5月29日、岡山国際サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝レースが行なわれた。午後から本降りとなった雨の中、レースはセーフティカー先導によってスタートが切られたが、コンディション悪化によって赤旗が提示された。その後、天候回復の見込みがないという判断からレース中止が決定。赤旗中断前の順位が採用され、ポールポジションスタートのNo. 1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が今季初優勝を果たしている。
午前9時からのフリー走行では薄曇りだった岡山国際サーキット。だがチームによっては、天候の変化を見越してウェットコンディション下でのセット確認を行なうところもあるなど、決勝に向けて粛々と準備を進めていた。
決勝前のピットウォークを迎えた正午過ぎからポツリポツリと落ち始めた雨。その後、午後1時からのサポートレースは完全なウェットレースとなる。だが、そのレースが終了する頃には一旦雨も上がり、今後の天候の行方を読むのが難しい状態に。しかし、レース直前のウォームアップを経てダミーグリッドへと各車が着いた頃から雨が強まり、一方、グリッド上では最後の最後まで慌ただしく作業を続けるメカニックの姿があった。
昨日の予選でQ1からQ3までの全セッションでトップタイムをマークした石浦を筆頭に各車がダミーグリッドに着く中、予選14番手のNo.7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)は、最後尾のグリッドに。これは、先のウォームアップ走行でコースアウトし、グリッドへの試走が叶わなかったため。さらに、予選中のピットレーン速度違反でペナルティをとられた15番手のNo. 4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)は、18番手からスタートを切ることとなった。
気温19度、路面温度21度の中、セーフティカーに先導される形でレースはスタート。グリッド順に隊列を組むような形で、各車コースを周回していく。レーシングスピードよりはるかに遅いものの、じっくりとタイヤそしてブレーキに熱を入れることで、戦闘態勢を確保することにもなるのだが、そんな中で早速ピットインするクルマが現れる。
まず2周を終えてピットに戻ってきたのはNo. 8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)。予選でのポジションアップが果たせずまさかの17位スタートとなった可夢偉。まず給油を済ませて、レース再開後のジャンプアップを狙ってのピットインだと思われたのだが、それだけでなく、ステアリング交換を行なっていたことが後に発覚する。その後、3~5周を終えてピットインする車両が続出。同様に給油作業を行なっていたのだが、しかし可夢偉はその後2度に渡りピットイン。どうやら雨の影響で配線の接触不良のトラブルを併発。走行中のステアリング操作で電源が切れるというトラブルが解消されず、ステアリング交換を繰り返したという。
レースはセーフティカーラン6周目に入り、依然としてレース再開のメドが立たない中、2位走行中だったNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がレッドマンコーナー手前のコース中央でストップ。こちらもステアリング内に雨が浸透し、駆動系トラブルが発生。再スタートを切れず、このままリタイヤとなる。このオリベイラの車両を回収する間、再び雨脚が強くなり、視界確保がいっそう難しい状態に。そんな中、午後3時23分、9周目を走行中に赤旗が提示され、レースが一時中断する。このあと、参加代表者と主催者、競技団らが緊急会議を開き、午後4時5分にレース中止を決定。天候回復が見込めないためにレースを終了するとした。
ちなみに赤旗終了によるレース終了、かつハーフポイント付与のレーエスは2008年第7戦富士以来となる。
なお、走行は8周完走という状態ではあったが、先頭車両が2周以上を走行完了していることからレースは成立することになり、結果、石浦の今季初優勝が決定。2位のNo.10 塚越広大(REAL RACING)は4年ぶり、また3位のNo.11 伊沢拓也(REAL RACING)も2013年開幕戦以来の表彰台となった。なお、上位入賞者に与えられるポイントについては、レース距離の75%に達していないことから、通常の半分が与えられる。
第2戦岡山 決勝結果(TOP6)
1.No. 1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)22’06.947 8Laps
2.No.10 塚越広大(REAL RACING)+0.718
3.No.11 伊沢拓也(REAL RACING)+1.749
4.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+2.525
5.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)+3.841
6.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)+5.408
