SUPER FORMURA 2025 Round9
ワンデーレース初日、雨のなかフェネストラズが第9戦の勝者に!
10月11日、静岡・富士スピードウェイにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第9・第10戦が開幕。シーズン終盤を迎えるなか、レースウィーク中は土曜、日曜でそれぞれ予選と決勝を行なう”ワンデーレース”での戦いを繰り広げる。初日の11日は第9戦を開催。朝からあいにくの雨模様となり、予選ポールポジションからスタートしたNo.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)がセーフティカー先導によってトップをキープ。その後、レースは2度の赤旗中断を挟み終了となったため、フェネストラズが優勝を果たすこととなった。
第9戦 予選
前回、第8戦は8月上旬の開催。およそ2ヶ月のインターバルをもって今大会を迎えることになる。ちょうどこの日から3連休のため、絶好のレース日和…と言いたかったが、富士は朝から雨模様に見舞われた。
午前10時10分、Q1・A組のセッションがスタート。一旦雨脚が弱まったかに思われたが、フルウェットでのアタックが幕を開けた。気温17度、路面温度20度のコンディション下でまずはクルマのフィーリングを確かめるべく、A組出走の11台が次々とコースインする。今回は、ワンデーレースを2日にわたり実施するため、前日金曜日には1時間✕2回の公式練習が行なわれている。だが、このときは秋晴れの天気でドライコンディションでの走行。今日は180度異なる条件下でのアタックになってしまった。
10分間のセッションでは残り時間1分を切ってから各車が激しくポジション争いを展開。No.38 阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が暫定トップに立つなかまもなくチェッカーフラッグが出されるというタイミングでNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が1分31秒884をマークし、トップをさらった。これに、阪口、フェネストラズが続く一方、これまで全レースでQ1突破を果たしてきたNo.8 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が、惜しくもQ2進出を逃すこととなった。
続くQ1・B組には現時点でランキングトップのNo.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)が出走。セッション開始から徐々に雨脚が強くなるが、コース上のドライバーは巧みなコントロールを見せて、徐々にペースアップ。残り1分を切ってNo. 3 山下健太(KONDO RACING)が暫定トップに立ったが、チェッカーが振られるなか、坪井が1分32秒725のタイムでトップを奪取。これに0.183秒差でNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が続き、山下は3番手でQ1通過。結果として、6チームの2台ずつがQ2へと駒を進めることになっている。
ポールポジションが確定するQ2は、午前10時45分にスタート。7分間のセッションは、開始と同時にピットを離れる一方で、コース上には霧が立ち込めて視界が次第に悪化した。ポジションが動き始めたのは、チェッカーまで残り2分を揃ってから。この時点で岩佐が1分33秒196をマークして暫定トップに。これに1分33秒967でフェネストラズが2番手につけた。そんななか、チェッカーまで残り50秒という時点で岩佐がコカ・コーラコーナー立ち上がりで挙動を乱し、100R外側のタイヤバリアにクラッシュする事態に。当然ながらセッションは赤旗中断となり、しばし再開が待たれたが、強くなる雨脚、クルマの回収やタイヤバリアの補修等に時間がかかるとされ、赤旗中止をもってQ2終了とアナウンスされた。
暫定トップタイムをマークした岩佐だが、赤旗の原因を作ったことからQ2でのタイムはすべて抹消され、ポジションは12位に。結果、フェネストラズが自身初のポールポジションを獲得し、チーム名との坪井が2番手、さらに3番手には野尻がつけることに。なお、ランキング争いで3番手につけるNo.6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は7番手を手にしている。
第9戦富士 予選トップ3
1.No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)1’33.967
2.No.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)1’34.123
3.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’34.205
第9戦 決勝
午後に入っても依然として天候は回復せず、フルウェットによる決戦が近づく。また、雨脚が強まったことでレースはセーフティカー先導による幕開けとなった。なお、Q2でクラッシュを喫してQ2最後尾になっていた岩佐は、修復に合わせてエンジンを置換。これにより、さらに10グリッド降格扱いとなり、22番手からのスタートに。一方、レースは水しぶきを上げて各車周回を続けるなか、6周走行時に赤旗が提示されてセッションが中断。コンディション回復を待つことになった。
中断からおよそ20分が経過、午後3時48分にレース再開がアナウンスされて再びSC先導によってセッションがスタート。しかし周回を重ねてもSCのフラッシュライトは点灯したままで霧も濃くなってくる。結果、14周走行中に2度目の赤旗が提示され、再びセッションが中断した。日没が迫るなか長らくリスタートが待たれたが、結局のところ午後4時30分を前にレース終了がアナウンスされ、ポールポジションからスタートしたフェネストラズが優勝となった。なお、レース内容から獲得できるのはハーフポイントとなる。また、赤旗をもってレース終了になるのは2024年第3戦SUGO以来。一方、フェネストラズにとっては2022年第5戦SUGO以来、自身2勝目となり、チームとしては2015年第1戦鈴鹿以来のワン・ツーフィニッシュを飾ることとなった。
天気予報によると明日は天気が回復する方向。第10戦はドライコンディションでの一戦が期待できそうだ。
第9戦富士 決勝トップ3
1.No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)14Laps
2.No.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)+2.228
3.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)+6.556