スーパーGT 2018 Round.7
SUPER GT第7戦オートポリス プレビュー
セミファイナル戦は秋深まるオートポリスで!
ひと雨ごとに秋が深まる中、ついに今シーズンのSUPER GTもセミファイナル戦を迎えようとしている。その舞台となるのは、九州・大分県にあるオートポリス。GT500、GT300両クラス合計で44台が一堂に会し、白熱のバトルを繰り広げることになる。長い間、ランキング上位につけるチーム、そしてドライバーを苦しめていたハンディウェイトも半減されることから、戦いに変化は表れるのだろうか。いずれにせよ、近づく最終戦に向けて各チームは”待ったなし”の戦いに挑むこととなる。
■ウェイトは獲得ポイント×1kgに
SUPER GTのレギュレーションで定められているハンディウェイトの定義として、これまで全戦にエントリーしているチームを対象にウェイト係数が半減されることになっている。つまり、オートポリス戦で搭載されるウェイトは、これまでの獲得ポイント×1kgになる。これに基づき、現時点でシリーズランキングトップに立つNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)のウェイトは、獲得ポイントが61点なので61kgとなる。暫定ランキング2位のNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)は49点につき、49kg…といった具合だ。ただし、GT500の場合、搭載ウェイトの上限を50kgに定めているため、超過の場合は燃料流量リストリクター径による性能調整が課せられる。結果、100号車は調整91.8kg/hのリストリクターの使用が適用され、61kgのウェイトハンディが17kgマイナスの44kgへと軽減されることとなった。つまり、100号車は通常のリストリクター径を使用するランキング2位の8号車とわずか5kgしか違わないのに、パワーダウンしたクルマで戦うことが強いられる。
そして忘れてはならないのが、オートポリスの立地条件。阿蘇山麓に位置するこのサーキットは、日本で一番標高が高いレーシングコースでもある。マラソンで言う”高地レース”に例えるにはやや大袈裟ではあるが、出力が絞られた車両でアップダウンの多いコースを攻略するのは正直至難の業になるのは言うまでもなく、100号車にとっては”凌ぐ”戦いになりそうだ。一方、中高速をメインに編成されるコースレイアウトはNSX-GTが好むところ。仮に100号車自身がSUGOに続いて連勝優勝を果たせば、ライバルの結果次第とはいえ戴冠達成も夢ではない。もちろん、同じNSX-GT勢にもチャンスがあるわけだからそう簡単なことではないが、まずは着目すべき点でもある。
■オートポリスは”相性”がはっきり出るサーキット
オートポリスでSUPER GTのシリーズ戦が開催されたのは、過去13回。過去のデータから面白いデータが出ているので、紹介しよう。まず、予選ポールポジションを最多獲得しているのは、GT500の場合、レクサス(過去はトヨタ)が7回とダントツ。これに対し、ライバルの日産およびホンダはともに3回ずつとなっている。ちなみに、レクサス/トヨタでの最多ポールポジションドライバーは、立川祐路。今大会でも獲得回数更新はもちろんのこと、今季は2位が最高位だけに、初優勝目指してパートナーの石浦宏明とともにチャンスを狙っているはずだ。
一方、レース結果も特徴がある。メーカー別最多勝利は日産。しかも7勝とライバルを大きく引き離している。予選に強いレクサス/トヨタはというと、4勝。また、ホンダは2勝に留まっており、”あと一歩”が遠い状態だ。なお、最多勝ドライバーは今年No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rを駆る本山哲。このベテランドライバーも立川同様ここしばらく勝利から遠ざかっているだけに、現状打破を願っていることだろう。
■GT300はFIA-GT3 vs 日本勢の戦いか
前回のSUGO戦では出場台数に制限が設けられたが、オートポリス戦には29台がエントリー。第2戦、第5戦の富士戦で勝利しているNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)がランキングで暫定トップに立っている。続くランキング2番手につけるのが、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平組)。優勝こそないが、第2戦、第4戦で2位、さらに第5戦で3位とシーズン中に3度表彰台に上がっており、その安定感はライバルと比べても飛び抜けている。なお、No. 0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)も31号車と同ポイントでつけているが、驚くべきは過去全6戦すべてでポイントを獲得している点。こちらは55号車や31号車と違い、コツコツとポイント加算するという粘り強い戦いを継続させている。
トップ3に続く他車も僅差でつけるGT300クラスでは、今大会でウェイトが軽減されることが戦いにも少なからずとも影響を与える可能性が高い。確かにアップダウンに富むコースレイアウトに挑む今回は、ウェイトが足かせとなり、厳しい戦いになるのは間違いない。だが、どの車両もほぼ似通った条件で戦うことを考えれば、”ハンディウェイト”なりのバトルを展開するのではないかと思われる。
そんな中、テクニカルなレイアウトを味方にできそうなのが、JAF-GT、マザーシャシー勢。コーナリングでスピードをしっかり稼ぎ、エンジンパワーで攻めるFIA-GT3との戦いは見どころになるはずだ。いずれにせよ、残り2戦となった今シーズンのSUPER GT。取りこぼしのない戦いをするため、全チームが激戦に挑むことになるだろう。
■主なタイムスケジュール
10月20日(土)
07:10 – 07:50 オープンピット
09:00 – 10:45 公式練習
09:00 – 10:25 : GT500 & GT300
10:25 – 10:35 : GT300
10:35 – 10:45 : GT500
10:55 – 11:15 サーキットサファリ
12:00 – 12:50 ピットウォーク
14:30 – 15:05 ノックアウト予選_Q1
14:30 – 14:45 : GT300
14:50 – 15:05 : GT500
15:15 – 15:43 ノックアウト予選_Q2
15:15 – 15:25 : GT300
15:33 – 15:43 : GT500
16:50 – 17:35 GTキッズウォーク
10月21日(日)
10:30 – 10:55 選手紹介
11:00 – 11:55 ピットウォーク
12:25 – 12:45 ウォームアップ走行、スタート進行
14:00 - 決勝レース(65Laps)