SUPER GT 2025 Round3 概要 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2025 Round3

2025年6月23日

SUPER GT 第3戦マレーシア プレビュー


タイからマレーシアへ。第3戦はセパン開催
 

ゴールデンウィークのなか開催された第2戦富士から2ヶ月近く経つなか、ようやく第3戦を迎える今年のSUPER GT。なんとこの度は日本を離れてマレーシアへ。かつてF1GPも開催されたことがあるセパン・インターナショナル・サーキットが戦いの舞台となる。シーズン序盤の締めくくりとも言える一戦だが、いつも以上に不確定要素が多くなりそうだ。
 

シリーズ戦開催は12年ぶり

SUPER GTではコロナ禍前まで海外でのレースを行なっており、2014年から2019年まではタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されていた。しかし、コロナを機に状況が一転。今年、ついに6年ぶりとなる海外戦が復活することになった。一方、その場所もタイからマレーシアへと”お引越し”。実のところ、タイで開催する前は、ここセパンが舞台であったため、SUPER GT開催は実に12年ぶりとなる。
 

初開催は2000年。当時はまだSUPER GTではなく、全日本GT選手権だったころ。2000、2001年はエキシビションレースという形で実施され、2002年からシリーズ戦に組み込まれるようになった。一方、2003年にはアジア圏で広まったSARSの感染拡大のあおりを受け、開催はキャンセルされることもあった。だが、2004年には復活を遂げ、2013年までの10年間は熱戦が繰り広げられた歴史を持つ。
 

F1開催サーキットだけに、コースを設計したのはサーキットの設計者として著名なヘルマン・ティルケ氏であり、富士スピードウェイも手掛けたことでも知られる。スタンドを挟んでV字型に配された2本の直線が印象的なレイアウトで、中高速コーナーが多いテクニカルコースだ。コース全長も約5.6kmと長い方。GT500クラス車両はオフシーズンにタイヤ開発テストで走り込んでおり、サーキット走行未経験者はいない。だが、SUPER GTでの一戦が12年ぶりともなると、実戦は初めて、というドライバーもいるだけに、酷暑のなかでウェイトを搭載した車両を操り、かつGT300クラスとの混走をどうマネージメントするのかが見ものに。いち早く適応できることが求められる戦いとなるだろう。
 

キャリア豊富なドライバーの活躍に注目

12年ぶりの開催ながら、ここセパンと相性が良いドライバーもいるようだ。昨シーズンからNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zをドライブする松田次生は、ホンダ系ドライバーだったときからセパンと相性が良いドライバーだ。まだJGTCだった2002年、Mobil1 NSXを駆って優勝。その後、日産系ドライバーとなっても2010年と2013年にはカルソニックIMPUL GT-Rで勝利。3勝を誇る。そして、その松田が現在所属するKONDO RACINGは、セパンで2勝を挙げた実績があるため、松田とKONDO RACINGの強力タッグが今大会でいい結果を導き出す可能性もありそうだ。今シーズンの24号車は予選での速さを見せてきているが、今季は決勝での入賞がまだ一度もない。それだけに、このセパンで好成績を残してシーズン中盤に向けて弾みをつけたいところだろう。
 

GT300はシード権所有のチームが参戦

国内のレースと異なり、セパン戦では出走台数に制限が設けられている。これは現地サーキットのピット数が関係しているのだが、GT500クラスはフルエントリーの15台が参加するものの、GT300クラスはAシード権を所有する18台に出場権が与えられている。これにマレーシアのチームによるワイルドカード_いわゆる現地特別枠が2チーム分あるため、フルグリッドは35台となる。しかしながら、日本からGT300クラスで出場するのは17台。実は、5月13日に鈴鹿サーキットで行なわれたGTエントラント協会(GTE)主催の合同テストにおいてNo.20 シェイドレーシング GR86 GTが走行中に車両火災に見舞われ、車両い大きなダメージを負ったことから、参戦を取り消しているのだ。結果、セパンでは合計34台でのレースが行なわれる。
 

なお、現地参戦チームの2台は、No.333 EBM Vantage GT3とNo.611 EBM GIGA 911 GT3。チームドライバーはGTワールドチャレンジ(GTWC)のオーストラリアやアジアシリーズにも参戦する実力派ドライバーで、4選手のうち2選手がマレーシア出身で、あとはフランス人と中国人で編成されている。車両はSUPER GTでもおなじみのアストン・マーティン・バンテージGT3、ポルシェ911 GT3R。走りなれたセパンで日本からのSUPER GT車両とどのような攻防戦を繰り広げるのか、そのパフォーマンスにも注目したい。
 

GT500クラスでは、松田次生が現役ドライバーとして最多の3勝を挙げているが、GT300クラスにも”猛者”がいる。No.96 K-tunes RC F GT3をドライブする高木真一は過去2勝を挙げており、また、2013年にはポールポジションを手にしている。松田に劣らず相性の良さを活かして久々の復活戦で躍進を遂げたいところだ。
 

シーズン中盤戦に向けての重要な戦い

このマレーシア戦が終われば、車両は船便で日本への帰路につく。そして迎える第4戦の舞台は富士。第2戦と同じサーキットではあるが、レースのフォーマットはガラリと変わり、スプリントレース方式での実施となる。SUPER GTのシリーズ戦としては初めての試みとなる。サクセスウェイトやレースフォーマットが異なる中盤戦の戦いを前に、セパンでしっかりと結果を残し、チャンピオン争いにも食い込みたいところ。それゆえチーム一丸となってノーミスでの戦いを目指したい。未知数が多い上、熱帯雨林気候に属すなかで日中のスコールも珍しくはない。不確定要素がいつも以上に多く、緻密な戦略よりも、多くの引き出しから最適解をライバルより早く導くことが、好成績に繋がるのか。レースは筋書きのないドラマとよく言われるが、どのような大どんでん返しが起こるのか、はたまた出来すぎたストーリーになるのか。いずれにせよ、セパンならではのレース展開で盛り上がってくれることを楽しみたい。
 

なお、国内戦とはスケジュールが異なり、決勝スタートは土曜日の午後4時30分のため、日本でのTV観戦の際には、気を付けてほしい。
 

主なスケジュール

SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025
 
6月26日(木)
16:30〜17:30 公式練習(GT300+GT500)
17:30〜17:45 公式練習(GT300専有)
17:45〜18:00 公式練習(GT500専有)
18:10〜18:40 サーキットサファリ
 

6月27日(金)
10:30〜11:30 公式練習(GT300+GT500)
11:30〜11:45 FCYテスト
11:55〜12:25 サーキットサファリ
16:30〜16:40 公式予選Q1 GT300 A組
16:48〜16:58 公式予選Q1 GT300 B組
17:03〜17:13 公式予選Q1 GT500
17:23〜17:33 公式予選Q2 GT300
17:41〜17:51 公式予選Q2 GT500
18:05〜19:05 ピットウォーク
 

6月28日(土)
13:00〜14:50 ピットウォーク
15:10〜15:30 ウォームアップ
15:30〜16:30 スタート進行
16:30〜決勝 300km・55周





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