2016年4月25日
スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿、山本がポール・トゥ・ウィン!
4月24日、三重県・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦「SUZUKA 2&4 RACE」の決勝レースが43周にわたって行なわれ、ポールポジションからスタートを切ったNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)がリードを保ち、パーフェクトウィン。幸先よいシーズンスタートを切った。
薄曇りの空の下、心なしか冷たく強い風が福中でスタートが切られた決勝レース。その中でもポールポジションスタートのNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)が文句ナシのスタートダッシュを見せ、予選2番手のNo. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、そして予選4番手のルーキー、No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が3番手を奪取。一方、もうひとりのルーキーNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は予選3番手を手にしていたが、フォーメーションラップスタート前にエンジンをストール。本来なら他車が通過してからエンジンを再始動してコースに向うのが正しい手順だが、メカニックによってエンジンを再始動した関口は、自身のポジションをキープしたまま隊列にジョイント。スタンディングスタートを切り、4番手でオープニングラップを終えた。
だが5周を過ぎて、スタート手順が違反対象とされた関口にはピットストップ10秒のペナルティが下される。これで4番手から最後尾へと後退する苦汁を飲まされた。このハプニングを除けばその後のトップ争いは、逃げる山本に対してやや遅れを見せはじめた国本、そして様子を伺うバンドーンというトップ3の順位は変わらず。そして、ヨコハマタイヤでの初レースで迎えたピット作業では、前半にピットインした車両によるタイヤ交換は見られたものの、レース折り返し以降のピットインでは、タイヤ無交換、給油のみでのコース復帰する車両が大半を占めた。
レース終盤に入ってもトップ3は安泰。だが一方で中盤のポジション争いは熱を帯び、オーバーテイクボタンを押しての応戦があちこちで繰り広げられる。とりわけ今回の予選では、チャンピオン経験者がアタック中のミスで後方順位に沈んだという背景もあり、レースでは彼らの速さ、強さが生かされ、ポジション変動を演出した。だがその一方ではペースアップに苦しむドライバーもおり、ひと筋縄ではいかない戦いの難しさが伝わる展開となった。
結果、トップの山本は最後まで自身のレースを守り切り、終盤は2番手以下に10秒以上の大差をつけて独走勝利。昨年の最終戦鈴鹿での勝利に続き、今年の初戦でも優勝。ヨコハマタイヤによる初ウィナーになった。2位の国本は、終盤、バンドーンに詰め寄られるシーンもあったが、ギャップを守り抜き、2014年第5戦オートポリス以来となる表彰台をゲットした。3位はバンドーン。F1スポット参戦ドライバーらしい高いスキルを余す事なく発揮、シリーズ初戦で表彰台に上がった。
■第1戦鈴鹿 決勝結果(TOP6)
1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)1:13’59.415、43Laps
2.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)+11.710
3.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+13.194
4.No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)+16.758
5.No.10 塚越広大(REAL RACING)+23.270
6.No.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)+25.199

2016年4月24日
2016年スーパーフォーミュラ開幕戦、ポールは山本尚貴の手に!
4月23日、三重・鈴鹿サーキットにおいて、全日本スーパーフォーミュラ第1戦「SUZUKA2&4 RACE」の予選が行われNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)が1分37秒459のタイムをマーク。自身通算8度目となるポールポジションを手にすることとなった。
オフシーズンの間、鈴鹿、そして岡山での公式テストを実施したスーパーフォーミュラ。その岡山のテストでセットアップの方向性を見出したという山本だったが、朝のフリー走行では16番手に沈む事態に追い込まれていた。しかし、Q1の最後になって、2セット目のニュータイヤを装着してから調子を戻し、タイムアップに成功。Q1でまずトップタイムをマークすると、続くQ2でも2番手に0.142秒差でトップの座をキープ。最後のQ3に至っては、2番手に0.361秒もの差をつけて文句ナシにポールポジション合戦を征服。不屈の精神を見せつけた。本人は「関係者が一生懸命がんばってくれて、こうしてポールポジションを獲ることができた。ポールポジションを採るための自分のやり方にギリギリ間に合ったという感じ」と安堵感をにじませた。なお、山本にとっては、2年連続開幕戦でのポールポジション獲得を実現させている。
2番手に続いたのは、シリーズ2年目を迎えたNo. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。Q3ではデグナー2つ目で飛び出すというミスが響いてタイムアップのチャンスを喪失。再アタックで刻んだタイムで2番手となった。3番手はルーキーのNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。セットアップがまだまだ、といいつつも朝の状況からすれば前進できたと満足な様子を見せた。なお、ひと足先にスポット参戦でのF1デビューを果たしたルーキー、No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。落ち着いた予選運びで4番手のタイムをマーク。そのポテンシャルの高さをしかとアピールしている。
明日の決勝は43周の戦い。今シーズンから装着するヨコハマ・アドバンタイヤでの初レースとなるため、どのような展開になるか不確定要素は大きい。ただその分、見どころあるレース展開となるはずだ。
1戦鈴鹿 予選結果(TOP6)
1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)1’37.459
2.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)1’37.829
3.No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’37.952
4.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’37.962
5.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’37.964
6.No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)1’38.179

2016年4月21日
SUPER FORMULA第1戦鈴鹿 プレビュー
新風巻き起こる2016年の戦いが間もなくスタート!
4月23、24日に三重・鈴鹿サーキットで開催される全日本スーパーフォーミュラ選手権。これが2016年のシーズン開幕戦となる。選手権の名称が全日本選手権スーパーフォーミュラから変更し、また長らく参戦車両の足下を支えていたタイヤがブリヂストンからヨコハマへと変わるなど、「新たな」シーズンインを迎えることで、また新たな展開が期待できそうだ。
F1を目指すドライバーも参戦、さらに激化の様相
シーズンオフの間に行われた公式テストは鈴鹿、そして岡山での2回。そこで絶対的な注目を集めていたのが、ベルギー人ドライバーのルーキー、ストフェル・バントーンだ。ルーキーと記したが、それはスーパーフォーミュラにおける話であり、彼のキャリアにおいてはふさわしくない表現なのかもしれない。なにしろ、すでにF1を経験したトップドライバーだからだ。昨シーズン、GP2というF1直下のカテゴリーでシリーズチャンピオンを獲得した24歳は、当然のことながらF1レギュラーパイロットの座を狙っていたが、惜しくも実現せず。だが、マクラーレンホンダのリザーブドライバーとしてチームに帯同している。ちょうど第2戦バーレーンにおいて、チームドライバーのフェルナンド・アロンソが開幕戦で受けた怪我のダメージによってドクターストップとなり、急きょスポット参戦となり、F1デビューが実現。決勝でも8位入賞という立派な働きを見せている。
F1直下のGP2でタイトルを獲得しているため、今季の参戦先として結果的に選んだのがこのスーパーフォーミュラだった、という話ではあるが、イコールマシン、イコールタイヤというほぼワンメイクでのレースを戦うに当たり、彼自身もこのレースがハイレベルなものであることは認めている。また、海外メディアもバンドーンが参戦するという視点から、スーパーフォーミュラに高い関心を寄せている。このことからも、今シーズンの戦いは、なにかと注目度が高いといえるだろう。
日本人チャンピオンが迎え撃つシリーズに
昨年、第2戦岡山でポイントランキングトップに立ち、そのままシーズンを駆け抜けて悲願のチャンピオンに輝いた石浦宏明。かつてステップアップカテゴリーのフォーミュラトヨタ時代、ともに戦った中嶋一貴と小林可夢偉とは今でもともに刺激を受け合うライバルとして切磋琢磨しており、今年はさらに激化する戦いに向けて着実な準備を進めているようだ。その石浦とライバルの一貴はこの国内トップフォーミュラレースで2度の戴冠を経験。一方、昨年国内戦復帰となった小林は、期待の優勝こそ果たせなかったが、つねに見せ場を作る存在として戦いにかかわり続けている。ともに元F1ドライバーという経験値の高さから、今年は石浦ひとりにポイントリーダーの位置を託す理由はないといえる。
さらにはベテランドライバーの台頭も気になるところ。アンドレ・ロッテラー、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラのふたりは日本でのレースキャリアも長く、もちろんタイトルホルダーの一員として名を連ねる強豪だ。コンマ数秒という僅差での予選アタック、そして巧みな戦略とタイヤマネージメントによるクレバーなレース運びといった、試合巧者としてのパフォーマンスを見せられるドライバーの存在は、より一層レースでのドラマに華を添えてくれることだろう。
まさに群雄割拠という言葉がふさわしい今年のスーパーフォーミュラ。今シーズンは、金曜日にも走行時間が設けられ、さらにクルマのセットアップを進める機会が与えられた。もちろん、タイヤマネージメントを探ることにもつながるため、レースではより一層のバトルが見られるかもしれない。
主なタイムスケジュール
・4月23日(土)
09:30~10:30 フリー走行
13:05~13:45 ピットウォーク
14:00~ 公式予選(ノックアウト方式)
14 : 00~14 : 20 Q1(19台→14台)
14 : 30~14 : 37 Q2(14台→ 8台)
14 : 47~14 : 54 Q3
18:05~18:35 キッズピットウォーク
・4月24日(日)
08:50~09:20 フリー走行
10:55~11:45 ピットウォーク
15:15~ 決勝(43Laps)