SUPER GT 2013 Round4
スーパーGT 第4戦 SUGOサーキット GT500ギャラリー
スーパーGT 第4戦 SUGOサーキット GT300ギャラリー
SUPER GT第4戦SUGO、サバイバルレースを制したのはNo.8 ARTA HSV-010!
7月28日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて、「SUGO GT 300km RACE」の決勝イベントが行われ、予選6番手スタートのNo. 8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/松浦孝亮組)が終盤に起こった大波乱のレースをくぐり抜け、トップに浮上。チームとして3年ぶりとなる勝利を飾った。
決勝を前に夏の暑さが戻ったSUGO。序盤はポールポジションからスタートしたNo. 1 REITO MOLA GT-Rの関口雄飛が力強い走りを続け、トップをキープ。予選2位No.39 DENSO KOBELCO SC430の石浦宏明も緩急をついて攻め立てるが、まったく動じない。一方、その後方では同じく熾烈な3位争いが繰り広げられる。No.18 ウイダー モデューロ HSV-010の山本尚貴をNo.38 ZENT CERUMO SC430の平手晃平がサイド・バイ・サイドの勝負に出て3位に浮上。すべてが緊迫した状態でのバトルにサーキット全体がヒートアップしたかのようだった。
その後、レースはルーティンのピットインでまた新たなドラマが誕生する。見どころのひとつだったのは、トップ1号車と猛追する39号車の同時ピットイン。1号車の動きに合わせてピットインする作戦をとった39号車は、作業時間で1号車を上回り、ひと足早くコースへと向かうことに成功。逃げる39号車にはベテラン・脇阪寿一が、そして追う1号車もこれまた強者・本山哲がステアリングを握るという、GTレースファンにとってはたまらないシチュエーションの中でバトルが始まろうとしていた。ところが、そこに割って入る刺客が現れる。彼らより3周遅れでピットインした38号車の立川祐路だ。アウトラップで1号車の前に出た38号車は冷えたタイヤを見事にコントロールし、1号車の行く手を遮る。ギリギリの攻防戦はベテラン同士だからこそできるバトルだったが、残念ながら、今回は気持ちが走りを上回ったようで、結局2台は接触を起こし、タイヤバーストに見舞われた1号車がピットインを強いられた。
これにより、後方のプレッシャーから解放された39号車は逃げの一手。ところが、38号車に変わり、18号車が新たな敵としてプッシュを始める。さらには、レース3分の2を過ぎたころから再び雨がポツリポツリと落ちはじめ、しばし路面を濡らす。これでトップ39号車から3、4番手までが縦一列の並びとなり、レースはますます渾沌としたものになっていく。滑りやすいコース上でいかにミスなくバトルをするか、という限りなく難しい条件の中、周回を重ねていた各車両だったが、ついにレース終了11周前に悲劇が起こった。
ひと足先に38号車が39号車を逆転、依然39号車は前を追ったがその視界にGT300の車輌が入り、混戦の中、38号車と39号車が接触、コースアウトを招く。これで39号車がトップに踊り出たと思いきや、今度は真後ろに迫った18号車と100号車に飲み込まれるように挟み撃ちに遭う。だが、その両側にいた18号車と100号車がはげしく接触。バランスを崩した両車はクルマに大きなダメージを受け、18号車はその場でストップ、100号車においてはピットまでクルマを戻すもコース復帰はかなわず。終盤、速さで場内を沸かしたホンダ勢が呆気なく戦列を去った。だが、ドラマはこれで終わらない。足を傷めていた39号車のタイヤが外れ、緊急のピットイン。タイヤ交換を早急に済ませてコースに復帰するも、表彰台へのチャンスは喪失することになった。
レースはこれにより、No.37 KeePer TOM’S SC430の伊藤大輔とNo. 8 ARTA HSV-010の松浦孝亮との一騎打ちへ。勢いに勝った8号車がトップを奪うと、そのまま最後は逃げ切り。大きな金星を手にすることになった。2位の37号車も今季初の表彰台をゲット。3位に滑り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)は、予選11番手からしぶとく走り抜き、3位でチェッカー。開幕戦の岡山以来となる表彰台に上がった。
一方のGT300は、ポールスタートのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太組)がレース前半をリードしていたが、次第に予選2、3番手のCR-Z勢からの猛追を受けることに。その中で、一番安定した速さと粘り強さを披露したのが、予選2位のNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)。
後半に入ってもそのペースは落ちることなく、一時はポジション争いしたNo.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)との接近戦になったが、55号車が競り勝ち。前回のセパン戦に続き、シリーズ2勝目をあげた。
■第4戦菅生 決勝結果
・GT500
1.No. 8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/松浦孝亮組)81周 1:51’41.342
2.No.37 KeePer TOM’S SC430(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)+2.534
3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)+5.536
4.No.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)+1Lap
5.No.24 D’station ADVAN GT-R(安田裕信/ミハエル・クルム組)+1Lap
6.No. 6 ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也/国本雄資組)+1Lap
・GT300
1.No.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)77周 1:51’41.527
2.No.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)+8.958
3.No. 0 ENDLESS TAISAN PORSCHE(峰尾恭輔/横溝直輝組)+1’08.380

SUPER GT第4戦SUGO、ポールポジションはNo.1 REITO MOLA GT-Rの手に!
7月27日、宮城県・スポーツランドSUGOにおいて、SUPER GTシリーズ第4戦「SUGO GT300km RACE」の予選が行われた。朝から霧が深く立ち込め、公式練習中には視界不良によって何度もセッションが中断するなど、不安定な状況が長く続いた。一方、午後からの予選では天候が回復傾向になり、霧によるセッション中断も免れる。 そんな中、予選でのQ1、Q2ともにトップタイムをマークしたのは、No.1 REITO MOLA GT-R。Q1でルーキーの関口雄飛が最速タイムをマーク、改めて存在感をアピールする。これをいい意味でのプレッシャーへ変えたのが、Q2で出走した本山哲だった。本山は2位との差を約0.3秒広げ、コースレコードを更新。文句なしのポールポジション獲得を果たした。
一方、GT300ではNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太組)が今季3度目となるポールポジション獲得に成功。Q2アタッカーの佐々木もコースレコード更新に成功している。2位には前戦セパンで優勝したNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が続き、JAF GT車輌がフロントローを独占している。
■第4戦菅生 予選結果
・GT500
1.No. 1 REITO MOLA GT-R(本山 哲/関口雄飛組)1’14.660
2.No.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)1’14.932
3.No.18 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)1’14.944
4.No.17 KEIHIN HSV-010(塚越広大/金石年弘組)1’15.041
5.No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)1’15.125
6.No. 8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/松浦孝亮組)1’15.809
・GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太組)1’20.341
2.No.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)1’20.350
3.No.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)1’20.524


SUPER GT第4戦SUGOプレビュー
今シーズンの中盤戦を迎えるSUPER GT。年8戦で戦うシリーズ戦の第4戦目は、気になるシリーズタイトルの行方もよりいっそう明確化してくる頃。7月最終週の27-28日、みちのく仙台・スポーツランドSUGOでの一戦は、波乱含みの展開になるケースが多く、今回もまた想定外のシナリオが待ち受けているのだろうか。天候次第の不確定要素もあるだけに、期待も大きく膨らむ。
■前半の3戦は、勝ち星を分け合う展開
開幕戦岡山はHSV-010 GT、第2戦富士はSC430、そして前回の第3戦はGT-Rと見事なまでに3メーカーが勝ち星を分け合っている今シーズン。今回のSUGOで勝利すれば、ライバルに先んじてシーズン2勝目を果たすことになり、このあとの後半戦出うまくリズムに乗るチャンスも十分ある。
舞台となるSUGOは山間部にあるショートタイプのサーキット。メインストレート手前は登りのポイントで、その立ち上がりではこれまでも数多くのドラマが誕生し、記憶に残る戦いを繰り広げてきた。コンパクトなレイアウトながら、テクニカルなセクションがちりばめられている難コースでもある。1周が3.7km程度と短いため、決勝レースでは周回遅れが絡むのは必至。よりいっそうの注意を払いながら周回を重ねることが求められる。
ただでさえ混戦が予測されるSUGO戦だが、レースウィークの天気予報によると、必ずしも恵まれたコンディションとは言い難い。雨の戦いになることも予想される。そうなると、タイヤのパフォーマンスを含む総合力での戦いとなり、より優れたパッケージを手にしたチームが有利に立つのは当然のこと。レースで負けて勝負に勝つ、という展開になる可能性もある。強さを誰よりも発揮したチームがどこになるのか、300km先のチェッカードフラッグが降り降ろされる瞬間にその答が明らかになる。
■得手・不得手、相性の良し悪しが関係する!?
テクニカルコース、しかもショートサーキットという個性豊かなレイアウトだけに、いわゆる相性のいいクルマが勝利するというのが、かつての定石だった。だが最近はその傾向が弱くなっており、レース時のコンディションによって変化するケースも増えている。
その最たる例が、GT-R。かつてはSUGOとの相性が悪いとされ、初勝利は2009年と3メーカーの中で、もっとも長い時間を要した。だが、それ以降は、どちらかというと相性がいいサーキットになりつつある。ディフェンディングチャンピオンであるNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)の場合、真夏の暑さになると強いレースが披露できるだけに、そのチャンス到来を願っていることだろう。
一方、安定して強さを発揮しているのが、レクサス勢。速さ・強さをしっかりと証明できるコースとして位置づけされており、依然最有力候補であることには違いない。中でも、今季まだ勝ち星に恵まれていないNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)あたりがそろそろ表彰台の真ん中を狙ってきても不思議はない。
もちろん、ホンダ勢も黙ってはいない。セパンで好調の走りを見せつつも、あと一歩で表彰台に立てるチャンスを逃したNo.18 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)は、23号車同様、ミシュランタイヤのユーザー。同じように暑さが絡むタフな戦いともなれば、俄然有利になるだろう。
■GT300はやっぱりFIA GT3車両が優位!?
今シーズンはFIA GT3車輌に代わり、JAF GT車輌が台頭するGT300クラス。中でも目覚ましい活躍を見せるのが、ホンダのCR-Z GTやトヨタのプリウスなど、ハイブリッド車輌だ。さらに安定したスピードと強さを売りにするSUBARU BRZの活躍も気にかかる。だが、今シーズンのBRZは速さを見せつつも、車輌トラブルなどで成績に結びついてはいない。後半戦に向けての流れを再構築するためにも、このSUGOで確実な結果を手にしたいところだ。
先頃、鈴鹿サーキットでの公式テストを終え、万全の態勢でSUGOの戦いに挑む勇者たち。その活躍ぶりを見守りたい。
■主なタイムスケジュール
7月27日(土)
06:30 – ゲートオープン
07:00 – 08:00 オープンピット
08:45 – 10:45 公式練習
08:45 – 10:25 : GT500 & GT300
10:25 – 10:35 : GT300
10:35 – 10:45 : GT500
12:00 – 12:40 ピットウォーク
14:00 – 14:30 ノックアウト予選_Q1
14:00 – 14:15 : GT300
14:15 – 14:30 : GT500
14:40 – 15:12 ノックアウト予選_Q2
14:40 – 14:52 : GT300
15:00 – 15:12 : GT500
16:15 – 17:00 キッズウォーク
7月28日(日)
06:45 - ゲートオープン
09:00 – 09:30 フリー走行
11:25 – 12:10 ピットウォーク
12:50 – ウォームアップ
14:00 - 決勝 81Laps