SUPER GT 2016 Round.5
SUPER GT第5戦富士 プレビュー
三連戦の第2弾は高速サーキットの富士!
5月に開催された第2戦に続き、夏休みで盛り上がる中、第5戦を迎える静岡・富士スピードウェイ。前回のSUGO戦から僅か2週間のインターバルで再び激戦が繰り広げられようとしている。SUGOでは、セーフティカーの導入、そして赤旗中断の末にレース終了というアクシデントやハプニングを生み出した「魔物」が今年も健在、波乱の展開となった。その余韻が残る中で迎える富士は今シーズン2度目の戦いではあるが、天候次第で厳しい夏の暑さを敵に回して戦わなければならない可能性もある。前回は500kmというセミ耐久スタイルだったが、今回は通常の300km。サーキットの特性を活かしてレースをリードするのは、果たしてどのチームなのか?
■レクサス勢はホームサーキットで戦う雪辱戦に
第2戦以降、富士ではタイヤメーカーテストが行なわれ、厳しいコンディションに対処するタイヤ作りが進められているだろうが、今シーズンの戦いを見れば、第1戦岡山、第2戦富士、そして前回の第4戦SUGOと全3戦(第3戦オートポリスは熊本地震の影響で中止に)において、なんと日産GT-Rが勝利し続けている。SUGOでは、No.6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組)がポールポジションを獲得、さらに上位陣に数多くのRCFが並んだが、決勝レースではライバルにトップの座を譲渡。表彰台は2、3位に甘んじた。それを考えれば、この富士は是が非でも優勝しなければならないところ。ところが、今季快進撃を続けるGT-R勢と異なり、RCFに思わぬなジンクスがあった。それが富士での未勝利である。
SUPER GTにRC Fがデビューしてから早や3年。しかし、この間にRC Fの富士勝利は一度もないのだ。速さがあることを考えれば、レクサス勢としてのボトムアップ、見直しも進歩し続けているはず。なのに、いざ決戦となると勝利が手からこぼれ落ちている。今回は搭載されるハンディウェイトの差によって、各チームの戦闘力に変化が見られるため、どちらかといえば、ウェイトが軽いチームがより優位に立てるはず。装着するタイヤにもよるだろうが、SUGOの決勝で目の覚める走りをしたことが記憶に新しいNo.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組)など、まずは予選で上位ポジションを狙っていきたいところだ。
■GT-R勢はRCFの躍進阻止なるか
ホームサーキットの富士でレクサス RCFが未勝利、という「七不思議」のようなものがある一方、快進撃続きなのが、日産GT-R勢といえるだろう。第1、第2戦こそNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が2連勝を飾ったが、第3戦は予選タイムアタックでQ1敗退。しかもアタック中にコースアウトするという思い掛けない幕引きに、他のGT-R勢も追随したかのように全車がQ2進出を果たせなかった。まさに「ニッサン・ショック」的ハプニングだったが、決勝では別のハプニングを味方につけたのは、ある1台のGT-Rだった。それが、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組)だ。路面コンディションにマッチしたタイヤ、そしてルーティンワークのピットインでは補給とドライバー交代だけに留め、タイヤは無交換でレースを敢行。ライバル勢を出し抜く戦略が見事にハマり、およそ1年ぶりに優勝を達成した。結果、シーズン開幕からGT-R勢は3連勝を実現。この富士では、まだウェイトが軽い他のGT-R勢が、新たな勝ち名乗りを上げようと目論んでいる。
さらにそれを実証するのが、富士におけるGT-R勢の活躍だ。これまでの戦いをたどると勝率が高く、今回はNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がその第一候補になるのではないか。前回第2戦では、トップを快走しつつもチェッカーを前にしてトラブル発生、涙を飲んだ。以降、上位での戦いが実現せず、現時点でのウェイトはGT-R勢最少の14kgに留まっているだけに、まっさきにリベンジを狙ってくることだろう。
■GT300は今度こそ、FIA GT3が躍進!?
パワーサーキットに区分される富士で、クルマのパフォーマンスを最大限引出せるのは、FIA GT3勢。単純に考えても強みを発揮できるのは、前回の富士戦で上位の成績を収めた車両を筆頭に、ハンディウェイトが少ないFIA GT3勢らの可能性が高い。一方で、ランキング上位にいるJAF GT勢は搭載ウェイトが重く、富士の特性をカバーする走りを期待するのは正直難しい。とはいえ、夏の一戦ゆえの突発的な“何か”が、筋書きのないドラマを生み出すかもしれない。いずれにせよ、シーズン後半に向けての流れを作り出す注目の一戦になるはずだ。
■主なタイムスケジュール
8月6日(土)
07:00 – 07:45 オープンピット
08:50 – 10:35 公式練習
08:50 – 10:15 : GT500 & GT300
10:15 – 10:25 : GT300
10:25 – 10:35 : GT500
10:45 – 11:00 サーキットサファリ
11:50 – 12:30 ピットウォーク
14:25 – 15:00 ノックアウト予選_Q1
14:25 – 14:40 : GT300
14:45 – 15:00 : GT500
15:10 – 15:42 ノックアウト予選_Q2
15:10 – 15:22 : GT300
15:30 – 15:42 : GT500
17:45 – 18:35 GTキッズウォーク
8月7日(日)
09:00 – 09:30 フリー走行
11:15 – 12:15 ピットウォーク
12:05 – 12:55 ウォームアップ走行、スタート進行
14:35 – 決勝レース(66Laps)
18:05 – 18:45 コースウォーク