スーパーGT 2018 Round.4
前半戦締めくくりは、南国タイで!
今シーズン、開催カレンダーのスケジュールに変更が見られたSUPER GT。真夏の祭典として長らく親しまれてきた鈴鹿戦は第3戦としてすでに5月に終了。そして昨年セミファイナル戦として実施されたタイ戦がこの週末、第4戦として開催される。年間8戦に渡って繰り広げられるシリーズ戦のちょうど前半戦の締めくくりに位置するだけに、シーズンの流れを確立したいと願うチームも多いはず。厳しい暑さの中、どのような戦いが待ち受けるのだろうか。
■南国タイと相性がいいLC500
全8戦中、3戦を終えて優勝回数が一番多いのはホンダのNSX-GT勢。開幕戦と第3戦鈴鹿で勝利している。今シーズン、一番波に乗っていると断言したいところだが、一方でタイでの戦歴を見ると、ダントツなのが、レクサスのLC500勢。タイ・ブリラム県にあるチャン・インターナショナル・サーキットでのSUPER GTは2014年から。過去4年間の戦いで最多の3勝をマークしている。開催時期はシーズンによって6月だったり秋だったり、とバラつきがあるにもかかわらず、高い確率で勝利していることを考えれば、おそらくはパッケージとしての相性の良さがあると思われる。
一方で、今シーズンのLC500勢は開幕戦以来いまだ勝ち星には恵まれず。昨シーズンの快進撃からすれば地団駄を踏みたくもなるであろう結果だが、これからハンディウエイトによる影響力が増していくだけに、ひと足先に好成績を残してきたライバルたちが戦闘力を存分に発揮できなくなる中で、着々と開いたポイント差を縮めてくることだろう。そのチャンスとなるのが、このチャンでのレースになるとも考えられる。また、注目したいのが、先のル・マン24時間レースで悲願のトヨタ優勝に大きく貢献した中嶋一貴、さらに2位でチェッカーを受けた小林可夢偉らの活躍。ル・マンで掴んだ”いい流れ”を継続できるのか、見逃せない。
では、ライバル達はどのような手を打ってくるのか。まず優位に立っているホンダ勢だが、実のところチャンとの相性はいまひとつ。過去の大会を振り返っても優勝には恵まれておらず、昨シーズンはお家芸のように連発していたポールポジション獲得すらこのコースでは達成していない。戦闘力アップを果たしている今シーズンこそ、悲願の目標をクリアしたいと願っていることだろう。ただ気になるのが、タイヤのピックアップだ。NSX-GTとブリヂストンタイヤのコンビネーションで時折問題視されるピックアップがチャンのコースで発生するか否かで状況は大きく変わってくるはず。路面状況、天候にも大きく左右される内容のため、一概には判断できない部分ではあるが、問題点がレースの行方を左右する可能性も高いだけに着目点のひとつとなるだろう。
そして第2戦富士で優勝した日産GT-R勢。安定感はあるものの、今シーズンは、ここ一発の速さや強さに欠ける感が強い。ただ、ミシュランタイヤ装着車の2台(No.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)は、天候のコンディション次第で大きく躍進できるチャンスもある。まさに”粘りどころ”の戦いになるのではないだろうか。
■GT300クラスはGT3が本領発揮!?
タイ戦では、昨シーズンまでGT500クラスで活躍したドライバーが代役としてSUPER GTに復帰する。No.88 マネパ ランボルギーニ GT3から今年SUPER GTにデビューしたマルコ・マペッリに代わり、ステアリングを握るのはアンドレア・カルダレッリ。イタリア人のカルダレッリは、ランボルギーニのワークスドライバー。今シーズンはブランパンGTシリーズやADAC GTマスターズに参戦しているが、GT300、そしてランボルギーニでいかに戦うのか。興味は尽きない。
レース展開としては、サーキットの特性を考えると、マザーシャシーに分があるような感じ。フラットなテクニカルコースがお得意なだけに、ウェイトが軽い車両がここぞとばかりチャンスをつかみにくるだろう。もっとも、タイヤマネージメントも必勝には欠かせない。さらに不安定なコンディションになればなるほど、マシンパッケージだけでなく、チームの総合力が問われる一戦になる。
前半戦の締めくくりでライバルより先手を打つことができれば、8月中旬に始まる後半戦に向けての流れを構築することも容易となるSUPER GTシリーズ。チームごとの戦略を意識し、レース展開を見届けてほしい。
■主なタイムスケジュール(現地時間)
6月30日(土)
08:00 – 09:00 オープンピット
10:00 – 11:45 公式練習
10:00 – 11:25 : GT500 & GT300
11:25 – 11:35 : GT300
11:35 – 11:45 : GT500
13:15 – 14:15 ピットウォーク
15:00 – 15:35 ノックアウト予選_Q1
15:00 – 15:15 : GT300
15:20 – 15:35 : GT500
15:45 – 16:13 ノックアウト予選_Q2
15:45 – 15:55 : GT300
16:03 – 16:13 : GT500
10月8日(日)
11:15 – 11:40 SUPER GT選手紹介
11:55 – 12:35 ピットウォーク
13:25 – ウォームアップ走行、スタート進行
15:00 - 決勝レース(66Laps)