SUPER FORMURA 2025 Round12
SUPER FORMULA第10、11&12戦鈴鹿 プレビュー
最終ラウンドの鈴鹿は代替戦含めて3レース開催!
SUPER GT、スーパー耐久と今シーズンの最終戦が終わっている日本国内のサーキットレースだが、今週末は三重・鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終ラウンドが実施される。もともと土曜、日曜でワンデーレースを各日開催する予定だったが、スケジュールの変更で3レースに。タイトル争いが絡む”超”短期決戦となる戦いは、極めてハードなものになりそうだ。
・前大会富士のキャンセルを受けて
鈴鹿大会のひとつ前、その舞台となった富士スピードウェイでは第9戦、第10戦を開催する予定だった。土曜日開催の第9戦はウェットコンディションのなかスタートが切られたが、雨の影響を受けて視界確保が難しく、結果14周をセーフティカーランのみで終えていた。形としてはレースは成立していたが、実質的にはレースとは言えるものではなかった。
翌日の日曜日は雨も上がり、ドライパッチが見え始めるなかで予選を実施。午後からの決勝を待つのみだった。ところが、午後に入ると次第に濃霧が立ち込めて視界不良に。午後2時すぎに予定していたスタート進行が10分刻みで遅延が繰り返され、最終的には午後3時35分にレース開催可否の最終判断が行なわれ、天候回復が見込めないという理由から決勝レースはキャンセルとなった。多くの観客が足を運ぶなか、富士大会は完全に悪天候に弄ばれる形で幕を下ろしている。
その2週間後、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)が、最終ラウンドの鈴鹿において、キャンセルされた第10戦の代替開催を発表。もともとタイトなスケジュールのなかで実施するため、また、富士大会ですでに予選は成立していたことを受け、第10戦は決勝のみ鈴鹿で行なうことが明らかにされた。
JRPによると、第10戦の代替決勝レースは、今シーズンの最終レースとなる第12戦を予定する23日(日)の午前中に行なうとしている。また、レース周回数も通常より短く、19周/約110kmでの実施となる。その後、第12戦の開催を控えることを考慮してか、周回数も短くなっており、当然ながらレース中のタイヤ交換もないスプリント形式での実施となる。これにあわせ、第12戦の予選スケジュールも変更され、当初は日曜日に予選および決勝を行なう形だったが、第12戦の予選は第11戦を実施する22日(土)に組み込まれた。結果、土曜日は第11戦の予選、第12戦の予選を午前中に行ない、午後に第11戦の決勝が号砲となる予定だ。
変則的なスケジュールは当然のことながら、2日間で2回の予選、そして3度のレースに挑むこととなるドライバー、そしてチームとしてはノートラブルを大前提に戦わなければならないだけに、かなりの緊張感をもって臨まなければならない最終大会となるだろう。
・残り3戦、タイトルは誰の手に?
前大会の富士で第10戦がキャンセルとなり、一層混沌としてきたのがタイトル争いではないだろうか。前述のとおり一度のレースウィークで3レース実施するのは、ステップアップカテゴリーのレースではともかく、国内最高峰のフォーミュラレースであることを考えれば類稀なこと。ステアリングを握るドライバーにとってはいつも以上に高い集中力が求められるはず。とはいえ、過度な緊張感があっても本来の実力を発揮することが難しくなるため、平常心も必要。さまざまな要素が入り混じる複雑なコンディションを誰よりも上手く味方に付けることが大事となる。
現時点でポイントランキングトップを走るのは、No.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)。SUPER GTでは自身3年連続4度目のシリーズチャンピオンを手にし、その後は渡欧してF1のテストドライブにも挑んでいる。まさにノリにのっているなかでの最終大会を迎えることになる。それを14.5点差で追うのが、No.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)とNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。そして23.5点差で4番手につけるのがNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だ。なおランキング5位のNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)そして6位のNo.37 No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)までがチャンピオン獲得の権利を有する。今大会のレースウィークで獲得可能な最大ポイントは合計66ポイント。さすがにすべてのポイントを独り占めする可能性は低いだろうが、思いもしないドラマチックな展開を期待しつつ、戦いの行方を見守るのも楽しそうだ。
なお、決勝のフォーマットは各戦において少しずつ異なる。第10戦のフォーマットは先述しているが、土曜日午後の第11戦は27周での戦いで、義務付けされているタイヤ交換の作業は10周目から最終周回に入るまで。そして日曜午後開催の第12戦は31周での戦いに。午前中に第10戦のスプリントレースを戦ったあとのシーズンラストレースだが、タイヤ交換の作業は1周目から可能となっている。使用できるタイヤは22日、23日ともに最大6セット。タイヤのマネージメント含めチームの戦略にも注目しつつ、シーズン最後のバトルに期待が集まる。ハードワークを勝ち抜き、戴冠を果たすのはいったいどのドライバーなのか。
■主なタイムスケジュール
11月21日(金)
11:05 – 12:05 フリー走行1回目
14:10 – 15:10 フリー走行2回目
11月22日(土)
08:00 – 08:10 第11戦 予選Q1・A組
08:15 – 08:25 第11戦 予選Q1・B組
08:35 – 08:42 予選Q2
10:05 – 10:15 第12戦 予選Q1・A組
10:20 – 10:30 第12戦 予選Q1・B組
10:40 – 10:47 予選Q2
11:20 – 12:05 ピットウォーク
13:35 – 14:30 スタート進行
14:30 – 第11戦 決勝レース 27周/最大75分
11月23日(日)
09:13 – 09:50 スタート進行
09:50 – 第10戦 決勝レース 19周/最大50分
12:25 – 13:10 ピットウォーク
13:30 – 14:30 スタートセレモニー
14:30 – 第12戦 決勝レース 31周/最大75分