SUPER GT 2023 Round.8 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2023 Round.8

2023年11月6日

第8戦もてぎ、au TOM’S GR Supraが新コンビで王者に。宮田はSFとのWタイトル獲得!


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11月5日、栃木・モビリティリゾートもてぎにおいて、「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」の決勝レースが行なわれた。シーズン最後の決戦を制したのは、予選3位スタートのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)。レース途中に短時間ながら雨へと急変したコンディションをも味方にし、ミスのない力強い走りでトップチェッカー。坪井&宮田の新コンビによるシリーズチャンピオンが誕生している。
 

予選日に続き、もてぎは季節外れの好天気に。前日よりも日差しにも恵まれ、絶好のレース日和になると思われた。しかしながら、午後に入ると冷たい風が吹き込み、にわかに空模様が怪しくなっていく。最終戦のもてぎにおいて、恒例となっている航空自衛隊松島基地所属のF-2戦闘機のウェルカムフライトが始まる頃には、サーキットの上空は灰色の雲にすっぽりと覆われてしまった。
 

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午後1時、300km・63周のレースが号砲。気温23度、路面温度28度と前日の予選時と大差なかったが、日差しがなく風が強く吹いていたことから、スタート直後は異なる路面コンディションに、手を焼くチームもいたようだ。
 

まず、ポールスタートのNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は快調なペースでトップをキープ。その背後には、シーズン初優勝を目指すNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)がピタリとマーク。そして、その17号車をさらに36号車がプッシュするという形でレース序盤が進んでいく。
 

動きが見えたのは、レース開始から3分の1を過ぎた23周目。トップ3号車との差が開いた17号車に36号車が詰め寄り、V字コーナーで逆転。ほぼコース1周に渡って激しいバトルを繰り広げたが、36号車の坪井に軍配が上がった。そんななか、トップ3号車は25周を終えてルーティンのピットイン。千代から高星にスイッチすると、36号車、そして17号車も翌周にピットへと帰還。それぞれ宮田と塚越がコースに向かった。レースは、これより前に曇天が広がり、突然の雨に。気温も急激に下がり、濡れた路面のなか、各車クルマをコントロールしながらコースに留まるような走りになったが、その後、しばらくすると雨が止んだため、依然としてドライタイヤでの攻防戦を繰り広げた。
 

しかし、折返しを過ぎて再び雨が降り始めるなど、最終戦は落ち着きのないレース展開が続く。ルーティンを済ませたチームとして、トップを走る”裏1位”は3号車。2番手の36号車とはすでに12秒近い差がついている。ポイント6点差で逆転タイトルを狙う3号車は優勝がマスト条件。一方、36号車は2位でフィニッシュすればタイトルが確定するが、背後に迫る17号車に逆転を許すと、王座が3号車へと渡ってしまう。極度のプレッシャーのなか、それぞれのドライバーがコース上で高まる緊張感とも戦いながら、周回を重ねていくことになった。
 

レースは残り周回数10周を迎える頃、またしても1コーナー付近で雨が降り始め、滑りやすい路面での走行が強いられるコンディションに。トップ3号車と2番手36号車のギャップは13秒強だったが、雨の影響を受けて、その差が一気に7秒近くまで縮まった。この状況が何らかの変化を与えたのか、レースは59周にまさかの展開が待ち受ける。
 

S字の進入で態勢を崩した3号車はスピンし、2つ目のアウト側のグラベルへ。タイヤが空転し、グラベルにスタック。その横をライバルたちが次々と走り抜け、事実上3号車のチャンピオンの夢はここで潰えた。思わぬ形でトップが舞い込んだ36号車。2位以下とはすでに17秒近く差が開いており、最後はペースコントロールしながらチェッカーを受けることに。これにより、坪井は自身2度目、また宮田は自身初となるSUPER GTのGT500クラスチャンピオンを獲得している。なお、スーパーフォーミュラでもシリーズタイトルをものにした宮田は、24歳にして最年少ダブルタイトルホルダーとなった。レースで2位に続いたのは、No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)。荒れたコンディションをベテランらしい走りでしのぎ、ポジションアップに成功。今シーズンを最後にGT500参戦から撤退するミシュランタイヤの活躍を称えるような走りを披露した。3位には17号車が続いている。
 

GT500クラスでは、雨がタイトルを巡る攻防戦に水を指した形となったが、GT300クラスもタイトルを狙う各車が、自分たちのレースを目指すなかでの”泣き笑い”を見せた。まず、ポール・トゥ・ウィンが必須条件のNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は、前日の予選で見事なアタックを決めてポールを獲得。決勝では、平良がスタートダッシュを決めて、クラストップで周回を重ねていく。だが、予選2位のNo.88 JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がハイペースで2号車を猛追。そのプレッシャーもあり、2号車はついに15周目の3コーナーで88号車に逆転を許してしまう。
 

一方、ランキングトップのNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)は7位からスタート。入賞さえすればタイトル獲得となるため、無理のないレース運びをすることにはなったが、それでもレースではこれまで同様、タイヤ無交換を迷わず選択し、攻めの走りを続けた。先にピットインしたのは52号車。これよりあとに、トップを走る88号車そして2号車もピットへ。52号車と同じ車両、同じタイヤメーカーである2号車もタイヤ無交換でコースに復帰。一方、初優勝がかかる88号車はリヤ2本を交換してピットを離れた。
 

途中、不意打ちを食らうように降り始めた雨の影響もあってか、2号車は予選3位スタートのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)に逆転を許し、3位へ。すると、後半になって再び降り始めた雨を味方につけようと、53周目を終えてウエットタイヤへの交換を敢行する。このまま雨が続けば、逆転優勝の可能性もあったが、逆に雨はほどなくして止み、2号車の”賭け”は水泡に帰すこととなった。
 

結果、88号車が悲願の初優勝。これに65号車が続き、3位には荒れたコンディションを味方にして、後方グリッドからジャンプアップを果たしたNo.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が入った。そして、シリーズチャンピオンを決めた52号車は7位でチェッカー。チームとしてSUPER GT参戦7年目にして、GT300クラス王者に輝くこととなり、また吉田、川合は初タイトル獲得を果たしている。
 

さまざまなドラマを繰り広げた今シーズンのSUPER GT。来シーズンは4月13-14日、岡山国際サーキットで開幕戦を迎える。
 

第8戦モビリティリゾートもてぎ 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)1H52’47.402 63Laps
2.No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)+5.159
3.No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)+16.270
 

GT300
1.No.88 JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)1H53’36.562 59Laps
2.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)+7.124
3.No. 6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)+22.795
 

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GT500クラス シリーズチャンピオン

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GT300クラス シリーズチャンピオン

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