SUPER GT 2025 Round5 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2025 Round5

2025年8月25日

第5戦鈴鹿、MOTUL AUTECH Zが逆転勝利を果たす!


8月24日、三重・鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT第5戦。酷暑のなかで幕を開けた300kmの戦いは、セーフティカーやFCYなど荒れた展開となったが、予選2位からスタートを切ったNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)がチーム総力を活かしてシーズン初優勝を遂げている。
 

今シーズンから1戦のみの戦いとなった鈴鹿。また、昨シーズンは同時期に予定されていた1戦が台風接近のため12月に延期されており、鈴鹿は2年ぶりとなる酷暑の戦いを迎えることとなった。
 

気温35度、路面温度51度のコンディションで幕を開けた決戦。今シーズンはGR Supra勢の快走が続いていたが、この鈴鹿でライバルメーカーが逆襲を果たし、No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)がポールポジションからスタートを切った。一方、日産勢も負けじと奮闘。全車4台が予選2番手から5番手までを独占し、復活の狼煙を上げたと言える。
 

スムーズなオープニングラップを終えた全15台だったが、快調に逃げるトップ16号車を追う形で後続が激しい鍔迫り合いを見せる。そんななか、予選4番手だったNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が130Rでアウト側に大きくコースアウト。一気に最後尾へとポジションを落としてしまった。さらに、4周目にはNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)との一騎打ちの末に130Rからシケインにかけて横並びとなり、2台が接触。17号車は勢い余り、コースアウトしてそのままシケインイン側のタイヤバリアへと突っ込んでしまった。結果、セーフティカーが導入され、また接触したもう1台の24号車には、のちにドライブペナルティが課された。24号車のステアリングを握っていた松田にとっては、今大会で参戦200戦という記念すべき一戦だったたけに、なんとも悔しい結果を招くことになったといえる。
 

17号車の車両回収が終わり、いよいよ9周終了時点でレースが再開。SCランによって前後のギャップが詰まったことを味方にし、5番手へとポジションアップを果たしたのは、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)。逆にNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)がひとつポジションを下げた。また、2位以下を引き離す快走を見せていた16号車も、2位との差が消滅。これから激しいトップ争いになるかと思われた矢先、ピットインが可能となった18周終了時点でトップ2台がピットへと滑り込む。またこれに続けとばかり、No. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)、64号車、No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)、さらにNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)、そして今回は13番手スタートのポイントランキングトップのNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)の5台が続き、GT500車両の半数近くに当たる合計7台がピット作業に取り掛かった。
 

このピット作業で驚異的な早さを見せたのが、23号車。トップの16号車よりも先にドライバー交代、給油、タイヤ交換を済ませてトップでコース復帰を果たす。さらに、翌周にピットに向かった予選3番手のNo. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)もスピーディに作業を終えて、16号車より前での復帰に成功してみせた。
 

完璧ともいえるピット作業により、実質トップに立った23号車と3号車のNISMO勢。だが今度は20周終わりでピットインしたNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が、なんと23号車の前でピットアウト。その直後に23号車が先行したものの、3号車の前でコース周回を始め、事実上の2位へと躍り出ることになった。
 

レースは折り返しの26周を過ぎてなお2台がピットインを見送る。すると、29周目にそのうちの1台であるNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)の右リヤタイヤがバースト。幸い、最小限のロスタイムでピットに戻り、コース復帰を果たす。また、残る1台となったNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)は32周終了までピットインを引っ張り、ドライバー交代を完了。39号車はこの戦略を武器に、レース終盤になると見事な猛追を披露することになる。
 

レース後半、名実ともにトップとなった23号車を追うのは14号車。1秒前後の差でプレッシャーがかかる攻防戦を続けた2台は、3位以下を引き離していく。一方、3位争いも3号車と16号車による僅差の戦いとなったが、バトルに持ち込むまでには至らなかった。一方、その後方では、12号車、38号車、そして一番フレッシュコンディションのタイヤで怒涛の追い上げを見せる39号車らによる緊迫のポジション争いが繰り広げられる。なかでも39号車は前方のライバルを蹴散らすかのような勢いで次々とポジションアップ。レースは残り4周の時点で1台の車両がタイヤをバーストさせたことを受け、FCY(フルコースイエロー)が導入され、一旦攻防戦が”沈着”したが、再開時に38号車が抜け出し、これに39号車が続き、逆に12号車は、大終盤にも64号車に逆転を許して8番手までポジションを落とすことになった。
 

2位に6秒近い大差を着けてチェッカーを受けた23号車。車両としては2023年開幕戦以来の勝利であり、また、ステアリングを握る千代にとっては2023年第4戦富士以来、そして高星としては昨年第2戦富士以来となる勝利に破顔している。今回の23号車の勝利により、昨年第5戦以来続いていたSupraの連勝を「8」で止めてみせた。
 

GT300クラスは、新規チームの健闘が光る戦いとなった。まず、クラスポールのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が順調な滑り出しを見せ、これに予選2位、3位のNo. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)とNo. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が続いたが、4周目に導入されたSCのリスタート後は、61号車と7号車による僅差の戦いが続いた。一方、この2台に違いが出たのは、ピットインのタイミング。7号車はミニマムに近いタイミングでドライバー交代を行なうが、61号車は23周を終えてピットイン。結果、ピットを終えた車両のなかでトップに立ったのは、予選4番手のNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)となり、以下、7号車、5号車と続き、61号車は前を走るNo. 6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)をかわして、4番手から再び追い上げを開始した。
 

レースは折り返し以降、2度に渡ってFCY導入が行なわれたが、これを機にポジションにも動きが見られるように。まず、1回目のFCY明けとなる35周目、7号車がそれまで巧みに封じ込められてきた60号車の攻略を果たし、クラストップを奪取。以後、独走で周回を重ねることになった。逆に60号車は後続からの猛プッシュに遭い、苦戦。しかし、5号車と61号車が攻防戦を続けていたことで2番手キープを果たした。一方の5号車と61号車は、2回目のFCY明けに5号車が失速。この隙をついて61号車が3番手に浮上した。
 

レースはそのままチェッカーを迎え、独走状態だった7号車は、2位60号車に対して15秒近い差をつけうれしい初優勝を達成。60号車が2番手でチェッカーを受け、ポールスタートの61号車は3番手で戦いを終えた。なお、レース後の車検において、60号車に最低重量違反が判明。結果、不合格となってレース失格に。これを受け、61号車が2位、そして5号車が3位に繰り上がり、両チームも今シーズン初表彰台の結果を手にしている。
 

タフな一戦となった鈴鹿大会。続く第6戦は舞台と仙台のスポーツランドSUGOへと移す。昨年の大会は、雨で予選ができず、また決勝日も雨に翻弄された戦いだっただけに、今年はしっかりと秋晴れの下での展開に期待したい。
 

・第5戦鈴鹿:決勝結果(各クラストップ3)

・GT500
1.No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)1H47’10.646 52周
2.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)+5.768
3.No. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)+16.569
 

・GT300
1.No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)1H48’25.177 49周
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)+17.452
3.No. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)+23.254



2025年8月23日

第5戦鈴鹿、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16がポールを奪取!


8月23日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第5戦の予選が猛暑のなか行なわれ、公式練習時から好調だったNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)が今シーズン初となるポールポジションを手中に収めた。
 

第3戦マレーシアは6年ぶりの海外戦、また前回の第4戦富士はスプリントレースでの開催であったため、ようやく今回の第5戦鈴鹿で”おなじみ”のスタイルでレース開催が復活することになる。一方、猛暑が続くなかでの一戦とあり、今回の鈴鹿はライバルそして暑さとの戦いになることは間違いない。
 

午前10時20分からスタートした公式練習では、気温が32度から34度まで、また路面温度は38度から48度まで推移するなかで、予選に向けてのクルマ作りが始まる。途中、コースアウトしたNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)の回収を兼ねて10分ほど赤旗中断となったが、その後は順調に走行が行なわれた。
 

GT300クラスとGT500クラスの混走では、No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)がトップタイムをマーク。だが、その後のFCYテスト、さらにGT300クラス専有走行を経て行なわれたGT500クラス専有でのセッションでは、終盤にNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)が2周続けて最速タイムを更新する走りを披露。GT500クラスでは唯一未だサクセスウェイトを搭載しておらず、これまで納得のいく結果を残すことができなかったが、今回はその立場を最大限活かす形でトップに立った。
 

迎えた午後からの予選。強い日差しが依然としてコースを照りつけるなか、Q1で最速タイムをマークしたのはNo. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)で、公式練習でトップだった16号車は0.06秒差で2番手通過に。また、ランキングトップ2台のNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、37号車はサクセスウェイトの影響も大きいと見られ、Q1通過を果たすことができなかった。だがその一方で、ランキング3位のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)は8番手タイムでQ2に駒を進めるなど、明暗が分かれた。なお、今大会直前に今シーズンをもってGT500クラスでのレース参戦を引退すると表明したNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GTの伊沢拓也も奮闘。Q1で7番手通過を果たし、Q2へとバトンを繋ぐ活躍を見せている。
 

GT300クラスのQ2を挟み、いよいよQ2がスタート。すでにピット前は日が陰るが、まだまだコース上の一部は西日が差し込む状態。Q1とQ2とでは気温、路面温度の変化はさほど大きくなく、気温34度、路面温度47度前後でのセッションとなったが、一方で路面コンディションが格段に向上。すると、他車より早いタイミングでアタックを始めていた16号車の佐藤が、残り時間2分30秒もある段階で1分45秒377という最速ラップを刻む。これはQ1でトップタイムをマークした12号車を上回るものだった。これに続けと他車もアタックを行なうが、残り1分を切ってなお、誰ひとりとして16号車のタイムを上回ることができず。結果、16号車が今シーズン初ポールポジションを獲得することとなった。なお、アタックを担当した佐藤にとっては、自身初となるGT500クラスでの初ポールでもあった。2番手に続いたのは、No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)。Q1を4番手で通過し、Q2でふたつポジションを上げる形となった。また、3番手にはNo. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)が続き、NISMO勢が相性のいい鈴鹿で逆襲に出る形となっている。
 

GT300クラスは、公式練習でディフェンディングチャンピオンのNo. 0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップタイムをマーク。予選に入っても順調にQ2へと駒を進めたが、それ以上に格段の速さを見せつけたのが、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)だった。今シーズン、これまでのレースで速さは見せるものの、決勝でトラブルに泣くことが多く、結果を残せていなかった61号車。まず、公式練習で2番手につけると、予選でもその勢いで、まずQ1・B組をトップで通過し、Q2へ。そのQ2では、GT300クラス最多タイのポールポジション獲得数を誇る山内が残り2分10秒の時点でトップタイムとなる1分56秒869をマーク。その後、他車も思うようにタイムを伸ばすことができず、このまま61号車が2番手に0.310秒という大差をつけてクラスポールポジションを掴み取った。なお、山内にとっては、通算15回目のポールポジションかつ単独トップとなり、チームにとっては願ってもない形で明日の決勝を迎える結果となっている。そして、2位に続いたのは、No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)。今シーズンからSUPER GTに挑戦する若手ふたりの活躍により、Q1・A組をトップ通過、Q2も2番手タイムをマークし、好調さをしかとアピールした。これにNo. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が続き、GT300クラスとしてはカテゴリーの異なる3台が予選トップ3につける結果となっている。
 

翌日の決勝は、予選開始時刻とほぼ似通った午後3時30分に号砲予定。天気予報によるとさらに厳しい天候となりそうなだけに、300kmの戦いはサバイバルレースとなる可能性が高い。
 

・第5戦鈴鹿:予選結果(各クラストップ3)
・GT500
1.No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)1’45.377
2.No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)1’45.564
3.No. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)1’45.681
 

・GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)1’56.869
2.No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)1’57.179
3.No. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)1’57.328
 



2025年8月19日

SUPER GT第5戦鈴鹿 プレビュー


酷暑の鈴鹿、新たなウィナー誕生に期待
 

まだまだ厳しい暑さが続くなか、今週末には鈴鹿でのレースが控えるSUPER GT。第5戦は300kmでの一戦となる。シーズン後半戦の初戦にあたるレースゆえ、そろそろチーム事情によって戦い方にも違いが出始めるであろうタイミングのため、シーズン初優勝を狙って奮闘するチームの活躍に期待がかかる。
 

”年一”開催となった鈴鹿戦

前回、SUPER GTとして初のスプリントレースを開催した富士戦。シーズン折り返し直前の一戦だけに、本来であればそれまでに獲得した成績によるサクセスウェイトがボディブローのように効き、とりわけシリーズランキングで上位につけるチームは高速サーキットの富士を存分に走れなかったはず。だが、スプリントレースというスペシャルイベントに様変わりしたことから、ノーウェイトかつピットストップを伴うタイヤ交換や給油も不要というレースレギュレーションになり、フタを開けてみれば、GT500クラスでは速さ、強さに定評のあるNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)を代表とするSupra勢が圧倒的な強さを見せつけるという結果に終わった。総じて、GT300クラスと混走したRace1に留まらず、続くGT500単独開催のRace2においても表彰台を独占。日産ホンダ勢にとっては敗北感を味わうだけのスペシャルイベントになった。それから3週間のインターバルを挟んで行なわれる鈴鹿戦は、悔しい思いが募るドライバー、チームが逆襲の機会を狙う争いになるかもしれない。
 

昨シーズンまで富士同様、鈴鹿では年に二度レースを開催。昨年は6月初頭と8月末が予定されていたが、8月末は台風10号の接近に伴い早々と中止が決定し、12月へと延期された。一方、今シーズンは6年ぶりに海外戦が復活し、マレーシア・セパンでの一戦が行なわれたため、鈴鹿は年に一度の開催へと変わっている。昨年とは大きく開催時期が異なるため、データがそのまま流用できるわけはなく、今シーズンのデータと過去のデータを組み合わせてクルマのセットアップを進めていくことになるだろうが、猛暑が続くなかでの開催が予想されることから、展開そのものがタフなものになるのではないだろうか。とりわけ問題が起こりやすいタイヤに関しては、存分なマネージメントが求められる。タイヤに優しいクルマ、そして走りを心がける一方、ライバルとの激しい攻防戦に挑まねばならないため、サバイバルレースになる可能性も高そうだ。
 

増える搭載ウェイトと足かせ”の併用

GT500クラスでは、戦績によって課されるサクセスウェイトの増加に合わせ、装着する燃料流量リストリクターの径が調整される。燃料流量リストリクターは、エンジンに流れ込む燃料の量を規制し、強制的に出力を抑制するものだが、その口径が絞られる=小さくなるため、結果として本来のポテンシャルよりパワーダウンした状態で戦うことになる。ランキング暫定トップである1号車はサクセスウェイトも第4戦終了時点で早々と上限の100kgを突破。リストリクターも最大限絞られるため、鈴鹿ではまさにガマンの戦いになるだろう。だが、第3戦までサクセスウェイトを物ともせず高いパフォーマンスを披露してきただけに、どこまで踏ん張れるのか、そのあたりにも注目してほしい。なお、燃料リストリクターの口径が絞られるのは、上位ランカーの5台。つまり、ランキング6位以下の車両は、鈴鹿戦で躍進できるチャンスが広がることになる。速さはあれど決勝で結果を残すことが出来ていないNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)はもちろん、先述の日産、ホンダ勢の逆襲にも期待がかかる。
 

一方、GT300クラスでは、今シーズンから新たに導入されたサクセス給油リストリクターをランキング上位9台が用いることになった。GT500クラス車両に装着するものとは異なり、こちらは、給油流量リストリクターの径が調整される。これにより、通常よりも給油にかかる時間が長くなり、ピットでの停止時間がトータルとして長引くというわけ。当然ながら、課されるウェイトによってリストリクターの径も3段階に区分されている。ピットで生じる”延長時間”を走って取り戻すのは容易ではないだけに。上位陣はそつのないレース運びでひとつでも上のポジションを狙うことが最優先になりそうだ。
 

全8戦でシリーズチャンピオン争いを繰り広げるSUPER GT。ちょうどこの鈴鹿からシーズン後半戦が幕を開ける。タイトルを意識した戦いがより白熱化するだけに、今大会では各チームがそれぞれが求める結果にコミットする戦いとなるはず。300kmに渡って繰り広げられる過酷なバトルのあとは、パルクフェルメが行なわれるストレート上で「SUPER GT CHILL OUT Party ~花火Night~」が開催され、フィナーレには華やかな花火が打ちあがる予定。終盤を迎える夏休みを目いっぱい楽しんでいただきたい。
 

■主なスケジュール

SUZUKA GT 350km RACE

8月23日(土)
10:10〜11:35 公式練習(GT300+GT500)
11:35〜11:50 FCYテスト
11:50〜12:00 公式練習(GT300専有)
12:00〜12:10 公式練習(GT500専有)
12:35〜13:25 ピットウォーク
15:15〜15:25 公式予選Q1 GT300 A組
15:33〜15:43 公式予選Q1 GT300 B組
15:48〜15:58 公式予選Q1 GT500
16:08〜16:18 公式予選Q2 GT300
16:26〜16:36 公式予選Q2 GT500
16:50〜17:35 キッズウォーク
 

9月1日(日)
12:20〜13:10 ピットウォーク
13:20〜13:40 オールドライバーアピアランス
14:00〜14:20 ウォームアップ
14:20〜 スタート進行
15:30〜 決勝300km・52周レース
表彰式後 表彰式・SUPER GT CHILL OUT Party ~花火Night~





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