10月18日、大分･オートポリスにおいてSUPER GT第7戦の予選が実施された。セッションでは急激に天候変化が見られ、慌ただしく時間が流れたが、そのなかでポテンシャルをしかと引き出したNo. 3 Niterra MOTUL Z（佐々木大樹／三宅淳詞）がシーズン初となるポールポジションを手にしている。
 

まず、午前中の公式練習から不安定な天気が見受けられたオートポリス。走り始めこそドライコンディションだったが、小一時間過ぎてにわかに天候が下り坂に。結果、GT300クラス専有が始まると、ウェット宣言下でのセッションとなってしまう。さらにGT500クラス専有では本降りの雨へと変化し、午後からの予選では、より天候を読むのが難しくなるのではと懸念された。なお、そのなかでトップタイムをマークしたのは、No.23 MOTUL AUTECH Z（千代勝正／高星明誠）。これに前回の勝者であるNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z（松田次生／名取鉄平）が続き、日産勢が好調さをアピールする結果となった。
 

午後に入り、一旦天候は回復したが、予選が近づくにつれて天候が悪化。また、GT300クラスの予選で赤旗が出て開始時間が遅れる。GT500クラス予選Q1スタート時にはウェット宣言が出ていたが、雨量は極めて少なくスリックタイヤでのアタックが可能な状態。そこでトップタイムをマークしたのがNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT（伊沢拓也／大草りき）だった。なお、Q1で敗退が決まったのは、64号車を除くホンダ勢4台とトヨタ勢1台という結果になっている。
 

続くQ2は堪えていた雨が降り始め、完全なウェットコンディションでのアタックとなる。ぎりぎりまで全車がスリックタイヤを装着してスタートを待っていたが、開始直前に雨が降り始め、あっという間にフルウェットへと変貌。高く水しぶきが上がるなか、2位に0.5秒強という大差をつけて快走したのが3号車。アタックを務めた佐々木にとってもおよそ2年ぶりのポールポジション獲得となった。2番手には僚友23号車が続き、3番手はNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra（大嶋和也／福住仁嶺）に。一方、ランキング暫定トップのNo.1 au TOM’S GR Supra（坪井翔／山下健太）は7番手に留まった。
 

一方、GT300クラスでは思わぬ展開が続いた。まず、朝の走行でトップタイムをマークしたのは、ディフェンディングチャンピオンであるNo. 0 VENTENY Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）。その勢いを味方に、午後からの予選Q1･B組でも最速タイムをマークしてみせた。一方、同A組は前回のSUGOで予選ポールポジションを獲得した7号車がトップタイムで通過する。
 

依然としてウェット宣言が出るなか、Q2がスタート。雨はポツポツと降るだけでまだスリックタイヤでのアタックが有利な状態。ただ、いつ降り出してもおかしくないことから、各車早めのアタックを心がけたようだ。このセッションでは、前回SUGOの覇者であるNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT（吉本大樹／河野駿佑）、そして0号車が序盤から速いタイムを刻んでおり、なかでも0号車は終盤にかけてタイムアップを決め、このままシーズン初となるポールポジションを手にするかに思われた。だが、チェッカーが出されるなかで7号車が0.574秒速いタイムで鮮やかに逆転！ SUGOに続き連続ポールポジション獲得を果たした。一方、2位0号車に続いたのは、No. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT（堤優威／平良響）だった。
 

先が読みづらい不安定な天候が先行した形で行なわれた予選。翌日の決勝はドライコンディションでスタートが切られると言われているが、最終戦を前にした戦いは3時間と長丁場ながら、激しいデッドヒートが繰り広げられそうだ。
 

第7戦オートポリス：予選結果（各クラストップ3）

・GT500
１．No. 3 Niterra MOTUL Z（佐々木大樹／三宅淳詞）1’39.460
２．No.23 MOTUL AUTECH Z（千代勝正／高星明誠）1’39.845
３．No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT（塚越広大／小出峻）1’39.853
 

GT300
１．No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3（ザック･オサリバン／小林利徠斗）1’43.496
２．No. 0 VENTENY Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）1’44.070
３．No. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT（堤優威／平良響）1’44.552