける各車もまた順位を激しく入れ替えての周回となった。その背景には、これまでの戦歴によって課せられたウェイトハンデや選択したタイヤなどさまざまな条件の違いがあり、これがまた戦いの中で大きな差となってじわりじわりと走る順位に反映されることになる。

だが、トップを快走する36号車だけはつねに安定した速さがあり、怯まぬ強さがあった。速さはあれど、出入りの激しい展開で自らペナルティを招くチームもある中、速さと強さのバランスが格段に良かった36号車は後続に1分以上の差をつけてレース後半を迎えることになる。一方で落ち着かないポジション争いを繰り広げていたライバルたち。頭ひとつ抜け出したのが38号車のRCFであり、その勢いに喰らいついてきたのがNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rだった。ともにシーズン前半で着実な成績を残してきたチーム。今年の1000kmレースは制限のあるクルマでも強いレースをすることの重要さを改めて見せつける一戦でもあった。

今季初優勝の36号車は鈴鹿で勝利したチームに与えられるボーナスポイントを手にして、ランキングでも一気にジャンプアップ。3番手へと浮上した。また、12号車のGT-Rは3位フィニッシュで、ランキングトップのキープに成功している。

一方、GT300クラスでは、ポールスタートのNo.2 シンティアム・アップル・ロータスを先頭に、その後方ではランキング争いをしている強豪チームが重いウェイトをものともせずに、着々と自分たちのレース戦略にそって理想のレース運びを進めていた。

しかし、後方からの追い上げを見えるライバル勢は車重も軽く、またウェットからドライへとじわりじわりと変化していくコンディションにも柔軟に対応。中盤以降はさらに混戦が激しくなり、2号車の後方から追い上げを開始したのは、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTやNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTだった。しかし、後半に向うとその様相がまた次なる展開へと進んで行く。この時点でトップを快走する61号車に追い付いてきたのが、予選2位のNo.10 GAINER TANAX GT-R。予選でも速さを発揮したこの2号車、現在のクラストップランカーであり、同時にクラス最大のウェイトハンディ88kgを背負う過酷な条件を課せられたクルマでもあるが、ベテランのアンドレ・クート、海外レースでの活躍も目立つ千代勝正、そして独自にレースキャリアを積み上げている富田竜一郎それぞれが安定した速さで周回を重ね、ついに2位まで返り咲く。

最後のルーティンワークを終えた時点でのトップは10号車のGT-R。これにNo.7 Studie BMW Z4が続き、3番手には61号車のBRZ。各車、長い戦いの中で限りなく安定した走りを継続することができた車両がトップ3へと浮上したといえる。なお今回の1000kmレースは、SCカーの導入さらには雨中のレースラップでの周回となったため、1000km走破ではなくレギュレーションに定められた“最大延長時間”が優先されることとなった。結果、午後6時25分を過ぎてレースは終了。チェッカードフラッグが振られることになり、10号車が今季2勝目を果たし、ランキングでもトップの座を守っている。

■第5戦鈴鹿 決勝結果

・GT500

1.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター組)5:45’55.277  163L
2.No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)+1’25.629
3.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)+1’33.520
4.No.19  WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛組)+1’38.813
5.No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)+1Lap
6.No.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)+1Lap

・GT300
1.No.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎組)5:47’15.336  151L
2.No.  7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)+1.098
3.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+38.842

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