秋の訪れが少し近づいた8月最後の週末、8月31日、9月1日に岡山・岡山国際サーキットにおいて、「スーパー耐久レース in 岡山」が開催される。夏の間、もてぎ5時間、富士7時間とここ2戦は長時間のレースが続いていただけに、今回の3時間レースは「スプリントレースの少し長いバージョン」みたいな感じに思えるかもしれない。
■もはや耐久レースではない!? 3時間レース
長丁場のレースなら少々の遅れもチャンスがあればリカバリー可能だったろうが、3時間ではワンミスが命取りになってもおかしくない。「一応」耐久レースであり、登録ドライバーが2名以上になっているため、決してスプリントレースではないのだが、そのような気持ちで取り組まないと、タフな戦いには打ち勝てないことは事実だろう。
ただし、レギュレーション上、ピットストップの義務は2回。しかもドライバー交代を伴うことが必須条件。つまり、ピットストップして作業はするものの、連続して同じドライバーが運転するという戦略は取れない。ギャンブルしづらいというよりも、むしろ安定して速いタイムを刻み続けることが勝利をよりいっそう近づけるということになる。
暦の上では初秋を迎えて久しいが、実際にはまだまだ残暑厳しいころ。一方で、台風の影響で天気が大幅に崩れそうという予報も出ている。天候に左右される一戦になるかもしれない。
■GT-Rの初勝利のチャンスは?
今大会、ディフェンディングチャンピオンのPETRONAS SYNTIUMはいつもと同じ2台体制でエントリーはしているものの、登録ドライバーに変更がある。1号車、28号車で参戦中のドライバーのうち2人は、同日、マレーシアのセパンインターナショナルサーキットにて開催される「メルデカ・ミレニアム12時間耐久レース(MMER)」に参戦するため、各車2選手のみを登録している。GT3クラスの場合、去年はマレーシアでの1戦か岡山での1戦かどちらかを選択し、ポイントを加算すれば良かったが、今年はさにあらず。ポイント加算可能なレースの対象ではなくなっており、結果、岡山戦を欠場することは不可能だ。
しかも、今シーズンは強敵GT-Rの存在がチームに大きな影響を与えており、参戦する以上は着実に上位でチェッカーを受け、ポイントを上乗せしてライバルとのランキング争いでも大きくリードしたいところ。ということで、チームでは1号車、28号車の双方にそれぞれ谷口信輝、片岡龍也の両選手を擁する決断を下している。
一方、マレーシアの国営企業として知られるペトロナスをメインスポンサーとしてレース活動を続けているチームでは、ホームサーキットであるセパンでのこの1戦に出ないわけにはいかない。PETRONAS SYNTIUMチームにとっては、苦汁の選択を迫られたというわけだ。
ということで、常勝チームから手強いライバルとしてマークされている以上、No.24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの両車とのガチンコ勝負も大いに盛り上がること、必至。3時間という耐久としては短めの時間であれば、常に攻めの体勢であってもクルマにかかる負荷も小さいだけに、最速争いの展開になる可能性もあるだろう。
■ルールの変更が与える影響はある?ない?
これまでプラチナドライバーとして登録されている選手は、決勝での乗車時間が全体の3分の1とされてきたが、今大会から全体の40%までに改定される。岡山も場合、旧ルールでは60分のところ、新ルールに則ると72分へと延長される。この12分のメリットを活かした戦略を遂行できるかどうかが、勝負の分かれ目になるのか、こちらも注目したいところだ。
さらに、決勝グリッドを確定する予選システムにも変更が見られる。これまで1セッション15分に定められていた計測時間が3分延長され、18分になった。加えて、AドライバーとBドライバーの各予選のインターバルも10分から13分へと変更。この3分の「ゆとり」を味方につけることも、ライバルより先に勝利へと近づく秘訣になるかもしれない。
◎主なタイムスケジュール
・8/31(土)
10:55 – 11:40 ピットウォーク
12:45 – 13:03 予選A-1
13:03 – 13:21 予選A-2
13:34 – 13:52 予選B-1
13:52 – 14:10 予選B-2
14:23 – 14:43 予選C
・9/1 (日)決勝日
08:00 – 08:30 フリー走行
11:50 – 12:40 ピットウォーク
13:30 – 16:30 決勝(3時間)
◎併催レース
・GAZOO Racing 86/BRZ Race 2013 第4戦
・GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race 2013 関西シリーズ第4戦
・JAF地方選手権 スーパーFJ 岡山シリーズ 第4戦
・WAKO’S スーパーカート 岡山国際サーキットシリーズ 第4戦
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA