SUPER FORMULA 2023 Round.3 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMULA 2023 Round.3

2023年4月23日

スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿、宮田莉朋が鮮やかな逆転勝ちで自身初優勝!


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4月23日、鈴鹿サーキットで迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦決勝。レースは、ポールポジションスタートのNo.53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)がレースをリードしていたが、後半に接触のアクシデントに見舞われ戦線離脱。これを機に、巧みな戦略と速さを駆使したNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が、12番手から大逆転を果たし、悲願の自身初優勝を遂げている。
 

連日の快晴に恵まれた鈴鹿。しかし風はやや強く、決勝を前にホームストレートには冷たい追い風が吹き抜けた。2輪との併催イベントである今回、決勝スタートの開始時刻が通常より遅く、午後3時45分にフォーメーションラップが切られ、31周による戦いが幕を開けようとしていた。
 

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そんななか、グリッド5番手にいたNo.5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がエンジンストール。車両がピットに戻され、また改めてフォーメーションラップが行なわれることになり、レースは1周減算の30周で戦うことになった。
 

レッドライトがブラックアウトし、グリーンライトがつくと、ポールの大湯が好スタートで1コーナーへ。後続も同様に1コーナーへ向かったが、7番手スタートのNo.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)が5番手へとポジションを上げると、スプーンカーブで前を行くNo.3 山下健太(KONDO RACING)をパス。4番手でオープニングラップを終えている。
 

逃げる大湯の後ろにはNo.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)、さらにNo. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)と続くが、大湯に食らいつく坪井に対し、野尻は背後のローソンに迫られ苦戦。3周目にはローソン、そして5周目には山下にも逆転を許し、我慢の走行となる。レースは10周を過ぎ、ピット作業が可能になるのを待って真っ先にピットへ飛び込んだのは、ローソン。これに山下、No.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)ら、合計6台がピットイン。その翌周には2位を走る坪井、野尻ら4台がタイヤ交換を行なった。一方の大湯は懸命にペースアップし、”見てない敵”との差を広げにかかる。そして19周目終わりにピットイン。わずか6秒という最短作業でコースに復帰した。
 

フレッシュタイヤで周回をし始めた大湯の背後に迫ったのは野尻。8周も早く先にタイヤを交換している野尻は、タイヤが温まり切っていない大湯をこの周回で逆転したいところ。その気持ちが大きく出たか、20周目のS字カーブの先で2台が接触。絡み合うようにコースアウトし、そこでふたりの時計が止まってしまった。このアクシデントを受け、コースにはセーフティカーが出動する。
 

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このタイミングでまだルーティンのピットインを消化していなかった5台がタイヤ交換を実施。中でも宮田とNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のペースがすこぶる速く、コース復帰後は3、4番手にジャンプアップを果たした。
 

レースは24周終わりでリスタートすると、ライバルよりもフレッシュタイヤでペースがいい宮田と平川が果敢な走りでライバルを猛追。宮田は26周目のシケインで前のローソンに迫り、メインストレートで鮮やかに逆転を決める。その勢いでさらにトップの坪井にもロックオン。11周終わりでタイヤを交換していた坪井はなんとか凌ごうと善戦するが、確実に差を詰められ、とうとう28周から29周目に入るストレートで宮田の先行を許すことになった。また、3位ローソンをマークしていた平川も、2コーナー進入までに逆転を果たし、勝負強さをしかとアピールしている。
 

晴れてトップに立った宮田はさらにペースアップし、坪井を突き放してのチェッカー。念願のスーパーフォーミュラ初優勝を達成することとなった。2位の坪井、3位の平川に続き、4位にはローソン。さらに、5位には山下、6位に阪口と続く結果となった。
 

富士での開幕戦から1ヶ月の間に2大会3戦を終えたスーパーフォーミュラ。第4戦は九州・オートポリスにて開催される。
 

第3戦鈴鹿サーキット・決勝結果 トップ3

1.No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)56’02.944 30 Laps
2.No.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)+3.022
3.No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+3.404
 



2023年4月21日

SUPER FORMULA第3戦鈴鹿 プレビュー


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新星、それとも巧者? 躍進するのはどのドライバー?
 

4月上旬に23年シーズンが開幕したばかりの全日本スーパーフォーミュラ選手権。早くも2大会目が今週末に幕を開ける。戦いの舞台は、三重・鈴鹿サーキット。日本有数のテクニカルコースとして知られ、F1GPも開催される名コースで、どのようなドラマを繰り広げるのだろうか。
 

衝撃の初優勝で存在感をアピールした新星

富士大会からわずか2週間。その間、多くのドライバーは岡山国際サーキットで初戦を迎えたSUPER GTシリーズに参戦しており、連戦が続く中で、鈴鹿の新たなる戦いを迎えることになる。開幕戦で驚きの速さと勝負強さでデビューウィンを飾り、ライバルたちを震撼させたのが、No.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)はスーパーフォーミュラに専念しているが、そのローソンの活躍が今回の鈴鹿では特に注目すべきポイントになりそうだ。
 

というのも、前回の富士は2レース開催だったために、金曜日の専有走行が重要な位置を占めるはずだった。だが、現地はあいにくの雨。荒天で走行がキャンセルされてしまい、土曜日は朝からぶっつけ本番の予選となる。にもかかわらず、ローソンは予選3位を獲得すると、それから約4時間後のレースで優勝。参戦チームが去年のディフェンディングチャンピオンであることを差し引いても、その戦いぶりは到底ルーキーとは思えないほどだった。続く日曜日の第2戦予選では予選4番手からスタート。十分優勝を狙える位置にいたが、ルーティンのピットインでペナルティを課せられ、タイム加算の対象に。連戦の表彰台は逃したものの、ルーキーらしからぬレース攻略は実力の高さを証明するに十分だった。
 

ディフェンディングチャンピオンはどう迎え討つ!?

一方、そのローソンのチームメイトであるのが野尻智紀。2年連続シリーズチャンピオンとして君臨するディフェンディングチャンピオンだ。圧倒的な予選での速さ、レース中の強さはお墨付きだが、今シーズンは3連覇のかかるプレッシャーを跳ね除けての戦いになる。そして、いきなり初戦で結果を出してきたローソンがチームメイトともなれば、その心境はいかに!? とはいえ、過去2年、自身がどのように戦うことでチャンピオンになれるかを”自問”し、邁進してきたという自信もある。日本でのレース活動を始めたばかりのローソンの”ウィークポイント”をよく観察し、野尻自身の強みを引き出すようなアプローチをすることで、有利な立場で戦いを進めていくのではないだろうか。
 

“23年仕様”のSF23はどんなクルマ?

昨シーズン、イベントが開催されたすべてのサーキットにおいて開発車両テストを進めてきたが、その”大作”が今シーズンから投入され、名前も「SF23」へと改められた。エアロパッケージが新調され、足元を支えるタイヤもサステナブル素材を活用した新たなスペックとなっている。コントロールタイヤを供給する横浜ゴムによると、ドライ用タイヤは天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど各種自然由来の配合剤を活用するとともに、リサイクル鉄や廃タイヤから再生したリサイクルゴム、さらにマスバランスという方式の合成ゴムを採用することで、原材料全体の約33%をサステナブル素材としながら、2022年の現行タイヤと同等の性能を維持しているという。タイヤのトレッド面など全体に使っているとのことだ。構造はこれまでのモデルよりも少し柔らかめになっているため、タイヤの路面への接地の仕方や温まり方には変化があるといい、結果としてデグラデーション(タイヤの性能劣化)がこれまでより早く進む可能性もあるというが、そこはタイヤ特性をいち早く理解してコントロールするドライバーの”手腕”が試されることに注目したい。
 

今シーズンはオフシーズンに開催された公式テストはわずか1回。その舞台が今回と同じ鈴鹿であったことは、今大会に臨むドライバー、チームにとってはおそらく有利に働くことだろう。前回の富士大会のレースを経て、各チーム、ドライバーとも早急になにをすべきか、どうアプローチすべきかを分析し、鈴鹿に向けての準備を進めてきたはず。レース中は、これまで目視できたオーバーテイクシステムの使用タイミングがフラッシュライトに点灯されなくなり、SFgoアプリで確認しない限り、ライバルのコンディションはわからない。敵陣の戦略を把握しつつ、自分たちのミッションを完遂させるためにも、まずは予選での速さでライバルを凌ぎたいところだろう。
 

開幕イベントではTEAM MUGENの底力が目立つレースだっただけに、鈴鹿では異なるチーム、ドライバーの活躍に期待が集まる。
 

主なタイムスケジュール

4月22日(土)
10:55 – 12:25 フリー走行1回目
15:55 – 16:05 予選Q1・A組
16:10 – 16:20 予選Q1・B組
16:30 – 16:37 予選Q2
 

4月23日(日)
11:05 – 11:35 フリー走行2回目
15:45 – 決勝レース 31周/最大75分





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