スーパーGT 2018 Round.8 - イベント・レースレポート

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スーパーGT 2018 Round.8

2018年11月14日

No. 8 ARTA NSX-GT、ポール・トゥ・ウィンの完勝で今季2勝目


11月11日に決勝を迎えた2018年 SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250KM RACE」。シーズン最後の決戦は穏やかな小春日和に恵まれ、53周にわたる戦いを繰り広げた。その中で今シーズン2勝目を達成したのが、ポールポジションからスタートしたNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)。一方、3位でチェッカーを受けたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)がシリーズチャンピオンを手にしている。
 
チャンピオン争いの行方を見届けるべく、決勝日には3万7千人もの観客がもてぎに来場。朝早くから行われたランキングトップ3ドライバートークショーなどのイベントにも数多くのファンが詰めかけていた。
 
栃木県警の白バイとパトロールカーの先導によるパレードラップを経て決戦の幕が落とされ、No. 8 ARTA NSX-GTの伊沢拓也がポジションキープでオープニングラップを終了。その後もハイペースで2位との差を広げながら順調に周回を重ねていく。一方、ライバルよりも上位でチェッカーを受ければタイトルが確定するNo.100 RAYBRIG NSX-GT。スタートドライバーの山本尚貴は前の8号車を猛追していたが、前を追うよりもむしろ後方からの車両を警戒しつつ、またGT300クラスのバックマーカーの処理のタイミングによって8号車を逆転するにはやや厳しい状況に追いやられた。
 
トップを走る8号車がルーティンのピットインを敢行したのは、19周目。およそレース3分の1を消化した時点での早いタイミングを選択する。逆に後方の100号車は8号車の動きよりもむしろタイトル争いのNo.1 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)を激しく意識し、ピットインを遅らせることとなった。実のところ、1号車は予選6番手からの逆転が必要のため、タイヤ無交換も視野に入れたレースを続けていた。しかし、実際はタイヤが持たず交換が必要となったため、100号車と同周回のピットインに懸け、少しでもギャップを詰めようとした。結果、100号車は3番手でコースに復帰、一方の1号車は8番手からの追い上げをはじめ、平川が怒涛の走りで着実にタイム差を削り取っていく。ハイペースで猛追する1号車に対し、山本からバトンへとスイッチした100号車もバックマーカーを蹴散らすかのような熱い走りで応戦する。
 
一方、トップで周回を重ねてきた8号車。しかし終盤、その背後につけたNo.38 ZENT CERUMO LC500との差が縮まり、GT500クラスは優勝そしてチャンピオン争いがそれぞれ緊迫した状態で繰り広げられることになった。だが、コースレイアウトの特色からもわかるように、僅差になっても逆転にはなかなか至らないもてぎ。結局、今回も同様の形で決着がつき、8号車が今シーズン2度目となるポール・トゥ・ウィンを達成する。また、38号車がチーム今季最高位となる2位を獲得し、1号車をシャットアウトした100号車が3位でチェッカー。100号車はドライバー、チームの両タイトルで念願のシリーズチャンピオンを手にしている。
 
GT300クラスは、最終戦を前にランキングトップに立つNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)が予選でまさかの失速。予選10番手からの追い上げを強いられる。一方、ランキング2位のNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)は予選2番手、フロントロウからと好位置からのスタート。仮に65号車が勝利しても、55号車が4位以内でレースを終えれば優勝が決まるだけに、どこまで猛追が可能か、注目が集まった。
 
予選でトップタイムをマークしたのは、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰一貴/マルコ・マペッリ組)。決勝でも速さを武器に独走体制で周回を重ねていたが、あろうことか19周目に左タイヤがバースト。緊急ピットインを強いられた。だがなんとその翌周に再びタイヤバーストと不運が重なり、万事休す。優勝はもちろん上位争いからも脱落してしまった。このあと、各車ルーティンのピットワークが始まったが、最終的にここで各車がとった戦略により勝負が分かれ目を迎える。
 
65号車はタイヤ無交換を敢行。一方、前半2番手につけていたNo.0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)は左側2本のみ交換、さらに遅めのピットインとなったNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(平手晃平/嵯峨宏紀組)は無交換を選択と、逆転チャンピオンはもちろんのこと、表彰台を争う3組で戦略が分かれた。結果、レース後半にトップへ立った65号車は後続の31号車に10秒ほどのギャップを作って周回。終盤、31号車が急激な猛攻で背後に迫ったが、かろうじて逃げ切りに成功し、今季初優勝を遂げる。また、2位の31号車に続いたのは、0号車だった。一方、後方から追い上げを見せた55号車だったが、終盤は逆転のチャンスに恵まれず、さらには他車との接触等で手負いの状況で周回を強いられて9位でチェッカー。最後の最後でタイトルがスルリと手からこぼれ落ち、戴冠は65号車が大逆転で掴み取ることとなった。
 
・第8戦もてぎ 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)1:31’09.252 63Laps
2.No.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組)+1.806
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)+8.096
 
GT300
1.No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)1:31’58.983
2.No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(平手晃平/嵯峨宏紀組)+2.409
3.No.0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)+3.786
 
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2018年11月14日

SUPER GT第8戦もてぎ、No. 8 ARTA NSX-GTが連戦ポール獲得!


いよいよ大詰めを迎えた今シーズンのSUPER GT。最終戦にあたる第8戦の戦いが、栃木・ツインリンクもてぎにおいて開幕。11月10日には予選が行われ、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)が最速タイムをマークし、今シーズン3度目そして前回のオートポリス戦に続いてのポールポジション獲得に成功した。
 
公式練習は午前8時50分にスタート。前夜に降った雨の影響を受け、ウエット宣言下での走行開始となった。週末にかけて天候は回復する方向ということもあり、路面コンディションの回復を待つ意味で、序盤の走行を見送るチームも見受けられた。そんな中、チャンピオン争いでランキングトップに立つNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)は早い段階から周回を重ね、あらゆるシチュエーションをチェック。GT500クラスの専有走行時にはジェンソンバトン選手がアタックシミュレーションを行い、2位につけるなど念入りな準備を進めていた。逆に100号車を追う暫定ランキング2位のNo.1 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)は5番手に留まった。
 
迎えたノックアウト予選。Q1では、逆転チャンピオンの可能性を持っていたNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)が上位8台に残れず、まさかのQ1落ち。これで事実上、チャンピオンの夢が潰える。またそのチームメイトにあたる1号車も7番手とひやひやの状態でQ1を通過する。一方、100号車はアタッカーのバトンがトップタイムをマーク。ライバルに大きなプレッシャーをかけることに成功した。そんな中、タイトル争いからは脱落しているもののQ1で3番手につけていた8号車が、続くQ2で炸裂。アタッカーの野尻は、コースレコードを更新する最速タイムをマーク。これで前回のオートポリス戦に続き、ポールポジションを手にする快走を見せた。一方で100号車はわずか0.189秒及ばず2位に甘んじている。なお、3位にはNo.64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組)が続き、今回もホンダ勢がトップ3を独占した。
 
一方、GT300クラスでは、ランキング暫定トップのNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)が10番手どまり。逆にランキング暫定2位のNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)は2番手のフロントロウからスタートを切るという結果に。そんな中、ポールポジションを獲得したのはNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰一貴/マルコ・マッペリ組)。88号車として、またアタッカーの平峰にとっても今季初となるクラスポールポジションとなっている。
 
・第8戦もてぎ 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)1’35.550
2.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)1’35.739
3.No.64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組)1’36.062
 
GT300
1.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰一貴/マルコ・マッペリ組)1’45.911
2.No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)1’46.008
3.No. 0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)1’46.181



2018年11月6日

SUPER GT第8戦ツインリンクもてぎ プレビュー


最終決戦、王座を巡るラストレース!
 
いよいよ2018年のシリーズチャンピオンが確定するSUPER GT最終戦が近づいてきた。11月10-11日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて開催される「MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL」は、今シーズンのチャンピオン確定レースであり、シーズン最後を締めくくる大決戦となる。開幕戦以来となるノーウェイトでの戦いは、どのチームにとっても有終の美を飾るための大事な一戦。もてぎでは全車が激しいバトルを繰り広げることになりそうだ。
 
■なるか、チームクニミツ初の戴冠
GT500クラスにおけるランキングトップは、No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)。これに続くのが、昨年のチャンピオンNo.1 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)だ。100号車は第6戦SUGOで勝利し、暫定ランキングトップへと躍り出た。一方の1号車はシーズン中盤、厳しい戦いが続くも、コツコツとポイントを重ねつつ、ついに前回のオートポリス戦でシーズン初勝利を実現。これにより、100号車と1号車の獲得ポイントは67ポイントと同点になった。現時点で勝利数はともに1回。一方、2位入賞回数は100号車が1号車を上回る2回であるため、100号車が暫定トップ扱いとなる。しかし、1号車も最終戦のもてぎで3位以上、そして100号車より先にゴールラインを切れば2連覇を達成することができる。
 
ランキング3番手につける1号車の僚友、No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴は1戦欠場につき、3位は関口雄飛のみ)は最低条件がかなり厳しい。2位以上でチェッカーを受けるだけでなく、ランキング上位2台が8位以下に終わらなければチャンピオンの称号を手にすることができない。なお、タイトル獲得の可能性を持つのはランキング4位につけるNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)までだが、こちらも自力優勝の上、他車がかなり後方に沈まないとチャンスが巡ってこないため、実質タイトル争いはトップ2台に絞られていると言ってもいいのではないだろうか。そして、注目すべきは100号車を走らせる「チームクニミツ」は、SUPER GTそしてその前身カテゴリーである全日本GT選手権からの参戦チームではあるが、いまだかつてこのカテゴリーでタイトル獲得を果たしていない。「国さん」の名で親しまれている髙橋国光総監督が、ついにSUPER GTのビッグタイトルを手にすることができるのか。山本尚貴とジェンソン・バトンに託された夢は実に大きいと言えるだろう。
 
■NSX-GTとLC500だけじゃない!? 逆襲を狙うGT-R
全8戦中、7戦を終えてNSX-GTが3勝、そしてLC500も3勝と勝ち星を分け合う一方、GT-Rは第2戦富士での1勝に甘んじている。タイトル争いにおいても残念ながらGT-R勢の名を見つけることはできない。第6戦SUGOではNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組)が予選2位から快走を見せ、優勝も見えていたのだが、途中からマシンの不調によりポジションダウン。表彰台には上がったものの、3位に甘んじた。
 
一方で気になるのが、ミシュランタイヤを武器に躍進を続けてきたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)の失速。これまでは仮に予選で後方に沈んだとしても、決勝でじわりじわりとポジションアップを果たし、”気がつけば23号車”的な粘り強さを見せるのが定石だった。だが、ここのところ後方からのジャンプアップは影を潜め、ライバル達との戦いに飲み込まれている状況が続いている。だが、昨シーズンのもてぎ戦では予選でコースレコードを更新するポールポジションを獲得。レースでもライバルを引き離しての勝利を実現しているだけに、今大会も逆襲が見られるのか、GT-Rファンならずとも大いに気になるところだ。
 
■GT300は、コンビ2年目の55号車が王手
GT300クラスはNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)とNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/中山雄一組)がそれぞれ2勝を挙げている。しかし、55号車がランキングトップに対し、96号車はランキング6位と差を着けられている。つまり、複数の優勝があっても、それ以外の成績が振るわなければライバルを制することができない、ということだ。事実、ランキング2位につけるNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)は今シーズン一度も表彰台に上がってはいないが、全レースで入賞を果たして好位置につけている。トップ55号車とのポイント差は12点と決して小さくはないが、96号車が念願の今シーズン初勝利を達成させ、かつ55号車が下位に沈むという結果になれば、大逆転チャンピオンというドラマが実現する。チェッカーを受けるまで何が起こるかわからないというのがレースだけに、55号車とて楽なレースになるという考えはないだろう。まずは自らにかかるプレッシャーを跳ね除ける強い戦いをすることこそが、タイトルへの近道になるのかもしれない。
 
GT500、300両クラスとも、チャンピオン争いに加え、シーズン初優勝を目指して全開で攻めのレースを見せるチームも多くなる最終戦。まさに総力を挙げて戦うもてぎ戦は、最後の最後まで見どころ多い一戦になるに違いない。

 
■主なタイムスケジュール
11月10日(土)
07:00 – 07:35 オープンピット
08:50 – 10:35 公式練習
08:50 – 10:15 : GT500 & GT300
10:15 – 10:25 : GT300
10:25 – 10:35 : GT500
10:45 – 11:00 サーキットサファリ
11:45 – 12:30 ピットウォーク 
14:00 – 14:35 ノックアウト予選_Q1
14:00 – 14:15 : GT300
14:20 – 14:35 : GT500
14:45 – 15:13 ノックアウト予選_Q2
14:45 – 14:55 : GT300
15:03 – 15:13 : GT500
16:20 – 16:50 GTキッズウォーク
 
11月11日(日)
09:45 – 10:40 ピットウォーク
11:00 – 11:25 選手紹介
11:55 – 12:15 ウォームアップ走行、スタート進行
13:30 -     決勝レース(53Laps)





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