SUPER耐久 2013 Round7
スーパー耐久最終戦オートポリス、雨に翻弄される中、地元No.555 GT-Rが勝利
11月10日、大分・オートポリスにおいてスーパー耐久シリーズ第7戦「SUPER TAIKYU in AUTOPOLIS」の決勝レースが行われた。昨年同様、雨の影響をモロに受け、当初予定されていた3時間レースは2時間に短縮されてスタートを切った。だが、標高の高い位置にあるサーキットでは雨と深い霧が行く手を阻み、極めて難しいコンディションの中で戦いが進むことになった。
そんな中、地元の強みを活かして予選2位からスタートを切ったNo.555 マッハGoGoGo車検 GT-Rが度重なるアクシデントやSC走行を味方につけて、トップを奪取。チャンスを100%活かしたレース運びで優勝を果たしている。
今シーズンの最後を飾る一戦は、昨年同様にまたも雨が大きな影響を与える展開になった。まず、2時間のレースに短縮されたことを受け、まずSCランが最低5周という条件の中、レースが幕を開けた。さらにはセッション中のドライバー交代は2回以上行うことが義務づけられた。レース開始直後のコンディションは極めて不安定で、十分な視覚を確保することすらままならない状態。最悪、最初のSCランをもってレース終了という最悪のシナリオも考えられていたため、オープニングラップを終えると大半のクルマが早々に1回目のピットインを実施するという慌ただしい展開となる。さらに2周目も立て続けにピットイン。これでルーティンのピット作業を消化し、あとはチームドライバーひとりで周回するという戦略を立てたチームも多く現れた。
一方で雨と霧はますます悪化の方向を辿って行く。だがその中でSCは9周を終えてピットイン。ついにレースが始まった。しかし、瞬く間に天候が酷くなり、再びSCがコースへ。レースはSCランが頻繁に繰り返され、真のバトルとはほど遠いものに姿を変えてしまった。
レース後半ともなると雨も小康状態となり、ウェットコンディションとしてのレーススピードも出るようになってくる。終盤には安定した速さを見せるトップの555号車とそれを猛追し続けたNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rとの激しいバトルになったが、逆転には至らず。555号車の玉中、山野のコンビは昨年に続いての連覇を達成することとなった。
■スーパー耐久シリーズ第7戦・オートポリス 決勝結果
1.No.555 マッハGoGoGo車検 GT-R(玉中哲二/山野直也組)43周 2’01.44.114
2.No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R(星野一樹/青木孝行/尾本直史組)+1.775
3.No.28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3(片岡龍也/J・レスター/F・ハイルマン組)+48.955
・各クラストップタイム(総合トップ3はのぞく、ST-1は参加車両なし)
ST-2 No.59 STURM・MOTULEDインプレッサ(大澤学/吉田寿博/松田晃司組)42周
ST-3 No.80 PETRONAS TWS GS350(佐藤晋也/吉本大樹/脇阪薫一組)41周
ST-4 No.40 車買取 HERO’S S2000(井入宏之/平峰一貴/S・シンハ組)41周
ST-5 No.19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィット(奥村浩一/古宮正信/恩塚将一組)40周
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA
スーパー耐久最終戦オートポリス、No.81 GTNET ADVAN GT-Rがポール獲得!
11月9日、大分・オートポリスにおいてスーパー耐久シリーズ第7戦「SUPER TAIKYU in AUTOPOLIS」のイベントが開幕。予選でNo.81 GTNET ADVAN GT-Rがトップタイムをマーク。ポールポジションの座を獲得することに成功した。
土曜日の予選日は秋晴れの一日となり、その中でNo.81 GTNET ADVAN GT-Rが予選タイムアタックでも躍動を見せた。まずはAドライバー予選でチームドライバーの青木孝行が1分48秒349をマーク。コースレコードを更新するとともにトップに立った。さらにその後のBドライバー予選では、コンビを組む星野一樹が1分47秒983の好タイムを叩き出し、青木が更新したばかりのコースレコードを塗り替えた。最終的にはライバルの555号車のBドライバー、山野直也が星野のタイムをさらに上回ったが、A、Bドライバーの合算タイムにより、No.81 GTNET ADVAN GT-Rが総合トップを奪取。天候不良でレースがキャンセルされた開幕戦、第4戦富士、そして第5戦岡山に続く、ポールポジションを手に入れた。
2位には、地元チームとして昨年同様のスポット参戦を行うNo.555 マッハGoGoGo車検 GT-Rが続き、GT-R勢がフロントローを独占。シリーズポイントでトップに立っているNo.1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3は、チームリーダー格の谷口信輝の欠場が響き、4位に甘んじたが、僚友の28号車が3番手を獲得している。
■スーパー耐久シリーズ第7戦・オートポリス 予選結果(タイムはA、Bドライバー合算による)
1.No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R(星野一樹/青木孝行/尾本直史組)3’36.332
2.No.555 マッハGoGoGo車検 GT-R(玉中哲二/山野直也組)3’36.518
3.No.28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3(片岡龍也/J・レスター/F・ハイルマン組)3’37.360
・各クラストップタイム(総合トップ3はのぞく、ST-1は参加車両なし)
ST-2 No.59 STURM・MOTULEDインプレッサ(大澤学/吉田寿博/松田晃司組)3’59.617
ST-3 No.38 TRACY SPORTS IS 350(兵頭信一/佐々木孝太/東 徹次郎組)4’01.507
ST-4 No.40 車買取 HERO’S S2000(井入宏之/平峰一貴/S・シンハ組)4’06.133
ST-5 No.19 BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sフィット(奥村浩一/古宮正信/恩塚将一組)4’25.456
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA
スーパー耐久第7戦オートポリス、タイトル争いの行方は?
いよいよ迎えるスーパー耐久シリーズ最終戦。2013年第7戦の戦いは、九州・オートポリスが決戦の舞台となる。標高が高く、コースはアップダウンを伴ったユニークなレイアウトを持つこのサーキットで、シリーズタイトル争いを繰り広げることになる。シーズンラストの戦いから、目が離せない!
■今年のオーポリ戦、気になるのは天気
スーパー耐久が開催されているサーキットの中でも、オートポリスでの開催は去年が初めてだっただけに、今年もどういう展開の戦いが繰り広げられるのか、未知数が高い。それがシーズン最終戦の舞台となるだけに、面白い一戦になることは想像できる。
一方で気になるのが、お天気。昨年は決勝で雨になり、不安定なコンディションにセーフティカーランが続き、思わぬ形でレースが終了となった。さらには表彰式での暫定順位発表時もバタバタと落ち着かなかったことが思い出される。今年の開催も暦の上で立冬を迎え、寒暖の差が激しくなる頃。10月上旬のSUPER GT
開催時にも雨と霧でコンディションが悪化。予選が日曜の朝に順延されるほどだった。S耐の戦いでも、あらゆるコンディション変化に順応できるよう、まずは存分な体制でレースができるかどうか、チームとしての総合力が問われることだろう。
■トップクラスの参戦リストに注目!
最終戦まで持ち越したGT3クラスのチャンピオン争い。これまでポイントをリードし、シリーズを牽引してきたNo.1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3だが、ここにきて、僚友28号車とのタイトル争いが激化しそうだ。
というのも、1号車で若手ドライバーの育成を担当し、また自らも熱いレースが真骨頂の谷口信輝がこの大会を欠場するからである。突然の決断ではなく、すでにシーズン当初から決まっていたというが、東京でのD1グランプリとバッティングしており、彼にとっても苦汁の選択であったことは言うまでもない。先の鈴鹿戦次第では、余裕をもってオートポリスの一戦を迎えることができた1号車だったが、その鈴鹿で28号車が奮闘。2台のポイントが14点差まで縮まり、結果次第では28号車がタイトルを手中に収めるチャンスもなくはない。
28号車のリーダー、片岡龍也はオートポリスで出走するため、正直なところ1号車よりも盤石なレースをする可能性は格段高い。両車とも優勝を目指すのはもちろんのことだが、仮に28号車がポール・トゥ・ウィンを達成すれば、1号車もそれなりに好成績を収めなければならないのは当然のこと。耐久レースの怖さ… 他車との接触や思わぬマシントラブルなど、チェッカーを受けるまではなにひとつわからないレースの筋書きの行方をハラハラドキドキしながら見守って欲しい。
■ペトロナスに立ちはだかるライバルたちにも注目!
シリーズタイトル争いはPETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3の2台で持ち上がるだろうが、その一方で、「優勝争い」はまた異なるライバルが立ちはだかる。シーズンフル参戦をするNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの魅力は何といっても秀でた安定さ。SUPER GTなどでしっかりキャリアを積むドライバーの底力は侮れない。さらには、昨年、この大会で優勝をさらった地元のチームが今回もスポット参戦を果たしている。それが、No.555マッハGoGoGo車検GT-Rだ。こちらもSUPER GTでキャリアを積むドライバーがステアリングを握る。GT-R勢がメルセデスの包囲網として立ちはだかる一戦になることも、今回の見どころとなりそうだ。
一方で、残念なお知らせがある。それが、No.24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの欠場だ。実のところ、彼らの最終戦は前回の鈴鹿であることを以前からアナウンスしていた。これにはチームスタッフの多くが、鈴鹿サーキットで開催される全日本選手権スーパーフォーミュラレースの最終戦に出向く影響も否めない。しかしながら、GT-R勢としては代わって地元にゆかりある555号車が参戦することから、地元のレースファンにとっては、スペシャルなレースデーになるかもしれない。
GT3に加え、ST-2クラスもまだチャンピオンが未定のまま最終戦を迎えた。その他のクラスは先の鈴鹿ですでにシリーズ王者が決定しているが、今シーズン最後の戦いを勝っておわろうと気も新たに挑んでくる。有終の美を目指す勇姿をしかと見届けたい。
◎主なタイムスケジュール
・11/8 (土)予選日
11 : 15 – 12 : 00 フリー走行
12:15 – 13:05 ピットウォーク
14:00 – 14 : 30 予選A
14:45 – 15:15 予選B
15:30 – 15:50 予選C
16 : 05 – 16 : 35 キッズウォーク
決勝日
09:20 – 09:50 フリー走行
11:10 – 12:00 ピットウォーク
13:00 – 16:00 決勝(3時間)
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA