SUPER GT 2025 Round6 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2025 Round6

2025年9月22日

大波乱のSUGO、最終ラップにリアライズコーポレーション ADVAN Zが大逆転勝利!


9月21日、宮城・スポーツランドSUGOでSUPER GT第6戦決勝レースが行なわれた。序盤から接触などのアクシデントが続き、荒れた展開となるなか、レース後半には複数の車両が絡む大クラッシュが発生。およそ1時間にわたり一時中断となった。再スタート後は僅差でのトップ争いが展開され、2番手につけていたNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が最終ラップに大逆転を決め、シーズン待望の初勝利を挙げている。
 

前日の予選は朝からの雨でウェットコンデイションでの幕開けとなったが、決勝日は爽やかな秋空があたり一面に広がり、レース日和の一日に恵まれた。
 

決勝直前のウォームアップ走行中、1台の車両が停止したことを受けてセッションは赤旗中断に。この影響でその後のスケジュールがすべて10分遅れの進行となった。結果、午後1時40分に宮城県警によるパレードラップが始まり、その後さらに1周のフォーメーションを経て84周の戦いが幕を開けた。気温23度、路面温度33度のコンディションの下、まずは2戦連続でポールポジションスタートを決めたNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)がホールショットを奪い、快調に周回を重ねた。だが、予選2番手のNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)が猛追。早速5周目から6周目となるメインストレートで逆転を決めてみせた。
 

一方、予選5番手スタートの24号車も好調な滑り出しを見せる。タイトで抜きどころの少ないSUGOで攻めの走りを見せ、14周目には2番手まで浮上。19周目のFCY(フルコースイエロー)導入〜解除のタイミングでトップへと迫り、23周目にトップ奪取に成功した。だが、勢いで負けていない39号車も奮闘。25周目には再びトップを取り戻す。一方、28周を過ぎると多くのクルマがルーティンピットを実施。2周で計10台がドライバー交代を含む作業を完了させる。逆にトップ争いの2台に加え、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)およびNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)もステイアウトを選択。この4台のうち、先にピットに戻ったのが24号車で、以後、39号車、100号車そして38号車の順にピット作業に取り掛かった。
 

レースは38号車がコース復帰を果たしてすぐ、2回目のFCYが導入される。翌周には解除されたが、その直後、最終コーナーからメインストレートへの上り坂に向かうなか、複数の車両によるマルチクラッシュが発生。大破したマシン3台がコース上に停止することに。これを受けてSC(セーフティカー)が導入されるも、2周後には赤旗が提示された。その後、車両回収やコース清掃、さらには傷んだピット入口付近のガードレールの修復作業が行なわれることになり、レースはおよそ1時間にわたって中断。午後4時からの再開がアナウンスされたが、レギュレーションによって最大延長時間となる午後4時までの時間制へと変更される。結果、レースは残りおよそ30分での戦いとして再び激しい攻防戦が始まった。
 

逃げる39号車の背後にいたのは、No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)。ピット作業をうまくこなし、予選8番手から2番手までポジションアップしていたが、その背後には勢いある24号車が迫ってくる。すると残り時間12分となった1コーナーで、24号車が逆転に成功。この流れでトップの39号車を攻め立てる。GT300車両のバックマーカーによって急接近した2台だったが、なんとか39号車がトップを死守。だが、その間に4位までがタテ一列の隊列を組む形となって激しいポジション争いが繰り広げ、スタンドが多いに盛り上がった。
 

最後まで先の読めない展開を見せたトップ争いは、チェッカーを控えるファイナルラップの馬の背コーナーで39号車と24号車が並走する形になり、続くSPコーナー1つ目で勝負に出た24号車がトップを奪取! そのまま逃げ切って悲願のシーズン初優勝をもぎ取ることとなった。チームにとっては9年ぶり、またドライバーの松田としては2023年開幕戦岡山以来の勝利で、自身としてはGT500最多勝の25勝目を達成。そして名取は自身初GT500クラス優勝となっている。一方、2位39号車に続いたのは、17号車。結果、3メーカーが表彰台を分け合う形となっている。
 

一方、チャンピオン争いでは、暫定ランキングトップのNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が9位入賞を果たしてポイントを計上。ランキング2位につけるNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)も手堅く7位でレースを終え、1号車とのポイントを8点差に縮めることとなった。
 

GT300クラスでは、前回の鈴鹿大会で2位チェッカーを受けるも、再車検で最低重量がわずかに足らず、失格という悔し涙をのんだNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)がそのリベンジ戦とも言える戦いを見せた。一方、鈴鹿で初優勝を果たし、今回はポールポジションスタートを決めたNo. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗。こちらは、決勝になるとペースが優れないのか後続からの追い立てに遭い、早々に予選2番手の60号車に逆転を許し、その後もズルズルと後退。逆にシーズン序盤からサクセスウェイトを搭載、今回の予選で入賞圏内にいる実力派のクルマが安定感のある走りを味方にして徐々にポジションアップすると、GT500クラスが絡む混戦をも利用するというしたたかな戦法を披露した。そのせいか、コース上では頻繁に接触等のアクシデントが発生。序盤からFCYの導入等が見られたが、そのなかで60号車がつねにレースを先導。これに予選4番手のNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)や同7番手のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)が追う形となる。
 

早めにピットインした60号車に対し、4号車と56号車は少し遅れてピットへ。勝負は後半戦へと持ち込まれることになると思われたが、48周目に発生したマルチクラッシュで赤旗中断になり、時間制へと変わった再開後も60号車は安定して快走を続け、2番手に浮上した56号車との差を1.5秒から2秒に保つという強さを見せつけた。
 

結果、完璧とも言えるレース運びを見せた60号車がこのままトップでチェッカーを受けて2011年以来となる優勝を達成。2位に続いた56号車は今シーズンベストリザルトを獲得し、開幕戦から出場する平手晃平のランキングは2位へ。暫定トップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)との差を3.5点とした。3位にはNo.666 seven x seven PORSCHE GT3R(近藤翼/ハリー・キング)がシーズン初の表彰台へと上がった。
 

第6戦SUGO:決勝結果(各クラストップ3)

・GT500
1.No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)2H44’59.658 70Laps
2.No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)+0.649
3.No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)+0.886
 

・GT300
1.No.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)2H46’10.998 67Laps
2.No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)+0.660
3.No.666 seven x seven PORSCHE GT3R(近藤翼/ハリー・キング)1Lap





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