スーパーフォーミュラ2016 Round.5 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2016 Round.5

2016年9月12日

スーパーフォーミュラ第5戦岡山、レース2は国本雄資が初優勝!


9月11日、岡山国際サーキットにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦のレース2が行われた。すでに前日、レース1の予選、決勝が行なわれたが、この日も朝から予選アタックを実施、午後3時から51周にわたる戦いが繰り広げられ、予選5位スタートだったNo. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がピット戦略を味方につけ、自身トップフォーミュラでの初勝利を手にしている。

この日は、前日と異なり、朝のフリー走行は行われず、いきなり予選を実施。しかも今回は計時方式ではなく、Q1、Q2のノックアウト方式が実施された。通常のレースイベントでは、Q1からQ3まで計3回のノックアウト予選だが、今回は20分のQ1、そして10分でのQ2と、また変則的なものではあったが、セッション中はいつもと同様に、ライバルとの絶妙な駆け引きもあり、チームとして、またドライバーとしてのポテンシャルが問われるセッションになった。

Q1で1分14秒690をマークし、トップに着けたのは、先のもてぎ戦で勝利したNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。後続に0.335秒という差をつけ、圧倒する。だが、レースでのポールポジションが決定するQ2でより速さを見せたのは、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。Q1で2番手につけていた野尻。Q2では、他車同様、残り7分の時点でコースインし、アタックラップへの準備に入る。だが、この直後、1台の車両がコースアウトし、クラッシュ。セッションが赤旗中断となった。他車よりも遅いタイミングでコースインしていた野尻は、1周でもアタックラップを多く確保しようと、セッション再開後からハードプッシュ。結果、これが奏功し、1分14秒822でまず2番手に浮上。さらにラストアタックで1分14秒404とタイムを削り取る好走を見せた。SUPER FORMULA参戦初年度に初優勝し、今年でシーズン3年目を迎える野尻だが、ポールポジションは初めてとなる。

■第5戦岡山 予選結果(レース2)(TOP6)


1.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’14.404
2.No.  1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)1’14.656
3.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’14.712(※)
4.No. 3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)1’14.836
5.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’14.914
6.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)1’14.928
(※)No.41は車両安全確認の違反により、3グリッド降格に。

 

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前日よりも強い日差しが照りつけた岡山。気温も路面温度も午後に向けて急上昇。午後3時からの51周レースでは、タイヤ交換義務が伴う。このタイミングもチーム戦略の見どころのひとつとなった。まず、フロントローの野尻、そして石浦がクリアスタートを決めて1コーナーへ。だが、その背後では車両の安全確認違反で3グリッド降格したバンドーンに変わり、3番手スタートとなったロシターがスタートで失敗。後方車両に飲み込まれた。そして、オープニングラップを終えて、6台の車両がピットイン。早速タイヤ交換を行ない、コースへと復帰していった。

そして、この6台のうち、優勝を果たした国本がその1台であり、この先戦いをリードすることになる。レースはポールスタートの野尻がレースを牽引。真後ろには第2戦岡山の覇者、石浦が迫るも、逆転までには至らず。トップ野尻は21周終わりでピットイン、タイヤ交換を済ませ、7.8秒でコース復帰を果たした。だが、その前にはすでに国本、そしてNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が…。この2台は、オープニングラップ終了直後にピットインしており、事実上、野尻よりも前のポジションにいるドライバー。つまり、ピットインのタイミングの違いがその後のポジション変動に繋がる展開になったのは明らかで、野尻はバトルすることなく2台に先行を許すことになってしまった

そして野尻同様、フロントロースタートだった石浦もまだピットインを果たしておらず、そのタイミングが今か今かと待たれた30周目、2コーナー立ち上がりでアクシデントが発生する。1台の車両がスピンし、コースサイドにストップ。これを回収するためセーフティカーがコースイン、レースがコントロールされてしまった。石浦は、SCコースインの直前にピットインを敢行。作業後、難なくレースには合流できたが、黄旗提示中につき、追い越しが一切できない状態。国本、そして一貴の後塵を拝することに。さらに野尻においては、この石浦がコースに復帰する瞬間、並走から石浦の前に出て逆転したことで、後にドライブスルーペナルティが科せられるなど、フロントロースタートの2台は、惜しくも流れを味方につけることができなかった。

レース再開後、しばらくしてペナルティを消化した野尻は表彰台圏内から大きく後退。一方、上位陣の中で一番遅くにタイヤ交換を行なった石浦は、終盤に入ってペースアップ。ファステストラップを連発しながら2位の中嶋にじりじりと詰め寄り、チェッカーまで残り5周の時点から激しい攻防戦を繰り広げた。だが、抜きどころのない岡山での逆転は難しく、このままチェッカー。結果、国本がトップフォーミュラデビューから5年目にして、うれしい初優勝を達成。同時に、シリーズポイントでもトップに立った。2位の一貴は、前日のレース1で、ケアレスミスからポールポジションの座を喪失、厳しい戦いを強いられたが、レース2で見事なリベンジを見せている。

■第5戦岡山 決勝結果(レース2)(TOP6)


1.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)1H11′31.812 51Laps
2.No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)+1.168
3.No.  1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)+1.683
4.No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)+5.267
5.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+9.490
6.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)+11.519

 

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2016年9月11日

スーパーフォーミュラ第5戦岡山、レース1はバンドーンが初勝利!


9月10日、岡山国際サーキットにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開幕。今大会は、当初開催予定だった大分・オートポリスが先の熊本地震の影響を受け、中止となったことで行われる代替戦でもある。レースとしても、土曜、日曜の両日において予選と決勝を行なう“スペシャル・フォーマット”を導入しており、普段とはまたひと味異なるイベントとなった。

まず、土曜日は朝から1時間のフリー走行を実施。そのあと行われる20分間の計時式予選に合わせ、各チームともクルマのセットアップを精力的に行なった。このセッションでトップタイムをマークしたのはNo. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。だが予選では、ポールポジションを狙ってのアタックを見せたが、あと一歩及ばず、2番手に。代わってトップを奪ったのは、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)だった。3番手には、つい先日、来季のF1参戦が確定したNo.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。いずれにせよ、予選は、この3人のタイムが僅か0.119秒差に収まるほどの激戦となり、また参戦ドライバー19名のうち18名までが1秒以内の差という、極めてハイレベルなアタック合戦となった。

■第5戦岡山 予選結果(TOP6)


1.No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)1’14.038
2.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)1’14.150
3.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’14.157
4.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’14.325
5.No.10 塚越広大(REAL RACING)1’14.349
6.No. 7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)1’14.464

決勝のレース1は午後3時30分にスタート。この日のレースは30周、タイヤ交換義務のない、いわばスプリントレースだけに、ドライバーのガチンコ勝負が見どころとなる。秋空のサーキットは、時折強い日差しが照り、やや暑さを感じるものの、風は爽やかなコンディション。ダミーグリッドからフォーメーションラップを終えて、真っ先にメインストレートへと戻ってきたポールポジションの一貴だったが、クルマを止める位置を行き過ぎるという痛恨のミスを犯し、スタートディレイに。後方につける2台も一貴につられて同様の動きを見せたが、原因を作った一貴だけがペナルティの対象となり、なんと最後尾からのスタートを強いられることになった。また、この影響でレースは2周減算の28周での開催へと変更される。

このアクシデントを味方に変えたのは、予選3番手のバンドーン。中嶋が後方に回ったことで、前が空き、難なくスタートを決めてレースをリード。逆に2番手の国本は徐々にバンドーンから離され、2番手キープが精一杯と苦戦する。一方、予選6番手からクリアスタートを決めたカーティケヤンは、オープニングラップで一気に3番手へジャンプアップ。パッシングポイントが少ない岡山を活かし、ポジションキープを成功させた。結果、トップ3は終始変わらぬままレースは終了。つい先日、来季のF1参戦が正式に確定したバンドーン選手が、スーパーフォーミュラ初優勝を実現させた。

■第5戦岡山 決勝結果(TOP6)


1.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)36’28.567  28Laps
2.No. 2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)+4.795
3.No. 7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)+9.855
4.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+14.781
5.No.10 塚越広大(REAL RACING)+17.531
6.No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)+18.502

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2016年9月8日

SUPER FORMULA第5戦岡山 プレビュー 今季2度目の岡山は、特別戦!


シーズン後半戦を迎えたSUPER FORMULA。今週末に開催される第5戦岡山は、いつもとひと味もふた味も異なるレースイベントとなる。真夏の厳しい暑さもひと段落つき、舞台となる岡山国際サーキットでの戦いは、今季2度目となるだけに、スペシャルフォーマットが採用されている。果たして、どのようなドラマが展開されるのだろう。

■岡山は、オートポリス戦の代替戦


もともと、今週末のスケジュールで開催される予定だったのは、大分・オートポリス。だが、この春に起こった熊本大震災の影響で、サーキットのコースをはじめ、施設の一部がダメージを受けてしまった。現在、修復作業中ではあるが、9月のフォーミュラレース開催は残念ながら断念することとなり、その代替えとして白羽の矢が立ったのが岡山だった。では、なぜ岡山だったのか。

すでに今シーズン、第2戦としてレースが行なわれたことをご存知のファンも多いことだろう。ところが、その中身は残念ながら天候に大きく左右されたものだった。予選日こそドライコンディションでの走りが可能だったが、酷い雨に見舞われた決勝日は、セーフティカーランでのスタートとなり、そのまま僅かの周回数だけでチェッカーが振られた。つまり、レースらしいレースをしないまま戦いが終わっているのだ。このため、改めてベストコンディションでの戦いをするには、岡山が適任、という訳だ。もちろん、他のサーキットでの開催も検討された。だが、シーズンを通して様々なレースイベントが年間スケジュールとして組み込まれている中での調整はそう容易なものではない。一方で、第2戦を観戦しに訪れた中国地方、近畿圏内のファンに、再度、岡山での一戦を楽しんでいただけたら、という思いもあり、今回の開催が実現した。


■スペシャルフォーマットによる戦いは混戦必至!?


今回の岡山戦、なんといっても見どころは“スペシャルフォーマット”。予選、決勝をそれぞれ両日行なうという、特別なプログラムによって開催される。その詳細を紹介しよう。土曜日はまず1時間のフリー走行からスタート。そのあと、予選は計時方式にて行われる。計時方式とは、普段、SUPER FORMULAに導入されているノックアウトによる選抜方式ではなく、全員が時間枠でアタックを行い、タイム順でグリッドが決定する形を指す。この日の決勝レースは30周で、レース1と名付けられたこの戦いではタイヤ交換の義務付けがない。スタートしたらあとはひたすらゴールを目指すという、ドライバ同士のガチンコ勝負が繰り広げられる。

翌日は朝のフリー走行は行なわず、予選からスタート。この日はノックアウト予選が実施されるのだが、普段と違い、フリー走行でのマシンチェック等は一切できないだけに、前日からのデータを参考に、当日のコンディションを考慮してクルマを仕上げていかなければならない。しかも、普段のQ1-Q2-Q3ではなく、Q1とQ2の2回のみ。時間配分も異なるため、まさにチームとしての総合力が大きなカギを握る一日になることだろう。そしてレース2として行われる決勝レースは、51周での戦い。前日とは異なり、日曜日の一戦ではタイヤ交換が義務付けされている。

両日とも異なるスタイルのレースフォーマットであるため、なにかと慌ただしいレースウィークになると思われるが、その中でもつねに安定した速さや強さを披露できるチーム、ドライバーこそが、真の実力者として認められるはずだ。

距離が短く、またコース幅も決して広くない、コンパクトなサーキットでの戦いゆえ、予選で好位置を狙うための熾烈なタイム合戦は目に見えている。どのタイミングでタイヤをどう扱い、ベストなアタックを行なうか……。ライバルとの駆け引きもそうだが、自分たちの戦うスタイルをいち早く完璧に仕上げたチームが、先手を討ってくることだろう。

そして、現在、渾沌とするシリーズランキング争いも、この戦いの結果次第でシーズンの行方がよりハッキリしてくると思われる。現在、トップ3がわずか2点差でひしめく状態だけに、ライバルに差をつけたいと願うドライバーたちの野望が見え隠れする一戦になるだろう。


■主なタイムスケジュール


・9月10日(土)
09:00~10:00     フリー走行
11:00~11:20     レース1 公式予選(計時予選)
11:50~12:25     ピットウォーク
14 : 45~15 : 30  スタート進行
15 : 30~16 : 20  第5戦レース1決勝(30Laps)

・9月11日(日)
09:50~           レース2 公式予選(ノックアウト方式)
  09 : 50~10 : 10 Q1(19台→10台)
  10 : 20~10 : 30 Q2
12:00~12:35     ピットウォーク
14 : 15~15 : 00  スタート進行
15 : 00~16 : 20  第5戦レース2決勝(51Laps)





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