SUPER GT 2013 Round1
SUPER GT第1戦岡山、終盤に手に汗握るバトルを制したNo.100 RAYBRIG HSV-010が待望の勝利!
4月7日、岡山県・岡山国際サーキットにおいて、SUPER GT第1戦決勝レースが行われた。
前日の春の嵐が去り、時折日差しが照る一方で、冷たい風が吹いたり、バラバラと雨が降ったりと、やや不安定なレースデーとなった。そんな中、朝のフリー走行では各車が慌ただしくドライコンディションのセットアップを行い、午後からの決勝レースに向けて準備を進めた。
午後2時、レースがスタート。ポールポジションスタートのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが、不安定な天候でミシュランタイヤの強みを見せてあっという間に後続との差を広げていく。だが、その後方ではNo.17 KEIHIN HSV-010を筆頭に、No.18 ウイダー モデューロ HSV-010、No.100 RAYBRIG HSV-010のホンダ勢が好走。上位に台頭した。
レース後半に入り、ドライバー交代後もトップ23号車の快走は止まらない。しかし、一方で後続車もトップとの差を最小限に食い留め、独走を阻止、終盤に向けてチャンス到来を待った。実際、後続ではそれぞれつば迫り合いをする中で、全体的にタイムアップを見せたことから、次第にトップとの差が縮まるという相乗効果が現れる。チェッカーまで20周を切った時点で、トップ23号車と2番手を走る18号車との差は3秒弱。さらに、後半に入って18号車は100号車や17号車からの猛追を受け、ペースアップ。トップ争いが俄然面白くなってきた。
そんな中、今季SUPER GTにデビューを果たした18号車のマコヴィッキィ選手がアトウットカーブで痛恨のスピン。くるりと1回転してレースには復帰したものの、表彰台争いからはこぼれ落ちてしまう。すると、100号車と17号車は競りながら、トップ23号車をも巻き込む勢いを見せ、レースは三つ巴による優勝争いへと変化した。この時点で、23号車は思うようにペースを上げることができず、後続2台の勢いを前に粘り負け。激しいバトルの末に、3位へと陥落してしまった。
そして最後は100号車と17号車の一騎打ち。際どいサイド・バイ・サイドを繰り返し、GT300の周回遅れをうまく味方につけた100号車が僅差で逃げ切りに成功。チームとしては2006年以来の勝利を果たすことになった。
一方、GT300では、ポールからスタートしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがペースアップできずに後退する中で、No. 3 S Road NDDP GT-RやNo.11 GAINER DIXCEL SLSがコンスタントに速いラップタイムを刻み続けた。のちに3号車は他車との接触で足回りを破損、リタイヤに追い込まれたが、11号車は新車、メルセデスSLSを巧みに操り、盤石のレース運びを披露、そのままトップチェッカーを受け、チームとして昨年に続き、開幕戦を制する好成績を残した。
■第1戦岡山 決勝結果
・GT500
1.No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史組)1H58’48.911 81L
2.No.17 KEIHIN HSV-010(塚越広大/金石年弘組)+0.555
3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)+4.903
4.No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)+11.534
5.No.18 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)+12.612
6.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)+50.496
・GT300
1.No.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)1H59’57.178 77L
2.No. 4 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也組)+11.036
3.No.87 TL ランボルギーニ GT3(山内英輝/吉本大樹組)+1L


SUPER GT第1戦岡山、雨の中でNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rがポール獲得!
4月6日、岡山県・岡山国際サーキットにおいて、今シーズンのSUPER GTシリーズの開幕戦の予選が行われた。
天気予報で、週末は荒れ模様の天候になるという報道が出ていたにも関わらず、朝の公式車検の時点から多くのレースファンがサーキットに集まり、開幕戦ならではの賑わいを見せるも、午前中の走行セッションから懸念された雨が降り出した。
午後の予選に入ると、雨脚が強くなり、レインタイヤでのアタックが始まる。今シーズン、予選は全サーキットでノックアウト方式が採用され、しかもアタックはQ1とQ2の2回に。限られたセッション、時間の中で緊迫した行われたが、不安定なコンディションが影響し、何度も赤旗が出て、アタックが中断する結果となった。
中でもGT500は、No. 1 REITO MOLA GT-Rに乗るルーキーの関口雄飛が時折トップタイムをマークする大活躍を見せたものの、痛恨のコースアウト。すべてを台無しにしてしまう。一方、1号車とトップタイム競争を展開していたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの柳田真孝選手は、経験値の高さをしかとアピール。慌てることなく暫定トップの座をさらった。
その後、GT300のQ2をはさみ、GT500のQ2が行われる予定だったが、雨脚は強くなる一方。審議の末、Q2はキャンセルされてQ1の結果がそのまま開幕戦の予選結果として採用されることになった。
これにより、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rがポールポジションを獲得。2位にはダンロップタイヤを装着するNo.32 Epson HSV-010、そして3番手にNo.24 D’Station ADVAN SC430が続き、BS勢以外のタイヤメーカーがトップ3を独占することになった。
一方、GT300も予選で赤旗が幾度となく提示される荒れた展開になった。その中でパワフルな走りを見せたのが、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの佐々木孝太。Q2では、強くなる雨脚に今季から装着することになったミシュランタイヤを上手く合わせ込み、大幅なタイムアップに成功! BRZに初めてのPPをプレゼントするという偉業を達成した。
■第1戦岡山戦 予選結果
・GT500
1.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/R・クインタレッリ組)1’35.373
2.No.32 Epson HSV-010(道上龍/中嶋大祐組)1’35.997
3.No.24 D’ station ADVAN GT-R(安田裕信/M・クルム組) 1’36.490
4.No.19 WedsSport ADVAN SC430(荒聖治/A・クート組) 1’36.600
5.No.17 KEIHIN HSV-010(塚越広大/金石年弘組)1’36.640
6.No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史組)1’36.784
・GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太組)1’49.544
2.No. 3 S Road NDDP GT-R(星野一樹/佐々木大樹組)1’46.360
3.No.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/B・ビルドハイム組)1’45.465


SUPER GT第1戦岡山プレビュー「2013年シーズン開幕! 初戦から激しいバトル必至の戦いを見逃すな!」
長い長いオフシーズンを経て、
■最初の第一歩が、シーズンの行方を左右する!?
ショートコースながらテクニカルコースとして知られる岡山国際サーキット。3月中旬に2日間にわたって行われたS-GT公式テストでは好天気に見まわれ、申し分のないサーキット日和となったが、開幕戦が行われる今週末は、天気予報によると何やら荒れ模様の様子。春の嵐になるとも言われているが、果たしてそんな悪条件のなかでどのような戦いを繰り広げることになるのか、不確定要素も多くなりそうなオープニングイベントは、場合によってはひと波乱あるやもしれない。
とはいえ、各チーム、とりわけGT500のトップチームにおいては、昨年のオフシーズン早々から精力的に走り込みを行い、綿密なデータ集取に努めてきた。ありとあらゆる条件下でも速さをキープできる強さが求められる近年のS-GTを戦い抜くのが当然となってきているため、その底力を披露する絶好のチャンスになる可能性もある。いずれにせよ、初戦で各チーム、クルマのポテンシャルを垣間見ることができるであろう。
さて、今季のGT500。メーカーはそのままで、チーム間でドライバーのシャッフルが目立ったのは記憶に新しい。中でも、長らくNISMOのエースであり続けたベテランの本山哲がモーラへと電撃移籍。昨季、柳田真孝とR.クインタレッリを擁して2年連続チャンピオンに輝いたチームへの新加入は、環境として申し分がない一方で、ゼッケン1を背負うプレッシャーが伴う。さらに、コンビを組むのは、GT500へとステップアップした新人、関口雄飛。破天荒かつアグレッシブなキャラクターとして知られる関口を本山がいかに調教するのか、それも見どころのひとつ。また、ミシュランタイヤをどうコントロールするのか、そのお手並み拝見、というところだろう。一方、柳田&クインタレッリのチャンピオンコンビは、日産のワークス・チームであるニスモへと移籍。テッパンのコンビがニスモでいかに底力を余すことなく発揮するのか。チャンピオンを渇望するニスモに栄冠をもたらし、かつ自分たちは3連覇を目論むという大きなチャレンジへと立ち向かう。
ドライバーの移籍を話題にするのであれば、ホンダも負けてはいない。なんと、韋駄天・小暮卓史がホンダのワークス・チームともいえる童夢を離れ、チーム国光へと移籍。若手で勢いある伊沢拓也とコンビを組む。これでチームはダブル・エースを抱える形となるため、ホンダのチャンピオン候補ナンバーワンになること、間違いなしだ。一方、小暮が抜けた童夢には、入れ替わるように山本尚貴が加入。フランス人ドライバーのF.マコヴィッキィが日本初レースとなる上に、チームは初めてミシュランタイヤを装着する。そのため、総合力は未知数ではあるが、ブレークしたときの大化けぶりに期待が集まる。いずれにせよ、ホンダは、HSV-010ラストイヤーとなるだけに、何がなんでもタイトル獲得! という強い気持ちでシーズンに挑むことになる。
一方、SC430を駆るレクサス勢は大きな動きがないように見えるものの、こちらも様々な変化が。ミシュランタイヤを装着してきたサードはブリヂストンへとスイッチ。長年BSのタイヤ開発を担当し、去年はミシュランを乗りこなしてきたベテランの脇阪寿一が、チームにどのようなフィードバックを与えるのか。こちらも楽しみのひとつとなるだろう。一方、チャンピオンに一番近いチームとされるセルモは立川祐路と平手晃平のコンビを継続。取りこぼしのない戦いをすれば、タイトル獲得も夢ではない。
岡山での公式テストでは、SC430の速さが目立った。確かに、昨シーズンの開幕戦ではSC430が勝利しているだけに、今年も初戦ウィナーの座を目指していることは間違いない。初戦を制して、シーズンの流れに乗ることは、どのチームにとっても大事なだけに、ガチンコ勝負に拍車がかかりそうだ。
■GT300は今季も百花繚乱の車輌が勢揃い!
岡山の公式テストで圧倒的な速さを見せていたGT300の車輌は、ディフェンディングチャンピオンとなるタイサンポルシェ。横溝直輝と峰尾恭輔のコンビは不変で、万全の布陣をとって2連覇を目指す。先のテストは、クルマのシェイクダウンを兼ねていたというが、それでもその速さはダントツ! セットアップなどでやるべきことはまだたくさんある、というドライバーのコメントを考えれば、シーズン中にさらなる強さと速さを身につけてきそうな勢いがある。いずれにせよ、今季もチャンピオンコンビから目を離すことはできない。
とはいえ、ライバルたちも黙って見ているわけではない。確かに、今季2013年型のポルシェを投入したチャンピオンチームには一目置くことにはなるだろう。だが、GT-Rをはじめ、BMWやベンツSLS、そしてマクラーレンMP4-12Cなど、ハイポテンシャルのFIA GT車輌がぞろぞろと手ぐすねを引いて待っていることも事実。さらには、確実なレース運びに定評があったJAF GT車輌の存在も忘れてはならない。勝利こそ逃したが、表彰台に上がった経験値をさらに活かし、今季は優勝を目論んでいるはず。プリウスやCR-Zといったハイブリッド車も速さに加え、信頼感も大幅に向上しているだけに、GT300は今季も様々な車輌が入り乱れての激戦を楽しむことができそうだ
■主なタイムスケジュール
4月6日(土)
07:00 – 07:45 オープンピット
09:00 – 11:00 公式練習
09:00 – 10:40 : GT500 & GT300
10:40 – 10:50 : GT300
10:50 – 11:00 : GT500
12:10 – 13:10 ピットウォーク
14:00 – 14:30 ノックアウト予選_Q1
14:00 – 14:15 : GT300
14:15 – 14:30 : GT500
14:40 – 15:12 ノックアウト予選_Q2
14:40 – 14:52 : GT300
15:00 – 15:12 : GT500
16:40 – 17:25 キッズウォーク
4月7日(日)
09:15 – 09:45 フリー走行
09:55 – 10:15 サーキットサファリ
11:25 – 12:25 ピットウォーク
12:50 – 12:58 ウォームアップ
14:00 - 決勝 82Laps