SUPER FORMULA 2023 Round.4
スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス、ローソンが戦略を味方に今季2勝目をマーク!
5月21日、オートポリスで全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝レースが41周にわたって行なわれ、予選2番手からスタートを切ったNo.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)が早めのピットインを味方に終盤にトップを奪取。このまま逃げ切り今シーズン2勝目を挙げている。
五月晴れとなったオートポリス。朝から強い日差しが降り注ぎ、詰めかけたレースファンにとっては絶好の観戦日和となった。レースは午後3時に41周の戦いとしてスタート。ポールシッターのNo.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)が難なくスタートを決めたが、その隣、ローソンは若干過疎奥が鈍った。すると、予選3番手のNo.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が1コーナー進入までにローソンを”料理”して2番手に浮上。そのうしろは、No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、No.12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)、No. 3 山下健太(KONDO RACING)と予選グリッド順のまま、オープニングラップを終了した。
レース序盤、ペースの良いローソンは前を走る阪口に”フタをされる状態”となり、自分のペースで周回ができない。オーバーテイクシステムを使った場合はその後100秒間使用できず、オートポリスではほぼ1周強に値するため、”正しい使い方”の見極めが難しい。逃げるトップ坪井とじわりじわり差が開く阪口に業を煮やしたローソンは、ピットイン可能となる10周終わりではなく、少し間をおいた13周終わりでピットイン。5.6秒という素早い作業でコース復帰を果たした。一方、序盤2番手を走っていた阪口はその翌周にピットへ。しかしコースに戻るとローソンが先行しており、逆に10周終わりでピットインしていたNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とのバトルを強いられ、ポジションキープは果たしたものの、ローソンに逃げられる形となってしまった。
だが、そのローソンも実際はポジション的に自分よりも後方ながら、この時点では同一周回となるペースの遅い車両に行く手を阻まれる状態となり、ペースアップできない。対してトップを走る坪井は、ペースを上げて見えない敵であるローソンとのタイム差を広げるだけ広げようと懸命の走りを続けた。しかし坪井もその背後を走る、宮田のペースには及ばず、トップ2台の差が周回ごとに縮まってくる。24周終わりには1秒を切る0.794秒差となり、ついに坪井はピットインを決意。25周終わりでピットインすると、6.3秒の作業でコースに戻ったが、その目前にはローソンの姿が。ふたりのピットインのタイミングとしては14周の差があり、フレッシュタイヤの坪井はみるみるうちにローソンに詰め寄っていく。28周終わりで2台の差は0.4秒を切ったが、そんな中、後方でポジション争いをしていた阪口とNo.53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)の2台が激しい攻防戦の末に接触。これでセーフティカーがコースインし、レースはコントロール下に置かれる形となった。すると、これを好機にすべくピットに向かったのが宮田。さらに山下、平川もピットインし、ルーティン作業を完了。コースに戻ると、ローソン、坪井に続き、宮田は3番手でレースを再開、山下は4番手で復帰したが、平川は序盤に作業を終えていた牧野に先行を許してしまう。
レースは33周走行中にセーフティカーのライトが消灯し、34周にリスタート。残り8周での戦いが再開した。まず、ポジション争いでは35周目に平川が牧野を攻略して5位奪取に成功。一方、トップのローソンと坪井の差は1秒強へと広がり、逆に宮田との差が詰まっていく。すると37周目には宮田が1周に渡ってOTSを使用。ついに38周目の1コーナー飛び込みで坪井を逆転した。坪井はその後もペースが上がらず、3位キープが精一杯。また、宮田も前のローソンを追ってハードプッシュしたが、バトルまでは持ち込めず。結果、ローソンが今シーズン2勝目を達成。宮田がこれに続き、坪井は悔しい3位で戦いを終えることになった。
全9戦中4戦を終えた今シーズンのスーパーフォーミュラ。現時点でランキングトップはローソン。これに宮田、坪井が続き、今大会を欠場した野尻は4番手に。僅差での戦いが続くカテゴリーだけに、1レースごとに結果が大きく変動する可能性も高く、シーズン中盤以降も例年以上に優勝争い、チャンピオン争いが激しくなっていきそうだ。
続く第5戦は6月17、18日。みちのく仙台、スポーツランドSUGOがその舞台となる。
【第3戦鈴鹿サーキット・決勝結果 トップ3】
1.No.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)1:06’44.008 41Laps
2.No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)+1.255
3.No.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)+5.265