SUPER GT 2023 Round.6 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2023 Round.6

2023年9月18日

第6戦SUGO、GT300&GT500両クラストップチェッカーが車両違反で発覚の波乱


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9月17日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて、SUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが行なわれ、トップチェッカーを受けたNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)だったが、レース後の再車検において、規定違反が発覚。リザルトとして失格扱いとなり、2位でゴールしたNo.8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)の元に優勝が転がり込んだ。
 

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予選日同様、湿度の高い蒸し暑い天気になった決勝日のSUGO。朝から薄曇の天気となり、時折ポツポツと雨が降ることもあったが、幸いにして大きく崩れることはなく、午後1時30分からのスタートは、ドライコンディションで幕を開けた。
 

ポールポジションからクリアスタートを切った8号車。ハイペースで周回を重ね、瞬く間に2番手のNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)との差を広げていく。1周が短くかつアップダウンに富むSUGOのコースでは、10周を過ぎると早くもトップ8号車がすべてのGT300車両をラップダウン。コース上ではトラフィックがあちこちで発生し、難しいコンディションでの周回が続く中でも8号車のハイペースは変わらず。12周目には2位23号車に対し、10秒強のマージンを築き上げた。
 
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トップ8号車の快走に対し、その後方では安定したペースでの走行が難しいこともあり、ドライバー交代が可能となるレース3分の2を終えたタイミングでピットインする車両が現れる。まず、No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)そしてNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が28周終わりでピットに飛び込むと、翌周には2台、さらに30周終わりでは2番手の23号車を含む3台がピットイン。すると、8号車も32周終わりでピットへと戻り、野尻から大湯へと交代した。さらに、3番手でスタートを切ったNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)は33周目にピットインすると、8号車より8.5秒も早いピット作業を完遂。8号車の前でコース復帰を決めてみせた。
 

これで事実上のトップが入れ替わり、今度は8号車が17号車を猛追する展開に。そんな中、38周目の最終コーナーを駆け上がり、39周目のメインストレートを目指していた100号車が大クラッシュを引き起こす。100号車は、前方のNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)を猛追する中で、コースイン側のラインを取っていたが、ピットに向かおうとイン側にラインを替えたGT300クラスのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)の右フロントと接触。スピードに乗った状態での接触でコントロールを失うと、そのまま100号車はアウト側のガードレールに車体後部からクラッシュしてしまった。モノコックの後部がすべて破損するほどの大きなアクシデントとなり、コース上にはセーフティカーが導入される。およそ3分にわたりSCランとなったが、のち、午後2時27分には赤旗が提示されてレースが中断した。
 

100号車をドライブしていた山本選手はレスキューに救出され、ドクターヘリにて仙台市内の病院へ。のちに検査のため、静岡・浜松の病院に入院することとなった。
 

その後、レースは午後3時15分に走行開始5分前を迎え、コース上に長らく待機していたGT300車両の”送り出し”が行なわれる。そして、午後3時20分にセーフティカー先導によりレースが再開。45周からリスタートすると、17号車から実質上のトップを奪い返すべく、8号車が怒涛の追い上げを開始し、52周目には鮮やかに逆転してみせた。また、ピットインを先延ばししていたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が52周終わりにルーティン作業を実施。この時点で、8号車が名実ともにトップとなり、17号車、さらに23号車がトップ3を形成した。
 

改めて”逃げ”の走りを始めた8号車だったが、徐々に日差しも弱まり、気温、路面温度ともに低下し始めると、今度は17号車がペースアップを果たし、みるみるうちに2台が急接近。70周目には0.326秒差のテール・トゥ・ノーズとなり、緊迫の状況となる。タイヤコントロールに苦戦する8号車に対し、17号車は攻め一方。最終コーナーでラインを替え、77周目に入ったばかりのメインストレートで逆転を果たす。それまでの間、なんとか凌ぐ走りを見せていた8号車だが、17号車に先行を許すと、もはや2台の差は広がるばかり。逆に背後の23号車の攻め立てに防戦一方となったが、これをなんとか凌ぎきり、2位死守でタフなレースを終えた。
 

今シーズン、開幕戦から連続入賞を続けていた17号車にとっては待望の優勝。ランキング争いでもトップと僅か1点差の2番手にジャンプアップしたのだが……。その後、車両検査で「スキッドプロック厚み規定違反」の判定を受け、まさかの失格扱いに。結果、8号車が繰り上げ優勝となり、開幕戦以来となるポイント獲得を果たした。
 

GT500の波乱の展開同様に、GT300クラスもまた、レース後に波乱の結果が待ち受けた。クラスポールのNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)がまずレースを牽引。だが、次第に予選2番手のNo.20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)が徐々に差を詰め始める。さらには、その後続車3台も一列に繋がって大混乱に。20周目の1コーナーで、20号車が96号車をかわしてトップを奪取した。20号車は31周終わりでルーティン作業を終了、レース折返しを目指すが、その中で、GT300車両とGT500車両の2台による接触事故が発生。また、セーフティカー導入の直前にNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)とNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が絶妙のタイミングでピットインする。
 

およそ小一時間の赤旗中断後にセッション再開を迎えると、接触事故のペナルティで56号車はドライブスルーを科せられることになったが、タイミングを味方につけた18号車は、クラス2位へとジャンプアップ。一方、クラストップは、他車とは異なる戦略で早めのピットインを済ませていたNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)。予選4番手から着実なレース運びでトップチェッカーを目指してひた走る。18号車との差もある中、迎えた最終ラップ、最終コーナーと向かう52号車が突如としてスローダウン。クルマを揺らしながらフィニッシュラインを目指していたが、最終コーナーを勢いよく駆け上がってきた18号車がアウト側から52号車を抜き去りフィニッシュ。僅か0.851秒差で今シーズン3勝目をもぎ取るという劇的な結末を迎えた。
 

ところが、レース終了後の車両検査で、18号車に「最低地上高違反」が判明。失格扱いとなる。結果、一旦は手のひらからこぼれ落ちた勝利が52号車の元へと戻り、シーズン初優勝を果たすことになった。
 

劇的な最終結果で両クラスとも勝者が変わったSUGO戦。手に汗握るバトルやギリギリの攻防戦で盛り上がった戦いに水を差すようなすっきりとしない結果となってしまった。終盤戦となる次戦、第7戦オートポリスでは、どのような戦いが繰り広げられるのだろうか。
 

第6戦SUGO 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No. 8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)2H45’00.838 84Laps
2.No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)+0.529
3.No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)+51.658
 

GT300
No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)2H46’17.002 79Laps
No.20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)+1Lap
No. 6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)+1Lap
 

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