SUPER GT 2014 Round.7
SUPER GT初開催、チャンインターナショナルサーキットを紹介!
ピットビルディングの2階へのアクセスが可能なメイン入口はVIP用。ピットビルディングに設けられたメインスタンドは2Fと3Fに分かれている。3Fのスタンドは傾斜が若干キツいように感じられた。
メインとなるグランドスタンド。サーキットを運営する会社は、サッカーチーム「ブリーラム・ユナイテッドFC」も運営しているせいか、スタンドもどこかしら、サッカースタジアムのような雰囲気が…
グランドスタンド3Fから見渡したコースはこんな感じ。ここから眺めるコースはフラットな感じですが、実走行したドライバーからは、アップダウンもあって、チャレンジングなコースだよ、とのこと。攻め甲斐があるのだとか。
1コーナー先のグラベル。エスケープゾーンがお世辞にも広いとは言えないような…。コース幅も狭く、まだ路面にタイヤのラバーが乗っていない状態では、走行ラインも1本しかなく、そのラインを外すようなことになると即コースアウトを招くという。
スピード減速ポイントがピットロード直前に設けられたピットロード入口。最終コーナーからのアプローチが短く、ピットインする車両と走行を続けるクルマが接近していると、ヒヤリとしかねない印象がある。
SUPER GT第7戦 タイ・チャーン・インターナショナル・サーキット プレビュー
7-8月で真夏の3連戦を終えた今シーズンのSUPER GTシリーズ。ついに迎えるのは、SUPER GT初となるタイでの一戦だ。「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」として実施される第7戦は、10月4、5日にタイのチャーン・インターナショナルで幕を開けることになる。昨シーズンまで開催されてきたマレーシア・セパンインターナショナルサーキットに代わり、新たなるアジアでのSUPER GTレース旋風が新たに巻き起こるのか。大いに期待が集まる。
■新生サーキットでの一戦は未知数だらけ
タイの首都、バンコクから北東におよそ400km。ブリーラム県に新たなサーキットが誕生した。なお、ブリーラムとは「心楽しい」という意味をもつらしい。当初、ブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキットと言われていたが、このたびサーキット施設の冠スポンサーとして、タイ国内最大のアルコール飲料メーカーとして知られるタイ・ビバレッジが付き、そのビールブランド名である「チャーン」がネーミングライツを取得したという。結果、「チャーン・インターナショナル・サーキット」という名称になった。
もともと、サーキット施設が誕生するエリアには、同国のサッカーチームであるブリーラム・ユナイテッドFCの本拠地としてアイモバイル・スタジアムがあり、そのスタジアム裏にレーシングコースが建設されたが、これは、サーキットがサッカークラブの系列にあるためだ。サーキット建設にあたりコースレイアウトはF1サーキットの設計者として名を馳せるヘルマン・ティルケが担当。コース長は4.554km、9月上旬の時点でなお国際自動車連盟(FIA)のグレード2取得を目指し、工事が進められていた。さらにサーキットでは、F1車両の走行も可能になるグレード1獲得を目指しての作業も行われているという。
コースは長短4本のストレートと12箇所のコーナーから成立。その中には、日本のツインリンクもてぎのようなストップ&ゴーのレイアウトも含まれている。ここでハイダウンフォース仕様のGT500マシンがどのようなパフォーマンスを披露するのか、まずは注目だ。第7戦の開催ギリギリまで作業が続いていたこともあり、サーキットでの実走はもちろん、全車が現地入りしてから。手元にあるのは、コースレイアウトのみ。今回ばかりは事前の持ち込みセットと現地での短時間のセットアップがかなり勝負に影響を与える可能性が高く、まさにチームの総合力が問われる一戦となるだろう。
■シーズン終盤、レースの展開はいかに?
サーキット自体が「初物」ではあるが、シーズンをみればすでに第7戦、残すは最終戦のもてぎのみ。チャンピオンタイトルが大いに気になる終盤戦に突入している。不確定要素が多いサーキットでの一戦だからこその面白味は当然伴うが、そこで戦うチームはまさにこれまでの真価が問われることにもなる。シビアな戦いが待ち受けているというわけだ。
一方で、シーズン中のレギュレーションとして、今大会からは獲得したポイントに合わせて適応されるウェイトハンディに変更が見られる。これまでの獲得ポイント数×1kgとなるため、前回の鈴鹿とはまた異なる戦闘力を身に纏うことになる。例えば、ディフェンディングchampionのNo.1 LEXUS TEAM ZENT CERUMOは鈴鹿大会で適応されるハンディ重量が70kg(獲得ポイント35点×2kgにて計算)だったが、そこから50kg相当分を燃料流量リストリクター径で調整。つまり通常よりも小径のリストリクターを付けることで、実ウェイトが20kgになっていた。だが、今回からは鈴鹿で獲得した4点を加算し、全ポイントが39点になるため、39kgのウェイトを搭載することになる。一方で50点(50kg)を越えるチームにおいては、これまで同様、まず50kg相当分のリストリクター径で調整した上で、残りのウェイトを積載することになっている。例えば、鈴鹿を終えてランキングトップとなったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの獲得ポイントは60点。このため50kg分が燃料リストリクターで制限され、残り10kg分のハンディウェイトを積載するというわけだ。
クルマのウェイトに大きな関係があるタイヤも、提供するメーカーにとっては初のコース走行となる。今回、SUPER GT車両の大半が第6戦鈴鹿1000kmからほどなくして船便で日本を出発したと言われており、タイヤメーカーも事前に入手したコースレイアウトや路面状況のインプレッションをもとに、投入タイヤを用意。初レースに備える。気候としては、日本の真夏にほど近いと言われているだけに、そのパフォーマンス次第で、レースの流れが大きく変化することもあるだろう。
■GT500、GT300ともに見どころ満載!
エントリー台数はGT500は国内同様の15台、一方GT300クラスは国内でシリーズ参戦するチームから4台が欠席。参戦するチーム内にはエントリードライバーを変更しているケースも見られる。また、現地チームの参戦もあり、うち1台はこのほどSUPER GTを主催するGTアソシエイション(GTA)から発表されたGT300マザーシャシーである「86」が「トヨタ・チーム・タイランド」からエントリー。現時点では、全37台がこけら落としの一戦に挑むことになる。
GT500ではハンディウェイトの変更によって、上位ランカーの戦闘力向上の可能性も高い。また試合巧者の出現でさらにドラマチックなレース展開も期待できそうだ。いずれにせよ、初サーキットでシリーズタイトル争いが絡む重要な戦いを繰り広げることは、前代未聞。当然のことながら勝者はS-GTの歴史に名を刻むことになる。
すべてが「ニュー」な一戦、「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」。いつも以上に筋書きのない展開に話題騒然となるに違いない。
■主なタイムスケジュール(現地時間・日本から2時間遅れ)
10月3日(金)
12:10 – 14:30 コース慣熟歩行
15:00 – 17:00 フリープラクティス
10月4日(土)
08:00 – 09:00 オープンピット
10:00 – 12:00 公式練習
10:0 – 11:40 : GT500 & GT300
11:40 – 11:50 : GT300
11:50 – 12:00 : GT500
13:15 – 14:15 ピットウォーク
14:30 – 14:45 オープニングセレモニー
15:00 – 15:30 ノックアウト予選_Q1
15:00 – 15:15 : GT300
15:15 – 15:30 : GT500
15:40 – 16:12 ノックアウト予選_Q2
15:40 – 15:52 : GT300
16:00 – 16:12 : GT500
10月5日(日)
10:00 – 10:30 フリー走行
10:40 – 11:00 サーキットサファリ
12:30 – 13:30 ピットウォーク
15:00 – 決勝 66Laps