今シーズンの中盤戦へと突入した2017年SUPER GTシリーズ。これから8月末までの戦いは”真夏の三連戦”と呼ばれ、シーズンの流れを左右するともいえる重要な決戦が続く。今回の第4戦の舞台は仙台・スポーツランドSUGO。起伏の激しい難コースでの一戦は荒れる展開が多いことで知られる。今年の予選日は強い陽射しが照りつける中で始まり、タイムアタックを迎える頃には通り雨となる落ち着かないコンディションとなったが、その中でNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)が今季2度目となるポールポジションを獲得することとなった。
第3戦オートポリスの戦いからおよそ2ヶ月。この間、公式テストやタイヤメーカーテストなどを行い、各チームはシリーズ中盤の戦いの準備を進めてきた。まず、厳しい暑さを感じる中、行われた公式練習でトップタイムをマークしたのは、No. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組)。これに8号車、さらにNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が続き、3メーカーの車両がしのぎを削ることになった。
一方、予選を前に天候が下り坂へと急転、一瞬通り雨が降るなど慌ただしい状況となる。幸い、ウエットタイヤを装着するまでには至らず。そんな中で始まったノックアウト予選で気を吐いたのが、8号車だった。まずQ1で8号車の小林がトップタイムをマーク。僅差でNo.19 WedsSport ADVAN LC500(関口雄飛/国本雄資組)が続いた。一方、現時点でランキングトップにつけるNo.37 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)はウェイトハンデが影響したか、タイムを伸ばせずQ2進出を果たせずに終わっている。
続くQ2は、どんよりとした曇り空の下でアタックが始まる。12分間のセッションが始まってもほとんどがピット内で待機。残り時間7分を切る頃にようやく、1台、また1台とコースへと向かった。そこで完璧なアタックを見せたのが、8号車の野尻。1分10秒915の最速ラップをマーク、2番手に0.5秒近くの差をつけた。8号車は開幕の岡山戦に次ぐ今季2度目のポールを手にした上に、野尻にとっては自身で掴み取った初のポールポジションとなっている。また、ホンダ勢がトップ3を独占する結果ともなった。
一方のGT300クラス。ここ暫くはFIA-GT3車両の勢いが目立っていたが、SUGOではJAF GT車両やマザーシャシーが予想どおり奮闘。セッション中に一度赤旗中断という落ち着かない状況ではあったが、その中で、前回のオートポリスでポール・トゥ・フィニッシュを飾ったNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)が最速ラップをマーク。今季2度目のポールポジションを獲得した。
・第4戦SUGO 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)1’10.915
2.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)1’11.469
3.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)1’11.491
GT300
1.No.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組)1’18.657
2.No.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/川端伸太朗組)1’18.753
3.No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田 章/吉本大樹組)1’18.868