SUPER FORMULA 2023 Round.5 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMULA 2023 Round.5

2023年6月18日

スーパーフォーミュラ第5戦SUGO、宮田莉朋が今季2勝目を挙げる!


6月18日、スポーツランドSUGOにおいて行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦決勝レースは、予選2位から好スタートを切ったNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が序盤にトップを奪取。レースを牽引して51周を走破。今シーズン第3戦鈴鹿以来の優勝を果たしている。
 

予選日に続き、決勝日も快晴に恵まれたSUGO。午後2時半に号砲となった51周の戦いを前に、気温は28度、路面温度は39度を刻み、タフなコンディションとなる。ポールポジションからスタートを切ったNo.53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)がホールショットを決め、これに宮田も続く一方、予選3番手スタートのNo. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)がエンジンをハーフストールするような形で出遅れ、5番手へとドロップする。これに代わってポジションをあえたのが予選4番手のNo.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)だった。
 

そんななか、後方スタートの2台がヘアピン立ち上がりで接触のアクシデントが発生。No.36 ジュリアーノ・アレジ(VANTELIN TEAM TOM’S)がスピンを喫して態勢を崩し、その直後にいたNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の走路を塞いでしまう。結果、両車とも車体にダメージを負い、ピットインを余儀なくされてのちにリタイヤとなっている。このアクシデントを受けてコース上にはセーフティカーが導入されたが、4周終了をもってレースは再開。逃げるトップ大湯に対し、ペースの良い宮田が着実に差を縮めていった。
 

レースは10周を過ぎた時点でルーティンのピットインが可能となると、中盤グループの5台が続々とピットへ。これを境にして翌周には2台、2周後には3台がピットインしたが、そのうちの一台が5番手を走っていた野尻。この戦略が上位争いにどう影響を与えるかが見どころとなった。
 

11周目を終えて12周目に突入するなか、2番手の宮田はメインストレートで瞬く間に大湯を捉え逆転に成功。1コーナーをトップで進入した。さらに13周目のストレートから1コーナーにかけて、今度は3番手の坪井が大湯に迫る。ブレーキングをギリギリまでガマンした大湯は痛恨のオーバーラン。坪井に2位の座を譲ることになり、さらにポジションを下げた結果、15周目終わりにピットインして仕切り直しを図った。しかし、後にまったくペースが上がらなくなり、30周終わりでピットにクルマを戻すとそのままレースを終えてしまった。一方のトップ争いは、17周を終えて宮田がピットイン。6.0秒という速さでピット作業を終えてルーティンを消化する。また、コース復帰の翌周のメインストレートでは、ひと足先にピット作業を済ませた野尻と一騎打ちのシーンも見られたが、この攻防戦も制して”裏1位”を死守した。
 

レースは折返しを過ぎ、ハイペースで周回を重ねる宮田が野尻との差を着実に広げていく。この時点でピット作業未完了の車両は8台。今シーズン優勝経験のある坪井、No.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、さらには試合巧者のNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)らがどういう動きを見せるのか注目を集めたが、まず35周を終えて坪井がピットイン。ミスなくコース復帰を果たしたものの実質7番手で復帰となり、好機とはならず。39周目の平川、さらに41周終わりのローソンも同様で、コースに戻ると多くのライバルが前を走る形となり、残念ながら戦略は実らなかった。
 

後半になると宮田はさらにペースアップ。一方、病欠からの復帰戦となった野尻は思うようにペースが上がらない。また、3番手を走るNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に予選ポジションからのジャンプアップは果たしたものの、野尻を追い立てるスピードはなく、ギャップを縮めることができない。結果、トップ3は膠着状態のまま大詰めを迎えた。そんななか、4番手を巡る攻防戦が壮絶な争いに。予選8番手スタートのNo.14 大嶋和也(docomo business ROOKIE)が戦略を成功させて、長い間4番手を死守していたが、終盤にタイヤ交換してベストラップを叩き出したローソンが怒涛の追い上げで猛追。残り10周を切って、1台また1台と退ける力走を見せた。また、ローソンの目前を走るNo. 7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)も大嶋に迫る走りを見せており、49周目には大嶋と小林とのギャップが0.679秒へと一気に縮まる。さらに、50周目には3台それぞれがオーバーテイクシステムを活用しての攻防戦を展開するなか、失速した小林をまず1コーナーでローソンが料理すると、その勢いで大嶋に迫った。が、大嶋がかろうじてローソンの猛攻を凌ぎ切って4位チェッカー。開幕戦以来の入賞を遂げることとなった。
 

トップ3は最後までポジションを変えることなくチェッカー。野尻に22秒強の大差をつけた宮田が第3戦鈴鹿以来となる勝利を飾り、今シーズン2勝目を達成した。折り返しを終えた今シーズンの戦い。現時点でのランキングトップは宮田となり、次いでローソン、野尻、さらに坪井と続いている。チャンピオンチームであるホンダのMUGENのふたり、そして若手で勢いあるトヨタドライバーのふたりという4選手が抜きん出た形となっている。後半戦はまた異なる勢力図での戦いとなるのか。第6戦は7月16日、今季2度目の富士スピードウェイを舞台に行われる。
 

第5戦スポーツランドSUGO・決勝結果 トップ3

1.No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)1:02’19.412
2.No. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)+22.272
3.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+26.961



2023年6月17日

スーパーフォーミュラ第5戦SUGO、大湯都史樹が今季2度目のポール獲得


6月17日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選が行われ、No.53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)がトップタイムをマークし、ポールポジションを手にした。大湯にとっては第2戦鈴鹿に次ぐ、今シーズン2度目のポールとなっている。
 

早くもシーズン5戦目に突入した今シーズンのスーパーフォーミュラ。シーズン折返しにつき、重要な一戦になることは言うまでもない。サーキットがある宮城県は前日まで激しい雨に見舞われ、設営もままならないほどだったが、予選日を迎えたこの日は朝から快晴に恵まれ、午前中に行われたフリー走行の時点で気温は25度、路面温度においては40度と厳しいコンディションになった。強い日差しのなかでセッションが進み、最終的にNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がトップタイムとなる1分05秒997をマークしている。
 

ノックアウト予選は午後2時にスタート。まず、Q1・A組に11台が出走する。コンディションは気温、路面温度ともに上昇し、それぞれ29度、43度となった。A組ではチェッカーまで残り6分弱の時点でNo. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)がターゲットタイムとなる1分06秒068をマークしてトップに立つ。前回のオートポリス戦ではサーキット入りしてから体調が急変、肺気胸により欠場という思わぬ事態となったが、今大会には無事に復帰を果たし、快調をアピールした形となった。これを機に、ベストタイムを更新するクルマが出始め、No.12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)が2番手へ。そんななか、アタックラップに臨むドライバーのひとり、No.55 ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)がレインボーコーナーで態勢を崩してスピン、ガードレールにヒットしてクルマを止めた。なお、このクラッシュ発生後に黄旗区間を通過した2選手が自己ベストタイムを抹消されることに。結果、最後にベストタイム更新に成功した宮田が1分05秒926のタイムでA組トップ通過を果たし、野尻、福住がトップ3、また、先週のル・マン24時間レースで2位になったNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が4番手につけることとなった。
 

レインボーコーナーでの車両回収および破損したガードレールの応急処置、さらには予選中の黄旗区間通過当該タイムの確認に時間を要したことから、続くQ1・B組は予定より20分遅れでスタートを迎える。出走台数12台のうち、前回オートポリスでポールポジションを獲得したNo.38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)だけがピットでしばし待機し、他車とのタイミングをずらす作戦を採った。各車が動いたのは、チェッカーまで残り4分を切った頃。ここでもやはり坪井はしっかりと間合いを取って最後にコースイン、絶妙のタイミングでアタックに向かうと1分05秒820のトップタイムを叩き出す。その後、続々と各車も自己ベストタイムを更新しながらチェッカーを受けるが、坪井のタイムを上回るドライバーは現れず。結果、坪井がトップ通過を果たし、これにNo.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、大湯が続いた。
 

上位12台によるQ2は午後2時55分にスタート。7分間のセッションでは各車セクターでベストタイムを次々と更新。最初に野尻がベストタイムをマークすると、セクターごとに宮田がこれを上回っていく。
そんななか、Q1同様、アウトラップ後にすぐアタックした坪井がまず1分05秒795と、Q2で最初の05秒台に突入してトップを奪取する。その後、チェッカーを受けた平川は、坪井に約100分の1及ばず2番手となった。ところが、そのあとに野尻がチェッカーを受けると、1分05秒681のタイムでトップへ。しかしこれに続いた宮田が1分05秒499で再びトップを奪取。だが、そこから間髪入れず大湯がわずか0.031秒差となる1分5秒486をマーク。その後、チェッカーを受けたドライバーがこのタイムを上回ることはなかった。結果、大湯が自身3回目、第2戦鈴鹿に次ぐポールポジションを掴み取ることとなった。
 

僅差のアタック合戦となったSUGO大会。翌日の決勝は51周での戦い。午後2時30分に幕が上がる。
 

第5戦スポーツランドSUGO・予選結果 トップ3

1.No.53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)1’05.468
2.No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)1’05.499
3.No. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’05.681



2023年6月15日

スーパーフォーミュラ第5戦SUGO プレビュー


早くもシーズン折返し! チャンピオン争いの行方はより混沌としたものに!?
 

日本列島がどっぷりと梅雨シーズンを迎えているなか、今週末の宮城・スポーツランドSUGOにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開催される。前回のオートポリス同様、年に一度の、しかも事前のテストもないサーキットでの戦いだけに、短期決戦の色合いが強い。レースウィークの天候もさることながら、あらゆる状況にいち早く適合できるのは果たしてどのチームか?
 

”年イチ”SUGOをいち早く攻略せよ!

気象台が東北地方の梅雨入りを発表したのは先週11日。平年よりもやや早いタイミングで梅雨入りを迎えたことになる。ニューマシンSF23でSUGOに臨むのは初めてのことだけに、やはり一番気がかりなのは、レースウィークの天候ではないだろうか。現時点(15日・木)では、設営日にあたる金曜日まではしかりと雨が降り、気温も20度とかなり低い。だが、レース初日・予選日を迎えると一気に好転し、晴れて気温もグッと上昇する予報になっている。となれば、路面状況をいち早く把握し、コンディションに見合うセッティングと用意することが求められる。もちろん、投入するタイヤも内圧調整等、細かな点においてライバルを出し抜く準備が求められるだろう。
 

なにしろ、高低差に富み、3.6km弱というコンパクトなコースレイアウトを持つSUGOはセッティング泣かせのコースとして知られる。ただ、観る側としては魅力たっぷりのコースレイアウトを持つサーキットだけに、さまざまなドラマが待ち受けていることも良く知っている。臨場感たっぷり、迫力満載のSUGOでは、他のサーキットよりも筋書きのないドラマを期待できるのだ。また、目まぐるしく展開するであろう攻防戦をさらに盛り上げるのは、オーバーテイクシステム(OTS)の活用だろう。自らのタイムアップだけでなく、競る相手との駆け引きで有効活用できるOTSだが、使い方ひとつで”得るもの・失うもの”もある。”今、このタイミング”を逃さないよう、ドライバーとチームとのコンビネーションにも注目したい。観戦アイテムとしても人気のあるアプリ”SF go”は、実のところチームスタッフにとって今やなくてはならない重要な”戦闘ツール”であり、コース上のライバルの”手の内”を知る唯一の手立てでもある。相手の戦略を読み取り、それよりも一歩も二歩も先手を打つことが求められるため、総力戦としての展開も楽しんでいただきたい。
 

熾烈極める予選にも注目

今シーズンの予選を振り返ると、実績あるドライバーであっても苦戦するシーンが何度も見られた。セットアップ、タイヤの内圧、コースインのタイミング……いずれもほんの少しズレただけでタイムを伸ばすことができない。わずか100分の1、ときに1000分の1という違いでQ1敗退という辛酸を嘗めることさえ珍しくない。こういう展開は、高速サーキット、充分なエスケープゾーンを持つ富士スピードウェイですら起こりうるほど、今シーズンのノックアウト予選はタフなことこの上ない。
 

そんなシビアな展開の予選だが、SUGOへと舞台を移すとどうなるか。そう、とんでもないタフなコンディションになるということは明白だ。なにしろコースが他のサーキットよりも短い。つまりトラフィック発生率が極めて高い。アタックでは少しでもクリアなラインを確保するためにも他車との”間合い”が重要となる。いかに自分のペースをキープできるかどうか。前を走るライバルがちょっとでも想定外の動きを見せたら、たちまち自分の思い描く走行ができなくなるといっても過言ではないだろう。
 

SUGOはコースが短いだけでなく、コースの幅そのものが狭く、エスケープゾーンもグラベルであるため、コースアウトは絶対に避けなくてはならない。自らの理想とするレコードラインをキープすることはもとより、ライバルが仮にアグレッシブすぎてコースアウトでもしようものならすぐに赤旗が提示される可能性もある。そうなればアタックそのものが台無しになってしまう。その過酷な舞台は決勝とはまた異なるドラマなのだということがわかるだろう。自らの速さ、強いクルマは当然のこと、誰よりも”強い運”も掴み取ってこそ、SUGOの予選を制することになりそうだ。
 

短期決戦の予選が終われば、次は翌日の決勝が待ち受ける。1周が短いコースで周回を重ねるうち、あちこち路面コンディションも荒れはじめる。快晴で気温、路面温度が上昇すればなおのことハードワークが求められる。タイヤ交換が義務化されるレースゆえ、前後のライバルとの駆け引きも問われる。他のサーキットよりも不確定要素が多く、先行きを読むことが難しいSUGO戦は、神経戦でもある。すべてを制圧するか、SUGOの気まぐれな女神を手厚くもてなして味方にするか、そこはドライバーとチームの力次第。SUGOに棲むという”魔物”をも味方にして戦うドライバーの勇姿を見届けたい。
 

前回、オートポリスではレースウィーク直前になり、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が肺気胸となりレースを欠場した。その中でチームメイトの”大型新人”No.15
リアム・ローソンが予選2位から開幕戦依頼となる2勝目を達成。現在、ランキングでもトップを快走する。これに伸び盛りのNo.37 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、復調のNo.38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が続き、野尻は4番手で彼らの背中を追いかける形となっている。シーズン折返しを迎える今大会の結果によって、そろそろチャンピオン争いにおいてもその可能性が見え始める頃。タフな戦いを制してシーズンの戦いをリードすることになるのか、はたまた新たなウィナーが誕生するのか。多くの見どころがある一戦となりそうだ。
 

主なタイムスケジュール

6月17日(土)
09:10 – 10:40 フリー走行1回目
14:00 – 14:10 予選Q1・A組
14:15 – 14:25 予選Q1・B組
14:35 – 15:42 予選Q2
 

6月18日(日)
09:55 - 10:25 フリー走行2回目
14:30 – 決勝レース 51周/最大75分





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