SUPER GT 2012 Round8
レースプレビュー・SUPER GT第8戦もてぎ
ついにシーズン最終戦!もてぎで各車集大成のバトルを披露するか
3月に開幕した今シーズンのSUPER GTもついに最終戦を迎える。第8戦の舞台は栃木・ツインリンクもてぎ。すっかり晩秋となったこの季節、気温も路面温度もぐっと下がり、これまでとまた異なるクルマ、タイヤのマネージメントが問われそうだ。先の第7戦・オートポリスでGT500のシリーズチャンピオンが確定したため、最終戦はGT300が王者をめぐる激しいつばぜり合いを展開することになる。ストップ&ゴーのサーキットで見せる今年最後のバトルはいかに!?
ガチバトル、再燃! ノーウェイトの戦いで激戦必至!
開幕戦はそれぞれ純粋な車量でスタートしたものの、その後のリザルトによってハンデウェイトを搭載する規則が存在するSUPER GT。シーズン中盤になると暑い季節、タダでさえタフな戦いを強いられるのだが、そこにウェイトがのしかかり、とんでもない足かせとなる。だからこそ、独走するクルマもおらず、必然的につねにバトルが繰り広げられるのもSUPER GTの醍醐味ではあるが、やはりクルマ本来の
性能を100%引き出した中での戦いがみたい。そう願うファンも少なくないだろう。それだけにこの最終戦は、待ちに待ったノーウェイトが復活! ガチな攻防戦を心待ちにしているのは、ファンだけでなく、ドライバーもしかり。もちろん、クルマをセットアップするエンジニアをはじめ、関係者みなウェルカムなコンディションが戻ってくる。
クルマの出来栄えを判断するために用意されたサーキットは、ストップ&ゴーという国内でもスペシャルなレイアウトをもつもてぎ。残念ながら、クルマの特性によって得手不得手が如実に現れてしまうコースともいえる。ハードなブレーキング、長短組み合わさったストレート。ブレーキをキツく踏み、その直後にアクセル全開! というドライビングを繰り返し行うことになる。となると、レースになれば実にパッシングポイントが少なくなり、ドライバー泣かせのサーキットとも言えるわけだ。前にスピードで劣るクルマがいてもそう簡単に抜くことができず、すぐさま数珠繋ぎ状態になることも珍しくはない。では、もてぎ攻略法はどこにあるのか?
フルアタックの予選を見逃すなかれ!
決勝でストレスたくさんのレース展開を避けるために必要なこと。それは、予選でできる限り上位グリッドを得ることが早道だ。その予選はノックアウト方式を採用。AドライバーとBドライバーが必ず交互で3回のタイムアタックに挑まなければならないのだが、ノックアウトという名前のとおり、徐々に出走台数が減っていく。つまりサバイバルの予選なのだ。ドライコンディションとなれば、使用できるタイヤの規定もあるため、これもチーム戦略としていかなる作戦でアタックに挑むのか。これも見ものとなるだろう。
ストップ&ゴーが得意なクルマは?
スペシャルレイアウトをもつもてぎを得意とする、つまり相性がいいのはズバリ、ホンダHSV-010 GT。ホームサーキットがこのもてぎゆえ、強くて当然なのかもしれない。安定したコーナリングスピードを誇り、無駄のない走りを披露してくれるはずだ。これまで7戦中、HSV-010 GTの勝利は僅か1勝。有終の美を狙ってくるのはいうまでもない。一方、ブレーキングといえばニッサンGT-Rの走りも見逃せない。ひと足先にシリーズチャンピオンを決めたのもGT-R。安定した速さが武器となりそうだ。さらには、レクサス勢も負けてはいない。ニッサン勢とともに勝ち星は3勝。勝利数競争も激化しそうな気配だ。
なお、天候の行方もキーになる。前回のオートポリスが雨による気温、路面温度の低下をはじめ、不安定な路面コンディションに多くのクルマが翻弄され、とても難しい一戦となってしまった。その中で強みを見せたのがミシュラン勢。刻々と変化する状況の中でも安定した速さを保ち、勝利をモノにしている。もちろん、ライバル勢も黙ってはいない。要所要所に見せるキラリと光るパフォーマンスをいかに持続させ、勝利を手繰り寄せられるか。最終戦はチームだけでなく、各タイヤメーカー同士の戦いの集大成でもあるのだ。
GT300は最終戦でチャンピオンが決定!
GT500と異なり、GT300はまだチャンピオン争いが残っている。最終戦を前に、タイトル獲得の権利を持つのは、3チーム。すべてFIA GT3車輌ではあるが、3チームのうち、2チームがシーズンともに2勝を挙げており、もてぎで優勝すれば、文句ナシのチャンピオン確定となる。そのチームとは、No.33 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)と、No.66 triple a vantageGT3(吉本大樹/星野一樹組)。33号車が66号車に対し、4ポイントのリードを保っているが、接近戦になる可能性も高く、緊迫した戦いになることは間違いない。そして66号車を5ポイント差で追うのがNo.911 エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝組)。こちらは、自力優勝に加え、残りの2台の結果次第、という厳しいポジションに立つが、いずれにせよ、これら3台は優勝狙いで勝負をかけてくる。
もちろん、未勝利のチームも最終戦で一旗あげようと必勝体制を組んでくるのは言うまでもない。最終戦は今シーズンの「総ざらえ」でもあり、また来シーズンを見据えたアプローチでもあるのだ。色んな意味で大いに盛り上がることになる最終戦、ぜひ自身の目でその行方を確かめてほしい。
主なタイムスケジュール
・10月27日(土)
07:15 – 07:45 オープンピット
09:30 – 11:30 公式練習
09:30 – 11:30 : GT500 & GT300
11:10 – 11:20 : GT300
11:20 – 11:30 : GT500
12:35 – 13:35 ピットウォーク
14:00 – 15:35 ノックアウト予選
<Q1>
14:00 – 14:15 : GT300
14:15 – 14:30 : GT500
<Q2>
14:40 – 14:50 : GT300
14:50 – 15:00 : GT500
<Q3>
15:10 – 15:20 : GT300
15:25 – 15:35 : GT500
16:25 – 16:55 キッズウォーク
・10月28日(日)
09:00 – 09:15 サーキットサファリ
09:15 – 10:00 フリー走行
10:10 – 10:20 サーキットサファリ
113:5 – 12:20 ピットウォーク
14:00 – 15:40 決勝 250km・53Laps