SUPER GT 2023 Round.3 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2023 Round.3

2023年6月5日

第3戦鈴鹿、赤旗終了でWedsSport ADVAN GR Supraが暫定勝者に


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早くもシーズン3戦目を迎えるSUPER GT。戦いの舞台となった三重・鈴鹿サーキットでの450kmの戦いは、チェッカーまで残り18周の時点で大クラッシュが発生したことを受けて赤旗終了に。その後、結果を巡って度重なる抗議が行なわれ、現在控訴を行なうと書面で表明があるため、現在はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が暫定優勝の扱いとなっている。
 

土曜日は冷たく強い風が容赦なく吹いていた鈴鹿。しかしながら、決勝日は風も収まり、朝から眩しい日差しが照りつける好天気となった。正午から決勝に向けた最終確認を行なうウォームアップ走行が行なわれ、その後のスタート進行を経て、午後1時30分に三重県警のパトカーおよび白バイが先導するパレードラップ、そしてフォーメーションラップへ。来場した2万2000人のファンが見守るなか、77周の戦いが幕を開けた。
 
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決勝直後のコンディションは気温28度、路面温度41度と気温は前日より高いものの、路面温度はその後緩やかに下降。450kmをどうマネージメントしていくか、各チームによっての戦略が見ものとなった。ほぼ予選ポジションどおりのスタートとなり、比較的穏やかなオープニングラップではあったが、まずは予選4番手スタートのNo. 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が同3番手のNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)を猛追。7周目のシケイン進入で逆転を果たす。そんななか、7周目のヘアピンでGT300車両のタイヤが脱落。FCY(フルコースイエロー)が発動されたが、そのおよぼ2分後にはセーフティカーランへと切り替えられた。
 

メインストレート上でGT500、300のクラス分け作業が行なわれ、各車が作り上げた前後車両とのタイム差が事実上”消滅”。文字通り、レースは仕切り直しとなった。しかしながら、12周終わりにSCランが終わってレースが再開すると、ポールスタートのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が落ち着いたレース運びで2位以下を少しずつ離しにかかった。
 

真っ先に、1回目のルーティンワークを行なったのはNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)。ドライバー交代することなく給油とタイヤ交換のみ済ませてコースに復帰。これを境にして後続車も1台また1台とルーティンを消化する。一番最後にピットインしたのは、34周終わりのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zだった。1回目のピットインで給油、タイヤ交換に加えてドライバー交代の”フルサービス”を行なったのは、全15台のうち8台。チームによって二分された戦略が、その後どのような展開に関係していくのかも見どころのひとつとなった。
 

24号車のピットインをもって、トップに立ったのは19号車。ポールポジションスタートの36号車も19号車と同様に”フルサービス”を選択したが、タイミング等を味方に19号車が見事逆転を果たすことになった。19号車に次いで2番手に立ったのは1号車。ディフェンディングチャンピオンながらまだ今シーズンは表彰台に縁がなく、今回はそのチャンスが巡ってきたようで、2回目のルーティンピットは、アンダーカットを狙って42周終わりという早いタイミングでの敢行となった。対する19号車は46周終わりでピットイン。最初の作業でドライバーを交代していたことから、今回は給油とタイヤ交換のみでコースに復帰。ひと足先にコースに戻っていた”フルサービス”1号車の先行を阻止した。また、48周終わりでピットインした36号車はアウトラップでのペースが思うほど上がらず、19号車より先にコースに戻ったものの、コース上で先行を許してしまう。
 

レースは終盤へと向かうなか、2回目のピットインを終えていないのは、No. 3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)とNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)の2台。うち24号車が54周終わりで作業を完了。残すは3号車のみとなった。そんななか、59周目の130Rからシケインへと向かう車両3台によるアクシデントが発生する。
 

コースアウト側にいた23号車がポジション争い中のGT300の2台と並走、抜こうとした際に両サイドから挟み撃ちになった車両のフロントと23号車のリヤが絡み、姿勢が乱れた23号車は大クラッシュを喫し、これが原因でセーフティカーが導入されるもすぐさま赤旗が提示され、レースが一時中断した。23号車をドライブしていた松田次生は意識がある状態で救出され、その後ドクターヘリで病院へ搬送されたが、その後、命に別状はなく大きな外傷はないという報告がなされている。一方、クラッシュの影響で破損したタイヤバリア、ガードレールなどの設備の修復には相当な時間を要することから、競技継続による安全が保障されないため、レースはこれをもって終了となった。
 

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58周終了時点の順位で結果が決まることから、一旦、この時点でトップを走行していた3号車が優勝扱いになったが、ルーティンである2回目ピットストップが未消化であったことから、この結果に対して全15チームのうち10チームから抗議が出された。また、大会審査委員会がこの抗議を正当と認めたことを受け、改めて暫定結果として3号車には60秒加算のペナルティが課され、4番手に。また、19号車が繰り上げの優勝を果たし、2位に36号車、3位には1号車が続く結果となった。その後、3号車からは改定された暫定結果に対して異議申し立てを行なったものの、大会審査委員会はこれを却下。なお、抗議裁定の結果を受け、同チームは控訴を行なうという意志を書面している。これにより、レース結果の取り扱いは控訴結果が確定するまで留保され、発表されたものはあくまでも暫定結果となる。
 

GT300では、開幕から思うようなパフォーマンスを見せることができていなかったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションを獲得し、”復活”。決勝でも勢いをキープし、後続を大きく引き離していく。一方、オープニングラップを終えて早々に3台がピットイン。2周終了時にも1台がピットに戻り、1回目のピット義務を消化した。
 

その中で5周目にピット作業を済ませたNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)がアウトラップで右リヤタイヤのナットが外れ、続いてタイヤが脱落。ヘアピンでクルマを止めたため、フルコースイエロー(FCY)が宣言された。しかし、その2分後にはセーフティカーランとなり、61号車が築き上げた後続とのマージンが水泡に帰すことになる。
 

12周終わりでリスタートを迎えると、61号車は再び後続に差をつける力走を披露。20周終わりでピットインし、給油とリアタイヤ2本の交換のみでドライバーはそのままにコース復帰を果たした。そんななか、スタートからほどなくしてピットインした車両のうち、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)とNo. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)のペースがよく、激しいポジション争いを展開する。26周目、前方車両に手を焼いていた52号車に対し、背後の2号車が迫って逆転に成功。2号車はその勢いのままに29周目にトップへ躍り出た。その2号車は38周終わりでピットイン。だが、コース復帰後の1コーナーで痛恨のオーバーランを喫し、オープニングラップでピットインを済ませたNo. 7 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)の逆転を許してしまう。
 

全車が2回目のピットインを終えた時点でトップは7号車、これに2号車が続き、3番手には52号車といずれもレース開始直後のピットイン組がトップ3を構成。終盤に向けて激しい攻防戦を展開するかに思われた。だが、GT500車両が59周目を終えようとするときに、シケイン手前でGT500車両とGT300車両2台の計3台による接触のアクシデントが発生。SC導入の提示直後に赤旗中断が提示された。その後、リスタートが難しい状況になったことを受け、レースは赤旗提示をもって終了することが決定し、GT300においては54周目終了時点のリザルトで順位が確定した。
 

結果、7号車が逃げ切り優勝を果たし、昨年の第3戦鈴鹿に続く連勝を飾っている。2号車は第2戦富士に続き2位に。3位に続いた52号車もまた第2戦と同じ3位でレースを終えている。
 

第3戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3

GT500(暫定結果)
1.No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)1H59’51.274 58Laps
2.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)+2.094
3.No. 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)+25.303
 

GT300
1.No. 7 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)1H59’31.713 54laps
2.No. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)+0.607
3.No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰) +1.383
 

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