SUPER GT 2025 Round7 概要 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. SUPER GT 2025
  4. Round7 概要

SUPER GT 2025 Round7

2025年10月1日

SUPER GT 第7戦オートポリス プレビュー


10月に入ってなお真夏日の暑さを覚える天候も見受けられたが、それでも朝晩は気温が下がり、秋らしくなってきた。今週末、大分・オートポリスで迎えるSUPER GT第7戦は、もう肌寒さを感じるなかでの戦いいなるのではないだろうか。しかし、コース上では激戦必至の展開に期待がかかる。
 

上位チームを悩ませてきたSWが軽減

SUPER GTではシーズンを通して限りなくイコールコンディションでの戦いが続くよう、独自のルールとしてサクセスウェイトを導入している。これは、レースでの戦績に対して該当するウェイトを搭載するウェイトハンデを指す。第2戦からシーズン6戦目までは獲得ポイントx2kgで換算するが、7戦目からは獲得ポイントx1kgに軽減される。なお、安全面を考慮し、クルマに実搭載できるウェイトは50kgを上限としていおり、GT500クラスの場合、残りは燃料流量リストリクターを装着して調整を図っている。また、GT300クラスでは今シーズンから給油流量リストリクターを併用している。GT500クラスの場合、エンジンに流れ込む燃料の量を規制し、強制的に出力を抑制しているが、GT300クラスでは、ピット作業での燃料給油にかかる時間を強制的に長引かせることで、ピットストップにかかる時間を延ばしている。対象チームによると、リストリクターを使用しないときに比べて15秒ほど余計に時間を要するとのこと。コース上でこの差を取り戻すのはとても難しく、かなりの”足かせ”となっていることがわかる。
 

ともあれ、実装するウェイトが半減するのは、ドライバー、そしてクルマを用意するチームのエンジニアにとってもプラス要素であることは確かだ。というのも、オートポリスはタイヤへの負担が大きいコースとして知られており、タイヤ選択、マネージメントがカギになる。当然、選んだタイヤにふさわしいセットアップも必要なため、総合的に”ハードワーク”が求められるのだ。折しも、天候的にも気温の変化が大きくなっており、タイヤのピックアップも懸念材料になるはず。
 

また、今回は第2戦富士以来となる3時間レース。オートポリスでは2シーズン連続での3時間レースであるため、昨年のデータを活用しつつ準備を進めることになるが、レースの展開ばかりは未知数。参考までに昨年はやや荒れ模様となり、後続スタートの車両が逆転勝利している。ドラマチックに推移すれば、レースそのものは盛り上がるだろうが、シリーズ争いの渦中にあるチームとしては、順当な戦いをしてライバルより1点でも多く加点するのが望ましいだろう。
 

・チャンピオンへの道のり

開幕戦を勝利し、以後安定感あるレース運びで一度もランキングトップを譲ることなく走り続けているのがNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)。サクセスウェイトがどんどん上乗せされるなか、予選で多少下位に沈んだとしても、きちんとレースを組み立てて気がつけばトップ10入りを果たしてポイントを計上し続けるという、ライバルにとってこれほど脅威的な存在はいないだろう。ドライバーふたりのクレバーな走りを支えるチームスタッフの仕事ぶりも評価の対象といえる。どうすれば少しでも早くピット作業を終えることができるのか、給油時間を短くするためにコース上でドライバーはどのような走りをすべきか……などなどチーム一丸となって戦略を練り上げていることが、好結果につながっているのは明らかだ。
 

なお、この難敵に猛追するのが、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)。昨シーズンから速さはアピールしているが、ピット作業でのコミュニケーションミスなど、ポイントの”取りこぼし”に幾度となく泣いてきた。その失敗を糧にして成長を遂げており、今シーズンは強い戦いを続けている。結果、1号車と8ポイント差でオートポリスに臨むことになるが、仮に、今回ポール・トゥ・ウィンを達成すれば、1号車が2位でフィニッシュしてもその差は一気に2点まで縮まる。とあれば、是が非でもシーズンベストの戦いをしたいところだ。今シーズンはGR Supra勢が好調で現時点でランキングトップ5を独占中なだけに、十分可能性もあるだろう。
 

もちろん、他メーカーも黙ってはいない。ランキング6位につけるNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)は、”あと一歩足りない”というレースが続いており、消化不良状態。戦いをまとめる力に長けているが、一発の爆発力が発揮できていない。とりわけ、前回のSUGOは予選で苦戦し、決勝でなんとか帳尻を合わせる戦いをしているだけに、オートポリスではドライバーもチームも納得のいく内容を残したいところだ。また、鈴鹿、SUGOと2戦連続でポールポジションを手にしたNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)は、決勝での結果が伴わず悔し涙を飲んでいる。その思いを結果へと繋げることになりそうだ。また、鈴鹿、SUGOと連勝した日産勢は、未勝利のNo. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)とNo. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が気を吐くことだろう。ノーウェイトとなる最終戦に向けて、まずはシーズンベストの結果を残そうと奮闘する各チームの頑張りに注目してほしい。
 

・GT300クラスはより激戦!?

GT500クラス同様、開幕戦以来、トップランカーとして君臨し続けるのはNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)だが、SUGOで2位入賞を果たしたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)、さらに4位に続いたNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が大量得点獲得に成功。65号車もSUGOで入賞はしたものの、11位と大きく加点はできなかった。これを機に、トップ3のポイント差が縮まっている。
 

一方、今年は海外戦が復活し、セパン大会には出走台数に規制がかかり、全車参戦ができなかった。このため、公平性を保つために有効ポイント制へと規定改正された。よって全8戦中、上位7戦分のポイントでランキングを競うことになっている。今回のオートポリス、そして最終戦のもてぎで上位の結果を獲得できれば、ランキングも大きく浮上するチャンスが残されているだけに、タイトル争いに関係なく、どのチームも善戦を誓って奮闘することだろう。
 

10月上旬には、最終戦の舞台となるモビリティリゾートもてぎにおいて、GTエントラント協会が主催する合同テストも行なわれており、入念な準備も進んでいる。チャレンジングなコースとして知られ、ダイナミックなレース展開を繰り広げるオートポリスで勝利の美酒に酔うのは、果たしてどのチームになるのだろうか。楽しみは尽きない。
 

主なスケジュール

AUTOPOLIS GT 300km RACE
 
10月18日(土)
09:25〜10:50 公式練習(GT300+GT500)
10:50〜11:10 FCYテスト
11:10〜11:20 公式練習(GT300専有)
11:20〜11:30 公式練習(GT500専有)
11:40〜12:00 サーキットサファリ
12:15〜13:05 ピットウォーク
14:45〜14:55 公式予選Q1 GT300 A組
15:03〜15:13 公式予選Q1 GT300 B組
15:18〜15:28 公式予選Q1 GT500
15:38〜15:48 公式予選Q2 GT300
15:53〜16:03 公式予選Q2 GT500
16:20〜16:50 キッズウォーク
 

10月19日(日)
10:10〜11:00 ピットウォーク
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜 スタート進行
13:10〜 決勝 3時間レース





一定時間でのアクセス回数が多すぎます。しばらくたってから再度アクセスして下さい。