SUPER GT 2014 Round.8 本選 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. SUPER GT 2014
  4. Round.8 本選

SUPER GT 2014 Round.8

2014年11月18日

SUPER GT第8戦もてぎ、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが圧勝、逆転王者に!


11月16日、栃木・ツインリンクもてぎにおいてSUPER GT第8戦「MOTEGI GT250km RACE」の決勝レースが53周に渡って行われた。シリーズタイトルが懸かるこの一戦、予選で最速ラップをマークしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)がポールポジションから飛び出し、他を寄せ付けぬ速さで盤石の走りを披露。後続の攻防戦を尻目に圧勝を果たし、シリーズランキングでも逆転に成功。今シーズンの王者に輝いた。

 

晩秋の中、最終戦のもてぎは青空が広がる恵まれた天気のレースウィークとなった。サーキットには渾沌とするタイトル争いの行方を見届けようと、2万3千人のファンが来場。開幕戦以降、成績に合わせて搭載を強いられてきたウェイトハンディから開放されたSUPER GTの各車両によるガチバトルを心待ちにした。

 

第6戦、8月の鈴鹿戦同様、パトカーと白バイに先導されパレードラップがスタート、熱い戦いが幕を開けた。好ダッシュを見せたのは、ポールからスタートを切った23号車のロニー・クインタレッリ。以下、ほぼ予選順位順に続いたが、S字に入り、予選4位のNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)とNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信組)が攻防戦を展開、イン側に入った12号車のオリベイラは36号車のロシターと接触。12号車はコースアウト、36号車はハーフスピンというアクシデントが発生する。ともにチャンピオン争いを繰り広げる2台を悲劇が襲い、後に12号車はドライブスルーペナルティを科せられて大きくポジションダウン。また36号車も痛手を負いながらの相応を続けることになり、事実上、王者獲得の権利を喪失する結果を招いた。

 

レースは序盤からポールスタートの23号車が独走体勢。2位以下を引き離す理想的なパフォーマンスを披露。2、3位争いを含め、最終戦ではミシュランタイヤが速さそしてつ良さをアピールする展開になる。一方、接触により本調子でなくなった車両をなだめつつ、4位を死守していた36号車のロシターたったが、次第に後方車からのプッシュの渦に巻き込まれることとなり、じりじり後退。僚友かつタイトル争いに名を連ねるNo.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)が19周終わりという早めのピットインを行うと、その翌周にピットイン。中嶋一貴へとステアリングを委ねた。

 

それ以降、ルーティンのピットインを行うチームが続出。これと前後するようにペナルティで46号車がポジションダウン、またピットイン後の再スタートでエンジンストールを喫した18号車がポジションを下げることになった。そんな中、トップの23号車は29周を終えてピットイン。クインタレッリから松田次生へとスイッチ。給油、タイヤ交換をそつなくこなし、コースへと復帰。この先、後続車との差を40秒近く保ちながら、レース終盤に向う余裕を見せた。

 

一方、後方ポジションからのジャンプアップを狙ったチームの中からはタイヤ無交換を敢行するチームが現れた。まずNo.24 D’station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム/佐々木大樹組)が27周終了後のピットインで無交換を実施。佐々木からステアリングを引き継いだクルムは安定したラップタイムを刻みながら、順調に周回を重ねていく。さらにはNo.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛組)も関口が32周という遅いピットインを行ったが、その後も同じタイヤで脇阪が好走。ともにアドバンタイヤを装着する2チームが、ポジションを上げてレース終盤を盛り上げる要因になった。

 

レースは後半に入り、依然として23号車が盤石の走り。2番手には予選でまさかのブレーキングミスにより13番手スタートに甘んじた37号車が急浮上。混雑を避けるように行った早めのピットインが有効打となり、再びタイトル争いのチャンスを掴み直して周回を重ねていた。一方、終盤にかけて激しくなったのが3位の座を巡る攻防戦。タイヤ無交換でややペースを落とし始めた19号車脇阪に、比較的安定したタイムを刻む24号車クルム。さらにはピット作業で出遅れたものの次第にペースアップしてきた18号車伊沢の3台が互いに巧みな走りで、相手を牽制。オーバーテイクを狙う後方2台を脇阪がしばし抑えて前を走っていたが、次第にブレーキば厳しくなり、2台に先行を許してしまった。そして24号車をスピードで上回っていた18号車も、ブレーキングを活かして逆転に成功。3位の座を掴んだ。

 

レースはその後、独走体勢を築き上げた23号車が完勝という形で走破。今シーズン2勝目をあげ、逆転タイトルを手にすることとなった。NISMOとして2008年以来となるビッグタイトルは同時にチームドライバーのクインタレッリに3度目のタイトルをもたらすことになり、また、今シーズンチーム移籍を果たしたベテラン、松田にとっては初タイトルとなり、涙で表彰台に上がっている。また、厳しい状況から不屈の精神を見せてレースを2位で終えた37号車は、同時にシリーズタイトルでも2位を獲得。最後の最後まで諦めない姿勢を貫いた結果だった。3位は18号車。レギュラードライバーの山本とかつて3シーズンを共に戦った伊沢が大物助っ人の存在感を見せることに。これにより、最終戦は3メーカーがそれぞれ表彰台を分け合うことになった。

 

なお、シリーズタイトルは23号車が獲得。2位37号車に続いたのは、レース序盤で痛手を負った36号車のジェームス・ロシターだった(僚友の中嶋一貴は2戦欠場のため、該当しない)。

 

一方のGT300クラス。こちらも予選で速さを、そして決勝で安定した強さをしかとアピールしたNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が完勝。今季待望の初優勝を最終戦で達成した。なお、11号車はシリーズチャンピオン獲得の可能性を持つ1台としてこのレースに出場。予選でポールポジションを獲得、決勝でもスタート直後から果敢な攻めの走りに徹し、後続との差をつける勢いを見せた。

 

2位争いは、No.31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男/嵯峨宏紀組)とNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)が激しい攻防戦を展開。31号車は今季初優勝のため、そして4号車はシリーズチャンピオン獲得のためには3位までに入ることが必須条件のため、ともに譲れない意地がぶつかり合う戦いになった。結果として、4号車の片岡が先行に成功し、2位死守の体勢に入った。

 

しかし、タイヤへの負荷が大きくなった4号車はその後、31号車を含む2台に逆転されて苦境の立場に。そこで迎えたルーティンではタイヤ交換を行い、ステアリングを引き継いだ谷口にハードプッシュによる逆転を委ねた。迎え撃つライバルの中にはタイヤ無交換で応戦するチームもあり、最後の最後まで苦戦を強いられた4号車だが、粘りの底力を見せて辛くも3位でチェッカーを果たした。

 

トップで悲願の今季初優勝を遂げた11号車だが、両ドライバーからは笑顔はなく悔しさが先行していた。それもそのはず、獲得ポイントは4号車と同じ78点ながら、4号車の優勝2回に対し、自分たちは今回が初勝利。この1度の勝利数がチームの明暗を分けることになり、シリーズチャンピオンは4号車の手に収まることとなっている。

 

■第8戦もてぎ 決勝結果

・GT500
1.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1:32’32.446 53Laps
2.No.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)+51.744
3.No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)+53.807
4.No.24 D’station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム/佐々木大樹組)+1’02.362
5.No.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)+1’02.713
6.No.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛組)+1’17.773

 

・GT300
1.No.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)1:34’03.821 50Laps
2.No.31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男/嵯峨宏紀組)+1Lap
3.No. 4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)+1Lap

 

■2014年・ドライバーズランキング(各トップ3)

・GT500

1.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)81ポイント
2.No.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)79ポイント
3.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(ジェームス・ロシター)68ポイント

 

・GT300
1.No. 4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)78ポイント(優勝2回)
2.No.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)78ポイント(優勝1回)
3.No. 7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)62ポイント





スポーツカーの中古車情報ならGTNET