SUPER GT 2014 Round.6 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2014 Round.6

2014年9月2日

SUPER GT第6戦鈴鹿、過酷な1000kmを制したのは、ポールスタートのNo.36 PETRONAS TOM’S RC F!


8月最後の日曜日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第6戦「43rd International Suzuka1000km」の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートを切ったNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が優勝。チームにとって待ちわびた今シーズン初優勝を飾ることになった。

 

例年ほどの暑さを感じないレースウィークとなった鈴鹿サーキット。日中は時折強い日差しが照りつけることもあったが、コース1コーナー側からほどよい風が吹き、気温も30度を超えることはなかった。

 

決勝日を迎えた鈴鹿は夏休み最後ということもあり、多くのレースファンで埋め尽くされた。前日の予選には2万5千人、そして決勝日には3万6千人がサーキットを訪れ、国内最速GTマシンによる熾烈なバトルを楽しんだようだ。なお今回の1000kmレースはシーズン最長の戦いであり、1周5.807kmの鈴鹿国際レーシングコースを173周する過酷な一戦でもある。まずは午前中にいつもと変わらぬ30分間のフリー走行があり、各チームとも本番に向けての最後の準備、確認を入念に行っている。

 

午後12時15分、グリッド上に整列したGT500の15台、GT300の24台、合計39台のモンスターマシンが三重県警の白バイとパトカーに先導されて、パレードラップに向う。その後、フォーメーションラップを経て、12時24分に戦いが始まる。クリアなスタートを決め、1コーナーへのホールショットを奪ったのは、ポールシッターのNo.36 PETRONAS TOM’S RC F。ステアリングを握るジェームス・ロシターは、順調に周回を重ね、着実に後続との差を広げていく。その一方で、後続車では予選8番手のNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTと同9番手のNo.1 ZENT CERUMO RC Fがダンロップコーナーで接触。100号車の小暮卓史がスピンアウト、最後尾へとポジションを落とすだけでなく破損したパーツの取り外しのためにピットインを余儀なくされた。

 

トップの36号車は順調な滑り出しを見せたものの、10周目、GT300の車両をラップダウンする際、130Rで行き場を失い、タイムロス。そこに2番手No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの塚越広大が詰め寄り、メインストレート手前で逆転に成功する。前回の富士戦では予選でNSX CONCEPT-GT初となるポールポジションを獲得、勢いに乗る塚越は、その後も着実に2位36号車との差を広げて行く。その一方で、後続車ではトラブルが続出。No.19 WedsSport ADVAN RC F、No.24 D’station ADVAN GT-Rはともに右フロントタイヤのバーストに見舞われ、緊急ピットイン。またNo.46 S Road MOLA GT-Rはエンジン関係のトラブルが発生。一旦ピットインするも、エンジンルームからの出火があり、その後のレースを断念することとなった。

 

今回のような長丁場の戦いでは、ルーティンピットのタイミングも戦略に大きな影響を与える。GT500の中で最初にルーティンワークとしてのピットインを行ったのは、No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT。スタートからまだ1時間も経たない時で、ライバルよりかなり早めのタイミングだった。実のところ、チームでは当初4ストップ/5スティントの予定だったが、スタートドライバーの山本尚貴がタイヤに異変を感じ、チームと無線でやりとりした末にピットインを敢行したのだ。実際にタイヤはスローパンクチャーを引き起こしていたが、早めのピットインで事なきを得ている。一方で、5ストップ/6スティントを予定していたチームもこの後、次々にピットイン。レースの5分の1を消化する頃には順調な立ち上がりとなったチームがほぼ1回目のピットインを済ませることになり、各チームの戦略がほぼ明らかになった。

 

そんな中、トップ争いをしていた2台は異なる戦略を採っていた。2番手だった36号車は29周終わりで、一方17号車は34周終わりでそれぞれピットイン。タイヤ交換、ガソリン補給、そしてドライバー交代とすべての作業を済ませて第2章の戦いへ突入したが、ピット作業の時間で36号車が17号車を上回った結果、17号車の金石年弘がコースへと復帰したときには、すでに36号車の中嶋一貴が背後に迫っており、S字で逆転に成功。その後は36号車の快進撃に勢いがつく。

 

だが、好事魔多しの言葉どおり、耐久レースならではのミスがトップを襲う。58周終わりで2度目のルーティンを行った36号車。ドライバー交代の際、ハーネスが絡まってしまってタイムロスを計上。1分4秒近い作業となり、この間隙を縫って17号車がトップを手にする。68周終わりで2度目のルーティンを迎える17号車はその後もトップをキープ可能かと思われたが、36号車はロスタイムを上回るそれまでの“貯金”を活かし、再びトップを奪取する。総体的な力強さを大いに見せつけた36号車は、その後2番手以降の車両を引離しにかかり、ほぼレース中間点にあたる87周終わりで3度目のルーティンを実施した。するとその同じ周、17号車は130Rをオーバースピードで進入、コースアウトの上に、右側のリアを大きく破損させるアクシデントに見舞われる。ピットアウトしたばかりの36号車に代わってトップに立つことは叶ったが、その翌周に緊急ピットイン。ダメージは大きく、そのままクルマはピット内へと収められ、その後、姿を現すことはなかった。

 

これで暫定トップに浮上したのは、No.23 MOTUL AUTECH GT-R。次第にペースアップを見せはじめた23号車は、36号車の最強のライバルとしてレースを牽引。116周終わりで4度目のルーティンを終えてコースに出てきたばかりの36号車・ロシターとひと足先にルーティンから復帰していた23号車松田との丁々発止は、レース後半の中でもひとつの見どころとなった。結果は、ロシターの粘り勝ち。これを境に2台の距離は少しずつ開きはじめ、残り20数周を迎える頃には、36号車は2位との差を40秒強つけて、盤石の態勢を作り上げることに成功。そのままノーミスを貫き、トップチェッカー! 今季待望の初勝利をポール・トゥ・フィニッシュで果たすことになった。2位の23号車に続き、3位に入ったのは、No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT。終盤、18号車の前を走るNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(石浦宏明/オリバー・ジャービス組)とNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ組)が立て続けにトラブル発生。序盤の出遅れを粘りと攻めで挽回した18号車が表彰台の最後のひとつを手にしている。

 

予選ではJAF GT車両がトップ3を独占したGT300。しかしながら、レースはまた異なるドラマが展開することになった。決勝ともなると、それぞれが思うほどペースアップできず、代わって黒船集団であるFIA GT車両が幅を利かせるようになる。中でも早い段階からペースアップに成功していたのが、No.60 TWS LM corsa BMW Z4(飯田章/吉本大樹/佐藤晋也組)。レース開始からおよそ2時間で2番手までポジションアップを果たしていた。

 

一方、ポールポジションからのスタートを切ったNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)は、なおもトップの座をキープ。後方から忍び寄る60号車の存在をつねに気にしつつ、ノーミスでの周回を重ね、緊迫したレース展開が長らく続いた。そして迎えた61周目。メインストレート上で55号車を捕らえた60号車がその先の1コーナーで逆転に成功。ついにトップに浮上する。だが抜かれた55号車も懸命の猛追。再び激しい攻防戦をも展開したが、徐々に60号車の底力がこれを上回り、2台の差がじわりじわりと広がっていった。

 

最後の最後までこの2台による駆け引きが続くかと思われたが、終盤、55号車が急激なペースダウンに見舞われ、攻防戦に終止符が打たれる。2台の差がうんと縮まったと思った矢先、エンジン系トラブルが発生。緊急ピットインで対処しようとしたが、ピットイン後は失火なども見られたため、チームでは出走を断念。まさかの幕引きだった。これで60号車はトップ安泰。2位に浮上したNo.31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男/嵯峨宏紀/中山雄一組)も満身創痍の状態のため、ペースアップは難しく、逆に3位に浮上したNo.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治/アウグスト・ファルフス組)の猛追をかわすのが精いっぱい。結果、60号車が逃げ切りに成功。チーム創設初年度に初勝利をあげることになった、2位の31号車は今季3度目の入賞で初表彰台を獲得。3位の7号車は、開幕戦2位以来の表彰台に上がっている。

■第6戦鈴鹿 決勝結果

・GT500
1.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)5:37’27.911 173L
2.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)+50.549
3.No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)+1Lap
4.No. 8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ組)+1Lap
5.No. 6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)+2Laps
6.No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)+2Laps

・GT300
1.No.60 TWS LM corsa BMW Z4(飯田章/吉本大樹/佐藤晋也組)5:39’21.300 160L
2.No.31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男/嵯峨宏紀/中山雄一組)+1Lap
3.No.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治/アウグスト・ファルフス組)+1Lap

 

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  • 2014年9月2日

    SUPER GT第6戦鈴鹿、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fが今季2度目のポール獲得!


    8月最後の週末、30日に三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第6戦「INTERNATIONAL SUZUKA1000km」の予選が行われた。そんな中、予選でトップタイムをマークしたのは、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fの中嶋一貴。タイムアタックでは、ライバルたちが時間ギリギリまでピットに待機しているのを尻目に、先行アタックを敢行。これが奏功し、1分48秒633のタイムでコースレコードを更新すると、このままポールポジションを手に入れた。中嶋が予選アタックでポールポジションを獲得するのは、今季第4戦SUGOに続いて2度目となる。

    S-GTでの真夏の三連戦のトリとなる今大会は、同時にシリーズ最長のレースとして、さらには日本を代表する名サーキット、鈴鹿の伝統レースとしても知られる。例年、ジリジリとした真夏の暑さの中で繰り広げられることが多い一戦だが、予選が行われた土曜日は、薄曇りの天気が先行する一日となった。

    午前中の公式練習で快調な走りを見せたのは、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。セッション序盤に非公式ながらコースレコードを上回るタイムをマーク、以後、決勝を見据えたロングランを入念に行うほどの余裕を見せた。さらに、前回の富士から上位争いに食い込むことになったHonda勢がこの鈴鹿でも力走。2番手から4番手を占領する好調ぶりだった。

    午後からのノックアウト予選。まずQ1でトップタイムを奪ったのは、No.46 S Road MOLA GT-Rの本山哲。チェッカーが出る間際に1分48秒629という最速ラップをマーク。今季チーム初のポールポジション目指して弾みをつけた。これに23号車の松田次生、No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの山本尚貴が続き、ミシュランタイヤを装着する3台がトップ3を占めることになる。

    そして迎えたQ2。気温、路面温度がQ1よりも下がる中、いわゆるタイヤのおいしいところをうまく合わせ込めてアタックを行いたいところ。このセッションで与えられた時間は12分。通常、5分ほど経過した段階でコースへ向うことがパターンになっているが、今回は1台のクルマが開始からほどなくして、ピットを離れた。それが36号車の中嶋だった。

    中嶋はやや控えめなペースでしっかりとタイヤに熱を加え、アタック開始。ライバルより早いタイミングでアタックに入り、1分48秒633という驚異のタイムでトップへと躍り出る。その後、ライバルたちも自己ベストタイムを次々と更新するが、中嶋のタイムには一歩及ばず。結果、36号車が今季2度目のポールポジションを獲得、2位にNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT、3位には23号車が続き、3メーカーがそれぞれ予選のトップ3を分け合った。

    一方、GT300では、Q1でNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人が最速タイムでトップにつけ、前回の覇者らしく勢いあるところをアピールした。だが、Q2では異なる展開が待ち受けた。終盤のフルアタックに入ると、コースレコード更新の嵐が吹き荒れることになり、その中でも1分59秒115という目も醒めるような数字が刻まれた。このタイムをマークしたのは、No.55 ARTA CR-Z GTの小林崇志。2位にNo.0 MUGEN CR-Z GT、3位にはNo,31 OGT Panasonic PRIUS。いわゆるJAF GT車両、しかもハイブリッドシステムを搭載する車両が上位を独占する結果となった。

    決勝は173周、1000kmにて実施されるが、新しい車両で迎える初の1000kmレース。予選での時点では気になる暑さもやや緩和されたものだったが、翌日の決勝ではどんな天候が待ち受けるのか。さらには繰り返し行うルーティンワークのピットインではどのような戦略を立ててくるのか…。まさにチーム総合力が試される長丁場の戦いになる。

    ■第6戦鈴鹿 予選結果

    ・GT500
    1.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)1’48.633
    2.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)1’48.846
    3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1’48.979
    4.No.46 S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝組)1’49.353
    5.No. 8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツイ/松浦孝亮組)1’49.403
    6.No.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)1’49.433

    ・GT300
    1.No.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)1’59.115
    2.No. 0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)1’59.639
    3.No.31 OGT Panasonic PRIUS(新田守男/嵯峨宏紀組)1’59.667



    2014年8月29日

    SUPER GT第6戦 鈴鹿サーキット プレビュー


    第4戦SUGO、第5戦富士、そして第6戦鈴鹿と、真夏の三連戦がいよいよ今週末、完結! 8月最後の週末となる30、31日に三重・鈴鹿サーキットでSUPER GT第6戦「インターナショナル鈴鹿1000km」が開催される。コース上に限らず、ときには不安定な天候と過酷な戦いに挑んできたSUPER GTの参戦チームおよびドライバーは、ついに秋からの終盤戦を前に大きなヤマ場を迎えることになる。ハードな戦いを終え、有終の美を飾る夜空の花火を気持ちよく観賞できるのは、果たしてどのチームになるのだろうか?

    ■暑さ不在の不順な天候に翻弄された真夏の戦い

    みちのく仙台、スポーツランドSUGOを皮切りに富士での戦いを済ませ、いざ鈴鹿へ! という思いはみな同じ。なにしろ、SUGOおよび富士では途中からひどい雨脚となり、SCランや赤旗中断という落ち着きのない展開になった経緯がある。それだけに三連戦の最後を締めくくる戦いは、1000kmという超長距離バトルをしっかりと味わいたいと思う。

    幸い、日本列島を長らく苦しめてきた雨の影響も避けられそうな気配。となれば、これまで見慣れてきた「伝統の1000kmレース」…つまり、とてもハードでドラマチックなシナリオが待ち受けているような気がしてならない。今年で43回目となる歴史あるレースは、果たしてどのような混戦が繰り広げられるのだろう。

    ■どこが速い? 性能調整の影響はいかに?

    レース途中、土砂降りの雨にほとんどのクルマが翻弄された前回の富士。レースを前に、GT500では性能調整、参加条件といった見直しが重なり、有利になったのがホンダ勢であったのは明らか。何しろ、レースではホンダのNSX CONCEPT-GTの17号車がポールポジションを獲得、さらに決勝レースでは18号車がトップを奪取、赤旗中断前までは後続車に大量のリードを築く好走を見せ、レース再開後も全力で戦い抜いた末に待望の優勝を果たすことになった。確かに、豹変し続けた天候の中での結果のため、真の実力を見極めるには時期尚早になるのかもしれない。だが今回は天候次第で各チームの底力がハッキリと見えてくるはず。各車両の性能を調整し、できる限りイコールコンディションの下で戦うことを信条とするSUPER GTだからこそ、つねにガチンコバトルを期待することができるというわけだ。果たして、ホンダ勢が前回に続いてまたも上位を席巻するのかどうか。大いに注目できる。

    一方で、シリーズとしてはシーズン中盤を過ぎているため、チャンピオン争いも気になる点であることは言わずもがな。なにしろ、1000kmと他のラウンドよりも遥かに長い距離を走るハードな戦いだけに、その結果に与えられるポイントもしっかりボーナスがついてくる。ガッツリとポイントを獲得することが、これからの終盤戦に向けて大きなアドバンテージとなることは当然のこと。しかも、これまで採用されてきたウェイトハンディの計算方式が変わるのが、この鈴鹿の次戦から。鈴鹿で大量得点をあげても、その先で搭載するハンディ分のウェイトは結果的に軽減されるというわけ。つまり、しっかりポイントを貯めるために大変有効なのが、この鈴鹿の戦いなのだ。

    逆に、これまで優勝を含む、上位の成績を着実に残してきているチームにとっては、ある意味地味なレースを強いられる可能性も高い。しかし考えようによっては、すでに搭載されているハンディウェイト、さらには燃料リストリクターの調整など、いわば様々な「足かせ」があるとはいえ、1000kmの長丁場をキチンと走っていれば、チームが理想とするレース展開、そしてポイント獲得も夢ではない。つまり、“賢い”レースができるか否かで、シリーズタイトルに大きな影響が出てくると思われる。

    ■GT300はしぶとく走るが勝ち!?

    混戦模様がGT500以上に続くGT300。現在のポイントランキングトップを行くのは、No.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)。惜しむらくは今シーズンの最高位が2位どまりで、未だ優勝を果たしていないという点。平均的なポテンシャルの高さはお墨付きの11号車だが、一方で速さであったり、タイヤとのコンビネーションによるパフォーマンスに圧倒的な強さが今ひとつ足りないのが現状でもある。だが、ご存知SUPER GTは総合力で秀でたものがチャンピオンに近いとされるため、この地道な努力こそが、今の11号車のランキングトップを支えていることも事実なのだ。

    一方で、速さや強さをインパクトあるパフォーマンスで披露しているのが、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)の国産JAF車両なのかもしれない。富士ではうまい戦略でレース運びをコントロール、優勝を果たしている。さらに、もともと鈴鹿とは相性が良く、今回もまずはポールポジション獲得を強く意識している。

    そんな表彰台の常連組に対して秘かに闘志を燃やしている代表格として挙げられるのは、No.3 B-MAX NDDP GT-R(星野/ルーカス・オルドネス/ウォルフガング・ライプ組)あたりか。オルドネス、ラプのふたりは日産/ニスモのGTアカデミーでレース参戦のチャンスを掴んだ二人だが、すでにル・マン24Hへの挑戦など、耐久レースでのキャリアも十分。日本で初レースを迎えるライプを含め、3人の総力戦が充実したものになれば、今季初めてとなる表彰台も夢ではないだろう。

    なお、レースウィーク中は、これからのGT300で採用が期待されているGT300クラス向けマザーシャシーがお披露目されることになっている。今後はFIA GT3車両、JAF-GT300車両に加え、第3のシャシーは、ピットウォークなどで一般来場者向けにお披露目もあるので、ぜひ細かくチェックしてもらいたい。

     

    ■主なタイムスケジュール

    8月30日(土)
    08:05 – 08:45 オープンピット
    09:40 – 11:40 公式練習
    09:40 – 11:20 : GT500 & GT300
    11:20 – 11:30 : GT300
    11:30 – 11:40 : GT500
    12:40 – 13:40 ピットウォーク
    14:00 – 14:30 ノックアウト予選_Q1
    14:00 – 14:15 : GT300
    14:15 – 14:30 : GT500
    14:40 – 15:12 ノックアウト予選_Q2
    14:40 – 14:52 : GT300
    15:00 – 15:12 : GT500
    17:30 – 18:10 GTキッズウォーク
    18:45 – 19:45 前夜祭

    8月31日(日)
    08:30 – 09:00 フリー走行
    09:10 – 09:25 サーキットサファリ
    09:40 – 10:35 ピットウォーク
    12:15 -     決勝 173Laps

     





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