SUPER GT 2025 Round7 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2025 Round7

2025年10月19日

第7戦 オートポリス、ホンダ勢が表彰台を独占! STANLEY CIVIC TYPE R-GTが今季初優勝


10月19日、大分・オートポリスで行なわれたSUPER GT第7戦「SUPER GT AUTOPOLIS 3Hours RACE」。3時間の長いレースながら、序盤から激しい攻防戦を展開し、終盤までさまざまなドラマを繰り広げた。そのなかで予選12番手スタートのNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が鮮やかな逆転劇を見せてトップチェッカー。待望の今シーズン初勝利を飾っている。
 

今シーズンもこのオートポリス戦を含めて残り2戦となったSUPER GT。シーズン中に得た成績によって搭載されるサクセスウェイトもこの戦いから半減され、各チーム同士のパワーバランスにも多少影響が見られた。前日の予選は、Q2になってから急激に天候が崩れてウエットコンディション下でのアタックを繰り広げたが、迎えた決勝日は曇り空。当初はドライコンディションでの戦いになると言われていたが、時間の経過とともに降雨の可能性もあるなど不安定な状況となった。
 

午後1時10分、薄日が差すなか、大分県警の白バイとパトカーによるパレードラップを経て3時間レースがスタート。オープニングラップ早々に上位2台が接触するなど波乱の幕開けとなった。気温22度、路面温度25度のコンディションで周回が進んだが、12周目の3コーナーで2台の車両による接触が発生。No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GTとNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zによる激しいポジション争いとなり、結果として24号車がコースアウト、タイヤバリアにクラッシュする。このアクシデントに対しては、のちに64号車がドライブペナルティを課されることになった。
 

レースはこれを受け、車両回収のためにフルコースイエロー(FCY)からのセーフティカー(SC)が導入される。トップ争いとしては、ポールポジションスタートのNo. 3 Niterra MOTUL Zが快走して2位のNo.23 MOTUL AUTECH Zとの間に7秒強の差をつけていたが、SCに切り替わったことで再びバトルが再燃した。
 

リスタート後は、3号車、23号車の背後にいたNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraに予選6番手のNo.37 Deloitte TOM’S GR Supraが猛追。丁々発止の末に37号車が先行する。37号車はなおもペースアップし、前の2台に追いつくと瞬く間に2台を”料理”。スタートから1時間を前にした28周目にトップへ躍り出た。一方、1回目のピットインは21周を終えてから各車それぞれのタイミングで作業に取り掛かったが、コース上の全14台のうち、一番最後に戻ってきたのが100号車だった。
 

40周目にピットインした100号車はドライバーを含む”フルサービス”を消化。レース中盤は一旦No.38 KeePer CERUMO GR Supraがトップを走っていたが、その後方では、勢いに乗る37号車とその背後から逆転を伺っていたNo.1 au TOM’S GR Supraの僚友同士が激しいポジション争いの末に接触、というヒヤリとする場面も見られた。
 

2度目のFCYがコースインしたのはレース開始から2時間を迎える頃。ホームストレート上でGT300車両にトラブルが発生し、ピットロード出口付近でクルマを止めてしまったためだ。結果的に2分程度の導入ではあったが、この前後から2度目のピットインが始まっていたこともあり、コース上では再び激しいポジション争いが行なわれることとなった。
 

大半の車両が2度目のルーティン作業を終え、終盤の戦いに向かうことになると、ここで100号車の台頭が顕になる。最初のピットインをライバルに対して大幅に遅らせ、その間、クリアなコース上でハイペースの走りを見せたことが奏功。64周終わりで2度目のピットインを済ませて2位でコースに復帰したが、目の前の1台はまだ2度目のピット作業が残っており、ピットインを完了した車両のなかでトップに立つこととなった。また、これに続いたのがNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)と64号車のホンダ勢。気づけば予選で苦戦して後方グリッドに沈んでいたホンダ勢が、トップ3を形成して終盤へと突入する。
 

レースは残り1時間を切って、レース序盤で相当な勢いを見せていた37号車と1号車はそろってエアクリーナーのトラブルでイレギュラーピットイン。エンジントラブルを回避するため、戦線離脱を選択することに。開幕戦で勝利し、強い戦いを見せ続けてきた1号車にとっては、シーズン初のノーポイントという結果になった。
 

100号車の独走は変わることなく、レースはいよいよ大詰めへ。だが、一方で2位争いはますます激化。逃げる16号車に対し、64号車は幾度となく逆転のチャンスを伺うがポジションアップに至らない。一旦、差を広げたように見えた16号車だったが、諦めない64号車は、残り1分の時点となってヘアピンで渾身の逆転を披露。ようやく死闘をものにして2位へと浮上した。レースはこのまま3時間が経過。これにより、100号車が大逆転の末に終盤は大量築き上げて優勝を達成。山本と牧野にとっては2022年第8戦もてぎ以来となる勝利に歓喜し、昨シーズンふたりが果たせなかったCIVIC TYPE R-GTでの初優勝を果たすこととなった。2位には64号車、3位に16号車g続き。ホンダが表彰台を独占する形で戦いの幕を下ろしている。
 

一方、GT300クラスも波乱のレース展開が待ち受けた。予選ではセッションの最後の最後にクラスポールを掴み取ったNo. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)。決勝でも安定した速さを発揮し、強いレース運びを見せる。予選2位のNo. 0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)も、昨年オートポリスで勝利しており、勢いをもって7号車に挑みたいところだったが、その後方のライバルも手強い存在となり、緊迫感あるレースが続いた。序盤、GT500車両同士の接触によって、FCYからSCとなり、コース上では混在する両クラス車両を一旦整列するために払い出し作業が行なわれたため、上位陣のマージンは消滅。仕切り直しの形で戦いがリスタートした。
 

7号車は28周終わりでピットイン。他車もそれぞれのタイミングでピット作業を行ない、レース中盤へ。0号車も最初のピットストップでリヤタイヤのみ交換して作業時間を短縮するという勝負に出て暫定トップを奪い取る。そんな中、1台の車両がホームストレートでトラブルに見舞われ、ピットロード出口付近にストップ。このあとFCYが導入されるが、この直前にピット作業を行なっていたのが0号車。まさに”ドンピシャ”のタイミングとなり、追い風が吹く。当然トップをキープできてたと思われたのだが…。なんとその後、FCY手順違反のペナルティが出て、ドライブスルーを課される。これにより、再び0号車へとトップの座が戻り、0号車が猛追する形となった。
 

その一方、粛々とポジションアップに励んでいたのがNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/近藤翼/藤波清斗)。0号車に次ぐ3位へと浮上した。レースは、7号車の大量リードで終盤へと向かったが、なんと7号車と0号車に対して黄旗追い越しのドライブスルーペナルティが課されることに。7号車は大量リードが味方し、トップのままコース復帰を果たしたが、逆に0号車は666号車に先行される形で残り30分に突入する。
 

2番手666号車とトップ7号車は2秒を切る僅差に変わっていたが、次第にその差が開いていく。だが、そんななか、7号車が緊急ピットイン。どうやらガス欠のトラブルだったようでスプラッシュで作業を行ないコース復帰を果たしたが、666号車が先行することになる。結果、666号車が悲願の初優勝。ポルシェとしては2012年以来のクラス優勝を遂げている。
 

オートポリスでの激戦から2週間後、最終戦は栃木・モビリティリゾートもてぎにて開催予定。果たしてどのチーム、ドライバーがシリーズチャンピオンとなるのか。
 

第7戦オートポリス 決勝結果

GT500
1.No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)3H01’16.996 102Laps
2.No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)+25.944
3.No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)+30.652
 

GT300
1.No.666 seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/近藤翼/藤波清斗)3H02’01.705 95Laps
2.No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)+32.148
3.No. 0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)+41.693
 





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