SUPER GT 2014 Round.7 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2014 Round.7

2014年10月8日

SUPER GT第7戦タイ、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fが鈴鹿に続き2連勝!


10月5日、タイ・ブリラム県のチャンインターナショナルサーキットにおいてSUPER GT第7戦「BURIRAM LIMITED SUPER GT RACE」の決勝レースが66周にわたって行われた。熱帯気候の蒸し暑さが先行する中、初レースを制したのは、No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)。予選12位から巧妙な戦略が奏功し、見事前回の鈴鹿に続いての勝利となった。

 

当サーキットで迎える本格的な初のレースイベントとして開催されたSUPER GTレース。前日よりも強い日差しと蒸し暑さの中、午後3時に戦いの幕が開いた。

 

セーフティカーによるフォーメーションラップを経て、エキゾーストサウンドに包まれた車両が1コーナーへとなだれ込む。詰めかけた4万7千人を超える観客も興奮モードの中、戦いの行方を見守る。ポールポジションのNo.46 S Road MOLA GT-Rの本山哲と、予選2番手No.24 D’station ADVAN GT-Rのミハエル・クルムのふたりがベテランならではの攻防戦を展開。だが、早くも7周目にしてGT300のラップダウン車両がコース上に絡むこととなり、この2台の差も次第に開いていく。一方、その後方では2台のNSX CONCEPT-GTと2台のRC Fが交互に並んでの攻防戦を展開。不安定な路面にも苦戦しながら、激しいポジション争いを繰り広げた。

 

レース折り返しを前に、依然続いていた2台のトップ争いは思わぬ形で変化が生まれる。猛追態勢にあった24号車のラップタイムがガクンと落ち、4位へとドロップ。その翌周に緊急ピットインのような形でルーティンワークを行い、佐々木大樹が新たにコースへ向った。のちに24号車はシフトがスタックし、一瞬ペースを上げられない状態だったことが判明。幸いルーティンワークと併せてピットインすることができたため、最小のロスタイムでコースに復帰することができた。

 

トップ46号車は37周終わりでピットイン。ドライバー交代、ガソリン補給、タイヤ交換のフルサービスを行い、コースへと復帰する。大半の車両がルーティンワークを終えた頃、46号車の前を走る1台のクルマが。僅差でトップを奪ったのは、No.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)。実はこの37号車と46号車の背後につけるNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)、そして36号車の後ろにつけたNo.39 DENSO KOBELCO RC Fはピットインでタイヤを交換せずにドライバー交代と給油のみでコースに復帰していたのだ。

 

さらに、快調だった46号車にも暗雲が立ち込めた。レース終盤、急激にスピードが落ちた車両を柳田がなんとかコントロールするも、ターボトラブルには勝てず。49周を終えてピットに納められた車両は二度とコースへと姿を現すことはなかった。これを機に、タイヤ無交換の3台がトップ3を形成、予選で苦心していたRC F勢による反逆が始まった。抜きどころが少なくコース上での逆転が難しいと読み、このような戦略を採った3台だったが、この後、3台はそれぞれ異なる結末を迎えることになる。

 

まず39号車がスピードが伸び悩み、No.24 D’station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム/佐々木大樹組)とNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/JP・デ・オリベイラ組)後続車の逆転を許す。逃げる24号車の佐々木と、追う12号車のオリベイラは1秒を切る僅差でのバトルのかたわら、ペースを上げて2位の37号車へも接近。とりわけ24号車は後続の12号車よりも、37号車をターゲットに周回。サーキットでの抜きどころであるヘアピンで逆転に成功すると、その後背にいた12号車も2周後に1コーナーで37号車を抜き去った。

 

中でも24号車は尻上がりにペースアップ、1周0.5秒~1秒のペースでトップ36号車に迫まり、終盤には大バトルになることを予感させるほどだった。しかしながら、トップをひた走る36号車の中嶋は、「朝のフリー走行から無交換を意識してロングランをしていたし、タイヤのコンディション見て、最後まで行けると確認していた」という確信のもとに力走。この絶対的な自信が後ろ盾となり、24号車の猛追を見事に封印。後方に沈んだ予選結果のうっぷんを晴らす劇的勝利を飾っている。

 

2位の24号車は優勝も視野にいれていただけに悔しさの残る戦いではあったが、今季初の表彰台。3位の12号車もQ1敗退を跳ね除けての表彰台となっている。また、今回の結果から、チャンピオン争いにも動きが見られた。トップに立ったのは、36号車のロシター(※パートナーの中嶋は1戦欠場のため)。2番手に37号車が浮上し、前回までトップにいた23号車が3番手に後退している。

 

一方、地元からワイルドカード参戦のNo.99 i MOBILE ASSが栄えあるポールポジションからスタートを切り、タイ人ドライバーのウッティコンがトップのままピットインし、ポールポジション獲得に尽力したアレキサンドレ・インペラトーリがステアリングを受け取った。ライバル達のピットインがほぼ終わると、再度トップに立った99号車。その後も順調なレースを見せていたが、ラスト10数周の時点で痛恨のスローパンクチャーを発生。緊急ピットインを強いられ、万事休す。トップから陥落となった。代わってトップを奪ったのは、No. 3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス組)。予選2番手から安定した速さを見せて逆転のチャンスを伺っていたが、思わぬ形でトップを手にする。結果、今季初勝利を飾ることになった3号車だが、中でもオルドネスはSUPER GT初表彰台&優勝。プレイステーションの大会でGT-Rドライバーへのチャンスを掴んだスペイン人にとって、悲願の勝利となっている。2位は予選3位のNo.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)、そして3位には予選6位からジャンプアップしたNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)が続き、ランキングではトップをキープしただけでなく、2位以下とのポイント差を広げることに成功した。

■第7戦タイ 決勝結果

・GT500
1.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)1:37’58.987 66L
2.No.24 D’station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム/佐々木大樹組)+1.980
3.No.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/JP・デ・オリベイラ組)+6.689
4.No.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)+16.463
5.No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)+33.849
6.No.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛組)+35.130

・GT300
1.No. 3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス組)1:39’29.702 61L
2.No.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)+0.862
3.No.4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)+1Lap

 

  • GNNS_GT7_F_1005_PH1





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