SUPER GT 2023 Round.4 概要 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2023 Round.4

2023年8月4日

SUPER GT第4戦富士 プレビュー


今季2度目の富士450kmは、シーズン天王山の戦いに!?

6月上旬に鈴鹿での第3戦以降、ほぼ2ヶ月のインターバルがあったSUPER GT。長い”サマーブレイク”を終え、いよいよ今週末に第4戦が開催される。舞台となる富士スピードウェイでの450kmの戦いは、厳しい暑さを含め、真夏の激戦になること必至だろう。
 

酷暑の今夏、さまざまな条件を乗り越える戦いに

平年よりもやや早く梅雨明けを迎えた今年。一部では、線状降水帯が居座り災害に見舞われた地域もあったが、連日気温の高い日が多く、7月は観測史上、最も平均気温が高かったという発表があったばかり。年々気温が高くなる一方だが、今週末も猛暑の可能性が高く、比較的他のサーキットよりはマシと言われる富士ですら。厳しい暑さとの戦いが待ち受けていることだろう。
 

そんな中、今シーズンの前半最後の戦いを迎えるこの大会は、富士で迎えるシーズン2度目の一戦になる。前回はゴールデンウィークだったため、気温も最高で24度、路面温度も最高で38度と、爽やかな天候に恵まれた中で繰り広げられたが、今回は灼熱の天候をいかに”やりくり”していくかがカギになるだろう。一方、思うようなレース運びができているチームであれば、これまでの3戦で獲得したサクセスウェイトもじわじわと効いてくる頃。高い路面温度に適応するタイヤ選択も極めて重要になってくる。逆にシリーズチャンピオンはもちろん、これまで以上の戦績を狙うチームであれば、この富士で是が非でもしっかりと結果を残す必要性がある。つまり、チームそれぞれが考える”ベストレース”を目指して取り組む一戦になるのは言うまでもない。天候に限らず、さまざまな不安定要素のリスクを最小限に抑え、的確に最善の判断を下しながら好結果を目指すことになるだろう。
 

これまでの3戦を振り返ると、いい流れを構築していると思われるのは、GR Supra勢か。前回第3戦鈴鹿で悲願の優勝を果たしたNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)、第2戦富士では、現在ランキングトップでもあるNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が勝利しており、安定感が目立つ。ただ、この2台に関しては、サクセスウェイトの影響も出てくる可能性がある。そこで同じGR Supra勢として俄然注目を集めるのが、No.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)だ。実のところ、大ベテランである立川が、今シーズンをもってSUPER GTから引退することがつい先日発表されたばかり。2019年第2戦を最後に優勝から遠ざかっているだけに、石浦との名コンビで熱望する1勝、表彰台を意識していることだろう。
 

一方のライバル勢は、Nissan Z GT500の勢いに注目したい。もともと富士との相性が良いだけに、特にNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)が虎視眈々とチャンスを狙っているはずだ。今シーズンは予選での速さが光るものの、決勝ではトラブルやアクシデントに遭遇して、まだ納得のいく結果が残せていない。昨シーズンの第4戦富士では、予選2位、決勝3位と表彰台に立っており、その実績と日々改良、改善が進むヨコハマタイヤを武器にして、躍進あるパフォーマンスを披露するのではないだろうか。そして、Honda NSX-GT勢では、サクセスウェイトの影響が限りなく少なく、そして昨シーズンから安定感たっぷりのパフォーマンスが強みであるNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)がどのような戦いを見せるか、注目したい。これまで、予選から着実にポジションアップできる実力を強みとしてきた17号車。だが、今シーズンはまだ存分にその力が発揮できていない。同じHonda勢として上位につけるNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)に遅れを取っているため、今大会でなんとか上位フィニッシュを果たし、後半戦に向けて弾みをつけたいところだろう。一方、No.8 ARTA MUGEN NSX-GT (野尻智紀/大湯都史樹)は、今大会に第3ドライバーを登録。GT300でARTAに所属していた木村伊織が追加登録された。木村は今シーズンのSUPER GTには出場していないものの、現在もチームに帯同しているとのこと。450kmレースにつき、登録は可能ではあるものの、昨今のGT500クラスでは極めて珍しいケースとなる。だが、5月中旬に野尻が肺気胸に見舞われ、スーパーフォーミュラ第4戦を欠場。加えて大湯が7月に右側鎖骨を骨折するという不運が続いており、チームとして長丁場の真夏の一戦に向け、”保険”をかけたと思われる。
 

GT300クラスは、戦略に影響あり!? ルール変更にどう対処?

GT300では、タイヤの持ちが良く、燃費に長けた車両がオープニングラップ終了時、もしくは2、3周を終えてピットインする戦略で好成績を残すレースが続いていた。しかしながら、レースをプロモートするGTアソシエイションが7月25日に規定の変更を発表。これにより、ピットイン義務について、「決勝レーススタート後から5周目終了後に改める」と言及。結果として、スタート後1周を終えてすぐのピットインすることは禁止され、最低でも5周を終えてからのピット作業を知られることになった。果たして5周目を終えてすぐピットインし、給油だけを済ませてコース復帰をするチームがあるのかないのか。過去3戦、積極的にレーススタート直後のピットインを敢行していたチームは、改めて戦略の見直しを強いられることになりそうだ。
 

第2戦では、予選、決勝とも速さを見せつけたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)がパーフェクト・ウィンを見せ、現時点でのランキングもクラストップに君臨中。一方、同ポイントでランキング2位のNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響:56号車は優勝1回、2号車はなし)は、先述の”極早”ピットインを武器に好成績を残してきたチームだけに、この両車がどういう戦略で挑むのかも注目になりそう。一方、サクセスウェイトがかなり厳しい上位陣を尻目に実力あるチームがこの一戦で好成績を収め、ランキング争いでも上位に加わろうと千載一遇のチャンスをつかみにくることも十分に考えられる。
 

ドライバー、クルマ、タイヤのパフォーマンスが万全であっても、天候や路面状況をはじめとした不確定要素が潜む戦いだけに、どのチームにとってもシビアな展開になる可能性もあるサバイバルな今大会。果たして、どのチームが勝ち名乗りを上げるのか、その行方から目が離せない。
 

■主なスケジュール

SUZUKA GT 450km RACE
 
6月3日(土)
09:00〜10:25 公式練習(GT300+GT500)
10:25〜10:35 公式練習(GT300専有)
10:35〜10:45 公式練習(GT500専有)
10:55〜11:10 FCYテスト 
11:15〜11:45 サーキットサファリ
12:35〜13:20 ピットウォーク
15:20〜15:30 公式予選Q1 GT300 A組
15:38〜15:48 公式予選Q1 GT300 B組
15:53〜16:03 公式予選Q1 GT500
16:13〜16:23 公式予選Q2 GT300
16:31〜16:41 公式予選Q2 GT500
18:05〜18:45 キッズウォーク
 

6月4日(日)
10:15〜10:35 ドライバーアピアランス
10:35〜11:20 ピットウォーク
12:15〜12:35 ウォームアップ
12:35〜13:45 スタート進行
13:45〜 決勝 450km RACE(100周)





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