SUPER GT 2023 Round.3
第3戦鈴鹿、赤旗終了でWedsSport ADVAN GR Supraが暫定勝者に
早くもシーズン3戦目を迎えるSUPER GT。戦いの舞台となった三重・鈴鹿サーキットでの450kmの戦いは、チェッカーまで残り18周の時点で大クラッシュが発生したことを受けて赤旗終了に。その後、結果を巡って度重なる抗議が行なわれ、現在控訴を行なうと書面で表明があるため、現在はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が暫定優勝の扱いとなっている。
土曜日は冷たく強い風が容赦なく吹いていた鈴鹿。しかしながら、決勝日は風も収まり、朝から眩しい日差しが照りつける好天気となった。正午から決勝に向けた最終確認を行なうウォームアップ走行が行なわれ、その後のスタート進行を経て、午後1時30分に三重県警のパトカーおよび白バイが先導するパレードラップ、そしてフォーメーションラップへ。来場した2万2000人のファンが見守るなか、77周の戦いが幕を開けた。
決勝直後のコンディションは気温28度、路面温度41度と気温は前日より高いものの、路面温度はその後緩やかに下降。450kmをどうマネージメントしていくか、各チームによっての戦略が見ものとなった。ほぼ予選ポジションどおりのスタートとなり、比較的穏やかなオープニングラップではあったが、まずは予選4番手スタートのNo. 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が同3番手のNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)を猛追。7周目のシケイン進入で逆転を果たす。そんななか、7周目のヘアピンでGT300車両のタイヤが脱落。FCY(フルコースイエロー)が発動されたが、そのおよぼ2分後にはセーフティカーランへと切り替えられた。
メインストレート上でGT500、300のクラス分け作業が行なわれ、各車が作り上げた前後車両とのタイム差が事実上”消滅”。文字通り、レースは仕切り直しとなった。しかしながら、12周終わりにSCランが終わってレースが再開すると、ポールスタートのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が落ち着いたレース運びで2位以下を少しずつ離しにかかった。
真っ先に、1回目のルーティンワークを行なったのはNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)。ドライバー交代することなく給油とタイヤ交換のみ済ませてコースに復帰。これを境にして後続車も1台また1台とルーティンを消化する。一番最後にピットインしたのは、34周終わりのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zだった。1回目のピットインで給油、タイヤ交換に加えてドライバー交代の”フルサービス”を行なったのは、全15台のうち8台。チームによって二分された戦略が、その後どのような展開に関係していくのかも見どころのひとつとなった。
24号車のピットインをもって、トップに立ったのは19号車。ポールポジションスタートの36号車も19号車と同様に”フルサービス”を選択したが、タイミング等を味方に19号車が見事逆転を果たすことになった。19号車に次いで2番手に立ったのは1号車。ディフェンディングチャンピオンながらまだ今シーズンは表彰台に縁がなく、今回はそのチャンスが巡ってきたようで、2回目のルーティンピットは、アンダーカットを狙って42周終わりという早いタイミングでの敢行となった。対する19号車は46周終わりでピットイン。最初の作業でドライバーを交代していたことから、今回は給油とタイヤ交換のみでコースに復帰。ひと足先にコースに戻っていた”フルサービス”1号車の先行を阻止した。また、48周終わりでピットインした36号車はアウトラップでのペースが思うほど上がらず、19号車より先にコースに戻ったものの、コース上で先行を許してしまう。
レースは終盤へと向かうなか、2回目のピットインを終えていないのは、No. 3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)とNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)の2台。うち24号車が54周終わりで作業を完了。残すは3号車のみとなった。そんななか、59周目の130Rからシケインへと向かう車両3台によるアクシデントが発生する。
コースアウト側にいた23号車がポジション争い中のGT300の2台と並走、抜こうとした際に両サイドから挟み撃ちになった車両のフロントと23号車のリヤが絡み、姿勢が乱れた23号車は大クラッシュを喫し、これが原因でセーフティカーが導入されるもすぐさま赤旗が提示され、レースが一時中断した。23号車をドライブしていた松田次生は意識がある状態で救出され、その後ドクターヘリで病院へ搬送されたが、その後、命に別状はなく大きな外傷はないという報告がなされている。一方、クラッシュの影響で破損したタイヤバリア、ガードレールなどの設備の修復には相当な時間を要することから、競技継続による安全が保障されないため、レースはこれをもって終了となった。
58周終了時点の順位で結果が決まることから、一旦、この時点でトップを走行していた3号車が優勝扱いになったが、ルーティンである2回目ピットストップが未消化であったことから、この結果に対して全15チームのうち10チームから抗議が出された。また、大会審査委員会がこの抗議を正当と認めたことを受け、改めて暫定結果として3号車には60秒加算のペナルティが課され、4番手に。また、19号車が繰り上げの優勝を果たし、2位に36号車、3位には1号車が続く結果となった。その後、3号車からは改定された暫定結果に対して異議申し立てを行なったものの、大会審査委員会はこれを却下。なお、抗議裁定の結果を受け、同チームは控訴を行なうという意志を書面している。これにより、レース結果の取り扱いは控訴結果が確定するまで留保され、発表されたものはあくまでも暫定結果となる。
GT300では、開幕から思うようなパフォーマンスを見せることができていなかったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションを獲得し、”復活”。決勝でも勢いをキープし、後続を大きく引き離していく。一方、オープニングラップを終えて早々に3台がピットイン。2周終了時にも1台がピットに戻り、1回目のピット義務を消化した。
その中で5周目にピット作業を済ませたNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)がアウトラップで右リヤタイヤのナットが外れ、続いてタイヤが脱落。ヘアピンでクルマを止めたため、フルコースイエロー(FCY)が宣言された。しかし、その2分後にはセーフティカーランとなり、61号車が築き上げた後続とのマージンが水泡に帰すことになる。
12周終わりでリスタートを迎えると、61号車は再び後続に差をつける力走を披露。20周終わりでピットインし、給油とリアタイヤ2本の交換のみでドライバーはそのままにコース復帰を果たした。そんななか、スタートからほどなくしてピットインした車両のうち、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)とNo. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)のペースがよく、激しいポジション争いを展開する。26周目、前方車両に手を焼いていた52号車に対し、背後の2号車が迫って逆転に成功。2号車はその勢いのままに29周目にトップへ躍り出た。その2号車は38周終わりでピットイン。だが、コース復帰後の1コーナーで痛恨のオーバーランを喫し、オープニングラップでピットインを済ませたNo. 7 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)の逆転を許してしまう。
全車が2回目のピットインを終えた時点でトップは7号車、これに2号車が続き、3番手には52号車といずれもレース開始直後のピットイン組がトップ3を構成。終盤に向けて激しい攻防戦を展開するかに思われた。だが、GT500車両が59周目を終えようとするときに、シケイン手前でGT500車両とGT300車両2台の計3台による接触のアクシデントが発生。SC導入の提示直後に赤旗中断が提示された。その後、リスタートが難しい状況になったことを受け、レースは赤旗提示をもって終了することが決定し、GT300においては54周目終了時点のリザルトで順位が確定した。
結果、7号車が逃げ切り優勝を果たし、昨年の第3戦鈴鹿に続く連勝を飾っている。2号車は第2戦富士に続き2位に。3位に続いた52号車もまた第2戦と同じ3位でレースを終えている。
第3戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3
GT500(暫定結果)
1.No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)1H59’51.274 58Laps
2.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)+2.094
3.No. 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)+25.303
GT300
1.No. 7 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)1H59’31.713 54laps
2.No. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)+0.607
3.No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰) +1.383
第3戦鈴鹿、予選トップが車検不合格。ポールはau TOM’S GR Supraの手に
6月3日、三重・スピードウェイにおいてSUPER GT第3戦の予選が行なわれ、Q2でNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)がトップタイムをマークしたが、のちの再車検で不合格となり、2番手にいたNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が繰り上がり、シーズン初ポールポジションを手にしている。
搬入日となる金曜は台風2号の影響を受け、雨模様となった鈴鹿。時折激しい降雨に見舞われ、サポートレースの走行セッションがキャンセルされるほどだった。幸いにして東海地方は夜半のうちに雨も上がり、予選日となる土曜は薄曇りながらもコース上もほぼドライコンディションで朝の公式練習を迎えることができた。
気温23度、路面温度26度、さらに強い風が吹く中で始まった公式練習でトップタイムをマークしたのは24号車。初めて鈴鹿に持ち込んだ新しいスペックのタイヤがコースとのマッチングに優れていたとのことで、1分45秒474のタイムをマークする。一方、2番手につけたのは前回の富士大会で勝利した36号車。さらにNo. 8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)が3番手に続いた。なお、先のスーパーフォーミュラ第4戦オートポリス開催直前に肺気胸となり、レース参戦を取りやめていた野尻だが、およそ2週間ぶりのレースとして鈴鹿戦で復帰を果たしている。
午後に入っても冷たく強い風が吹き付けていたが、日差しが戻ってきたサーキットは気温も路面温度も上昇。それぞれ25度、40度を刻む中、ノックアウト予選が始まった。当初の予定より20分遅れの午後3時58分にスタートしたQ1。トップ通過を果たしたのは、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)。1分44秒366の好タイムを刻んだが、2番手につけた24号車とはわずか0.077秒差だった。また3番手にはNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、4番手にはNo.16 ARTA MUGEN NSX-GTが続き、3メーカーが上位を分け合う形となった。
続くQ2は午後4時36分にスタート。進出を果たした8台のうち、19号車と24号車は長くピットで待機し、残り5分を切った時点でコースへと向かう。チェッカーラップでのアタックが進む中、No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)がトップタイムを更新、続々と他車もチェッカーを受け、36号車が1分44秒585のタイムでトップを奪取する。一方、Q1トップタイムをマークしていた19号車だったが、アタック中にミスが重なり、トップタイムは更新できず。36号車の後方に沈んだ。そんな中、最後にチェッカーをくぐった24号車は1分44秒320をマーク。各セクターでトップタイムを刻む混信の走りでポールポジションを掴み取ったかと思われた。
しかしながら、予選後の車両検査で不合格の結果に。清拭結果表には車検不合格の理由として『GT500テクニカルレギュレーション1.6.1「ガスバック容量違反」』と表記され、24号車は最後尾から決勝スタートを迎えることになった。これにより、ポールポジションを手にしたのは36号車。シーズン初、そして坪井にとっても自身初のポール獲得でもあった。2番手に繰り上がったのは、19号車。さらに3番手に100号車が続く結果となっている。
GT300クラスでは、公式練習時から好調だったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が安定の速さを見せつけた。今シーズンは開幕からいい流れが構築できず、厳しい戦いが続き苦渋をなめてきただけに、Q2でのポールポジション獲得に期待が集まった。Q1ではNo.31 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗)がA組の、No.50 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫)がB組のトップタイムをマーク。Q2でのポールポジション争いを巡って各車がしのぎを削るパフォーマンスを見せた。そんな中、Q2で圧巻の走りを見せたのが61号車だった。Q1・A組は4番手通過だったが、Q2でアタックを務めた山内がライバルを蹴散らす速さを披露し、1分55秒775の驚異的なタイムをマーク。2番手につけたNo.11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)に対して、0.320秒という大差をつけた。61号車のポールポジション獲得は昨シーズン第7戦オートポリス以来、今シーズン初となる。また、山内にとっては自身通算13回目となり、歴代最多タイ記録になっている。2位11号車に続き、3番手はNo.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)。GTA-GT300規定車両が上位を占める結果だった。
第3戦鈴鹿 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)1’44.585
2.No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)1’44.679
3.No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)1’44.763
GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)1’55.775
2.No.11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)1’56.095
3.No.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)1’56.454
SUPER GT第3戦鈴鹿 プレビュー
450kmの鈴鹿戦、シーズン序盤を締めくくる一戦に
全8戦で開催されるSUPER GT。今シーズンはうち5大会が450kmレースでの戦いとなる。すでに前回の第2戦富士で最初の450kmレースが行なわれたが、今大会の鈴鹿も450kmの一戦。本格的な夏を前にした季節だが、天候によっては難しい戦略、知略を活用することが求められる戦いになりそうだ。
鈴鹿を得意とする日産勢が”来る”!?
近年、鈴鹿をもっとも得意とするメーカーはどこか? それは日産。2020年第3戦と第6戦、さらに2021年第3戦でワークスチームである23号車のGT-Rが鈴鹿3連勝を果たし、Nissan Z GT500が新たに投入された昨シーズンでも第3戦で3号車、第5戦で12号車の日産系チームが勝利。つまり、2020年以降は負けなしの状態が続いている。GT-RでもZであっても、鈴鹿との相性は問題ないようだ。当然ながら、今シーズンも2大会ある鈴鹿での戦いで連勝を狙っているのは言うまでもない。
一方で、気になるのがクルマのパフォーマンスをいかに引き出せるか、各車における”現状のコンディション”であろう。No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、開幕戦の岡山で勝利。No.3 Niterra MOTUL Z:千代勝正/高星明誠)も2位に続き、現在ランキングで1−2番手につける。つまり、最重量とその次に重いウェイトを搭載するチームに該当するため、正直レースでの優勝の実現は、相当ハードルが高い。もちろん、チェッカーを受けるまでどのようなドラマが待ち受けるかわからないのがレースだが、順当にレースが進んだ場合は、ライバルの台頭を許すことになると考えられる。
そこで白羽の矢が立つ車両が2台。今シーズン、いいパフォーマンスを見せながらもミスやアクシデントで結果を残せていないNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)、そして”なぜか”速さに精彩を欠いて苦しむディフェンディングチャンピオンのNo.1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)にとっては、悪い流れを断ち切る絶好のチャンスになるはず。シーズン序盤最後の一戦は、彼ら2チームにとってはいつになく重要なレースウィークになることだろう。
サマーブレイクを前にした一戦
第3戦鈴鹿でシーズン序盤が終わると、第4戦開催まで与えられた時間はおよそ2ヶ月。SUPER GTにおけるサマーブレイクと言えよう。開幕戦以降、慌ただしくレースに挑み、都度データ解析とレース戦略の準備に明け暮れたチームにとっては、ようやくひと息つける時間が巡ってくる。とはいえ、文字通りの”お休み”ではなく、この先じっくりとシーズン中盤戦以降をどう戦っていくか、様々な角度から検証を進め、次なる準備に取り組む時間に充てることができるという意味での”ブレイク”になる。そのためにも、この鈴鹿で納得いく結果を残し、次の準備へと駒を進めることが理想だけに、是が非でも好成績を狙うチームが多いはずだ。開幕以降、あと一歩で優勝もしくは表彰台を逃しているチームは尚更だろう。
中でもリベンジのような気持ちで鈴鹿に挑むのは、ホンダ勢ではないだろうか。No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)は第2戦でポールポジションを手にしたが、レースではコース上のアクシデント発生時にピットインを選択したことで、当初の戦略を変更せざるを得ない状況となり、最終的には2位に甘んじた。勝てるチャンスが手からこぼれ落ちた悔しさをバネに鈴鹿では”忘れ物”を取りに来るはずだ。加えて、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)も同じく今シーズン初優勝を狙う一台。着実にステップアップを果たしているが、昨年の鈴鹿戦は2戦とも2位となっているだけに、より鈴鹿との相性も良さそうだ。果たして、ホンダ勢で最初に勝ち名乗りを上げることができるだろうか。見どころのひとつと言えよう。
日産勢、ホンダ勢だけでなく、もちろんトヨタ勢も黙ってはいない。若干鈴鹿には苦手意識はあるものの、昨シーズンの鈴鹿戦では、2回ともトヨタ勢が3位入賞を果たしている。サクセスウェイト等諸条件でより優位なポジションに立つチームが台頭してくることだろう。
GT300クラス、FIA GT3が強さをアピールするか?
昨シーズンの鈴鹿では、FIA-GT3車両がそれぞれの戦いで勝利したが、今年もその流れは変わらないと思われる。SUPER GTドライバーとしてのキャリアが抱負で、かつチームも巧みな戦略で攻め入る。チームやドライバーの実力に加え、レースの展開をも味方にして組み立てる知略が強い味方となりそうだ。一方、マザーシャシー含め、GT300規定車両の躍進も見逃せない。展開次第でしっかり上位に食い込む実力派が多いため、目が離せない。
なお、この鈴鹿大会から導入予定だった新燃料だが、5月上旬の専有テストを経て、鈴鹿での使用が見送られた。ハルターマン・カーレス社製のカーボンニュートラルフューエル『GTA R100』だが、まだ一部の車両において導入のリスクが見られるようだ。すでにGT500クラスでは問題なく使用されているだけに、今後、GTAがどのように対応していくのかも気になるが、この先のシリーズ戦を見据えて着実にアプローチしていくことになるだろう。
残念ながら!? 5月29日の時点で、気象台から九州北部、四国、中国、近畿さらに東海地方が梅雨入りしたと見られるという発表があった。これは、各地で平年より1週間ほど早く、昨年比では2週間前後早い梅雨入りになるという。なかでも近畿、東海地方が5月中に梅雨入りするのは10年ぶりとのこと。現時点の週間天気予報でも鈴鹿サーキット周辺の天候はあまり良くない模様。初夏を感じさせる日差しはもとより、どの程度の雨が降るのか。新しい規定に基づくウェットタイヤの使用本数のことも気になりつつ、どのようなドラマが待ち受けるのか。しっかりと見届けたい。
主なスケジュール
SUZUKA GT 450km RACE
6月3日(土)
09:10〜10:35 公式練習(GT300+GT500)
10:35〜10:45 公式練習(GT300専有)
10:45〜10:55 公式練習(GT500専有)
11:05〜11:25 FCYテスト
11:35〜11:50 サーキットサファリ
12:45〜13:30 ピットウォーク
15:05〜15:15 公式予選Q1 GT300 A組
15:23〜15:33 公式予選Q1 GT300 B組
15:38〜15:48 公式予選Q1 GT500
15:58〜16:08 公式予選Q2 GT300
16:16〜16:26 公式予選Q2 GT500
17:50〜18:20 キッズウォーク
6月4日(日)
10:20〜10:35 ドライバーアピアランス
10:45〜11:30 ピットウォーク
12:00〜12:20 ウォームアップ
12:20〜13:30 スタート進行
13:30〜 決勝 450km RACE(77周)